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業務の型をNotionで作ると、だんだん「これを他のチームにも配りたい」「別のワークスペースにも置きたい」という話が出てきます。
そのとき、型のどこまでが持ち出せて、どこからが手作業になるのか。ここを先に知っておくと、見積もりが狂いません。
外から何が取れるのかを全部確かめました。結論は単純で、列の定義は運べて、見せ方は運べません。
追記:ビューは外から作れるようになっていました
この記事では「ビューを作る入り口が無い」と書きましたが、測り直したところ作れました。古い版の決まりで話していたため、必要な記号が見えていなかったのが原因です。表・ボード・リスト・カレンダー・タイムライン・ギャラリー・フォーム・ダッシュボードの8種類が作れます。ただし版を上げると行を取り出す処理が止まるので、進め方には注意が要ります。くわしくはビューは外から作れるようになっていましたにまとめました。「型は半分しか持ち出せない」という本記事の結論は、もう正しくありません。
運べるのは「列の定義」だけ
まず、取れるものから確認します。
データベースの情報として返ってくるもの
データベースの情報を取得すると、名前、説明、アイコン、表紙、作成者、更新日時、URL。そして列の定義が返ってきます。
列の定義には、それぞれの名前と種類、選択肢の一覧、数式の式、リレーションの接続先まで入っています。つまりデータベースの骨格は、そのまま別の場所に作り直せます。
ここまでは十分に使えます
列が20個あるデータベースでも、定義を読んでそのまま作れば、同じ骨格ができます。手で20回設定するのと比べれば、雲泥の差です。
行の中身も別途取得できるので、データごと移すこともできます。「型を複製する」という目的の半分は、これで達成できます。
ビューは、影も形もない
問題は残り半分です。
それらしいものが1つもない
返ってくる情報を全部並べて、ビューに関係しそうなものを探しました。1つもありませんでした。名前が似ているものすらありません。
| ビューの構成要素 | 外から取れるか |
|---|---|
| ビューの種類(テーブル・ボード・カレンダーなど) | 取れない |
| 絞り込みの条件 | 取れない |
| 並べ替えの設定 | 取れない |
| グループ分けの設定 | 取れない |
| どの列を表示しているか | 取れない |
| ビューが何個あるか | 取れない |
作ることもできません。読めないし、書けない。ビューという概念が、外から見ると存在しないことになっています。
ここが、型の価値そのものだったりします
よくできたデータベースの型を思い浮かべてください。価値があるのは、列が並んでいることでしょうか。
違うと思います。「自分の担当で、期限が今週で、まだ終わっていないもの」がひと目で出る絞り込み。そこに意味があります。
列の定義は、種類を選ぶだけなので誰でも作れます。どういう切り口で見るかを設計した部分こそ、時間がかかっているところです。そこが運べません。
移行の見積もりで抜けやすい
データベースが10個、それぞれにビューが4つあるとします。40個のビューを、移した先で手で作り直すことになります。
1つ5分としても3時間以上。しかも、元のビューの設定を見ながら再現する作業なので、画面を行き来します。実際にはもっとかかります。
骨格が自動で作れるぶん、ここを忘れがちです。移行の見積もりには、ビューの数を数えて入れてください。
列の並び順も取れない
もう1つ、地味に効くものがありました。
返ってくる順序に意味がない
列を「名前・担当・期限・状態・メモ」の順に作ったデータベースから、定義を取得しました。返ってきた順序は作った順ではありませんでした。画面に並んでいる順とも一致しません。
何度取得しても同じ順序で返ってくるので、安定はしています。ただ、その順序に意味はないということです。
並べ替えを指定しても効きません
順序を指定して送ってみましたが、通りませんでした。列の並びを外から決める手段が用意されていません。
つまり、定義から作り直したデータベースは、列の並びがバラバラになります。20列あれば、20列ぶんを手で並べ直すことになります。
図にすると、こういう切れ方です
列の説明は書けないのに、全体の説明は書ける
細かいところですが、型を配るときに効くので書いておきます。
列ごとの説明が設定できません
Notionには、列に説明を付ける機能があります。「この列には時刻を入れない」といった注意書きを添えられるものです。
型を配るなら、ここに使い方を書いておきたくなります。ところが外から設定できませんでした。書き込める項目の一覧に入っていません。
データベース全体の説明は書けます
一方で、データベース自体に付ける説明文は問題なく書けました。同じ「説明」なのに、扱いが違います。
| 説明の種類 | 外から書けるか |
|---|---|
| データベース全体の説明 | 書ける |
| 列ごとの説明 | 書けない |
なので、型を配るときの使い方の案内は、全体の説明にまとめて書いておくのが現実的です。列ごとに散らすより、結果的に読まれやすくもあります。
逆に、勝手に面倒を見てくれるところ
ここまで「できない」ばかりだったので、よくできている点も書いておきます。
列名を変えると、数式が追従します
「期限」という列を参照する数式を作ってから、その列の名前を「提出期限」に変えました。
数式の中身を確認すると、参照先が自動で書き換わっていました。手で直す必要がありません。
これは型を運用していくうえで大きいです。列名は、使っているうちに変えたくなります。そのたびに数式が壊れるなら、名前を変えるのが怖くなります。
壊れるのは、消したときだけ
以前、列の型を変えても値は消えていないという話を書きました。そこでも、名前の変更には数式もロールアップも自動で追従することを確かめています。
壊れるのは、参照先の列を消したときです。名前を変えるのは安全、消すのは危険。この線引きを覚えておけば、型の手入れがしやすくなります。
型を配る・移すときの組み立て方
ここまでを踏まえて、実際の進め方をまとめます。
1. 画面でできないかを先に確かめる
先に書いておくと、ここまでの制限は外から組み立て直す場合の話です。画面の複製でやりたいことが済むなら、そちらを試すほうが先です。
外から作る必要が出てくるのは、別のワークスペースに移すとき、外部のデータから作るとき、同じ型を大量に用意するとき。こういう場面です。
まず画面で試して、足りない部分だけを外から埋める。この順番のほうが、結果的に速いと思います。
2. ビューの設定を、文章で残す
外から組み立てる場合、ビューは手作業になります。だからこそ、設定を文章で残しておくと再現が速くなります。
ビューの名前、種類、絞り込みの条件、並べ替え、表示する列。これをデータベースの説明文に書いておけば、作り直すときに画面を行き来せずに済みます。
型として配るなら、受け取った人がビューを自分で作ることになります。案内があるかないかで、使い始めるまでの時間が変わります。
3. 列の並びは、最後に手で整える
外から作ったデータベースは、列の並びがバラバラになります。ここは諦めて、最後に手で並べ直す工程を入れておきます。
作業としては数分です。知らずに「なぜ並びが違うのか」と調べ始めるほうが時間を使います。
4. 見積もりに、ビューの数を入れる
移行や横展開の計画を立てるときは、データベースの数ではなくビューの数を数えてください。
骨格は自動で作れるので、そこは数に含めなくて構いません。実際の作業量は、ビューの数と、ボタンやオートメーションの数で決まります。
ボタンとオートメーションも外からは作れません。こちらの記事で測ったとおりです。あわせて数えておくと、見積もりが現実に近づきます。
よくある質問(FAQ)
ビューの設定を、何かの形で書き出せませんか。
外から取得できる情報の中に、ビューに関する項目が1つもありませんでした。絞り込みの条件も、並べ替えも、表示している列も取れません。画面を見ながら書き写すことになります。
画面から複製した場合も同じですか。
今回確かめたのは、外から組み立て直す場合だけです。画面の複製でビューがどう扱われるかは検証していません。まず画面で試してみて、足りない部分を外から埋めるのが確実だと思います。
列の並び順を外から指定できませんか。
指定する手段が用意されていませんでした。定義を取得したときの順序も、作った順とは違います。並べ直すのは最後に手でやる工程として見込んでおいてください。
列の説明を一括で入れたいのですが。
列ごとの説明は外から書けませんでした。データベース全体の説明は書けるので、そちらにまとめて書いておくのが現実的です。
列名を変えたら、数式や絞り込みはどうなりますか。
数式は参照先が自動で書き換わりました。名前の変更には追従します。壊れるのは、参照先の列を消したときです。
行のテンプレートは持ち出せますか。
外から取得できる情報の中に、行のテンプレートに相当するものが見当たりませんでした。行を一覧で取得しても出てきません。こちらも手で作り直すことになります。
ビューの設定を、説明文に書いておいてください
絞り込みの条件と並べ替えを、データベースの説明文に一行ずつ残しておく。配るときも、移すときも、作り直すときも、これがあるだけで速さが変わります。いま使っている型から始めてみてください。