
「今日の夕飯、何にしよう」を毎日考えるのは、地味に疲れます。この記事は、冷蔵庫の中をスマホで撮って、AIに1週間分の献立を立ててもらう手順を、写真の撮り方から、送る言葉、返ってきた献立の直し方まで、順番どおりに書いたものです。所要時間は、最初の1回が10分ほど。2回目からは3分で終わります。
先に結論を3つ書いておきます。ChatGPTでもGeminiでも、無料版でできます。ただし写真を送る回数には上限があるので、写真は1〜3枚にまとめます。AIは写真の中の「数」を数えるのが苦手なので、数と量は自分で文字で補うと、献立の精度が一気に上がります。そして、いきなり献立を頼まず、「まず食材を一覧にして」と二段階で頼むのがいちばんの近道です。
この記事の料金や上限は、ChatGPTは公式料金ページと公式ヘルプ、Geminiは公式プランページと公式ヘルプをもとにしています。どちらも変わることがあるので、課金の前には必ず公式ページで確認してください。
この方法でできること:無料で足りるか
写真を送って献立を考えてもらう、という使い方は、ChatGPTとGeminiのどちらでもできます。どちらも無料版で写真を送れますが、「1日に何枚まで」の考え方が違うので、先に整理しておきます。
ChatGPTとGemini、どちらで始めるか
すでにどちらかを使っているなら、それで構いません。これから入れるなら、次の表を見て決めてください。
| サービス | 無料版で写真を送る上限 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ChatGPT | 1日あたり3ファイル(公式ヘルプ) | もう使っている人。写真は1日1回にまとめられる人 |
| Gemini | 1回の送信に最大10ファイル(公式ヘルプ) | Androidの人、Googleアカウントで始めたい人 |
ChatGPTの公式ヘルプ「ファイルアップロードFAQ」には、「無料ユーザーは、1日あたり3個のファイルアップロードに制限されています。ピーク時間帯には、これらの制限を引き下げる場合があります」と書かれています。写真も1枚が1ファイルです。つまり、ChatGPTの無料版では、冷蔵庫の写真を1日3枚までと覚えておいてください。
Geminiの公式ヘルプ「ファイルをアップロードして分析する」には、「最大10個のファイルを同一のプロンプトにアップロードできます」とあり、無料版の制限として書かれているのは動画と音声の長さ(動画は合計5分、音声は合計10分まで)です。写真の枚数について無料版に明記された上限はありませんが、Geminiには使用量の上限があり、公式プランページには「プロンプトの複雑さ、使用する機能、チャットの長さなどによって決定される」と書かれています。写真を何十枚も送る使い方は想定しない方が安全です。
料金の考え方
有料プランは、どちらも「機能が増える」より「上限が広がる」性格のものです。金額だけ並べておきます。
- ChatGPT:無料版0円、Go 月1,400円、Plus 月3,000円。Goは無料版に対して「より多くのアップロード」ができるプラン
- Gemini:無料版0円、Google AI Plus 月725円(無料版の2倍の使用量上限)、Google AI Pro 月2,900円(無料版の4倍の使用量上限)
献立づくりに使うだけなら、写真は1日1回、多くても3枚です。無料版の上限の中に収まります。課金を考えるのは、写真を送るたびに「上限に達した」と出るようになってからで十分です。
写真1枚で足りる理由
「冷蔵庫の中を全部きれいに撮らないといけない」と思うと、それだけで面倒になります。でも、実は写真に頑張らせる必要はありません。理由は、AIの写真の読み取りには得意と苦手がはっきりあるからです。
ChatGPTの公式ヘルプ「画像入力FAQ」には、注意点としてこう書かれています。「画像内のオブジェクト数は概算で示される場合があります」。つまり、卵が何個あるか、豆腐が何丁あるかを写真から正確に数えるのは、AIの苦手なことです。加えて、「日本語や韓国語など、ラテン文字以外の文字を含む画像の処理では性能が低下します」ともあります。日本語のパッケージに書かれた商品名を読み取らせるのも、期待しすぎない方がよい部分です。
だから、写真は「何があるか」をざっくり伝える道具と割り切って、数と量、パッケージの中身は文字で補う。これが、写真1枚で足りる理由です。撮り直しに時間をかけるより、一言書き添える方が早くて正確です。
手順1:冷蔵庫の写真を撮る(コツは3つ)
ここからはスマホを持って冷蔵庫の前に立ってください。撮り方のコツは3つだけです。
コツ1:扉を開けて全体を1枚、必要なら野菜室と冷凍室で1枚ずつ
まず、冷蔵室の扉を全開にして、正面から全体が入るように1枚撮ります。手前に大きなものがあって奥が隠れるなら、それだけ少しずらします。野菜室と冷凍室も使いたい場合は、それぞれ引き出して上から1枚。合計で最大3枚です。ChatGPTの無料版は1日3ファイルなので、この3枚で1日分を使い切る計算になります。
暗くて見えないときは、スマホのライトをつけるより、キッチンの照明をつけて、扉の影が入らない位置から撮る方がきれいに写ります。ぶれた写真は、AIが読み取りを間違える原因になります。公式ヘルプにも、あいまいな画像や不鮮明な画像は「結果の精度は低くなる場合があります」とあります。
コツ2:ラベルは読めない前提で、中身を文字で書く
タッパーに入った残り物、パックのままの肉、袋に入った野菜。これらは写真から中身が分かりません。AIも同じです。写真を送るときに、次のように一行添えてください。
「写真に写っていない・分かりにくいものを補足します。右上の白い容器は昨日のカレー(2人分)、下の段のパックは豚こま肉300グラム、野菜室にじゃがいも4個と玉ねぎ2個があります。」
この一行があるだけで、献立の精度がまったく変わります。特に肉や魚は「何の肉が何グラム」が分かると、AIは分量まで正しく組み立てられます。
コツ3:写り込ませないもの
冷蔵庫の扉や周りには、意外と個人情報が貼ってあります。撮る前に、写真の枠に入っていないか一度見てください。
- 宅配の伝票、ネットスーパーの明細(氏名・住所・電話番号が印字されています)
- 処方薬、お薬手帳、病院の予約票(家族の健康情報です)
- 子どもの写真、園や学校からのお便り(名前や通園先が分かります)
- 冷蔵庫の扉に貼ったカレンダーやメモ(家族の予定、暗証番号のメモなど)
冷蔵庫の中だけを撮るつもりでも、扉を開けた瞬間に扉の内側や横の壁が写ります。撮ったあとに写真を一度見て、余計なものが入っていたら切り取ってから送る。この習慣を最初につけておいてください。
手順2:写真と一緒に「送る言葉」を送る
写真が撮れたら、AIに送ります。ここで大事なのは、いきなり「献立を考えて」と頼まないことです。まず「写真から読み取れた食材を一覧にして」と頼み、自分が確認してから献立に進む。この二段階が、失敗を減らすいちばんの方法です。
ChatGPTアプリでの送り方
- ChatGPTアプリを開き、新しいチャットを始める
- 入力欄の左にある「+」を押す
- 「写真とファイルを追加」から、撮った写真を選ぶ(その場で撮るなら「カメラ」)
- 写真が入力欄に付いたことを確認してから、下の「送る言葉」を貼り付けて送信する
公式ヘルプ「画像入力FAQ」には、「プロンプト領域の+アイコンをタップし、写真とファイルを追加を選択します」と書かれています。対応している画像はPNG、JPEG、アニメーションなしのGIFで、1枚あたり20MBまで。スマホで普通に撮った写真なら、この範囲に収まります。
Geminiアプリでの送り方
- Geminiアプリを開く
- 下の入力欄にある追加アイコン(+)を押す
- 「フォト」から撮った写真を選ぶ(その場で撮るなら「カメラ」)。写真は1回の送信に最大10枚まで
- 写真が付いたことを確認してから、下の「送る言葉」を貼り付けて送信する
Geminiの公式ヘルプには、「フォトアイコンをタップ」「新しい写真や動画を撮るにはカメラアイコンをタップ」と書かれています。項目が見当たらないときは、追加メニューを下にスクロールすると出てきます。
送る言葉(そのまま貼れます)
まず1通目。写真と一緒にこれを送ります。
「この写真から読み取れる食材を、名前と、写真から分かる範囲のおおよその量で一覧にしてください。分からないものは『不明』と書いてください。まだ献立は作らないでください。補足:右上の白い容器は昨日のカレー(2人分)、下の段のパックは豚こま肉300グラム、野菜室にじゃがいも4個と玉ねぎ2個があります。」
一覧が返ってきたら、間違いを直します。「トマトは1個じゃなくて3個です」「その黄色いのはレモンではなくゆずです」のように、普通の言葉で訂正してください。訂正が終わったら、2通目です。
「その食材で、今日から1週間分の夕飯の献立を作ってください。条件は、大人2人と小学生1人の3人分、平日は調理時間30分以内、揚げ物は週1回まで、辛いものは避ける、週の前半で傷みやすい野菜から使う、です。曜日ごとに、主菜と副菜、それぞれの材料と分量、手順を書いてください。足りない食材は最後にまとめてください。」
ここに入っている条件は、人数、時間、頻度、避けたいもの、使う順番の5つです。この5つを自分の家に合わせて書き換えるだけで、そのまま使えます。1本目の記事で書いた「人数、時間、数、避けたいこと」の型と同じ考え方です。
手順3:返ってきた献立を「使える形」にする
献立が返ってきたら、それで終わりではありません。返ってきた献立は「正解」ではなく「たたき台」です。ここから3往復ほどやり取りして、自分の家で本当に使える形にします。
買い足しリストを作らせる
献立の最後に「足りない食材」がまとまっています。これをそのまま買い物メモにするのは少し使いにくいので、もう一言頼みます。
「足りない食材だけを買い物リストにしてください。野菜、肉と魚、乳製品と卵、調味料、その他、の順に並べて、それぞれ数量を書いてください。」
スーパーの売り場の順番に並べておくと、店の中で行ったり来たりしなくて済みます。リストはスマホのメモにコピーするか、そのままチャット画面を見ながら買い物をしても構いません。
家族の好みで作り替える
献立の中に「うちの子はこれを食べない」というものが入っていたら、その曜日だけ直します。「水曜の主菜を、魚を使ったものに変えてください。他の曜日はそのままで」のように、変えたい曜日と方向だけを伝えると、全体を作り直さずに済みます。
「木曜は帰りが遅いので15分で作れるものにして」「土曜は子どもと一緒に作れるものにして」といった頼み方もできます。AIは条件を足すほど答えが具体的になるので、遠慮なく細かく伝えてください。
翌週に引き継ぐ
1週間が終わったら、残った食材を撮って、同じチャットの続きで「先週の献立と残った食材を踏まえて、来週の献立を作ってください。先週と同じ主菜は避けてください」と頼みます。同じチャットで続けると、AIは前の献立を覚えているので、似た献立の繰り返しを避けやすくなります。
ChatGPTの無料版は1日3ファイルの上限があるので、翌週の写真も1〜3枚にまとめます。写真を撮る余裕がない週は、「冷蔵庫に残っているのは、にんじん2本、豆腐1丁、鶏もも肉1枚です」と文字で送るだけでも、同じように献立を作ってくれます。
うまくいかないときの直し方
この方法を試した人がつまずきやすいところを3つまとめます。どれも、写真の撮り直しではなく、言葉の足し方で解決します。
食材を見落とす、ないものを挙げる
一覧に、写っていないはずの食材が入っていたり、あるはずのものが抜けていたりします。これはAIの写真読み取りの限界で、公式ヘルプにも「モデルは、特定の状況で誤った説明やキャプションを生成する場合があります」と書かれています。直し方は簡単で、一覧の段階で「それはありません」「これが抜けています」と伝えるだけです。献立に進んでから直すより、一覧の段階で直す方がずっと楽です。
奥のものが見えない、影で暗い、というときは、その部分だけ文字で補います。「奥に長ねぎ1本とピーマン3個があります」の一言で足ります。
「上限に達しました」と出た
ChatGPTの無料版で、同じ日に写真を4枚以上送ろうとすると出ます。ピーク時間帯には3枚より少なくなることもある、と公式ヘルプにあります。出てしまったら、残りは文字で送るのがいちばん早い対処です。「野菜室に、キャベツ半分、にんじん2本、きゅうり3本があります」と書けば、写真と同じように扱ってもらえます。翌日になれば、また写真を送れます。
同じような献立ばかりになる
何週か続けると、「また鶏の照り焼きか」となりがちです。頼むときに「先週の主菜は、鶏の照り焼き、豚の生姜焼き、鮭のムニエル、カレー、麻婆豆腐でした。これと被らないように」と、前の献立を貼ってください。同じチャットで続けていれば、AIが前の献立を参照できるので、「先週と被らないように」だけでも通じることが多いです。
気分を変えたいときは、「今週は和食中心で」「1日は麺の日にして」「野菜を多めに」のように、方向を一言添えます。条件を変えると、同じ食材でも別の献立が出てきます。
写真を撮る前に知っておくこと(入力してはいけないもの)
この使い方は便利ですが、写真は文字より多くの情報を運びます。撮る前と送る前に、3つだけ確認してください。
写真に写る個人情報
手順1のコツ3で書いたとおり、冷蔵庫の周りには宅配伝票、処方薬、子どもの写真、園からのお便りが集まりがちです。写真を送る前に、一度見て、余計なものが入っていたら切り取ります。1本目の記事で書いた「氏名、住所、番号、家族の情報は入れない」という線引きは、写真でも同じです。
なお、ChatGPTで送った写真をAIの学習に使わせたくない場合は、設定の「データコントロール」で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにしておきます。公式ヘルプ「画像入力FAQ」には、画像を含むコンテンツの扱いはテキストと同じ方針だと書かれています。設定の手順は、1本目の記事「ChatGPTをスマホで始める手順」にまとめてあります。
アレルギーと持病は、自分で最終確認する
「卵アレルギーあり」「塩分控えめ」と条件に書けば、AIはそれを踏まえた献立を作ってくれます。ただし、それで安全が保証されるわけではありません。調味料に含まれる原材料や、加工品の中身までAIは知りません。アレルギーや持病がある家族がいる場合は、AIの献立は「候補」として受け取り、材料の確認は自分で行ってください。医師や栄養士から指示がある場合は、そちらが優先です。
賞味期限と傷み具合は、AIに判断させない
写真から「この肉はまだ食べられますか」と聞きたくなりますが、これはやめてください。AIは写真から鮮度を正確に判断できません。公式ヘルプも、CTスキャンのような医療画像の解釈にはモデルが適していないと明記しており、専門的な判断を写真に頼るのは避けるべきです。「週の前半で傷みやすい野菜から使う」という条件をつけるのは構いませんが、食べられるかどうかは、自分の目と鼻で確かめる。ここはAIに任せない部分です。
まとめ
冷蔵庫の写真から1週間の献立を立ててもらう手順を、短くまとめます。
- 冷蔵室の全体を1枚、必要なら野菜室と冷凍室で1枚ずつ。合計3枚まで
- 撮った写真に伝票や薬、子どもの写真が写っていないか確認する
- 数と量、容器の中身は文字で補う(AIは数を数えるのが苦手)
- まず「食材を一覧にして」と頼み、間違いを直す
- 人数、時間、頻度、避けたいもの、使う順番の5条件をつけて「1週間の献立」を頼む
- 合わない曜日だけ直し、買い足しリストを売り場順に作らせる
- 翌週は残った食材の写真で、同じチャットの続きから頼む
ChatGPTの無料版は写真が1日3枚まで、Geminiは1回の送信に10枚まで。献立に使うだけなら、どちらも無料版で足ります。アレルギーと鮮度の判断だけは、AIに任せず自分で行ってください。
最後に、続けるための形を1つ。毎日の献立を全部任せようとすると、たいてい続きません。週に1回、冷蔵庫を撮るときだけ使ってください。買い物の前に撮れば、足りないものも一緒に出てきます。そして、返ってきた献立は全部使わなくてかまいません。3日分だけ採用して、残りは自分の気分で決める。この使い方なら負担になりません。写真を撮る前の注意だけ、毎回思い出してください。
よくある質問(FAQ)
写真を送るのに、有料プランは必要ですか?
必要ありません。ChatGPTの公式ヘルプには、画像入力は無料プランと有料プランで利用できると書かれています。Geminiも無料版で写真を送れます。上限に当たるのは、ChatGPTの無料版で1日に4枚以上送ろうとしたときです。
ChatGPTとGemini、献立づくりにはどちらが向いていますか?
どちらでも同じ手順で使えます。写真を1日に何枚も送りたいならGemini(1回の送信に最大10枚)、すでにChatGPTを使っていて1日1回にまとめられるならChatGPT、という選び方でよいと思います。献立の中身は、どちらも条件の書き方で決まります。
写真がなくても使えますか?
使えます。「冷蔵庫に、卵3個、豆腐1丁、豚こま肉300グラム、キャベツ半分があります」と文字で送れば、写真と同じように献立を作ってくれます。写真の上限に当たった日や、撮るのが面倒な日は、文字だけで十分です。
献立の栄養バランスは信用していいですか?
目安として受け取ってください。AIは一般的な知識で栄養の偏りを避けた献立を作れますが、家族の体調や持病までは知りません。「野菜を多めに」「塩分控えめに」といった条件をつけたうえで、気になる場合は栄養士など専門家に確認してください。
送った冷蔵庫の写真は、どこかに残りますか?
ChatGPTの公式ヘルプによると、アップロードしたファイルは対応するチャットの保存期間中、アカウントに保存され、チャットを削除すると30日以内に削除されます。学習に使われるのを避けたい場合は、設定の「データコントロール」で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにするか、一時チャットを使ってください。
子どもの給食の献立表を読み込ませて、かぶらない夕飯を作ることはできますか?
できます。献立表を写真で送り、「今週の給食と主菜がかぶらないように」と条件に足してください。ただし、公式ヘルプには日本語の文字を含む画像は読み取りの性能が下がると書かれているので、読み取り結果の一覧をまず出させて、間違いがないか確認してから献立に進んでください。
ChatGPTもGeminiも、無料で始められます
まだアプリを入れていない方は、1本目の記事「ChatGPTをスマホで始める手順」で、入れ方と最初の設定をまとめています。料金や上限は変わることがあるので、課金の前には公式ページで最新の内容を確認してください。Geminiの公式サイトは gemini.google です。