LLMO対策として売られているものは多いのですが、各社が公式に「必要」と書いている作業は、実はごく限られています。OpenAIは、ChatGPTの検索結果に表示されるためにrobots.txtでOAI-SearchBotを許可することを推奨しています。一方Googleは、AI機能への表示に「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と明記しています。つまりやることは、クローラーを拒否していないかの確認と、基本のSEO。この記事では、公式情報だけを根拠に、やるべきこと・不要なこと・いま測れることを切り分けます。効果測定については2026年8月31日にSearch Consoleの生成AIレポートが全サイトで使えるようになったので、そこも最新の状態で扱います。
この記事でわかること
結論。公式情報で裏づけられる作業は2つだけ
先に結論を置きます。LLMO対策として各社が公式に示している要件を洗い出すと、やることは2つに収まります。
| やること | 根拠 | 費用と手間 |
|---|---|---|
| robots.txtでAIの検索用クローラーを拒否していないか確認する | OpenAIが、ChatGPTの検索結果に表示されるためにOAI-SearchBotの許可を推奨 | 確認5分。修正が必要でも数十分 |
| 基本のSEOを整える | Googleが、AI機能への表示に特別な最適化は不要と明記 | 通常のSEOと同じ。追加費用は不要 |
逆に言えば、これ以外に「AI専用」として必須のものは、公式情報の範囲では見つかりません。AI向けのファイルを作る、AI専用のサイトを作る、といった提案は、公式の要件ではありません。
1つ目は見落としやすく、しかも致命的です。robots.txtでAIのクローラーをまとめて拒否していると、いくら記事を書いてもChatGPTの検索結果には出てきません。制作会社が善意で「AIに学習されないように」と設定しているケースがあります。まずここを確認してください。
LLMO対策とは何を指すのか
用語を整理します。LLMOは、ChatGPTやGoogleのAI回答など、大規模言語モデルを使ったサービスに自社の情報が取り上げられることを狙う取り組みを指します。AIOやGEOという言い方もあり、呼び方は各社でばらついています。
重要なのは、対象が1つではないことです。それぞれ仕組みが違うので、まとめて語ると判断を誤ります。
| 対象 | 何を見ているか | こちらでできること |
|---|---|---|
| GoogleのAIによる概要・AIモード | Googleのインデックス | 通常のSEO。特別な最適化は不要とGoogleが明記 |
| ChatGPTの検索 | OAI-SearchBotがクロールした内容 | robots.txtでOAI-SearchBotを許可する |
| その他のAIサービス | サービスごとに異なる | 各社のクローラーを拒否していないかの確認 |
「LLMO対策をします」という提案を受けたら、どのサービスを対象にしているのかを最初に聞いてください。GoogleのAI概要とChatGPTでは、やることが違います。
ChatGPTに出るには、robots.txtの設定が要る
ここが、この記事で最も実用的な部分です。
OpenAIは公式ドキュメントで、ChatGPTの検索結果にサイトを表示させるために、「サイトのrobots.txtファイルでOAI-SearchBotを許可し、公開IP範囲からのリクエストを許可することを推奨」と書いています。
つまり、robots.txtでこのクローラーを拒否していると、ChatGPTの検索結果に出ません。記事の質とは関係なく、構造的に出ない状態になります。
正確な範囲も押さえておきます。OpenAIの英語版ドキュメントには、こう書かれています。
Sites that are opted out of OAI-SearchBot will not be shown in ChatGPT search answers, though can still appear as navigational links.
「検索の回答には出ないが、ナビゲーション用のリンクとしては出ることがある」。完全に消えるわけではありません。ただし、回答のなかで紹介される形にはならない、ということです。
それと、設定を直したあとの反映時間も書かれています。「it can take ~24 hours from a site’s robots.txt update for our systems to adjust」。robots.txtを直してから、OpenAI側の反映まで約24時間。直した直後に確認しても変わっていません。
図1:OpenAIのクローラーは役割が分かれている。「AIに学習されたくない」と「AIの検索結果に出たい」は両立する。
OpenAIが挙げているクローラーは、役割で分かれています。
| 名前 | 公式の説明 |
|---|---|
| OAI-SearchBot | ChatGPTの検索機能で、ウェブサイトを検索結果に表示するために使用 |
| GPTBot | 生成AI基盤モデルの訓練に使用される可能性のあるコンテンツをクロール |
| ChatGPT-User | ユーザーがChatGPTやCustomGPTで質問した際に、ウェブページにアクセスする |
| OAI-AdsBot | ChatGPTの広告として送信されたページの安全性を検証 |
「学習に使われる」と「検索結果に出る」は別の話
ここを混同している方が非常に多いところです。
OpenAIは、この2つが独立した設定であると説明しています。つまり「検索結果に表示させるためOAI-SearchBotを許可しながら、GPTBotは拒否して学習には使わせない」という選び方ができます。
実務でよく起きるのがこの誤りです。「AIに勝手に学習されたくない」という理由で、AI関連のクローラーをまとめて拒否してしまう。その結果、学習を止めると同時に、ChatGPTの検索結果に出る道も閉じてしまいます。
経営判断としては、次の2つを分けて決めてください。
1. 自社のコンテンツを、AIの学習に使わせるか。これは権利や方針の問題です。拒否しても検索表示には影響しません。
2. AIの検索結果に自社を出したいか。出したいなら、検索用のクローラーは許可する必要があります。
多くの事業者にとっての答えは、「学習は拒否、検索表示は許可」です。両立できます。
Googleは「特別な最適化は不要」と明記している
GoogleのAIによる概要やAIモードについては、状況が違います。専用の設定は必要ありません。
Google検索セントラルの「AI機能とウェブサイト」(2025年12月31日更新)に、次のように書かれています。
| Googleの記述 | 意味 |
|---|---|
| AIによる概要やAIモードに表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません | 「AI対策」として別料金を請求する公式の根拠がない |
| 新たにコンピュータが解読可能なファイルやAIテキストファイル、マークアップを作成する必要はありません | llms.txtのようなファイルの設置を必須とする提案は、公式見解と食い違う |
| 必要なのは、インデックスに登録されていること、スニペットが表示されること、技術要件を満たすこと | 基本のSEOがそのまま要件 |
| AI機能に表示されたサイトのデータはSearch Consoleの全検索トラフィックに反映される(加えて2026年8月31日から生成AI専用のレポートも全サイトで利用可能) | 専用のツールを買わなくても、既存の画面で追える |
GoogleとOpenAIで、要求が違う点に注意してください。Googleは特別な設定を求めていない。OpenAIは、検索表示のためにクローラーの許可を求めている。「LLMO対策」とひとくくりにすると、この違いが見えなくなります。
robots.txtをどう書くか
実際の確認手順を示します。技術的な作業ですが、確認だけなら5分で終わります。
手順1。自社のrobots.txtを開く。ブラウザで「自社のドメイン/robots.txt」にアクセスしてください。テキストが表示されます。
手順2。AI関連のクローラー名を探す。OAI-SearchBot、GPTBot、Google-Extended といった記述があるかを見ます。
手順3。Disallow になっていないかを確認する。OAI-SearchBotに対して Disallow: / と書かれていたら、ChatGPTの検索結果には出ません。
「学習は拒否、検索表示は許可」にする場合の考え方
GPTBot に対しては拒否を設定し、OAI-SearchBot に対しては許可を残す。これで、モデルの学習には使われず、ChatGPTの検索結果には出る状態になります。
実際の記述は、いま入っている内容によって変わります。制作会社かサーバーの担当者に、この方針を伝えて設定してもらってください。自己流で書き換えると、通常の検索エンジンまで拒否してしまう事故が起きます。
手順4。設定後、もう一度ブラウザで開いて反映を確認する。変更がすぐ反映されないことがあるので、時間を置いて見てください。
なお、OpenAIは公開IP範囲からのリクエストを許可することも推奨しています。サーバー側でアクセス制限をかけている場合は、そこも確認が必要です。robots.txtだけ直しても、サーバーがブロックしていれば同じことになります。
実際に効く書き方3つ
設定が済んだら、あとは中身です。ただしここも、特別な技術は要りません。AIに引用されやすい書き方は、通常の検索でも効く書き方とほぼ同じです。
1つ目。見出しを質問の形にして、直後に結論を置く。AIは記事全体ではなく、答えになっている一部分を抜き出して引用します。「料金について」より「月額はいくらかかるのか」のほうが、質問と対応づけやすい。そして見出しの直後に結論を書けば、その段落がそのまま答えになります。
2つ目。段落を単体で意味が通るように書く。抜き出されるのは段落単位です。「それは」「同社は」といった代名詞に頼っていると、その段落だけを取り出したときに意味が通りません。固有名詞と数字を、各段落に書いてください。
3つ目。構造化データを正しく入れる。よくある質問や記事の情報を、機械が読める形で渡せます。仕様が公開されていて、検証ツールで確認もできる。効果の根拠がはっきりしている点が、他の「AI対策」との違いです。
この3つは、Googleが言う「基本のSEO」の範囲に収まっています。つまり、AI対策として追加の費用を払わなくても、通常の記事制作の中でできることです。
「LLMO対策」として売られているものの棚卸し
提案を受けたときの判断基準を、表にします。
| 提案の内容 | 判断 | 根拠 |
|---|---|---|
| robots.txtでAI検索用クローラーを許可する | 妥当。やるべき | OpenAIが公式に推奨 |
| 見出しを質問形にし、段落を自己完結させる | 妥当 | 通常のSEOにも効き、根拠がはっきりしている |
| 構造化データを正しく入れる | 妥当 | 仕様が公開され、検証ツールがある |
| llms.txtなどAI用ファイルを設置する | 必須ではない | Googleが「新たにAIテキストファイルを作る必要はない」と明記 |
| AI検索で1位にする、引用を保証する | 保証できない | 何が引用されるかは、順位保証と同じく約束できない |
| AI専用の別サイトを作る | 根拠が見当たらない | 公式にそのような要件はない |
| 特殊なマークアップを追加する | 必須ではない | Googleが「マークアップを作成する必要はない」と明記 |
共通する見分け方は、「GoogleかOpenAIが公開している情報で裏づけられるか」です。裏づけを聞いて、出典が業者のブログしかないなら、判断を保留してください。
効果はどこまで測れるか
ここは、2026年に大きく変わった部分です。Googleの生成AI機能については、専用のレポートが出ました。
Google検索セントラルのブログ(2026年6月3日)で、Search Consoleに「検索の生成AIのパフォーマンス レポート」が導入されたことが告知されています。そして冒頭に、こう注記が加えられています。
注: これらの分析情報は、2026 年 8 月 31 日付けで世界中のすべてのウェブサイトにリリースされました。
一部のサイト向けの試験段階を経て、すでに全サイトで使える状態です。何が見られるかも明示されています。
| 見られる項目 | Googleの説明 |
|---|---|
| インプレッション数 | 検索と Discover の生成 AI 機能でサイトの URL がどの程度表示されたか |
| ページ | AI 機能に表示された URL を確認します |
| 国 | 国ごとの可視性を把握します |
| デバイス | ユーザーがウェブサイトを閲覧しているときに使用しているデバイスを特定します(検索結果で利用可能) |
| 日付 | 時間別、日別、週別、月別の粒度で、パフォーマンスの推移をモニタリングします |
まずSearch Consoleを開いて、このレポートがあるか確認してください。専用のツールを買う前に、無料で見られるものがあります。
ただし、依然として測れないものもあります。切り分けておきます。
| 測れるようになったもの | まだ測れないもの |
|---|---|
| GoogleのAI機能での表示回数(専用ビュー) | ChatGPTなど他社AIでの表示回数 |
| AI機能に表示されたURL | AIの回答内で言及されたが、クリックされなかった回数 |
| 国・デバイス・日付ごとの推移 | AIが自社をどう説明しているかの内容 |
ChatGPT側については、いまも専用の管理画面がありません。流入は参照元で判別できる場合がありますが、表示されたかどうかは分かりません。
そこで、Google側はレポートで追い、他社AIについては定点観測で補うという組み合わせになります。自社に関する質問をいくつか決めて、月に一度ChatGPTに聞いてみる。出てくるか、どう説明されているかを記録する。
「LLMO対策の効果測定レポート」に費用を払う前に、Search Consoleの生成AIレポートで足りないかを確認してください。無料で見られる項目を、有料のレポートとして受け取っているケースがあります。有料で頼むなら、他社AIでの言及状況など、Search Consoleにない部分を担当してもらう形が合理的です。
いま費用をかける段階かどうか
最後に、判断です。
やるべきこと(費用はほぼゼロ)。robots.txtの確認と、必要なら修正。これは今日やってください。制作会社に依頼しても数万円の範囲に収まります。放置すると、ChatGPTの検索結果に構造的に出ない状態が続きます。
通常の記事制作でやること(追加費用なし)。見出しを質問形に、段落を自己完結、構造化データ。これは記事を書く工程に含めてください。別項目として請求されるなら、その理由を聞いてください。
いま急ぐ必要がないこと。AI専用ファイルの設置、AI専用サイト、特殊なマークアップ。公式に不要とされているか、根拠が見当たらないものです。
そのうえで、優先順位としてはSEOの土台が先です。Googleが「AI機能に表示されるための要件は、インデックスに登録されていること、スニペットが表示されること」と書いている以上、通常の検索で評価されていないサイトが、AIの回答にだけ出るということは起きにくい。基本ができていない段階でLLMOに予算を割くのは、順序が逆です。
まとめ
LLMO対策について、公式情報で裏づけられることを整理します。
やることは2つです。robots.txtでAIの検索用クローラーを拒否していないかの確認と、基本のSEO。
前者は見落としやすく、しかも致命的です。OpenAIは「robots.txtでOAI-SearchBotを許可することを推奨」としています。拒否していれば、記事の質に関係なくChatGPTの検索結果には出ません。
そして、「学習に使われる」と「検索結果に出る」は別の設定です。GPTBotは拒否しつつ、OAI-SearchBotは許可する。多くの事業者にとって、これが妥当な組み合わせです。
Googleについては、「追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません」と明記されています。AI専用のファイルもマークアップも不要です。
効果の測定は、Googleの生成AI機能についてはSearch Consoleの専用レポートで見られます(2026年8月31日から全サイト)。表示回数、表示されたURL、国、デバイス、日付が確認できます。一方、ChatGPTなど他社AIは専用の画面がないので、自社に関する質問を決めて月に一度聞く定点観測で補います。有料のレポートを検討するなら、Search Consoleで見られない部分を担当してもらう形にしてください。
よくある質問
LLMO対策は何から始めればいいですか
robots.txtの確認からです。ブラウザで「自社のドメイン/robots.txt」を開き、OAI-SearchBotやGPTBotの記述があるかを見てください。OAI-SearchBotが拒否されていると、ChatGPTの検索結果に出ません。確認は5分で終わります。修正が必要な場合は、自己流で書き換えず制作会社に依頼してください。通常の検索エンジンまで拒否してしまう事故が起きます。
AIに学習されたくないのですが、検索結果には出たいです
両立できます。OpenAIは、学習用のGPTBotと検索表示用のOAI-SearchBotが独立した設定であると説明しており、「検索結果に表示させるためOAI-SearchBotを許可しながら、GPTBotは拒否する」という選び方ができるとしています。多くの事業者にとって、この組み合わせが妥当です。
llms.txtは設置すべきですか
必須ではありません。Googleは「AI機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルやAIテキストファイル、マークアップを作成する必要はありません」と明記しています。自分で30分かけて作るなら止めませんが、外注して費用を払う段階ではないと考えています。
AI検索で上位表示を保証すると言われました
保証できるものではありません。AIの回答に何が引用されるかは、検索順位の保証と同じで業者が約束できるものではありません。保証をうたう提案があれば、その仕組みを具体的に説明してもらってください。
GoogleのAI概要とChatGPTでは、やることが違いますか
違います。Googleは「追加の要件はなく、特別な最適化も必要ない」としており、専用の設定は要りません。一方OpenAIは、ChatGPTの検索結果に表示されるためにrobots.txtでOAI-SearchBotを許可することを推奨しています。「LLMO対策」とひとくくりにすると、この違いが見えなくなります。提案を受けたら、どのサービスを対象にしているのかを確認してください。
効果はどうやって測ればいいですか
Googleの生成AI機能については、Search Consoleに専用のレポートがあります。Googleは「これらの分析情報は、2026 年 8 月 31 日付けで世界中のすべてのウェブサイトにリリースされました」と告知しており、表示回数、表示されたURL、国、デバイス、日付を確認できます。ChatGPTなど他社AIには同等の画面がないため、そちらは定点観測で補ってください。
SEOとLLMO、どちらを先にやるべきですか
SEOが先です。Googleは、AI機能に表示される要件として「インデックスに登録されていること」「スニペットが表示されること」を挙げています。通常の検索で評価されていないサイトが、AIの回答にだけ出るということは起きにくい。基本ができていない段階でLLMOに予算を割くのは、順序が逆になります。ただしrobots.txtの確認だけは、今日やってください。費用がかからず、放置すると構造的に出ない状態が続きます。