
エクセルのファイルを渡したのに読み込めない。無料版だとどこまでできるのか分からない。そもそも会社の表を渡していいのか迷う。この記事は、ChatGPTで表計算のファイルを扱うときの上限と、読み込めないときの原因、そして渡さずに済ませる方法をまとめたものです。
先に結論を3つ書いておきます。1つ目。無料プランは1日3ファイルまでです。しかも、失敗した分もカウントされることがあります。2つ目。表の中の図やグラフは、多くのプランで読まれません。公式ヘルプに「画像は破棄します」と書かれています。3つ目。会社の表なら、ファイルごと渡さないほうが安全です。必要な部分だけ文字で貼れば、たいていの用は足ります。
この記事の上限と仕様は、OpenAIの公式ヘルプで確認した内容です。プランごとの条件は変わることがあるので、使う前に公式ページで最新を確かめてください。
上限は2種類ある
「上限に達しました」と出たとき、多くの人が混乱します。理由は、上限が2種類あるからです。
回数の上限と、容量の上限
公式ヘルプには、はっきり書かれています。「上限には2種類あります。一定期間ごとに更新されるアップロード数の上限(例:3時間あたり最大80ファイル)と、チャット、プロジェクト、カスタムGPTのナレッジ全体で共有されるストレージ上限(ユーザー1人あたり25GB、組織1つあたり100GB)です」。
つまり、短い時間に何回送ったかと、アカウント全体でどれだけ保存しているかの2つが、別々に効いているということです。「今日はまだ送っていないのに上限と言われる」という場合、後者に当たっている可能性があります。
失敗した分もカウントされる
ここが見落とされやすい点です。公式ヘルプには「アップロードに失敗した場合でも、アップロード数の上限にカウントされることがあります」と書かれています。
無料プランの1日3ファイルで考えると、深刻です。形式が違って失敗した1回も、3回のうちの1回として数えられることがあるということです。だから、送る前に形式とサイズを確認する意味があります。あてずっぽうで何度も試すと、その日は使えなくなります。
実務での対処は単純です。1回目で通らなかったら、2回目を試す前に原因を確認する。次の章に挙げる5つを見てから、直したうえで送り直す。これだけで、3回の枠を無駄にせずに済みます。
残りの回数は確認できない
もう1つ、知っておくべきことがあります。公式ヘルプによると、設定のストレージでライブラリの使用量は確認できますが、「一定期間ごとに更新されるアップロード数の上限について、使用済みの容量や残量を確認できません」と書かれています。
残り何回送れるかは、画面では分からないということです。だから、自分で数えるしかありません。無料プランで表を扱う日は、朝の時点で「今日は3回まで」と決めて使ってください。
| 上限の種類 | 内容 | 確認 |
|---|---|---|
| 回数(無料) | 1日3ファイル | 画面では見えない |
| 回数(全体) | 3時間で80ファイル | 画面では見えない |
| 容量 | 1人25GB | 設定→ストレージ |
無料版でどこまでできるか
次に、サイズと形式の条件です。ここを知らずに大きいファイルを送ると、上限を1回無駄にします。
サイズの条件
公式ヘルプが挙げている上限を並べます。1ファイルあたり最大512MB。テキストファイルと文書ファイルは1ファイルあたり最大200万トークン(この制限はスプレッドシートには適用されない)。CSVファイルやスプレッドシートは、各行のサイズにもよるが、ファイルサイズを約50MB以下にする必要がある。画像は1枚あたり最大20MB。
表計算のファイルで実務上効いてくるのは、約50MBという目安です。ふつうの集計表であれば、まず超えません。超えるのは、数十万行あるデータや、画像を大量に貼り付けたファイルです。その場合は、必要な範囲だけ別ファイルに抜き出してください。
プロジェクトを使う場合は別の上限
ChatGPTには「プロジェクト」という、関連する会話とファイルをまとめる機能があります。ここにも上限があり、公式ヘルプはプラン別に示しています。Freeはプロジェクト1件あたり最大5ファイル。GoとPlusは25ファイル。Edu、Pro、Business、Enterpriseは40ファイル。
無料プランで5ファイルというのは、資料をまとめて置く使い方には足りません。逆に言えば、プロジェクトに置きっぱなしにするより、都度渡して都度消すほうが、無料では現実的です。
できる範囲はプランで変わる
表を読み込んだあと、集計したりグラフを作ったりする機能があります。ただし、これがどのプランでどこまで使えるかは、公式の料金ページで「データ分析」や「Excel、Word、PowerPoint、Googleスプレッドシート向けの拡張機能」といった項目として整理されており、プランによって上限の有無が異なります。
ここは断定を避けます。プラン構成は頻繁に変わるため、この記事の数字を信じるより、公式の料金ページで自分のプランの行を見てください。「無料でできるはず」と思い込んで作業を組むと、途中で止まります。
読み込めないときの原因5つ
「エラーになる」「読み込めない」という場合、原因はだいたい次のどれかです。上から順に確認してください。
1. 上限に当たっている
まずこれを疑ってください。無料プランなら1日3ファイル、全体では3時間で80ファイル。そして、失敗した分もカウントされることがあります。公式は「混雑時には、これらの上限を引き下げる場合があります」とも書いています。時間をおいて試すと通ることがあります。
無料プランで1日に何度も試したあと翌日に持ち越した場合も、リセットの時刻は公式に明示されていません。「日付が変わればすぐ使える」と決め打ちせず、少し時間をあけてから試してください。焦って連続で試すのが、いちばん損をする動き方です。
2. サイズか形式が合っていない
前述のとおり、CSVやスプレッドシートは約50MB以下が目安です。また、古い形式や、他のソフト独自の形式だと読めないことがあります。いったんCSV形式で保存し直して送ると、通ることが多いです。
CSVにすると、書式、色、数式、複数シートは失われます。しかし、AIに読ませたいのは中身の数字と文字のはずなので、実害はほとんどありません。むしろ、余計な情報が落ちるぶん、読み取りが安定します。
複数のシートがある場合は、読ませたいシートだけを選んでCSVにしてください。CSVは1シート分しか保存できないので、この作業が結果的に「渡す範囲を絞る」ことにもなります。安全のためにも都合がよい形式です。
3. サービス側で障害が起きている
自分の操作に問題がなくても、サービス側で止まっていることがあります。公式ヘルプは「アップロードに影響する障害が発生していないか、status.openai.com で確認してください」と案内しています。
何度も試すと、失敗がカウントされて上限を消費します。2回続けて失敗したら、まず障害情報を見てください。これを知っているだけで、無駄な試行を減らせます。
障害が出ていた場合は、復旧を待つしかありません。急ぎの作業なら、この日はAIを使わずに進める判断も必要です。使えないときに代わりの手順があるかを、普段から考えておくと慌てません。
4. ストレージがいっぱい
回数ではなく容量のほうに当たっている場合です。設定のストレージで使用量を確認してください。公式ヘルプによると、ファイル使用量の上限に達している場合は、最近のチャットや作成したGPTからファイルを削除することもできます(これらは上限を共有しているため)。
古い会話に添付したまま忘れているファイルが、容量を使っていることがあります。使い終わった会話を消す習慣があると、ここで困りません。
公式ヘルプによると、アップロードしたファイルは対応するチャットの保存期間中アカウントに保存されます。つまり、会話を消さない限りファイルも残り続けるということです。容量の管理としても、情報の管理としても、使い終わった会話は消すのが基本になります。
5. 正しいアカウントで入っていない
意外と多いのがこれです。公式のトラブルシューティングでも、最初に「正しいアカウントに、適切なサブスクリプションプランでサインインしていることを確認します」と案内されています。会社のアカウントと個人のアカウントを使い分けている場合、ブラウザによって別のアカウントで開いていることがあります。
画面の右上か左下にあるアカウント名を見れば、どちらで入っているかが分かります。有料プランで契約しているつもりが、無料のアカウントで開いていた。これが原因なら、上限の話も一度に説明がつきます。
それでも解決しない場合、公式はサポートへの問い合わせを案内しています。その際に伝える情報として、アカウントのメールアドレス、スクリーンショット、発生日時とタイムゾーン、使用したプラットフォームやブラウザ、リクエストID(確認できる場合)が挙げられています。先に用意しておくと、やり取りが1往復で済みます。
表の中の図とグラフは消える
読み込めたのに「グラフの内容が伝わっていない」という場合があります。これは仕様です。
公式が明記していること
公式ヘルプには、文書に埋め込まれた画像の扱いについて、こう書かれています。Enterpriseは PDF のビジュアル検索に対応しているが、「その他のプランと文書ファイルでは、テキストベースの検索のみがサポートされます。つまり、ChatGPT はファイルからデジタルテキストを抽出し、画像は破棄します」。
つまり、表に貼り付けたグラフ、スクリーンショット、図形、画像として入っている注記は、読まれずに捨てられます。「グラフを見て傾向を説明して」と頼んでも、グラフは届いていません。
どうすればよいか
グラフの元になっている数字のほうを渡してください。グラフは数字から作られているので、数字さえ渡せば傾向の話はできます。画像として貼られた表を読ませたい場合は、その部分だけをセルに打ち直すか、別途画像として送ります(ただし無料プランでは、それも1日3ファイルの枠を使います)。
この仕様を知らないと、「AIは表が読めない」と誤解します。読めないのは画像であって、数字と文字は読めます。渡し方を変えれば結果は変わります。
そもそも丸ごと渡さない
ここが、この記事でいちばん大事な部分です。会社の表を扱うなら、ファイルごと渡さない選択肢を先に検討してください。
表には余計なものが入っている
ファイルを丸ごと渡すと、見せるつもりのないシートまで渡ります。非表示にしたシート、使わなくなった元データ、計算用のシート、担当者名の一覧。エクセルのファイルには、本人も忘れている情報が残っていることがよくあります。
さらに、顧客名、取引先名、単価、原価、社員の氏名。こうした情報が1つでも入っていれば、それは会社の情報を外部サービスに送ったことになります。仕事で使うときの線引きは別の記事にまとめていますが、個人データが含まれる場合は、会社としての確認が必要になることがあります。
必要な範囲だけコピーする
現実的な方法は、使う範囲だけを選択してコピーし、チャットに貼り付けることです。エクセルからコピーした範囲は、タブ区切りの文字としてそのまま貼れます。ファイルのアップロードにならないので、1日3ファイルの枠も消費しません。
貼る前に、列の名前を置き換えてください。「取引先名」の列を「A社、B社、C社」に、「担当者」の列を「担当者A、担当者B」に。数字は、外に出て困るものだけ倍率をかけるか、順位に置き換えます。この作業が面倒に感じるなら、そもそも渡すべきでない表です。
ファイルを消す
それでもファイルを渡した場合は、使い終わったら会話ごと消してください。公式ヘルプには、「ファイルを含むチャット、アカウント、またはカスタムGPTを削除すると、関連するファイルは30日以内に当社のシステムから削除されます」と書かれています(匿名化済みの場合や、法的な理由で保存が必要な場合を除く)。
消し方の順番には注意が必要です。先にメモリを確認してから会話を消す、という順序があります。詳しくはこちらの記事に書いています。
貼って使うときの送る言葉
範囲をコピーして貼る前提で、そのまま使える言葉を置いておきます。
集計してもらう
「これからタブ区切りの表を貼ります。1行目が見出しです。この表について、列ごとの合計と平均を出してください。計算に使った式も1行で書いてください。表にない項目は足さないでください。表はここから:」
「計算に使った式も書いてください」が要点です。式が書かれていれば、自分で検算できます。AIは計算の途中でずれることがあるので、金額が絡む集計は必ず自分で確かめてください。電卓で1列だけ確かめれば、全体が合っているかの見当はつきます。
関数を教えてもらう
実務でいちばん役に立つのが、この使い方です。表そのものを渡さずに済みます。
「エクセルで、A列に日付、B列に金額が入っています。B列のうち、A列が今月のものだけを合計したいです。使う関数と、そのまま貼れる式を1つ教えてください。式の意味も1行で説明してください。実際のデータは貼りません。」
「実際のデータは貼りません」と最初に書いておくのがコツです。これを入れないと、データを見せるよう促してくることがあります。列の構成だけ伝えれば、式は作れます。会社の情報を一切出さずに済む、いちばん安全な使い方です。
表の作り方を相談する
まだ表がない段階で、どう作るかを相談するのも有効です。「毎月の経費をまとめる表を作ります。あとで集計しやすい列の構成を提案してください。具体的な金額や取引先名は出しません」。
最初の設計を間違えると、あとで集計できない表ができあがります。1つのセルに複数の情報を入れてしまう、日付を文字として入れてしまう、合計行を途中に挟んでしまう。あとで直すのは大変です。作り始める前の5分が、あとの何時間かを決めます。
この相談には、会社の情報が1つも要りません。列の構成と、あとで何を集計したいかを伝えるだけです。安全で、効果が大きい。表計算でAIを使うなら、ここから始めるのがいちばんです。
まとめ
表計算のファイルを扱うときは、まず上限の構造を押さえてください。回数の上限(無料は1日3ファイル、全体では3時間で80ファイル)と、容量の上限(1人25GB)の2種類があります。そして、失敗した分もカウントされることがあり、残り回数は画面では確認できません。
読み込めないときは、上から順に確認します。上限。サイズと形式(CSVで保存し直すと通ることが多い)。サービス側の障害。ストレージの空き。正しいアカウントでのサインイン。2回続けて失敗したら、試す前に status.openai.com を見てください。
そして、読み込めても表の中の図やグラフは破棄されます。公式が「画像は破棄します」と明記しています。グラフではなく、元になっている数字を渡してください。
最後に、会社の表ならファイルごと渡さないのが基本です。非表示のシートや、忘れていた元データまで一緒に渡ります。使う範囲だけコピーして貼り、列名を置き換える。もっと安全なのは、データを渡さず、列の構成だけ伝えて式を教えてもらう方法です。これなら会社の情報は一切出ません。
最後に、数え方について知っておきたいことが2つあります。公式ヘルプに「アップロードに失敗した場合でも、アップロード数の上限にカウントされることがあります」と書かれています。失敗も1回に数えられる、ということです。だから、通らないファイルを何度も試すのはいちばん損な使い方になります。そしてもう1つ、「一定期間ごとに更新されるアップロード数の上限について、使用済みの容量や残量を確認できません」とのことです。残りが見えません。だから、大事な作業は上限に近づく前に済ませてください。
よくある質問(FAQ)
無料版でエクセルのファイルを読み込めますか?
読み込めますが、アップロードは1日3ファイルまでです。加えて、公式ヘルプには「アップロードに失敗した場合でも、アップロード数の上限にカウントされることがあります」と書かれています。形式やサイズを確認せずに何度も試すと、その日は使えなくなります。読み込んだあと集計やグラフ作成がどこまでできるかはプランによって異なるので、公式の料金ページで自分のプランの行を確認してください。
「アップロード上限に達しました」と出ますが、今日は送っていません。
上限は2種類あります。一定期間ごとに更新される回数の上限(例:3時間あたり最大80ファイル)と、チャットやプロジェクト、カスタムGPT全体で共有されるストレージ上限(1人25GB)です。後者に当たっている可能性があるので、設定のストレージで使用量を確認してください。公式ヘルプによると、上限に達している場合は最近のチャットや作成したGPTからファイルを削除することもできます。
ファイルが読み込めません。何を確認すればいいですか?
5つを順に確認してください。上限に当たっていないか。サイズと形式(CSVやスプレッドシートは約50MB以下が目安。CSVで保存し直すと通ることが多い)。status.openai.com で障害が出ていないか。ストレージの空き。そして、正しいアカウントでサインインしているか。2回続けて失敗したら、試す前にまず障害情報を見てください。失敗も回数を消費します。
表に貼ったグラフの内容が伝わりません。
仕様です。公式ヘルプには「その他のプランと文書ファイルでは、テキストベースの検索のみがサポートされます。つまり、ChatGPTはファイルからデジタルテキストを抽出し、画像は破棄します」と書かれています(PDFのビジュアル検索はEnterpriseが対応)。グラフや貼り付けた画像は読まれません。グラフの元になっている数字のほうを渡してください。
会社のエクセルを渡しても大丈夫ですか?
ファイルごと渡すのはおすすめしません。非表示にしたシート、使わなくなった元データ、担当者名の一覧など、本人も忘れている情報が一緒に渡ります。使う範囲だけを選択してコピーし、チャットに貼り付けてください。その際、列名を「A社」「担当者A」のように置き換えます。顧客や社員の個人データが含まれる場合は、会社としての確認が必要になることがあります。
データを渡さずに使う方法はありますか?
あります。列の構成だけ伝えて、関数と式を教えてもらう方法です。「A列に日付、B列に金額が入っています。B列のうち、A列が今月のものだけを合計したいです。使う関数と、そのまま貼れる式を1つ教えてください。実際のデータは貼りません。」最後の一文を入れておくと、データを見せるよう促されずに済みます。会社の情報を一切出さない、いちばん安全な使い方です。
データを渡さず、式だけ聞く
仕事でAIを使う前に確認する順番は、会社でChatGPTを使っていいのか分からないときににまとめています。プランごとの条件は変わることがあるので、公式の料金ページでも最新をご確認ください。