
英語学習のプロンプト集を保存したことがあると思います。20本、30本。そして、使っていない。
数が多いと、その日の状況に合うものを探す手間が発生します。業務で英語を使う人の用途は、7つしかありません。7本に絞って、どれを使うかを1秒で決められるようにします。
プロンプト集を保存しても使わない
集めた数と、使った回数は比例しません。
探す手間が、使う手間を超える
30本の中から今日に合うものを選ぶには、一覧を読み直す必要があります。この作業が30秒かかると、その場で適当に書いたほうが早い。結果として、保存したものは使われなくなります。
用途が書かれていないと、選べない
「英語力が上がるプロンプト」のような名前だと、いつ使うのか分かりません。自分がいま困っている状況と結びつかないと、思い出すきっかけがない。用途から引ける形にしておく必要があります。
長いプロンプトは、修正が面倒で使われない
凝った指示文は、自分の状況に合わせて書き換える箇所が多くなります。書き換えが3か所を超えると、使うのをやめます。空欄は1〜2か所に収めてください。
用途は7つしかない
業務で英語を使う人の困りごとは、この7つに収まります。
| 用途 | 困っている場面 |
|---|---|
| 1. 会話の練習 | 話す機会がない |
| 2. 書いた文の添削 | これで通じるか不安 |
| 3. 場面の再現 | 特定の会議に備えたい |
| 4. 語の運用テスト | 覚えたか確かめたい |
| 5. 資料の条件抽出 | 長い英文から要点だけ要る |
| 6. 日本語の機能置き換え | 訳せない日本語がある |
| 7. 会議前の準備 | 15分で用意したい |
1つの用途に1本だけ持つ
同じ用途に複数のプロンプトを持つと、また選ぶ手間が生まれます。1用途1本。物足りなくなったら、その1本を書き換えてください。増やさないのが要点です。
使うのは、たいてい2〜3本
7本用意しても、実際によく使うのは自分の業務に近い2〜3本です。それで構いません。残りは、必要になったときに存在を思い出せればいい。
話す・書くの3本
まず、出力に関わる3本です。
1. 会話の練習
話題は【 】。私が1文話すごとに、あなたも1〜2文で返してください。
私の文が不自然でも、会話を止めずに進めてください。
10往復したら、私の英語で直すべき点を3つだけ、日本語で挙げてください。
修正を会話中に挟ませないのが要点です。途中で直されると量が出ません。詳しくはChatGPTで英会話を練習するなら、プロンプトは1つでいいにまとめています。
2. 書いた文の添削
出力は3つに分けてください。
(1) 修正後の全文
(2) 重要な修正を3つ。元の文 → 直した文 → なぜ変えたか
(3) 私が繰り返している癖があれば1つ
【 】
(3)が本命です。個別の誤りより、癖のほうが次に効きます。ChatGPTの英作文添削で伸びる人で詳しく扱っています。
3. 場面の再現
・当社の製品を今日初めて聞いた
・目的は【納期を2週間早めさせること】
・私が3文以上続けて話したら、途中で割り込んでください
・私の英語が曖昧なときは、聞き返さず自分の解釈で進めてください
10往復で終了し、私が曖昧だった発言を3つ、日本語で挙げてください。
相手役を協力的にしないための指示です。ChatGPTの英語ロールプレイが練習にならない理由に設計の考え方を書いています。
読む・覚えるの4本
残り4本は、入力と記憶に関わるものです。
4. 語の運用テスト
1語につき1問、私が仕事で答える場面を想定した質問にしてください。
私が英語で答えたら、その語が適切に使えているかだけを見てください。
文法の細かい指摘は不要です。
【 】
訳を確認するのではなく、使わせる形にします。覚えたかどうかは、自分の文で使えるかで判定してください。
5. 資料の条件抽出
書かれていない項目は「記載なし」とし、推測で補わないでください。
1 対象 2 時期と場所 3 母数 4 主な結果を1文 5 著者が述べている限界
各項目に、原文の該当箇所を1文ずつ添えてください。
【 】
要約より先に条件を出させるのが要点です。該当箇所を添えさせることで、後から自分で確認できます。
6. 日本語の機能置き換え
まず、この一文が果たしている機能を1つ挙げてください。
そのうえで、その機能に対応する英語を1文だけ提案してください。
機能が「場を締めるだけ」なら、書かない選択も提案してください。
【 】
「よろしくお願いします」のような、訳せない日本語に使います。機能を先に言わせることで、こちらも判断できます。
7. 会議前の準備
(1) 私が言う内容を英語で4文
(2) 想定される質問を3つと、それぞれへの回答を1文ずつ
(3) 聞き取れなかったときに使う確認の言い方を1つ
すべて短く、1文20語以内でお願いします。
用意した文を読み上げるだけでも、会議での発言数は変わります。準備に15分かければ足ります。
全部に共通して入れる3つ
7本のどれにも、この3つを入れてください。
| 入れるもの | 入れないと |
|---|---|
| 場面と相手 | 汎用的な例文が返る |
| 出力の個数 | 量が多すぎて処理できない |
| 判定の基準 | 何を見ればいいか分からない |
個数を必ず指定する
「修正点を挙げて」と書くと、10個以上返ってきます。3つ、と書いてください。処理できる量に絞るほうが、結果として身につきます。多く出されても読み飛ばすだけです。
「推測で補わない」を書く
読む系のプロンプトには必ず入れてください。これがないと、書かれていないことをそれらしく埋められます。記載なしと答えさせる形にしておくと、抜けが分かります。
出力の形式を先に決める
3つに分けて、と書くだけで、返ってくる形が安定します。毎回違う形式で返ってくると、読むのに時間がかかります。形式が同じなら、慣れて読む時間が短くなります。
会社の情報をどこまで入れるか
プロンプトに実務の内容を入れる前に、確認が要ります。
社内の規程を先に見る
外部のサービスに業務の情報を入れてよいかは、会社によって決まりが違います。始める前に確認してください。禁止されている場合は、社内で使える環境の有無を情報システムの担当に聞いてください。
固有名詞を伏せても練習になる
社名や製品名を伏せ字にして、業種と立場だけ指定すれば、練習としては成立します。「製造業の品質管理の担当者が」で十分です。固有の情報を入れる必要はありません。
数値と日付は、実物を入れない
金額や納期の具体的な数値は、架空のものに置き換えてください。練習の質は変わりませんし、万一の漏えいの影響を避けられます。本番のメールを書くときだけ、社内で許可された環境で実数を扱ってください。
まとめ
プロンプトは、数ではなく引きやすさです。
- 30本保存しても、探す手間が使う手間を超えると使われない
- 業務で使う用途は7つ。1用途に1本だけ持つ
- 出す側3本(会話・添削・場面再現)、入れる側4本(語・条件抽出・機能置換・会議準備)
- 全部に入れるのは3つ。場面と相手、出力の個数、判定の基準
- 読む系には「推測で補わない」を必ず入れる
- 空欄は1〜2か所。長さは6行以内に収める
- 会社の情報を入れる前に、社内の規程を確認する
実際によく使うのは2〜3本になります。それで十分です。
よくある質問
7本も覚えられません
覚える必要はありません。メモアプリに7本入れておいて、その日の用途から選ぶだけです。覚えるより、1秒で取り出せる場所に置くほうが大事です。
もっと詳しいプロンプトのほうが精度が上がりませんか
上がる場合もありますが、使う頻度が下がります。長いものを月1回使うより、短いものを毎日使うほうが結果につながります。物足りなくなったら、1行ずつ足してください。
どのAIでも同じように使えますか
基本的な構造は共通です。ただし出力の長さや形式の守り方には差があるので、使うものを決めたら、そこで1度調整してください。個数の指定が守られない場合は、より明確に書き直します。
日本語で指示していいですか
構いません。指示は日本語、出力だけ英語、という使い分けが実用的です。指示まで英語にすると、指示の精度が下がることがあります。
毎回同じプロンプトだと飽きませんか
中身に入れる内容が毎回変わるので、退屈にはなりません。むしろ、形式が固定されているほうが、結果の変化に気づきやすくなります。