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一人暮らしの家電、安い方が得とは限らない|電気代まで含めた「本当のコスパ」の見極め方

一人暮らしの部屋で家電を選んでいるイメージ

家電量販店で一番安いモデルを選んだのに、なぜか電気代がかさむ。
そんな経験がある一人暮らしの人は少なくないようです。
家電の値段には「買うときの価格」と「使い続ける間の電気代」の2つがあり、安いモデルほど後者が高くつくケースがあります。
この記事では、資源エネルギー庁のデータをもとに、電気代まで含めた「本当のコスパ」の見極め方を、実際の計算例つきで解説しましょう。

家電量販店でロボット掃除機を手に取っているイメージ

なぜ「安い家電」が結果的に高くつくことがあるのか

家電を選ぶとき、多くの人がまず見るのは店頭の価格です。
ですが、家電は買った後も何年、何十年と電気を使い続けるもの。
初期費用が数千円安くても、消費電力量が大きいモデルだと、数年で電気代の差が逆転してしまうことがあります。

これは「TCO(トータルコストオブオーナーシップ)」と呼ばれる考え方で、企業の設備投資ではよく使われる視点です。
一人暮らしの家電選びでも、この考え方を持っておくと、単純な値札の比較では見えないコスパが見えてきます。
とはいえ、すべての家電で電気代の差が大きいわけではありません。
どの家電で電気代を重視すべきかは、次の章から具体的に見ていきましょう。

一人暮らしの電気代、平均はどれくらいか

まず、一人暮らしの電気代の相場感を確認しておきます。

単身世帯の電気代平均は月7,337円
総務省「家計調査」(2025年)によると、単身世帯の電気代平均月額は7,337円で、年間では約88,044円にのぼります。2023年(6,726円)、2024年(6,756円)と比べても上昇傾向にあるところです。

電気代が上がっている背景には、電力料金そのものの値上がりに加えて、家電の使用状況も関係しています。
古い家電を使い続けているほど、この平均額より電気代がかさんでいる可能性があるということです。
逆に言えば、家電選びを見直すことは、数少ない自分でコントロールできる節約ポイントの一つと言えます。

家電によって「買い替えで得する度合い」は大きく違う

ここが、この記事でいちばん伝えたいポイントです。
「省エネ性能の高い家電に買い替えれば、なんでも得をする」というのは、実は正確ではありません。
資源エネルギー庁「機器の買換で省エネ節約」によると、10年前の製品と比べた省エネ率は、家電の種類によって次のように大きく差があります。

10年前の製品と比べた省エネ率(資源エネルギー庁調べ) LED照明 約86% 冷蔵庫 約15〜24% エアコン 約13% 温水洗浄便座 約9%

白熱電球からLEDへの買い替えは、約86%もの省エネ効果があり、圧倒的です。
一方でエアコンや温水洗浄便座は、10年前のモデルと比べても1割前後の差にとどまります。
つまり「まだ壊れていないエアコンを、省エネのためだけに買い替える」というのは、コスパの面ではあまり合理的ではないケースが多いということ。
何にお金と手間をかけるべきかは、家電によって違うと覚えておくとよいでしょう。

電気代込みの「本当のコスパ」を計算する方法

省エネ率がわかったところで、実際の金額に置き換えてみます。
電気代の計算には、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価(1kWhあたり31円、税込)を使うのが一般的です。

計算例:一人暮らし向け冷蔵庫(150Lクラス)を買い替えた場合
年間消費電力量の目安 約300kWh × 省エネ率24% = 年間約72kWhの削減
72kWh × 31円/kWh ≒ 年間約2,200円の電気代差
10年間使うと考えると、電気代だけで2万円以上の差になる計算です(実際の消費電力量はモデルによって異なるため、購入時は製品ごとの年間消費電力量表示で確認してください)。

このように、省エネ率と目安単価さえわかれば、大まかな電気代の差は自分でも試算できます。
初期費用の差額と、この電気代の差を比べてみることで、「本当に得なのはどちらか」が見えてくるはずです。
なお、より詳しく製品ごとの年間目安電気料金を知りたい場合は、経済産業省の省エネ型製品情報サイトで個別の製品を検索する方法もあります。

コスパで選ぶべき家電・こだわらなくていい家電

前の章までの内容を踏まえると、家電ごとに省エネ性能への「こだわり度合い」を変えるのが合理的です。

家電 省エネ性能へのこだわり度 理由
冷蔵庫 高い 24時間稼働し続けるため、省エネ率の差がそのまま長期的な電気代の差になりやすい
照明(LED) 高い(白熱電球からの買い替えなら) 買い替え効果が非常に大きい。すでにLEDを使っているなら急いで買い替えなくてよい
エアコン 中程度 買い替え効果は10年前と比べても1割程度。壊れていないのに省エネ目的だけで買い替える必要性は低い
温水洗浄便座 低くてよい 省エネ差が小さいため、価格や機能・使い勝手を優先して選んでかまわない

冷蔵庫は一人暮らしでも24時間稼働する数少ない家電なので、多少値段が高くても省エネ性能を優先する価値があります。
逆にエアコンや温水洗浄便座は、「型落ちで安い」という理由だけで避ける必要はなさそうです。
家電代の元手を増やす方法として、副業の始め方がわからない20代へ|安全な選び方から会社バレ対策・確定申告までもあわせてチェックしてみてください。

一人暮らしの家電選び、サイズ・機能のチェックポイント

家電量販店で製品を確認しているイメージ

省エネ性能と並んで見落とされがちなのが、サイズと機能の選び方。
資源エネルギー庁は、家電選びについて次のようなポイントを挙げています。

冷蔵庫

容量(L)が大きいほど消費電力量が増える傾向にありますが、必ずしも容量に比例するわけではありません。
一人暮らしなら、買い置きの量やライフスタイルに合わせて、150〜250L程度のクラスから選ぶのが目安になります。
大きすぎる冷蔵庫を選ぶと、価格・電気代ともに無駄になりがちです。

エアコン

部屋の広さに対して能力が大きすぎる機種を選ぶと、価格が上がるだけでなく、こまめなオンオフで逆に効率が悪くなることもあります。
「◯畳〜◯畳」という目安表示は、木造和室と鉄筋マンションで基準が異なる点にも注意してください。

テレビ

画面が大きいほど消費電力量も大きくなる傾向にあります。
部屋の広さや視聴距離に合ったサイズを選ぶことが、価格・電気代の両方のコスパにつながるでしょう。

洗濯機

一人暮らし向けの縦型洗濯機は、容量5〜6kg程度が目安とされています。
大きすぎる容量を選ぶと、少ない洗濯物でもまとめて回さないと非効率になり、水道代・電気代の両方で無駄が出やすくなるので注意してください。
乾燥機能付き(洗濯乾燥機)は便利な反面、消費電力量が大きくなる傾向があるため、実際に使う頻度を考えて選ぶのが賢明です。

掃除機

コード式・コードレス式・ロボット掃除機と選択肢が多く、消費電力量よりも稼働時間や吸引力とのバランスで選ぶ人が多い家電と言えます。
ワンルームなど部屋が狭い場合は、軽量なコードレス式のほうが電気代・使い勝手の両面で扱いやすいでしょう。

サイズ選びは「大は小を兼ねる」とは限らず、オーバースペックはそのままコストの無駄になりやすいということ。
自分の生活スタイルに必要な範囲を見極めることが、結果的にいちばんのコスパにつながります。

型落ち・セール品を賢く買うタイミング

同じ家電でも、買うタイミング次第で価格は大きく変わるもの。
新しいモデルが発売される直前は、旧モデル(型落ち品)が値下がりしやすいタイミングです。
店舗側としても、場所を取る旧モデルを新製品発売前に売り切りたいという事情があるためでしょう。

家電量販店の決算期にあたる3月・9月も、値下げが期待できるタイミングとしてよく知られています。
家電のカテゴリごとに新製品が投入される時期の目安を、下記の表にまとめました。

家電 新製品投入の目安時期 型落ち品が狙えるタイミング
冷蔵庫 8〜9月頃 7〜8月(新製品投入の直前)
洗濯機(縦型) 4〜5月頃 3〜4月(新製品投入の直前)
洗濯機(ドラム式) 8〜9月頃 7〜8月(新製品投入の直前)
掃除機 8〜9月頃 7〜8月・9〜11月(決算期と重なる時期)

型落ち品は、最新モデルと比べて省エネ性能がわずかに劣ることもあります。
ですが前述のとおり、エアコンや温水洗浄便座のように省エネ差が小さい家電であれば、型落ち品で価格を抑えるという選択は十分に合理的です。
逆に冷蔵庫やLED照明のように省エネ差が大きい家電は、型落ち品の年式(発売年)が古すぎないかを確認してから購入を検討するとよいでしょう。

よくある失敗例

電気代の請求書を見て困った表情をしている人のイメージ
  • 値札の安さだけで選んでしまう:初期費用は安くても、消費電力量の大きいモデルだと数年で電気代の差が逆転することがあります。年間消費電力量の表示も必ず確認しましょう
  • まだ使えるエアコンを省エネ目的だけで買い替えてしまう:前述のとおり、エアコンの買い替え効果は10年前と比べても1割前後です。壊れていないなら、無理に買い替える優先度は高くありません
  • 一人暮らしなのに大容量の冷蔵庫を選んでしまう:容量が大きいほど価格・電気代ともに上がりやすい傾向にあります。ライフスタイルに合ったサイズを選ぶことが大切です
  • 省エネ性能の表示を確認せずに購入してしまう:同じような価格帯でも、モデルによって年間消費電力量には差があります。購入前に必ず確認する習慣をつけましょう
  • 新製品発売直後に旧モデルを定価で買ってしまう:型落ちのタイミングを知らないと、値下がり直前の高い価格で買ってしまうことがあります。カテゴリごとの新製品投入時期を頭に入れておくだけでも損を避けやすくなります

まとめ:見るべきは「値札」ではなく「使い続けた総額」

一人暮らしの家電選びでは、購入時の値段だけでなく、電気代まで含めた「使い続けた総額」で考えることが大切です。
ただし、すべての家電で省エネ性能にこだわる必要はありません。
冷蔵庫やLED照明のように買い替え効果が大きい家電と、エアコンや温水洗浄便座のように効果が限定的な家電を見分けて、お金と手間をかけるべきところに絞るのが合理的な選び方と言えるでしょう。

最後に、今日から実践できるポイントを3つにまとめました。

  1. 冷蔵庫・LED照明は、省エネ性能を優先して選ぶ
  2. エアコン・温水洗浄便座は、壊れるまで無理に買い替えない
  3. 購入前に、家電のカテゴリ別の新製品投入時期をチェックしておく

この3つを押さえておくだけでも、家電選びの失敗はかなり減らせるはずです。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 型落ちの家電を買うのは損ですか?

家電の種類によります。エアコンや温水洗浄便座のように省エネ性能の差が小さい家電なら、型落ちで安く買うのは合理的な選択です。一方、冷蔵庫やLED照明は省エネ効果の差が大きいため、なるべく新しいモデルを検討する価値があります。

Q2. 電気代の目安単価は誰が決めていますか?

全国家庭電気製品公正取引協議会という団体が「新電力料金目安単価」を定めており、現在は1kWhあたり31円(税込)です。実際の単価は契約する電力会社・プランによって異なります。

Q3. 一人暮らしの電気代が平均より高い場合、原因は家電ですか?

家電の消費電力量だけが原因とは限りません。使用時間や地域、季節、契約している電力プランなど、複数の要因が影響します。ただし、古い冷蔵庫やエアコンを長年使い続けている場合は、家電の買い替えで改善する可能性があります。

Q4. 冷蔵庫はどのくらいの容量を選べばいいですか?

一人暮らしであれば、150〜250L程度のクラスが一つの目安です。自炊の頻度やまとめ買いの量に応じて、必要な容量を見極めるとよいでしょう。

Q5. 家電の年間消費電力量はどこで確認できますか?

家電量販店の製品カタログや店頭の「統一省エネラベル」で確認できるほか、経済産業省の省エネ型製品情報サイトでも製品ごとの情報を調べられます。

Q6. LED照明への買い替えは本当に効果がありますか?

白熱電球からLEDへの買い替えであれば、資源エネルギー庁のデータで約86%の省エネ効果が示されており、家電の中でも特に効果が大きい部類に入ります。まだ白熱電球を使っている場合は、優先して検討する価値があります。

Q7. エアコンが古いのですが、すぐに買い替えるべきですか?

正常に動作しているなら、急いで買い替える必要は高くありません。エアコンの買い替えによる省エネ効果は10年前のモデルと比べても1割前後にとどまるため、故障や不具合が出てから検討するのでも十分な場合が多いです。

Q8. 中古家電を買うのはコスパが悪いですか?

一概には言えません。省エネ効果の差が小さい家電(エアコン・温水洗浄便座等)であれば、中古やアウトレット品でも大きな問題にはなりにくいです。冷蔵庫のように省エネ差が大きい家電は、中古の場合は年式(製造年)を確認し、あまり古すぎないものを選ぶことをおすすめします。

Q9. 家電が一番安くなるのはいつですか?

家電のカテゴリによって異なりますが、多くの場合、新製品が投入される直前の1〜2ヶ月と、家電量販店の決算期(3月・9月)が値下がりの狙い目です。冷蔵庫なら7〜8月、洗濯機(縦型)なら3〜4月頃が一つの目安になります。

Q10. 一人暮らしの洗濯機は何kgを選べばいいですか?

一人暮らしであれば、容量5〜6kg程度の縦型洗濯機が目安です。乾燥機能付きは便利ですが、消費電力量が大きくなりやすいため、使う頻度をふまえて検討するとよいでしょう。


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