
何時に配信するのが正解なのか。何時間やればいいのか。調べると「21時がおすすめ」「最低2時間」といった答えが出てきますが、その通りにしても増えないことのほうが多いと思います。
理由は単純で、一般論のおすすめ時間帯は、配信者がいちばん多い時間帯でもあるからです。人が見ている時間に開くことと、自分が見つけてもらえることは、同じではありません。
この記事では、自分の生活・リスナーさんの生活・自分の配信データの3つから、続けられて見つけてもらえる枠を決める手順を書きます。長さの決め方と、寝落ち配信の扱い、枠を変えるときの手順まで含めます。
「おすすめの時間帯」が当てにならない理由
まず、なぜ一般論が効きにくいのかを整理します。ここが分かると、次の章からの作業に納得がいきます。
人が多い時間は、配信者も多い
夜の時間帯に見る人が多いのは事実です。ただ、それは誰もが知っていることなので、その時間に配信を開く人もいちばん多くなります。見る人が10倍になっても、配信が15倍あれば、1枠あたりに来る人は減ります。
とくに、始めたばかりでまだ固定の視聴者がいない時期は、この影響を強く受けます。混んでいる時間に埋もれるより、少し外れた時間で見つけてもらうほうが、最初の数人は作りやすいです。
ただし、外しすぎると今度は見る人自体がいません。だから、感覚で決めるのではなく、自分のデータで決めます。その方法が3章の話です。
決めるのは「時間帯」ではなく、まず「曜日」
順番にも注意が必要です。多くの方が、何時にやるかから考え始めます。ですが、先に決めるべきなのは曜日のほうです。
理由は、曜日のほうが生活に縛られるからです。仕事のある日とない日、家のことがある曜日、翌日が早い曜日。ここは動かせません。動かせないものから決めて、動かせるものを後に決める。逆にすると、決めた時間を守れなくなります。
曜日が決まると、選べる時間帯は自然に絞られます。その中から選ぶほうが、最初から時間を考えるよりずっと早く決まります。
実際にやってみると分かりますが、生活の予定を書き出した時点で、開けられる曜日は3つか4つしか残りません。そこから選ぶだけなので、迷う余地が少なくて済みます。選択肢が多いから決められないのであって、決断力の問題ではありません。
「正解の枠」は、続けられる枠のこと
もうひとつ、前提を変えておきます。いちばん人が来る枠が正解ではありません。半年後も同じ時間に開けている枠が正解です。
配信が定着するのは、リスナーさんが「この人はこの曜日のこの時間にいる」と覚えてからです。覚えてもらうには、その枠が続いている必要があります。最初の1か月だけ最適な時間より、半年続けられる時間のほうが、結果として強くなります。
これは、リスナーさん側の手間で考えると分かりやすいです。開いているか分からない枠は、自分から探しにいく必要があります。探す手間がある枠は、忙しくなった順に外されます。逆に、覚えてもらえた枠は予定に入ります。
だから、多少人が少ない時間でも、必ず開けられる時間のほうがいい。この前提で次の章に進んでください。
自分の生活から、続けられる枠を選ぶ
ここから実際に決めていきます。紙かメモを用意してください。10分で終わります。
①開けられない曜日を先に消す
まず、絶対に開けられない曜日を消します。仕事が遅い日、家族の予定がある日、翌日が早い日。ここで「頑張れば開けられる日」は残さないでください。頑張らないと開けられない日は、3か月後には開いていません。
残った曜日の中から、2日か3日を選びます。いきなり週5日にしないでください。増やすのは、続いてからでもできます。減らすより増やすほうが、リスナーさんにとってはうれしい変化です。
選ぶときは、曜日を離して置くのがおすすめです。火曜と金曜、水曜と土曜のように。連続した2日にすると、その週の残り5日が空くので、間隔が空きすぎます。間を空けるほど、次までが遠くなります。
また、毎週同じ曜日にしてください。隔週や不定期にすると、覚えてもらうまでの時間が一気に伸びます。週2回を毎週、が最初の形としていちばん扱いやすいです。
②開始時刻は「余裕がある時刻」にする
次に時刻です。ここでよくある失敗が、帰宅してすぐの時間に設定することです。帰ってすぐは、着替えも食事も済んでいません。少しでも遅れると、その日は焦ったまま始めることになります。
おすすめは、生活の用事が全部終わったあと、30分の余裕を置いた時刻です。余裕の30分があると、遅れた日でも間に合います。そして、間に合う日が続くことが、枠を守れることにつながります。
| 状況 | 避けたい設定 | おすすめ |
|---|---|---|
| 仕事のあと | 帰宅直後 | 用事の後+30分 |
| 家事がある | 家事の途中 | 全部終えたあと |
| 翌日が早い | 深夜に開始 | その曜日は外す |
| 休日 | 気分で決める | 平日と同じ時刻 |
③平日と休日は、同じ時刻にそろえる
休日は時間があるので、早めに始めたくなります。ですが、平日と休日で開始時刻を変えると、リスナーさんは2つの時間を覚えることになります。
覚えることが増えるほど、来る人は減ります。曜日は違ってもいいので、時刻はそろえてください。「火曜と土曜の21時」のほうが、「火曜21時・土曜19時」より定着します。どうしても休日に長くやりたい場合は、開始時刻は同じにして、終わりを延ばすほうにしてください。
自分にとっても、時刻がそろっているほうが楽です。準備のタイミングが毎回同じになるので、生活の中に組み込めます。曜日ごとに違う時間だと、毎回思い出す作業が発生します。
どうしても曜日によって都合が違う場合は、そもそもその曜日を候補から外してください。無理な時刻で入れた枠は、いちばん先に崩れます。
リスナーさんの生活から時間帯を選ぶ
自分の側で選べる候補が出たら、次は相手の側から見ます。ここで使うのは一般論ではなく、自分の配信のデータです。
自分のデータの取り方
やることは単純です。2週間、時間帯を変えて配信し、毎回3つだけ記録します。開始時刻、その日に来た初めての人の数、コメントをくれた人の数。これだけです。
たとえば、候補が20時・21時・22時なら、2週間で各3回ずつ試せます。同じ曜日でそろえられるとより正確ですが、そこまで厳密でなくて構いません。比べたいのは「どの時間に人が来やすいか」ではなく「どの時間に話せる人が来るか」です。
だから、見ている人の数ではなくコメントの数を記録します。見るだけの人が多い時間より、話してくれる人がいる時間のほうが、定着につながります。
記録の見方
| 結果 | 読み取り |
|---|---|
| 初見が多くコメント少 | 通りがかりが多い |
| 初見は少ないがコメント多 | 定着しやすい時間 |
| どちらも少ない | 候補から外す |
| どちらも多い | その枠に決める |
迷ったら、2行目の「初見は少ないがコメントが多い」を選んでください。最初に作るべきなのは、数ではなく、来たら話してくれる人との関係です。人数は、その関係ができてから増やせます。
記録は表でなくても構いません。スマホのメモに「9/14 21時 初見2 コメント5」と1行書くだけで足ります。配信が終わった直後に書いてください。翌日になると、数を思い出せなくなります。
2週間たったら、その行を並べて見比べます。見比べるだけで、どの時間がよかったかはだいたい分かります。細かく計算する必要はありません。
深夜帯を選ぶ場合の注意
深夜は、配信者が減るぶん見つけてもらいやすい時間帯です。話をじっくり聞いてくれる人も多い時間です。その意味では、選択肢として十分ありえます。
ただ、代償もあります。生活のリズムが崩れること、翌日に影響が出ること、そして長く続けにくいことです。仕事や学校がある生活と深夜配信を両立させるのは、短期間ならできても、半年続けるのは難しくなります。
選ぶ場合は、深夜にする曜日を絞ってください。週2回までにして、翌日が休みの日に置く。全部の枠を深夜にするのは避けたほうが安全です。
長さは90分を基準に決める
次に、1回あたりの長さです。ここも「長いほうがいい」と言われがちですが、条件があります。
なぜ90分を基準にするのか
90分をすすめる理由は3つあります。ひとつめは、話す側が集中を保てる長さであること。ふたつめは、見る側が「今日は最後まで見よう」と思える長さであること。そしてみっつめが、端末が熱を持ちにくい長さであることです。
2時間、3時間と続けると、後半は話が薄くなりがちです。薄い時間が長く続くと、その配信の印象は後半の薄さで決まります。濃い90分のほうが、薄い3時間より記憶に残ります。
もちろん、90分は絶対ではありません。60分でも成立しますし、盛り上がった日に延長するのも自由です。基準を1つ持っておくと、毎回の判断が楽になる、という意味です。
短い枠が不利にならない条件
短い枠でも十分にやっていけますが、2つ条件があります。1つは、その枠を必ず開けること。もう1つは、開始と終了の時刻を決めておくことです。
短くても時間が決まっていれば、リスナーさんは予定に入れられます。逆に、長くても毎回バラバラだと、予定に入れられません。長さより、予定に入れられるかどうかで決まります。
終了時刻を決めておくと、自分も楽になります。「今日はどこまでやろう」と考えなくて済むからです。終わりが見えていると、最後まで集中して話せます。
実際、短い枠のほうが有利に働く場面もあります。90分の枠なら「ちょっと見ていこう」と思ってもらいやすいですが、3時間の枠は、途中から入ることに気後れさせることがあります。短いことは、入りやすさでもあります。
長さより大事なのは「終わり方」
配信の印象は、終わり方でかなり決まります。だらだらと切るのではなく、毎回同じ形で終えてください。
終わりに言うことを決めておきます。今日来てくれたことへのお礼、今日話したことの一言、そして次にいつ開けるか。この3つです。とくに3つ目は必ず入れてください。次の予定が分かっている人は、また来られます。
順番も決めておくと迷いません。お礼、今日の一言、次の予定。最後が次の予定になるようにすると、最後に聞いた情報が「次はいつか」になります。人は最後に聞いたことをいちばん覚えています。
時間ぴったりに終われないこともあると思います。その場合でも、この3つだけは言ってから切ってください。急に切れた配信は、次につながりません。
寝落ち配信をどう扱うか
時間の話をすると必ず出てくるのが、寝落ち配信です。需要があるのは事実なので、扱い方を整理しておきます。
需要はあるが、通常の枠とは別のもの
眠る前に人の声を聞いていたい、という需要は確かにあります。長時間つながるので、結果として配信時間も伸びます。
ただ、これは通常の配信とはまったく別の企画だと考えてください。話して関係を作る枠ではなく、静かに流しておく枠です。同じ枠の中で混ぜると、話しに来た人と眠りに来た人が同居して、どちらにも向かない時間になります。
混ざると具体的に何が起きるかというと、話したい人が気をつかって黙り、眠りたい人はコメントの音で起きる、という状態になります。どちらの体験も中途半端になるので、結果としてどちらの層も定着しません。
分けるなら、枠のタイトルで区別してください。開く前から「今日はどちらか」が分かるようにしておけば、来る人が自分で選べます。
やるなら決めておくこと
取り入れるなら、次の3つを先に決めてください。
| 決めること | 目安 |
|---|---|
| やる曜日 | 翌日が休みの日だけ |
| 終了の時刻 | タイマーで自動終了 |
| 通常枠との区別 | 枠のタイトルで分ける |
とくに大事なのが2つ目です。自分が眠ってしまったあとも配信が続く状態は避けてください。意識のない時間の映像と音が流れ続けるのは、安全の面で大きな問題になります。終了のタイマーを必ず設定し、カメラを使わない形にするなど、映像の扱いも考えてください。
部屋の音も同じです。眠っている間に家族の声や物音が入り続けることになります。前の記事で書いた身バレの話と同じで、時間が長いほど情報が出る機会は増えます。
タイマーの設定方法はアプリによって違うので、始める前に必ず確認してください。設定できないアプリで寝落ち配信をするのは、おすすめしません。
健康と端末の面から
長時間つなぐことは、生活のリズムにも端末にも負担がかかります。睡眠の質が下がれば、翌日の配信にも影響します。端末は長時間の稼働で熱を持ちやすくなり、充電しながらならなおさらです。
寝落ち配信を「配信時間を稼ぐ手段」として使うのはおすすめしません。配信時間の数字は伸びますが、話して関係を作る時間は増えていないからです。取り入れるなら、あくまで別企画として、回数を絞ってください。
配信時間を評価の材料にしている仕組みもあるので、数字のために使いたくなる気持ちは分かります。ただ、その数字を追って生活が崩れると、通常の枠のほうが守れなくなります。本命の枠を守ることを、いちばん上に置いてください。
枠を変えるとき、守れない日が出たとき
最後に、決めた枠を運用していく話です。決めっぱなしにはできません。
変えるときは、必ず予告する
生活が変われば、枠も変える必要が出てきます。そのときは、黙って変えないでください。変えることを、変える前に伝えます。
伝え方は、休むときと同じで3回です。3日前・前日・当日に、同じ言葉で。「今月から火曜と金曜の21時に変えます」。そして変更後の最初の回は、元の曜日にも一度顔を出すと、移動してこられる人が増えます。予告を見ていなかった人が、元の時間に来て空振りするのを防げます。
元の曜日に顔を出すのは、短くて構いません。10分でも、開いて「こちらは今週で最後です、次からは火曜と金曜です」と伝えるだけで十分です。これがあるかないかで、移動してくる人の数がかなり変わります。
変更の回数も意識してください。多くても年に数回までにしておきます。頻繁に変わる枠は、覚えるのをやめられてしまいます。
守れない日が出たときの扱い
決めた枠を守れない日は必ず出ます。そのときに大事なのは、1回休んだことではなく、次の回を予定どおり開けることです。
やってはいけないのが、埋め合わせのために別の日に開くことです。枠がぶれて、結局どの曜日か分からなくなります。1回飛ばして、次を守るほうが、定着は崩れません。そして飛ばす日は、できれば前日までに一言伝えてください。
また、飛ばしたことを次の回で長く謝らないでください。謝罪が長いと、来てくれた人が相づちを打つだけの時間になります。「先週はお休みしてすみません」の一言で足ります。あとはいつも通りに進めてください。
3か月ごとに見直す
枠は一度決めたら固定、ではありません。3か月に一度、見直す日を作ってください。見るのは、その3か月で何回開けたか、コメントをくれる人が増えたか、自分が負担を感じていないか。
とくに3つ目が大事です。数字が良くても、毎回しんどいなら変える理由になります。続けられることがいちばんの条件なので、無理が出ている枠は早めに直してください。見直した結果、そのままでいいと判断することも、立派な見直しです。
見直す日は、カレンダーに入れておいてください。3か月後の日付に「枠の見直し」と書いておくだけです。入れておかないと、調子が悪くなったときにだけ考えることになり、そのときの判断は冷静でなくなります。
そして、見直しで枠を増やす場合も、一度に増やすのは1日までにしてください。週2回から週4回に一気に増やすと、たいてい戻ります。増やすのは、3か月続いたあとに1日ずつ。
まとめ
時間帯と長さに、万人に共通する正解はありません。自分の生活とリスナーさんの反応から、続けられる枠を選びます。
- 一般論のおすすめ時間は、配信者もいちばん多い時間。見る人が多いことと、見つけてもらえることは別
- 先に決めるのは時刻ではなく曜日。動かせないものから決める。「頑張れば開けられる日」は残さない。最初は週2〜3日
- 開始時刻は、生活の用事が全部終わってから30分の余裕を置く。平日と休日で時刻はそろえる
- 時間帯は自分のデータで決める。2週間、開始時刻・初めて来た人の数・コメントをくれた人の数を記録する。選ぶのは「初見は少なくてもコメントが多い」時間
- 長さは90分を基準に。集中が保てて、最後まで見てもらえて、端末も熱を持ちにくい。長さより、予定に入れられるかどうか
- 終わり方を決める。お礼・今日の一言・次にいつ開けるか。3つ目は必ず入れる
- 寝落ち配信は別企画として扱う。翌日が休みの日だけ、終了タイマーを必ず設定する。配信時間を稼ぐ手段にしない
- 変えるときは3回予告し、元の曜日にも一度顔を出す。守れない日は1回飛ばして次を守る。3か月ごとに見直す
正解の枠とは、いちばん人が来る枠ではなく、半年後も同じ時間に開けている枠のことです。今日決めるのは、頑張らなくても開けられる曜日を2つだけで十分です。
よくある質問(FAQ)
週2回では少なすぎませんか
回数より、決めた枠を必ず開けることのほうが定着に効きます。週5回開けて途中で止まるより、週2回を半年続けるほうが、リスナーさんは覚えてくれます。慣れてきて余裕があれば、あとから増やせます。増やす変更は歓迎されます。
時間帯を変えたら、来ていた人が来なくなりました
予告が届いていない可能性があります。変更後しばらくは、元の曜日・時刻にも短く顔を出して、変更を伝えてください。また、変更は多くても年に数回までにしてください。頻繁に変わると、覚えるのをやめられてしまいます。
仕事の都合で毎週同じ時間にできません
その場合は、曜日を固定するより「週のうち必ず1回は開ける日」を作るほうが現実的です。たとえば土曜の21時だけは必ず開ける、と決めて、他は不定期にします。1つでも固定の枠があると、そこが基準になります。
90分もたせる自信がありません
60分から始めて問題ありません。話す内容を3つ用意しておくと、時間は埋まります。また、コメントに反応する時間も配信の中身です。無理に一人で話し続ける必要はありません。
盛り上がっているときに終わるのはもったいない気がします
延長してかまいません。ただし、終わりの3つ(お礼・今日の一言・次の予定)は必ず言ってから延長してください。そうすれば、途中で抜ける人にも次の予定が伝わります。
データを取る2週間は、数字が落ちませんか
時間帯を動かすので、一時的に不安定になることはあります。ただ、これは枠を決めるための2週間です。決まったあとに固定して開け続けるほうが、長い目では増えます。データを取っていることをリスナーさんに伝えておくと、協力してもらえることもあります。
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