
相場を調べようとしてポータルサイトを開くと、出てくるのは「売出価格」です。売主が希望している金額であって、実際にその値段で売れたかどうかは分かりません。値下げ交渉が入れば下がりますし、そもそも売れ残っているだけかもしれない。売出価格をいくら並べても、いくらで成立したかは見えません。
実際に成立した価格を、無料で、誰でも見られる場所があります。国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」です。ここには性質の違う4種類の価格情報が入っており、どれを見るかで答えが変わります。取引当事者へのアンケートから作った情報、レインズのデータを加工した情報、不動産鑑定士が評価した年1回の価格、都道府県が判定した年1回の価格。この4つです。
この記事では、実際にサイトを操作して、4種類がどう違うのか、どの画面で何が出てくるのか、結果をどう読むのかを順に見ていきます。掲載している数値と画面の記述は、すべて2026年9月26日に実機で確認したものです。
結論:4種類の価格情報は、作られ方が違う。目的で選ぶ
4つの価格情報
不動産情報ライブラリのトップページは、大きく2つの入口に分かれています。「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」と「地価の情報をご覧になりたい方へ」です。前者に2種類、後者に2種類、合わせて4種類の価格情報が入っています。
| 価格情報 | 誰が、どう作っているか |
|---|---|
| 不動産取引価格情報 | 国交省が取引当事者にアンケートを実施し、物件が特定できないよう加工して四半期ごとに公表 |
| 成約価格情報 | レインズ保有の情報を国交省が加工。RMIで公表しているもの |
| 地価公示 | 国交省の土地鑑定委員会が標準地を選び、不動産鑑定士2名の鑑定評価をもとに毎年1月1日時点の価格を判定 |
| 都道府県地価調査 | 都道府県知事が毎年7月1日時点の標準価格を判定して公表 |
この4つは、同じ「価格」という言葉を使っていますが、性質がまったく違います。前の2つは実際の取引の記録、後の2つは専門家が判定した基準値です。前者は物件ごとにばらつきますが実勢に近く、後者はばらつかない代わりに地点が限られます。
結論:何を知りたいかで選ぶ
使い分けの結論を先に書きます。自分の物件がいくらで売れそうかを知りたいなら、不動産取引価格情報か成約価格情報。土地の価格水準や前年からの変動を知りたいなら、地価公示か地価調査。この2組を混ぜて考えると、話が合わなくなります。
たとえば「地価公示では㎡あたり50万円なのに、うちのマンションは坪単価に直すともっと高い」というのは、比較が成り立っていません。地価公示は土地の更地としての価格で、マンションの価格には建物と立地の付加価値が乗っているからです。
以下、それぞれの作られ方を確認したうえで、実際に検索してみます。
不動産取引価格情報と成約価格情報の違い
不動産取引価格情報は、アンケートから作られている
検索画面の説明文には、こう書かれています。国土交通省において不動産の取引当事者を対象としたアンケート調査を実施し、収集した情報をもとに、売買物件が容易に特定できないよう加工した上で、取引に関する情報(取引価格、土地の面積・形状など)について、四半期ごとに公表するものである——。
注目すべきは、続く一文です。「なお、公表する価格については数値の丸め以外は一切補正を行っておりません」と明記されています。つまり、成約した価格そのものが、桁を丸めただけで出ているということです。
この性質には裏表があります。補正がないので実勢に忠実である一方、その取引に固有の事情も、そのまま数字に乗っています。親族間の売買、急いで処分した物件、逆に相場より高く買った案件。1件だけを見て「この地域の相場はこれだ」と判断すると、外れます。
成約価格情報は、レインズを加工したもの
もう1つの成約価格情報は、出どころが違います。画面の説明文によれば、指定流通機構(レインズ)保有の不動産取引価格情報を、国土交通省が個別の不動産取引が特定できないよう加工し、消費者向け不動産取引情報サービスである「レインズ・マーケット・インフォメーション」(RMI)にて公表している情報、という定義でした。
RMI側から同じデータを引く手順と、レインズ本体との関係はレインズを一般人が見る方法で扱っています。
さらに注記があります。マンション及び一戸建ての不動産取引価格(成約価格)については、統計情報としての正確性に配慮した絞り込みを行った上で、個別の不動産取引が特定できないように加工し提供している、というものです。
「絞り込み」があるという点が、不動産取引価格情報との大きな違いです。異常値が除かれている分、地域の傾向を見るには使いやすい。一方で、絞り込みの基準そのものは画面に書かれていないため、何がどれだけ除かれているかは分かりません。傾向を見るなら成約価格情報、個別事例の幅を見るなら不動産取引価格情報、という使い分けになります。
対象になる種類が違う
種類の選択肢は6つあります。宅地(土地及び土地と建物)、土地、土地と建物、中古マンション等、農地、林地です。「すべて」を選ぶこともできます。
ここに重要な注記が2つ付いています。1つは、成約価格情報は「土地と建物」「中古マンション等」のみ検索可能であること。もう1つは、成約価格情報の場合、「土地と建物」とは「戸建て」を指すことです。
つまり、土地だけを売買する場合や、農地・林地については、成約価格情報は使えません。不動産取引価格情報のほうを見ることになります。逆にマンションや戸建てなら、両方を突き合わせられます。2つの数字がかけ離れていたら、その地域はサンプルが少ないか、特殊な取引が混じっていると考える手がかりになります。
地価公示と都道府県地価調査の違い
地価公示は1月1日、地価調査は7月1日
地価の検索画面には、2つの区分の説明が置かれています。地価公示については、地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が、都市及びその周辺の地域等において標準地を選定し、2名の鑑定評価員(不動産鑑定士)の鑑定評価をもとに、毎年1月1日時点の1㎡あたりの正常な価格を判定し公示するもの、という説明です。
用途についても記載があります。一般的な土地取引の指標や公共事業用地の取得価格算定の規準とされ、適正な価格の形成に寄与することを目的としている、というものです。取引の指標として使われることが、制度の目的として明記されている点は覚えておく価値があります。
都道府県地価調査のほうは、国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県知事が毎年7月1日における標準価格を判定し公表するもの、と書かれています。そして、都道府県地価調査は国土交通省で実施している地価公示と相互に補完関係にあり、一部共通地点とすることにより、半年毎の地価動向を示していると続きます。
用途区分で絞り込む
地価の検索では、用途区分を選びます。選択肢は、住宅地、商業地、工業地、宅地見込地、準工業地、市街化調整区域内の現況宅地、市街化調整区域内の現況林地(地価公示のみ)、林地(都道府県地価調査のみ)です。
末尾2つの括弧書きが示すとおり、地価公示と地価調査では、扱う用途区分が完全には一致していません。林地を調べたい場合は都道府県地価調査を、市街化調整区域内の現況林地なら地価公示を選ぶことになります。地域は10件まで指定でき、都道府県地価調査の林地は都道府県単位でのみ検索可能、という制約もついています。
もう1つ、画面の留意事項に書かれている実務的な注意を挙げておきます。検索結果が1万件を超えた場合、表示される情報は1万件までです。すべて見るには、検索条件を変えるか、結果一覧で絞り込んで1万件以下にする必要があります。
容積率の★印
細かい点ですが、結果を読むときに知らないと引っかかる表記を1つ挙げます。留意事項に、指定容積率を上回る容積率を使用することを前提に価格を決定した地点は、指定容積率の次に★を表示しています、と書かれています。
これは、その地点が特例的に高い容積率を前提に評価されていることを意味します。同じ用途地域の隣接地点と比べて価格が高く出ている場合、★の有無を確認すると理由が分かることがあります。
自分の土地の水準を推定する目的なら、★のついた地点は基準にしないほうが安全です。条件が特殊な地点を物差しにすると、推定値が上振れします。
実際に検索する。世田谷区の中古マンションで試す
入口と、設定する5項目
取引価格を調べる入口は、トップページの「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」にある「データの検索・ダウンロード」です。直接アクセスするなら reinfolib.mlit.go.jp/realEstatePrices/ になります。
検索条件として設定するのは、次の5つです。順番に埋めていきます。
- 地域:「住所からの場合」か「路線・駅名からの場合」を選ぶ。住所なら都道府県 → 市区町村 → 地区の順
- 価格情報区分:不動産取引価格情報と成約価格情報を、それぞれチェックで選ぶ(両方同時も可)
- 種類:宅地/土地/土地と建物/中古マンション等/農地/林地/すべて
- 時期:四半期単位で、開始と終了を選ぶ。2005年第3四半期から選べる
- 設定後、「一覧表示」を押す
実際に、東京都・世田谷区・中古マンション等・2025年第1四半期から2026年第1四半期まで、という条件で検索してみます。駅名からの検索もできますが、路線をまたぐ物件の扱いが分かりにくいので、まずは住所で試すことをおすすめします。
件数を見る
この条件での検索結果は、不動産取引価格情報が991件、成約価格情報が647件でした(2026年9月26日時点)。同じ地域・同じ期間・同じ種類でも、件数が1.5倍ほど違います。
この差が、前章で見た「絞り込み」の結果です。成約価格情報は統計としての正確性に配慮した絞り込みを行っているため、件数が少なくなります。どちらが正しいという話ではなく、母集団が違うと理解してください。
件数そのものも判断材料になります。991件あれば、間取りや面積で絞り込んでも十分な数が残ります。一方、地方の町村で検索して10件しか出てこないなら、その数字から相場を語るのは無理があります。まず件数を見て、絞り込める余地があるかを確認するのが最初の判断です。
一覧に出てくる項目
一覧表示の列は、次のとおりです。価格情報の区分(不動産取引価格情報か成約価格情報か)、所在地、最寄駅の名称、最寄駅からの距離、取引総額、専有部分の間取り、面積、建物の建築年、建物の構造、用途地域、取引時期(四半期)。そして各行に「詳細表示」があります。
実際に出てきた1件目は、こうでした。所在地は世田谷区宇奈根、最寄駅は成城学園前、取引総額3,600万円、間取り3LDK、面積80㎡、建築年2003年。別の区で試した例では、これに加えて構造が「RC」、用途地域が「2種住居」、取引時期が「2024年第1四半期」と表示されました。
用途地域と構造が一覧に出てくるのは、実務上ありがたい点です。同じ町名でも、商業地域の物件と住居専用地域の物件では価格の出方が違います。比較する相手を選ぶときの手がかりになります。
ここで分かるのは、町名までしか出ないということです。番地は表示されません。これは物件が特定できないようにするための加工で、制度上そうなっています。したがって「この物件の隣がいくらで売れたか」を調べることはできません。同じ町名・同程度の面積・同程度の築年の取引がいくらだったか、までが分かる範囲です。
結果の読み方。1件ずつ見るか、分布を見るか
1件の数字を相場だと思わない
先ほどの例で言えば、世田谷区宇奈根の80㎡・3LDK・2003年築が3,600万円で成約している、という事実が1つ分かりました。これは事実ですが、相場ではありません。
不動産取引価格情報には補正がかかっていないため、個別事情がそのまま反映されます。同じマンションの別の部屋が4,200万円で売れているかもしれませんし、3,100万円かもしれない。1件は点であって、線ではありません。
やるべきことは、条件を揃えて複数件を集め、幅を見ることです。面積70〜90㎡、築20〜25年、同じ駅から徒歩圏。この条件で10件以上集まれば、最低値と最高値、そして真ん中あたりがどこかが見えます。相場は1つの数字ではなく、幅として把握するのが正しい読み方です。
2つの価格情報を突き合わせる
マンションと戸建てについては、不動産取引価格情報と成約価格情報の両方が使えます。この2つを同じ条件で検索して、結果を比べてみてください。
傾向が一致していれば、その地域のデータは安定していると考えられます。逆に、かけ離れている場合は理由があります。サンプル数が少ない、特殊な取引が混じっている、期間内に相場が動いた、といった可能性です。2つを比べること自体が、データの信頼度を測る手段になります。
件数が991件と647件のように十分ある地域では、この突き合わせが効きます。一方、どちらも2桁に満たない地域では、統計として扱わず「こういう取引があった」という参考情報として見るべきです。
期間の取り方
時期は四半期単位で選べ、2005年第3四半期まで遡れます。長く取れば件数が増えますが、その間に相場が動いていれば混ざってしまいます。
実用的には、まず直近1年で検索して件数を見る。十分な件数があればそのまま使い、少なければ2年、3年と広げる。広げた場合は、古い取引と新しい取引を分けて、水準が変わっていないかを確認する。この順番が安全です。
なお、不動産取引価格情報は四半期ごとの公表なので、直近の取引がすぐ出てくるわけではありません。アンケートの回収と加工に時間がかかるため、公表までにはタイムラグがあります。「今この瞬間の相場」を知る道具ではない、という前提で使ってください。
地価公示を引く手順と、読むときの注意
手順
地価の検索は、トップページの「地価の情報をご覧になりたい方へ」にある「データの検索」から入ります。URLは reinfolib.mlit.go.jp/landPrices/ です。
設定するのは、区分(地価公示か地価調査か)、地域(都道府県 → 市区町村 → 地名)、用途区分、調査年の範囲です。標準地番号・基準地番号が分かっていれば、番号から直接検索することもできます。地域の指定は10件までです。
結果には、その標準地の1㎡あたりの価格、所在、用途地域、指定容積率、前年からの変動率などが表示されます。鑑定評価書そのものも「鑑定評価書情報・地価公示のダウンロード」から取得できます。
標準地は、自分の土地ではない
地価公示を使うときに最も重要な注意点は、表示されるのは標準地の価格であって、自分の土地の価格ではないということです。標準地は地域の代表として選ばれた地点で、全ての土地に設定されているわけではありません。
自分の土地の水準を推定したい場合は、近い標準地を選び、条件の違いを調整して考えることになります。接道の幅、角地かどうか、形状、用途地域、指定容積率。これらが違えば価格も違います。
調整の精度を上げたいなら、鑑定評価書を読むのが確実です。どういう地点で、どういう要因を考慮して価格を出したかが書かれています。数字だけを見て自分の土地に当てはめると、条件の違いを見落とします。
1月1日と7月1日の使い分け
地価公示は1月1日時点、都道府県地価調査は7月1日時点です。両者は相互に補完関係にあり、一部が共通地点とされているため、半年ごとの動きを見ることができます。
実務的な使い方としては、同じ地点について地価公示と地価調査の両方がある場合、時系列で並べると半年刻みの推移が見えるということです。年1回の数字だけを見るより、変化の方向と速さがつかめます。
ただし、共通地点は「一部」です。すべての地点で半年刻みのデータが取れるわけではありません。自分が見たい地域に共通地点があるかどうかは、検索して確かめることになります。
目的別の使い分け。売るとき、買うとき、税金のとき
売るとき
査定を取る前に、自分で相場の幅をつかんでおくのが目的になります。使うのは不動産取引価格情報と成約価格情報です。
手順としては、自分の物件と条件の近いもの(同じ町名か隣接町名、面積±20%、築年±5年)を、直近1〜2年で集めます。10件以上あれば、最低値・最高値・中間値が見えます。査定書の価格が、この幅の中に入っているか、上に外れているか、下に外れているかを見るのが使い方です。
幅の上に外れた査定価格が出てきた場合、それは高く売れるという意味ではなく、媒介契約を取るための価格である可能性があります。逆に下に外れていれば、早く売り切りたい事情があるのかもしれません。いずれにしても、根拠を聞く材料になります。
買うとき
買うときは、売出価格と成約価格のギャップを見ます。ポータルサイトで見ている売出価格に対して、同条件の成約価格がどのあたりにあるかを確認します。
売出価格が成約価格の幅の上限を大きく超えているなら、値下げされるか、売れ残るかのどちらかです。逆に下限に近ければ、競合が入る可能性を考えたほうがいい。指値をいくらで入れるかの根拠として、この幅が使えます。
注意点として、成約価格には「いつの」という時点があります。相場が動いている局面では、半年前の成約価格が今の判断材料として弱くなります。地価公示・地価調査の変動率とあわせて見ると、方向がつかめます。
税金・相続のとき
ここは注意が必要です。相続税や贈与税の評価に使うのは、原則として路線価(国税庁の財産評価基準書)であり、不動産情報ライブラリの取引価格ではありません。固定資産税は固定資産税評価額を使います。
不動産情報ライブラリの価格情報は、あくまで取引の指標です。税額の計算に直接使うものではないという点は、取り違えないでください。
ただし、遺産分割で相続人どうしが不動産の価値をどう見るかを話し合う場面では、取引価格情報が参考になります。路線価は実勢より低めに出ることが一般的なので、「税務上の評価額」と「売ったら手に入る金額」が別物だと共有するために使えます。個別の判断は税理士に確認してください。
まとめ
不動産情報ライブラリには、性質の違う4種類の価格情報が入っています。不動産取引価格情報は取引当事者へのアンケートから作られ、数値の丸め以外は補正されていません。成約価格情報はレインズのデータを加工したもので、マンションと戸建てについては統計としての正確性に配慮した絞り込みが入っています。地価公示は土地鑑定委員会が鑑定士2名の評価をもとに毎年1月1日時点で判定し、都道府県地価調査は知事が毎年7月1日時点で判定します。
前の2つは実際の取引の記録、後の2つは専門家が判定した基準値です。自分の物件がいくらで売れそうかを知りたいなら前者、土地の水準と変動を知りたいなら後者を使います。
実際に検索すると、東京都世田谷区の中古マンション等・2025年第1四半期から2026年第1四半期で、不動産取引価格情報が991件、成約価格情報が647件でした。同じ条件でも母集団が違います。一覧に出るのは所在地(町名まで)、最寄駅、距離、取引総額、間取り、面積、建築年です。
読み方の要点は1つです。1件の数字を相場だと思わないこと。条件を揃えて10件以上集め、幅として把握する。査定書や売出価格が、その幅のどこにあるかを見る。これができれば、業者の説明を鵜呑みにせずに済みます。
よくある質問(FAQ)
利用にお金や登録は必要ですか
不動産情報ライブラリのウェブサイトでの検索・閲覧は、登録なしで利用できます。データのダウンロードも画面から行えます。一方、プログラムから自動取得するためのAPIについては別に利用申請が必要で、申請なしで呼び出すとアクセスが拒否されます。手作業で調べる分には申請は不要です。画面上部の「API利用申請」「利用約款」から、APIの条件を確認できます。
自分のマンションの、隣の部屋の成約価格は分かりますか
分かりません。一覧に表示される所在地は町名までで、番地やマンション名は出ません。これは売買物件が容易に特定できないよう加工しているためで、制度上そうなっています。分かるのは、同じ町名で、同程度の面積・間取り・築年の取引がいくらだったか、という範囲です。個別物件の価格を知りたい場合は、レインズの売却依頼主向け確認画面など、別の手段を検討することになります。
取引価格情報と成約価格情報、どちらを信じればいいですか
どちらが正しいという関係ではありません。不動産取引価格情報は数値の丸め以外の補正がないため実勢に忠実ですが、個別事情がそのまま乗ります。成約価格情報はマンション・戸建てについて統計としての正確性に配慮した絞り込みが入っているため、傾向を見るのに向きますが、何が除かれたかは画面に書かれていません。両方を同じ条件で検索し、傾向が一致するかを確認する使い方をおすすめします。かけ離れている場合は、サンプル数や期間内の相場変動を疑ってください。
地価公示の価格で、自分の土地の値段が分かりますか
そのままでは分かりません。地価公示は土地鑑定委員会が選んだ標準地の価格であって、すべての土地に設定されているわけではないからです。自分の土地の水準を推定するには、近い標準地を選び、接道、角地かどうか、形状、用途地域、指定容積率といった条件の違いを調整して考える必要があります。なお、指定容積率を上回る容積率を前提に価格を決定した地点には★が表示されるため、そうした地点を物差しにすると推定値が上振れします。
相続税の計算に使えますか
使いません。相続税や贈与税の土地の評価は、原則として国税庁が公表する路線価(財産評価基準書)に基づいて行います。固定資産税は固定資産税評価額を使います。不動産情報ライブラリの価格情報は取引の指標であって、税額計算のための評価額ではありません。ただし、遺産分割の話し合いで「税務上の評価額」と「売った場合に手に入る金額」が別物であることを共有する材料としては有用です。個別の判断は税理士にご相談ください。
データはどのくらい遡れますか
不動産価格の検索画面では、時期の選択肢が2005年第3四半期から直近の四半期まで用意されています。2026年9月26日時点では、最新が2026年第1四半期でした。ただし、遡るほど当時の相場が現在と異なるため、長期間をまとめて検索すると水準の違う取引が混ざります。まず直近1年で件数を確認し、足りなければ広げ、広げた場合は古い取引と新しい取引を分けて水準を比べる、という手順をおすすめします。
実際の成約価格は、国のサイトで無料で見られます
ポータルサイトの売出価格ではなく、成立した価格を見てから査定を受けると、話が具体的になります。登録は不要で、町名と面積と築年で絞り込めます。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の物件・投資・税務の判断は、宅地建物取引士・税理士など専門家にご相談ください。画面の記述・件数は2026年9月時点で確認したものです。