
Notionを人数のいるチームで使い始めると、最初に決めることがあります。関わる人をメンバーとして入れるか、ゲストとして入れるかです。
画面上はどちらでも招待できるので、深く考えずにメンバーにしていることが多いと思います。そのほうが手間が少ないですし、あとから権限で困ることもありません。
ただ、この選び方は料金に直結します。人数によっては、年間で10万円以上の差になります。公式の料金をもとに試算しました。
課金されるのはメンバーだけ
まず前提をはっきりさせます。
公式にこう書かれています
公式のヘルプには、有料プランではワークスペースに追加されたメンバーごとに請求が発生する、と書かれています。
ゲストについては、同じページに請求の記載がありません。料金ページでも、ゲストは人数の上限として書かれていて、1人あたりの料金の対象としては出てきません。
プランごとの数字
| プラン | 1人あたり(月払い) | ゲストの上限 |
|---|---|---|
| フリー | 0円 | 10人 |
| プラス | 1,650円 | 無制限 |
| ビジネス | 3,150円 | 無制限 |
料金ページには、年間プランで最大20%お得になると書かれています。ただし年払いの具体的な金額は載っていないので、この記事の試算は月払いの数字で計算しています。年払いにすればもう少し下がります。
人数で試算してみる
ここからが本題です。同じ10人でも、分け方で金額が変わります。
10人チームの場合
社内が7人、外部の協力者が3人という構成で考えます。制作会社、業務委託、顧問。ページ単位でしか関わらない人たちです。
| 分け方 | プラス(月) | プラス(年) | ビジネス(年) |
|---|---|---|---|
| 全員メンバー(10人) | 16,500円 | 198,000円 | 378,000円 |
| メンバー7人+ゲスト3人 | 11,550円 | 138,600円 | 264,600円 |
| 差額 | 4,950円 | 59,400円 | 113,400円 |
3人をゲストに寄せるだけで、プラスなら年6万円弱、ビジネスなら年11万円強の差になります。
30人になると
人数が増えると、比例して差も広がります。外部の関係者が10人いる場合です。
| 分け方 | プラス(年) | ビジネス(年) |
|---|---|---|
| 全員メンバー(30人) | 594,000円 | 1,134,000円 |
| メンバー20人+ゲスト10人 | 396,000円 | 756,000円 |
| 差額 | 198,000円 | 378,000円 |
この規模になると、分け方を見直す作業に半日かけても十分に元が取れます。
ただし、フリープランは別の話
フリープランを使っている場合、ゲストは10人までです。ここを超えると、増やすにはプランを上げることになります。
つまりフリープランでは、ゲストは節約の手段ではなく、単なる上限です。外部の関係者が10人を超える時点で、有料プランの検討に入ります。
ゲストにできないこと
安いほうがいいとはいえ、ゲストには制限があります。公式のヘルプに5つ挙げられていました。
5つの制限
- ワークスペース全体にはアクセスできない
- メンバーのグループに追加できない
- ワークスペースの設定や請求情報を変更できない
- 新しいメンバーを追加できない
- 新しい連携を追加できない
また、ゲストはページごとに招待されます。招待されたページと、その下にぶら下がっているページだけが見える形です。
実務で効くのは最初の1つ
5つのうち、日常的に影響するのはワークスペース全体にアクセスできないという点です。
検索をしても、招待されたページの中しか出てきません。社内の人が「あのページ見て」と言っても、共有されていなければ開けない。そのたびに招待する手間が発生します。
逆に言えば、関わる範囲が決まっている人なら、この制限はむしろ都合がいいということです。見えてはいけないものが見えません。
グループに入れられないのが地味に面倒
もう1つ、運用で効くのがこれです。ゲストはメンバーのグループに入れられません。
権限をグループでまとめて管理している場合、ゲストだけは1人ずつ設定することになります。人数が増えると、この手間が積み上がります。
ゲストで足りるかの判断
金額と制限が分かったので、どう分けるかの話をします。
ゲストで足りる人
次のどれかに当てはまるなら、ゲストで問題ないことがほとんどです。
- 関わるページが決まっていて、増える予定がない
- 社外の人で、社内の情報を広く見せたくない
- 一時的な関わりで、終わったら外す前提
- 自分でページを作る必要がない
制作会社、業務委託の方、期間の決まったプロジェクトの参加者。このあたりは、たいていゲストで足ります。
メンバーにしたほうがいい人
逆に、次に当てはまるならメンバーです。
- いろいろなページを横断して見る
- 自分で新しいページを作って運用する
- 検索で社内の情報を探す必要がある
- グループで権限をまとめて管理したい
判断に迷ったら、招待する手間がどれくらい発生するかで考えるのがいいと思います。月に何度も「このページも共有して」と言われるなら、メンバーにしたほうが早いです。
図にすると、こういう分岐です
外からは、見分けがつきません
ここで、実際に確かめたことを1つ書いておきます。棚卸しをしようとしたときに当たりました。
ユーザーの一覧に、区別する情報がない
外部からワークスペースの利用者一覧を取得してみました。返ってくるのは、名前、識別子、アイコン、メールアドレス、そしてメールアドレスが確認済みかどうか。それだけです。
ゲストなのかメンバーなのかを示す情報は、1つも入っていませんでした。人か連携ツールかは区別されますが、人の中での区別はありません。
棚卸しを自動化できない
つまり、「いまゲストが何人いるか」を外から数える手段がないということです。設定画面を開いて、目で数えるしかありません。
人数が10人なら数分です。50人だと、けっこうな作業になります。しかも定期的にやる必要があります。
なので、入れるときに記録を残しておくほうが現実的だと思います。誰をいつ、どちらで入れたか。Notionの中にデータベースを1つ作って書いておけば、あとで照合できます。
メールアドレスは全員ぶん見えます
ついでに触れておくと、この一覧にはメールアドレスも入ってきます。連携ツールに渡している権限のほうで詳しく測りましたが、共有範囲とは関係なく全員ぶん返ります。
ゲストを増やすということは、その人たちのメールアドレスも同じ一覧に入るということです。連携ツールを入れているなら、あわせて考えておく価値があります。
棚卸しのしかた
最後に、実際にやる手順をまとめます。人数が増えたあとからでも間に合います。
1. いまの人数と内訳を数える
設定画面のメンバー一覧を開いて、メンバーとゲストがそれぞれ何人いるかを数えます。外から取れないので、ここは手作業です。
数えたら、その数字をどこかに残しておきます。次回の比較に使えますし、増えた人数がそのまま増えた金額になるので、感覚がつかめます。
2. メンバーの中から、ゲストで足りる人を探す
1人ずつ、どのページを使っているかを考えます。関わる範囲が決まっている人が見つかったら、ゲストに変えられる候補です。
ここで注意があります。メンバーからゲストに変えると、その人が作ったプライベートなページが見られなくなる場合があります。先に本人に確認して、必要なものは共有スペースに移してもらってください。
3. 使っていない人を外す
実は、これがいちばん効くことがあります。退職した人、プロジェクトが終わった人、試しに入れただけの人。
メンバーとして残っていれば、使っていなくても料金は発生します。1人あたり月1,650円は、年間で約2万円です。3人残っていれば年6万円になります。
4. 記録を残す
外から数えられない以上、記録しておくのがいちばん確実です。
名前、入れた日、メンバーかゲストか、関わっているプロジェクト。これだけのデータベースを1つ作って、招待するときに1行足す。習慣にしておけば、次の棚卸しが数分で終わります。
よくある質問(FAQ)
ゲストは本当に無料ですか。
公式のヘルプには、有料プランではワークスペースに追加されたメンバーごとに請求が発生する、と書かれています。ゲストについて請求の記載はなく、料金ページでもゲストは人数の上限として扱われています。ただしフリープランではゲストは10人までなので、超える場合はプランを上げることになります。
ゲストの人数に上限はありますか。
料金ページによると、フリープランは10人まで、プラスとビジネスは無制限です。無制限とはいえ、人数が増えるほど1人ずつの権限管理が重くなるので、実務上はどこかで整理が必要になります。
ゲストからメンバーに変えられますか。
変えられます。公式のヘルプには、ゲストがメンバーとしての参加をリクエストすると、ワークスペース内にプライベートページを作成できるようになる、と書かれています。メンバーになった時点で課金の対象になります。
メンバーからゲストに戻すとどうなりますか。
見える範囲が、招待されたページだけに狭まります。その人が作ったプライベートなページが見られなくなることがあるので、先に本人に確認して、必要なものを共有スペースに移してもらってください。
いまゲストが何人いるかを自動で数えられますか。
数えられません。外から取得できる利用者の一覧に、ゲストかメンバーかを示す情報が入っていませんでした。設定画面を開いて目で数えることになります。招待するときに記録を残しておくのが現実的です。
ゲストにもメールアドレスは見えてしまいますか。
ここで触れているのは、連携ツールから見た場合の話です。利用者の一覧を取得すると、共有範囲とは関係なく全員ぶんのメールアドレスが返ってきます。ゲストのアドレスも同じように入ります。
年払いにするとどのくらい安くなりますか。
料金ページには、年間プランで最大20%お得と書かれています。ただし年払いの具体的な金額は載っていなかったので、この記事の試算はすべて月払いの数字で計算しています。実際の支払額は、これより下がることになります。
まず、いまの内訳を数えてみてください
設定画面のメンバー一覧を開いて、メンバーとゲストがそれぞれ何人いるかを数えるところからです。使っていない人が残っているだけで、1人あたり年間約2万円が出ていきます。