
「ライバー なるには」で検索すると、スマホ1台で誰でも始められます、アプリを選んで、プロフィールを整えて、配信内容を決めましょう、と書いてあります。そして記事の最後に、事務所への無料相談が置かれています。
書いてあることは間違っていません。ただ、その手順は10分で終わります。そして、始めた人の多くは3か月以内に配信を開けなくなります。
この記事で書くのは、始め方ではなく続く始め方です。具体的には、アカウントを作る前に決めておく4つのことと、最初の1か月の過ごし方、そして始める前に決めておく「やめ方」です。順番を変えるだけで、あとで戻れなくなる失敗をかなり減らせます。
始め方そのものは、10分で終わる
まず、手順の話を先に片づけます。ここは本当に簡単です。
必要なものはスマホと通信環境だけ、は本当
始めるのに、資格も機材も要りません。スマホと、動画が止まらない程度の通信環境があれば足ります。カメラもマイクも、スマホに内蔵されているもので十分です。
照明も最初は要りません。窓のほうを向いて座るだけで、昼間なら十分に明るくなります。背景も、何も置いていない壁が1面あれば成立します。初期費用ゼロで始められる、という部分は誇張ではありません。
手順としては、アプリを入れて、アカウントを作って、名前とアイコンを決めて、配信ボタンを押す。これだけです。慣れていれば10分かかりません。環境の整え方は背景の作り方の記事にまとめています。
ひとつだけ、通信については先に確認しておいてください。Wi-Fiがない環境で毎日1時間配信すると、月の通信量がかなり増えます。家の回線で配信できる場所を確保してから始めるほうが、あとで止まりません。
だから、差がつくのはその後
誰でも10分で始められるということは、始めたこと自体には価値がないということでもあります。差がつくのは、始めたあとに何が起きるかです。
最初の数週間は、ほぼ誰も来ません。これは配信の内容とは関係なく、そもそも見つけてもらえていないからです。そして、この期間に多くの人がやめます。やめる理由は「向いていなかった」ではなく、「来ない時期をどう過ごすか決めていなかった」であることが多いです。
だから、この記事の重心は後半にあります。最初の1か月をどう設計するか、そして折れそうになったときにどうするか。ここを先に決めておくと、続く確率がはっきり上がります。
先に決めておかないと、あとで戻せないもの
もうひとつ、順番が大事な理由があります。始めてしまうと変更しにくいものが、いくつかあるからです。
代表が名前です。名前を変えると、それまで覚えてもらった人に見つけてもらえなくなります。検索で探していた人も届かなくなる。名前は、始めた瞬間から積み上がる資産です。
同じように、一度公開してしまった情報も戻せません。住んでいる地域、学校名、本名。録画されていれば、消しても残ります。次の章で、この2つを先に決めます。
アカウントを作る前に決める4つ
ここが、この記事でいちばん実用的な部分です。4つとも紙に書けます。
名前は、あとから変えにくい唯一の資産
最初に決めるのが名前です。ここを軽く決めると、あとで困ります。
避けたほうがいいのは3つ。本名やその一部を使うこと。他のSNSで使っている名前をそのまま使うこと。そして、読み方が分からない表記にすることです。
本名由来を避ける理由は、身元の特定につながるからです。他のSNSと同じ名前を避ける理由は、そちらの投稿履歴から生活圏や交友関係がたどれるからです。ひとつずつでは特定できなくても、名前が同じだと一気につながります。
読み方については実務の話です。呼びにくい名前は、呼んでもらえません。ひらがな3〜5文字が扱いやすいです。決めたら、SNSのアカウント名も同じにして、検索したときに全部自分にたどり着く状態にしておいてください。
| 名前の決め方 | 理由 |
|---|---|
| 本名由来にしない | 身元の特定につながる |
| 他のSNSと変える | 投稿履歴からたどられる |
| 読み方が分かる表記 | 呼んでもらえる |
| ひらがな3〜5文字 | 覚えやすく打ちやすい |
配信する曜日と時間を先に決める
2つ目が、いつ開けるかです。始めてから決めようとすると、気が向いた日にだけ開ける形になって、続きません。
決め方は、生活から引き算します。仕事や学校が終わる時刻、家事が終わる時刻、寝たい時刻。この間に入る枠を探します。空いている時間を全部使おうとしないでください。週に2〜3日、1回60分から始めるのがちょうどいいです。
そして、決めた枠は変えないでください。見ている人は、時間が読めるから予定に入れられます。毎回ちがう時間だと、たまたま開いている日にしか会えません。時間帯と長さの決め方は別の記事で詳しく書いています。
公開しないと決める情報のリストを作る
3つ目が、言わないことのリストです。始めてから考えると、その場の流れで答えてしまいます。
| 項目 | 公開するか | 代わりに言う |
|---|---|---|
| 住んでいる地域 | 言わない | 寒い地域です |
| 学校・勤務先 | 言わない | 接客の仕事です |
| 本名 | 言わない | 触れない |
| 年齢 | 決めておく | 二十代です |
| 顔 | 決めておく | 最初は出さない |
聞かれたときの返し方も、1つ決めておいてください。「そこは伏せてるんですよ」で十分です。理由は説明しないほうがいいです。説明から推測されることがあります。
顔を出すかどうかは、あとから戻せない項目です。出さずに始めて、慣れてから出すことはできますが、逆はできません。迷っているなら、出さずに始めてください。
やめる基準を、始める前に書いておく
4つ目が、やめ方です。これは5章で詳しく書きますが、決めるタイミングは今です。
つらくなってからでは、冷静に決められません。そして、基準がないと「もう少し頑張れば」で延々と続けることになります。だから、元気なうちに書いておきます。
書き方は「半年やってダメなら」ではなく、「何が起きたら」にしてください。期限より、状態のほうが判断しやすいです。
アプリを選ぶときに見るところ
4つが決まったら、アプリを選びます。ここも、おすすめランキングは見なくて構いません。
年齢制限は、アプリごとに違って、しかも変わる
最初に確認するのが年齢です。「誰でも始められる」と書いてある記事が多いのですが、実際にはアプリごとに条件があります。
たとえば17LIVEは、公式のお知らせで「2025年1月16日以降、17LIVEアプリの利用年齢について『18歳以上』という利用年齢制限を設ける」と案内しています。あわせて、成人ユーザーの配信に未成年者が映り込むものについては、2025年2月上旬を目処に条件つきで配信できるよう調整している、とも書かれています(確認日2026年9月22日)。
これは17LIVEの例で、他のアプリは条件が違います。そして、この例のように条件は途中で変わります。まとめ記事の情報が古くなっていることは珍しくないので、使うと決めたアプリの公式ページで、自分で確認してください。未成年の場合は、保護者の同意についての定めも必ず読んでください。
自分が「見る側」として続けられるか
次の基準は、少し変わっています。そのアプリを、自分が視聴者として1週間使ってみてください。
見ていて疲れないか。画面が見やすいか。どんな人が配信しているか。自分がそこにいて違和感がないか。見る側として続けられないアプリでは、配信する側としても続きません。
この1週間は無駄になりません。どんな枠に人が集まっているか、どういう挨拶をしているか、どのタイミングでコメントが動くかが分かります。これは、どんな解説記事より具体的です。
見るときは、上位の人だけでなく、視聴者が数人の枠も見てください。そちらのほうが、始めた直後の自分に近い状態です。人が少ない枠でどう振る舞っているかを見ておくと、1週目に折れにくくなります。
掛け持ちは、最初はしない
複数のアプリで同時に始めると、どれも中途半端になります。通知を追うだけで時間が消えますし、常連さんも分散します。
最初は1つに絞ってください。3か月やってから、合わないと判断したら移る。あるいは、1つ目が安定してから2つ目を足す。同時に始めるのと、順番に始めるのでは、かかる負荷がまったく違います。
アプリを移るときは、いまの常連さんが移ってこない可能性も計算に入れてください。ゼロから積み直すのと同じことになります。
最初の1か月でやること・やらないこと
ここからは、始めたあとの話です。1か月を3つに分けて考えます。
1週目:誰も来なくて当たり前
最初の週は、視聴者が0人か1人の日が続きます。これは普通のことです。まだ誰にも見つけられていないだけです。
この週にやることは、時間どおりに開けることだけです。内容は考えなくていいです。今日あったことを10分話して閉じる、でも構いません。やることを最小にしておかないと、2週目が来ません。
やらないほうがいいのは、数字を見ることです。1週目の数字には、何の情報も入っていません。見ると落ち込むだけなので、アプリの分析画面は開かないでください。
| 時期 | やること | やらないこと |
|---|---|---|
| 1週目 | 時間どおり開ける | 数字を見る |
| 2〜3週目 | 始め方と終わり方を固定 | 頻度を増やす |
| 4週目 | 初めて数字を見る | 他人と比べる |
2〜3週目:始め方と終わり方を固定する
2週目からは、型を作ります。作るのは2か所だけ、枠の始まりと終わりです。
始まりは「こんばんは、◯◯です。今日は△△の話をします」。終わりは「今日はありがとうございました。次は◯曜日に開けます」。この2つを毎回同じ形にすると、中身がその日ごとに違っても、枠としてまとまります。
とくに終わりの「次はいつ開けるか」は毎回言ってください。次に来る理由を作れるのは、終わりの30秒だけです。ここを言い忘れると、たまたま見た人はそれきりになります。
この時期にやらないほうがいいのが、頻度を増やすことです。少し慣れてくると、毎日やれば早く伸びる気がしてきます。ですが、始めたばかりの時期は見つけてもらえるかどうかで決まるので、回数を増やしても数字はあまり動きません。増えるのは自分の疲れだけです。
4週目:初めて数字を見る
4週目に、ようやく数字を見ます。見るのは3つだけです。
1回あたりのコメントした人数。前回も来ていた人の数。そして、初めて来た人の数。視聴者数や、ましてフォロワー数は見なくて構いません。
この3つのどれかが、1週目より増えていれば十分です。増えていなければ、変えるのは1つだけにしてください。時間帯か、枠タイトルか、始まりの言い方か。一度に複数を変えると、何が効いたか分からなくなります。判断は、4週間ごとにします。数字の見方は伸びないときの記事で詳しく書いています。
始める前に「やめ方」を決めておく
2章で先送りにした4つ目を、ここで決めます。
撤退ラインは「何が起きたら」で書く
期限で決めると、その日が近づくにつれて焦ります。焦った状態の判断は、だいたい間違えます。
代わりに、状態で書いてください。「3か月続けて、前回も来た人が毎回0人のまま」「配信の前に気が重い状態が1か月続いた」「生活費を削らないと続けられなくなった」。この形なら、その日が来たときに事実で判断できます。
そして、紙に書いて見える場所に置いてください。頭の中にあるだけだと、そのときの気分で基準が動きます。
書くのは3行で足ります。数字の基準を2つと、気持ちの基準を1つ。気持ちの基準を入れるのは、数字が悪くないのに続けられなくなることがあるからです。反応は良いのに自分がつらい状態は、いずれ配信そのものを嫌いにします。
やめる前に「休む」を挟めるようにしておく
選択肢が「続ける」か「やめる」の2つしかないと、判断が極端になります。間に段階を作ってください。
2週間休む。月に1回だけにする。枠は開けずに告知だけ続ける。こうした中間の選択肢があると、全部を手放さずに負荷だけ下げられます。実際、休んだあとに戻れる人はかなりいます。
休むときは、見ている人に一言伝えてください。「しばらく休みます、また開けます」。これがあるだけで、戻る場所が残ります。休み方そのものはしんどいときの記事にまとめています。
やめてもアカウントは消さない
やめると決めたときも、アカウントは残しておいてください。消すと、それまでのフォロワーも、やり取りの記録も戻りません。
気持ちとしては、全部消してしまいたくなることがあります。ですが、数か月後に戻りたくなったとき、残っていれば続きから始められます。消すのはいつでもできるので、急がなくて大丈夫です。
それと、やめることを失敗として記録しないでください。人前で話した経験、反応を読む力、記録を取る習慣。これらは配信を離れても残ります。合わなかったと分かったのは、判断が1つ進んだということです。
始めたあとに来る話
最後に、始めてしばらくすると出てくる話を3つ挙げます。どれも、来てから考えれば間に合います。
スカウトのDMが来たら
始めて数週間すると、事務所からのDMが届くことがあります。届いたこと自体は、実力の証明ではありません。多数に同じ内容を送っている場合があります。
判断するときは、順位や知名度ではなく、自分の条件と合うかで見てください。扱っているアプリ、ノルマの有無と未達時の扱い、還元率が何に対する何%か、担当の付き方、辞めるときの条件。この5つで並べると差が出ます。
なお、DMで届く募集も、フリーランス法の「広告等」に含まれます。虚偽の表示や誤解を生じさせる表示は禁止されています。詳しくは事務所の比較軸の記事にまとめています。
| 来る話 | いつ考える | 先にやること |
|---|---|---|
| 事務所のDM | 来てから | 5つの軸で並べる |
| 収益化 | お金が動いてから | 記録を始める |
| 機材の追加 | 足りないと分かってから | 3か所を測る |
お金が動き始めたら、記録から
収入が出始めたら、最初にやるのは記録です。いつ、どのアプリから、いくら入ったか。この3つだけで足ります。
金額が小さいうちに習慣にしておくと、増えたときに慌てません。アプリの明細はいつまでも残っているとは限らないので、月に1回、自分のファイルに書き写しておいてください。
税金の扱いは、収入や他の所得の状況によって変わるので、ここでは断定しません。判断の基準は確定申告の記事で、国税庁の案内に沿って整理しています。迷う場合は税務署や税理士に確認してください。
会社員や学生なら、先に確認しておくこと
勤め先がある場合は、就業規則に副業の定めがあるかを先に見ておいてください。始めてから知るより、始める前に知っているほうが選択肢が多いです。
学生の場合は、学校の規則と、扶養の範囲がどうなっているかです。未成年なら、アプリの利用条件に保護者の同意が必要かどうかも確認してください。
どれも、確認するだけならすぐ終わります。あとから困るのは、確認していなかった項目だけです。
まとめ
始め方そのものは10分で終わります。決めるべきは、続く始め方のほうです。
- 必要なのはスマホと通信環境だけ、は本当。照明も背景も最初は要らない。だから、始めたこと自体には価値がない
- アカウントを作る前に決めるのは4つ。名前/配信する曜日と時間/公開しないと決める情報/やめる基準
- 名前は、本名由来と他SNSと同じ名前を避ける。ひとつずつでは特定できなくても、名前が同じだと一気につながる。呼びやすさも大事で、ひらがな3〜5文字が扱いやすい
- 顔を出すかは、出さずに始めるほうが戻れる。出してから隠すことはできない
- アプリは年齢条件を公式ページで確認する。17LIVEは2025年1月16日以降、利用年齢を18歳以上に変更したと案内している。条件はアプリごとに違い、しかも変わる
- アプリは、自分が見る側として1週間使ってから決める。見る側で続かないなら、配信する側でも続かない
- 掛け持ちは最初はしない。同時に始めるのと順番に始めるのでは、かかる負荷が違う
- 1か月を3つに分ける。1週目は時間どおり開けるだけ(数字は見ない)、2〜3週目は始め方と終わり方を固定、4週目に初めて数字を見る
- 終わりに「次はいつ開けるか」を毎回言う。次に来る理由を作れるのは、終わりの30秒だけ
- やめ方を先に決める。「何が起きたら」で書く。やめると続けるの間に「休む」を置く。そして、やめてもアカウントは消さない
今日できるのは、4つを紙に書くことだけで十分です。始める前に悩むべきことは4つしかなく、残りはやりながらで間に合います。
よくある質問(FAQ)
顔出しなしでも大丈夫ですか
大丈夫です。声だけ、後ろ姿、イラストのアバターなど、方法はいくつもあります。むしろ、迷っているなら出さずに始めてください。出してから隠すことはできませんが、出さずに始めて後から出すことはできます。顔出しの有無で選べるアプリが変わることはあるので、そこだけ先に確認してください。
何を話せばいいか分からないまま始めていいですか
いいです。話す内容は、やりながら決まります。最初の1か月は「今日あったことを10分話して閉じる」で十分です。むしろ、内容を完璧に決めてから始めようとすると、いつまでも始まりません。決めるべきは内容ではなく、曜日と時間のほうです。
事務所には最初から入ったほうがいいですか
急ぐ必要はありません。入るかどうかは、自分が何を外注したいかで決まります。それが分かるのは、何回か配信して困りごとが具体化してからです。最初の数週間で分かるのは「配信は思ったより疲れる」くらいなので、判断材料としては足りません。DMが来ても、5つの軸で並べてから決めてください。
週に何日やればいいですか
最初は週2〜3日、1回60分をおすすめします。毎日やると、話す材料が貯まる時間がなくなりますし、休んだときの穴が目立ちます。それに、始めたばかりの時期は視聴者が少ないので、頻度を上げても数字はほとんど動きません。増やすなら、続けられると確信してからで間に合います。
どれくらいで収入が出ますか
期間では答えられません。配信する時間帯やアプリ内での表示によって大きく変わるからです。ただ、始めてすぐに出ることはほぼありません。収入は積み上げに対して発生するので、積み上がっていない時期は出ないのが構造上ふつうです。だから、生活費を配信に乗せない状態で始めてください。
未成年でも始められますか
アプリによって条件が違います。年齢制限そのものがある場合もあれば、保護者の同意が必要な場合もあります。しかも条件は途中で変わるので、まとめ記事ではなく、使うアプリの公式ページで自分で確認してください。あわせて、学校の規則と、家の人への説明も先に済ませておいたほうが、あとで困りません。
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