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「このページ、誰がいつ変えたんですか」と聞かれたことはあるでしょうか。数字が書き換わっている、決まったはずの内容が違う。そういうときに調べることになります。
Notionには更新日時と最終更新者が記録されているので、それを見れば分かる。そう思っていました。
実際に測ってみたら、思っていたより粗い記録でした。追える範囲には、はっきりした限界があります。
更新日時は、分までしか記録されない
まず、記録の細かさから確認します。
秒が、いつも00でした
ページを作って、そこに文章を1つ置き、25秒ごとに5回書き換えました。そのたびに更新日時を読み返します。
| 回数 | 記録された更新日時 |
|---|---|
| 1回目 | 09:51:00 |
| 2回目 | 09:52:00 |
| 3回目 | 09:52:00 |
| 4回目 | 09:52:00 |
| 5回目 | 09:53:00 |
5回書き換えたのに、記録されたのは3つの時刻だけです。そして、秒の部分がすべて00になっています。
丸められています
25秒ごとに操作しているので、本来なら51分30秒、52分ちょうど、52分30秒、のように散らばるはずです。それが全部、分の頭に揃えられています。
更新日時は分単位で記録されていて、秒は保存されていません。作成日時も同じでした。
同じ分の中は、1回に見える
この粗さが、実務でどう効いてくるか。
3回の編集が、1回の記録になった
上の表を見ると、2回目・3回目・4回目はすべて09:52:00です。3回編集したことが、記録の上では区別できません。
何回触られたかは分かりません。分かるのは「その分のどこかで触られた」ということだけです。
順番も分からなくなります
もっと困るのが、同じ分の中で複数の場所が編集された場合です。
Aさんが数字を直して、その30秒後にBさんが元に戻した。どちらも同じ分の記録になります。どちらが先かを、記録からは判断できません。
人が手で操作している場合はそこまで速くないので、あまり起きません。問題は自動化の処理です。1分間に何十回も書き込むなら、そのほとんどが同じ記録に丸められます。
残るのは「最後の1人」だけ
もう1つ、記録の性質を確認しました。
最終更新者は、上書きされます
ページに記録されているのは、最終更新者が1人です。名前のとおりですが、改めて考えると影響が大きい。
AさんがBさんの書いた内容を直せば、記録に残るのはAさんだけです。Bさんが関わったことは、どこにも残りません。
これはブロック単位でも同じでした。それぞれの部品にも最終更新者が付いていますが、やはり1人だけです。
自動化を入れていると、全部それになります
ここが実務で効きます。外部ツールとの同期を動かしていると、そのツールが最終更新者になります。
毎朝同期する仕組みがあれば、朝いちばんで全ページの最終更新者がそのツールに置き換わる。人が前日に触った記録は残りません。
「誰が変えたか」を追いたいのに、全部ツールの名前になっている。そういう状態になります。
図にすると、こうなります
版の履歴は、外からは取れない
ここまで読んで、「版の履歴を見ればいい」と思われたかもしれません。
取りにいく入り口がありません
Notionの画面には、過去の版に戻せる機能があります。誰がいつ何を変えたかが、もっと細かく残っています。
これを外から取れるか試しました。そういう入り口が用意されていません。版の一覧も、過去の中身も、取得する手段がない。
書き換えた前の内容も残りません
外から読めるのは、いまの中身だけです。書き換える前が何だったかは、返ってくる情報のどこにもありません。
つまり、履歴を自動で記録したり、変更点を通知したりする仕組みは、外からは作れないということになります。
できるのは、定期的に中身を読んで手元に控えておき、前回との違いを自分で比べることだけです。
履歴が消える日数はプランで決まる
画面の版の履歴にも、期限があります。
プランごとの日数
公式の料金ページによると、次のようになっています。
| プラン | 版の履歴が残る期間 |
|---|---|
| フリー | 7日 |
| プラス | 30日 |
| ビジネス | 90日 |
| エンタープライズ | 無制限 |
同じページに、より詳しい記録が見られる仕組みはエンタープライズプランに含まれる、と書かれています。
7日は、思ったより短いです
フリープランの7日というのは、先週の水曜に何があったかがもう分からないという長さです。
月次の集計で数字がおかしいことに気づいたときには、もう過ぎています。四半期の振り返りなら、まず間に合いません。
数字を扱うデータベースをチームで使っているなら、ここは判断材料になります。何か起きたときに何日前まで遡りたいかを考えて、それより短いなら足りていません。
遡る必要が本当にあるか
とはいえ、全員にとって必要とは限りません。
個人のメモや、チームの雑多な情報置き場なら、7日で困る場面はほとんどないと思います。戻したい場面が実際にあったかどうかを思い出してみてください。
1年に1回あるかないかなら、そのために上げる必要はありません。月に何度もあるなら、話は別です。
追えるようにしておく作り方
記録の限界が分かったので、補い方を書きます。
1. 大事な変更は、行として残す
いちばん確実なのがこれです。更新日時に頼らず、変更したこと自体を1行のデータとして書く。
日付、変更した人、何を変えたか、なぜ変えたか。この4つの列を持つデータベースを1つ作って、大きな変更のときだけ追記します。
手間はかかりますが、期限もありませんし、なぜ変えたかまで残ります。更新日時からは絶対に分からない部分です。
全部の変更を記録する必要はありません。金額、期限、決定事項。戻したくなるものだけで十分です。
2. 自動化には、専用の欄を持たせる
同期の処理が最終更新者を埋めてしまう問題は、列を分けることで避けられます。
「最後に同期した日時」という列を別に作って、自動化にはそこを書かせる。人が触った記録と、機械が触った記録を分けて持ちます。
こうしておくと、人の最終更新者が上書きされずに残ります。同期が動いたかどうかも、別に確認できます。
3. 定期的に控えを取る
外から中身を読んで、手元に保存しておく。これがあれば、前回との違いを比べられます。
版の履歴が外から取れない以上、これが唯一の方法です。週に1回でも、大きな変更なら十分に気づけます。
控えを取るとき、表やトグルの中身は別途たどらないと読めないので、そこは注意してください。浅く読むだけだと、控えたつもりで中身が抜けます。
4. 「いつまで遡れるか」を共有しておく
チームで使っているなら、履歴が何日で消えるかを全員が知っておくべきです。
消えてから気づくのがいちばんまずい。7日なのか90日なのかで、報告の速さが変わります。おかしいと思ったらすぐ言う、という空気があるだけで、救える場面が増えます。
よくある質問(FAQ)
秒まで記録されないのは、表示だけの問題ではないのですか。
外から取得しても、秒の部分は必ず00でした。25秒ごとに5回書き換えても、記録されたのは3つの時刻だけです。表示ではなく、保存されている値が分単位だと考えられます。
誰が何を変えたかを、外から通知できますか。
版の履歴を取りにいく手段がないので、そのままではできません。定期的に中身を読んで手元に控え、前回との違いを自分で比べる形になります。
最終更新者が、同期ツールの名前になってしまいます。
最終更新者は1人しか残らないので、後から書いたものが残ります。「最後に同期した日時」のような列を別に作って、自動化にはそちらを書かせると、人の記録が上書きされずに済みます。
画面の版の履歴には、もっと細かく残っていますか。
画面では過去の版に戻せるので、より細かい記録があります。外から取れないだけです。調べたいときは画面を開くことになります。
履歴の日数を延ばす方法はありますか。
プランを上げると延びます。公式の料金ページによると、フリーが7日、プラスが30日、ビジネスが90日、エンタープライズが無制限です。
変更の記録を残すデータベースは、どのくらいの粒度で書けばいいですか。
全部を記録すると続きません。金額、期限、決定事項のように、戻したくなるものだけで十分だと思います。書くのは日付・人・何を・なぜの4つで足ります。
「何日前まで遡りたいか」を決めてください
何か起きたときに何日前まで戻りたいか。それより履歴が短いなら、足りていません。まずはチームの全員が、いま何日で消えるかを知っているかどうかを確かめてみてください。