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HubSpotのライフサイクルステージは自動では戻りません|手動で戻すと日付が消えます

公開 2026年10月10日

一方向に伸びる地下通路のエスカレーター

コンタクトの画面に「ライフサイクルステージ」という項目があります。既定で入っている項目なので、意味が分からないまま放置されがちです。

ただ、これは見込み客から顧客までの段階を1本の線で表す、全体の骨格にあたる項目です。ここが整っていないと、リストもレポートも正しく作れません。

そして重要な仕様が2つあります。自動では進むだけで戻らないこと。そして、手動で前の段階に戻すと、先の段階の日付が消えることです。

この記事では、既定のステージと使い方、そして戻すときの注意を扱います。

先に結論:3つだけ押さえてください

  1. 自動更新は前に進めるだけです。戻る方向には動きません
  2. 手動で前の段階に設定すると、先の段階に対応する日付がクリアされます。戻す操作には副作用があります
  3. 既定は8段階ですが、1〜10人の会社で使うのは4つで足ります。細かく分けるほど入力されません

対象はすべての製品とプラン。無料ツールのみのアカウントでも使えます。

前提:自動では「進む」だけで、戻りません

公式には、ステージの自動更新について「ステージを次の段階に進めることのみが行われます」と書かれています。

片方向である理由

一度顧客になった相手が、自動で「リード」に戻ってしまうと、履歴が壊れます。いつ顧客になったか、という事実が失われるからです。

だから、前に進むだけ。この設計を知っていれば、「更新されないのはなぜか」と悩む時間がなくなります。

飛ばして進むこともあります

公式には例として「値なし → 購読者 → 商談」という動きが挙げられています。つまり、途中の段階を通らずに先へ進むことがあります。

1つずつ順番に上がる仕組みではありません。段階は順番の表現であって、必ず全部を経由するものではないと理解してください。

既定の8つのステージ

公式に記載されている既定のステージは、順に次のとおりです。

順 ステージ どういう相手か
1 登録読者 お知らせを受け取っているだけの人
2 リード 何らかの興味を示した人
3 MQL マーケティング活動で獲得した見込み客
4 SQL 営業がフォローすべきと認定した見込み客
5 商談 商談が進んでいる相手
6 顧客 購入した相手
7 エバンジェリスト 紹介してくれる相手
8 その他 上のどれにも当てはまらない

MQLとSQLは、多くの会社で不要です

この2つは、マーケティング担当と営業担当が分かれている組織のための段階です。1〜10人の会社では、同じ人が両方をやっています。

分ける人がいないのに段階だけ分けると、どちらに入れるかを毎回迷うことになります。迷う項目は、入力されなくなります。

カスタマイズもできます

公式には、既定のオプションをカスタマイズしたり、独自のステージを作成することもできると書かれています。

ただし、増やすより使わない段階を決めるほうが先です。段階が多いほど、運用は崩れます。

手動で戻すと、日付が消えます

ここがこの記事でいちばん重要な部分です。

公式には、手動でより早期の値に設定した場合、「より大きな値に対応する従来のプロパティーがクリアされ」、新しい段階に対応するプロパティーが更新されると書かれています。

「いつ顧客になったか」が消えます

各ステージには、その段階になった日付を持つ項目が対応しています。顧客からリードに戻すと、顧客になった日付が消えます。

この日付は、あとから「今年何件成約したか」を数えるときに使います。消えると、過去の集計が変わります。

解約したときに、やりがちな操作です

顧客が解約したので、ステージをリードに戻す。感覚としては自然ですが、これをやると成約の履歴が消えます。

解約の管理は、ステージを戻すのではなく別の項目で持ってください。「契約状態」のような項目を作り、そこに解約済みと入れる。ステージは顧客のままにします。

戻す必要が本当にあるかを考える

戻したくなる場面のほとんどは、「今の状態」を表したいだけです。それは別の項目の仕事です。

ライフサイクルステージは、どこまで進んだかの最高到達点だと考えてください。今の状態と、到達点は別のものです。

1〜10人の会社が使うのは4つで足ります

実務での設計を書きます。8段階のうち、実際に使うのは4つです。

リード|連絡先が手に入った 名刺交換、問い合わせ、資料請求 ↓ 商談|金額の話が始まった 見積を出した、条件を詰めている ↓ 顧客|一度でも買った 解約しても、ここは戻しません その他|取引先、協力会社、同業 見込み客ではない人を、ここに逃がします

4つに絞る理由

段階の数は、入力する人が迷わない数で決めてください。迷う項目は空欄になり、空欄の項目はリストにもレポートにも使えません。

とくに「その他」は重要です。見込み客ではない連絡先の逃げ場がないと、取引先や協力会社がリードの一覧に混ざります。

「登録読者」を使うかどうか

メール配信を本格的にやっているなら、使う価値があります。まだ興味を示していないが、案内は受け取っている人を分けられるからです。

そうでないなら、リードに含めて構いません。分けるのは、分けたあとに違う扱いをする場合だけです。

取引のステージとは別物です

混同されやすいので、はっきり分けておきます。

ライフサイクルステージ 取引ステージ
付く先 人と会社 案件
表すもの 関係の深さ 案件の進み具合
数 1人につき1つ 案件ごとに別
戻り方 自動では戻らない 前後に動かせる

同じ会社から2件目が来たとき

1件目が成約して顧客になった会社から、2件目の相談が来る。このとき、ライフサイクルステージは顧客のままです。

2件目の進み具合は、取引のステージで管理します。2つを混同すると、既存顧客からの案件が見えなくなります。

会社とコンタクトの関係

公式には、レコードの関連付けに基づいてライフサイクルステージを更新する設定があると書かれています。

会社側にも同じ項目があります

人にも会社にも、ライフサイクルステージがあります。同じ会社の担当者が3人いる場合、それぞれに段階が付きます。

関連付けに基づく更新を有効にすると、片方の変化がもう片方に反映されます。設定の内容は必ず確認してから有効にしてください。意図せず一括で変わることがあります。

少人数の会社では、会社側を見るほうが実務的です

1社につき担当者が1人なら、どちらでも同じです。ただ、複数の担当者とやりとりする業種なら、会社の段階を見るほうが実態に合います。

1人が資料請求しただけの会社と、実際に契約している会社。この区別は、会社単位で持つほうが分かりやすい。

失注や解約のときにどうするか

ここは判断が必要な場面です。方針を決めておいてください。

失注した場合

商談まで進んで失注した相手を、リードに戻すかどうか。戻さないでください。商談の日付が消えます。

商談のままにしておくと、「商談まで行ったが決まらなかった相手」の一覧が作れます。この一覧は、半年後にいちばん価値を持ちます。

解約した場合

前述のとおり、顧客のままにします。解約の事実は、別の項目で持ってください。

一度買ってくれた相手は、買ったことのない相手とは違います。その事実を消さないでください。再契約の可能性は、新規より高い。

連絡が取れなくなった場合

これも段階は変えません。最終の活動日で判断できるからです。

「3か月接点がないリード」という条件でリストを作れば、段階を変えなくても抽出できます。状態の変化は、できるだけ既存の記録で表してください。

使い始める手順

すでに連絡先が入っている状態から始める場合の手順です。

  1. 使う段階を決める。4つ程度に絞り、それぞれの定義を1行で書きます
  2. 既存の連絡先を仕分ける。まず顧客を選んで一括で設定します
  3. 次に商談中の相手を設定する。取引が作られている人が対象です
  4. 残りをリードにする。ここまでで大半が埋まります
  5. 見込み客でない人をその他に移す。取引先、協力会社、同業者です

顧客から先に設定する理由

いちばん間違えにくいからです。買ったかどうかは、請求の記録を見れば確定します。

逆に、リードとその他の区別はあいまいです。確実なものから埋めて、あいまいなものを最後に回す。この順番なら作業が止まりません。

定義は1行で書いて、共有する

「商談=金額の話が始まった相手」のように、誰が読んでも同じ判断になる書き方にしてください。

この1行がないと、人によって入れ方が変わります。2人以上で使うなら、定義を書くところまでが設計です。

ステージが整うと何ができるか

ここまで仕様の話をしてきましたが、整備する見返りが何かを書いておきます。使い道が分からないまま埋める作業は続きません。

1. 送り分けができる 初めての人と、既存顧客に同じ文面を送らない ここが崩れると、信用を落とします 2. 各段階の件数が分かる リード何件、商談何件、顧客何件 どこで詰まっているかが見えます 3. 放置されている相手が見つかる 商談のまま3か月動いていない相手 いちばん近い売上が、ここに眠っています

1. 送り分けができる

初めて資料請求した人と、3年取引している顧客。この2人に同じ案内を送ると、後者が離れます。

「はじめまして、弊社は◯◯を提供しています」という文面が、3年付き合っている相手に届く。管理されていないことが伝わってしまいます。

段階が入っていれば、宛先をリードだけに絞れます。これだけで、配信の事故がほぼなくなります。

2. 各段階の件数が分かる

リードが200件、商談が5件、顧客が30件。この数字を並べると、どこで止まっているかが見えます。

リードが多くて商談が少ないなら、問題は集客ではなく、接触の後です。広告を増やす前に、手元の200件をどう扱うかを考えるべき、と分かります。

3. 放置されている相手が見つかる

いちばん価値があるのがこれです。商談のまま3か月動いていない相手。段階と最終活動日を組み合わせれば、一覧で出ます。

この人たちは、一度は金額の話までした相手です。新規に1件問い合わせをもらうより、はるかに近いところにいます。

業種別の段階の決め方

4段階に絞るとして、境目をどこに置くか。3つの業種で例を挙げます。

工務店・リフォーム

リードと商談の境目は、「現地調査に行ったかどうか」で切ると分かりやすい。問い合わせだけの人と、実際に見に行った人では、確度がまったく違います。

顧客は、工事が完了した時点。契約書を交わした時点ではありません。着工前のキャンセルがある業種なので、完了で切るほうが実態に合います。

士業事務所

境目は「初回相談をしたかどうか」です。問い合わせだけの段階と、実際に話を聞いた段階を分けます。

顧客は、関与が始まった時点。スポットの依頼も顧客に含めてください。一度でも報酬が発生した相手は、次の相談が来る可能性が高い。

受託開発・制作会社

境目は「提案書または見積を出したかどうか」。ヒアリングだけで終わる相談が多い業種なので、ここで切ると数字が正確になります。

顧客は、検収が終わった時点。進行中の案件は商談のままにしておくと、動いている案件の数がそのまま見えます。

共通しているのは「自分で判断しない線」

3業種とも、境目を事実で切っています。行ったか、話したか、出したか。

「脈がありそう」「前向きだった」といった感触で切ると、人によって判断が変わります。事実で切れる線を探してください。そこが、その会社にとって正しい境目です。

運用が崩れる3つのパターン

1. 段階を増やしすぎる

既定の8つに加えて独自の段階を足すと、10を超えます。入力する人は、毎回その一覧から選ぶことになります。

細かく分けたくなるのは、たいてい管理する側の都合です。入力する人の負担で払うことになると考えてください。

2. 更新されないまま放置される

手で更新する運用にすると、必ず止まります。商談が始まったのにリードのまま、という状態が溜まります。

対策は、更新のタイミングを他の作業とくっつけることです。取引を作ったときに、その場で段階も変える。別の作業にすると忘れます。

2-2. 「顧客」に上げるタイミングが人によって違う

契約書を交わした時点か、入金があった時点か、納品が終わった時点か。決めていないと、3人いれば3通りになります。

どこで切っても構いませんが、会社として1つに決めて書き残してください。おすすめは、自社の売上計上のタイミングに合わせることです。

そうしておくと、HubSpot側の顧客数と、会計側の数字がずれません。ずれると、どちらが正しいのかを確かめる作業が毎月発生します。

3. リストの条件に使ってから気づく

段階が正しく入っていない状態でリストを作ると、対象がずれます。しかも、ずれていることに気づきません。

配信の前に、対象者の一覧を開いて知っている名前が並んでいるかを見てください。既存顧客が混ざっていたら、段階の整備が先です。

整備のあとに作る3つのリスト

段階が入ったら、そのまま置いておかないでください。3つのリストを作ると、翌日から使い道ができます。

1. リードのうち、30日以内に接点があった人

いま動かすべき相手です。段階と最終活動日を組み合わせた条件で作ります。

ここに入っている人から順に連絡してください。古い順に並べると、忘れられていた相手が上に来ます。

2. 商談のまま60日以上動いていない相手

前の章で書いた、いちばん価値のある一覧です。一度は金額の話をした相手が、そのまま止まっています。

この一覧を月に1回開いて、1件ずつ判断してください。追いかけるか、時期を変えて接触するか、閉じるか。判断せずに放置するのが、いちばん損です。

件数は多くないはずです。10件あれば多いほうで、30分もあれば全部に目を通せます。

3. 顧客のうち、90日以上接点がない相手

既存顧客の取りこぼしを拾う一覧です。買ってくれた相手ほど、放置されます。問い合わせが来ないからです。

ここに入っている相手へ、季節の案内を1通送る。売り込みではなく、思い出してもらうための1通で足ります。

3つとも、作るのは1回だけ

条件で作るリストなので、一度作れば中身は勝手に入れ替わります。毎月作り直す必要はありません。

そして、この3つが機能するかどうかは、段階が正しく入っているかにかかっています。整備の見返りは、ここで受け取ります。

まとめ

ライフサイクルステージは、全体の骨格です。

  1. 自動更新は前に進めるだけです。戻る方向には動きません
  2. 手動で戻すと、先の段階に対応する日付がクリアされます。成約の履歴が消えます
  3. 解約や失注でステージを戻さないでください。状態は別の項目で持ちます
  4. 使うのは4つで足ります。リード、商談、顧客、その他です
  5. 更新は他の作業とくっつける。取引を作ったその場で変えてください

段階は、細かく分けるほど正確になるわけではありません。入力され続ける形にすることが、正確さの条件です。

まだ設定していないなら、今日は顧客だけでも埋めてください。そこから先は、あとから足せます。全部を一度に整えようとして手が止まるより、確実な一段階だけ入れるほうが前に進みます。

よくある質問(FAQ)

顧客が解約しました。リードに戻すべきですか

戻さないでください。公式に、手動で早期の値に設定すると、より大きな値に対応する従来のプロパティーがクリアされると記載されています。顧客になった日付が消えるため、過去の集計が変わります。解約の事実は別の項目で持ってください。

自動で前の段階に戻りますか

戻りません。公式に、自動更新は次の段階に進めることのみが行われると記載されています。

MQLとSQLは使うべきですか

マーケティング担当と営業担当が分かれていないなら、使わなくて構いません。分ける人がいないのに段階だけ分けると、どちらに入れるか毎回迷うことになります。迷う項目は入力されなくなります。

取引のステージと何が違いますか

付く先が違います。ライフサイクルステージは人と会社に付き、関係の深さを表します。取引ステージは案件に付き、その案件の進み具合を表します。1件目が成約した会社から2件目の相談が来た場合、ライフサイクルは顧客のままで、2件目は取引ステージで管理します。

無料版でも使えますか

使えます。公式ヘルプの対象は「すべての製品とプラン」です。独自のステージを作成することもできると記載されています。

段階を自分で増やしてもいいですか

できますが、増やす前に使わない段階を決めてください。既定の8つに独自の段階を足すと10を超え、入力する人は毎回その一覧から選ぶことになります。細かく分けたくなるのは管理する側の都合で、負担を払うのは入力する側です。

更新を忘れてしまいます

更新のタイミングを他の作業とくっつけてください。取引を作ったときに、その場で段階も変える。別の作業として独立させると、必ず忘れます。手で更新する運用は、必ずどこかで止まります。

すでに大量の連絡先があります。どこから設定しますか

顧客から設定してください。買ったかどうかは請求の記録で確定するため、いちばん間違えにくい部分です。次に商談中の相手、残りをリード、最後に見込み客でない人をその他に移します。

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