
新NISAを始めたいけれど、毎月いくら積み立てればいいのか分からない。
「月1万円じゃ意味がない気がする」「月10万円は正直きつい」。
そんな声を検索すると数多く見かけます。
この記事では、20代の実際の投資額データや専門家の考え方をもとに、無理なく続けられる積立額の決め方を解説します。

なぜ「新NISA、月いくらが正解か」で悩む20代が多いのか
三井住友カードが実施した「20代の投資の実態調査」(2023年5月実施、20代1,000人対象)によると、20代の約3割がすでに投資をしており、「近いうちにしたい」という人も合わせると約6割にのぼります。
三井住友カード「20代の投資の実態調査」によると、20代の約3割が投資を実施中、「近いうちにしたい」という人と合わせると約6割が投資に前向きという結果でした。投資をしている人が毎月投資に回している金額でもっとも多かったのは「3万円以上〜5万円未満」で、1万円未満の少額派も合わせると全体の35.2%にのぼります。
つまり、金額は人によって大きくばらついているのが実情です。
これは、収入や生活費、貯金の状況が一人ひとり違う以上、当然のことでしょう。
「みんなの平均額」を追いかけるより、自分の状況に合った金額を見つけることが大切です。
次の章から、その決め方を具体的に見ていきましょう。
新NISAの基本をおさらい
積立額を考える前に、新NISAの制度を簡単におさらいしておきます。
金融庁のNISA特設ウェブサイトによると、新NISAには2つの投資枠があります。
| 項目 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| 年間投資枠 | 120万円 | 240万円 |
| 対象商品 | 金融庁が定めた要件を満たす投資信託・ETF | 投資信託・上場株式など(対象商品はより幅広い) |
| 非課税保有限度額 | 合計1,800万円(枠の再利用可) | 合計1,800万円のうち1,200万円まで |
2つの枠は併用でき、年間最大360万円まで投資できます。
非課税で保有できる期間は無期限になったため、20代のうちから長期でコツコツ積み立てるのに向いた制度と言えるでしょう。
ただし、これらはあくまで「使える上限」であり、20代のうちからこの上限いっぱいまで使う必要は全くありません。
20代の積立額、実際の相場はどれくらいか

前述の調査で、20代の投資家がもっとも多く回答した毎月の投資額は「3万円以上〜5万円未満」でした。
一方で、1万円未満の少額から始めている人も合わせて35.2%と、決して少なくありません。
つまり「みんな月5万円くらい投資している」というわけではなく、少額から始めている人もかなりの割合を占めているということです。
同調査を監修したファイナンシャルプランナーの大竹のり子氏は、収入の何%を投資に回すべきかについて、次のような考え方を示しています。
基本は「毎月の手取り収入の20%」を貯蓄に回すのが理想とされています。ただし銀行預金ではほとんど金利がつかないため、その半分(手取りの約10%)を投資に回すのがバランスの良い考え方だとされています。たとえば手取り25万円なら、2.5万円を貯蓄、2.5万円を投資に、という配分です。
この「手取りの10%」という基準は、あくまで一つの目安です。
自分の家計に当てはめて、無理のない金額を考えるための出発点として使うとよいでしょう。
そもそもの手取りを増やす方法として、副業の始め方がわからない20代へ|安全な選び方から会社バレ対策・確定申告までも参考にしてみてください。
無理のない積立額を決める3ステップ
「手取りの10%」を出発点にしつつ、実際に金額を決めるときは、次の3ステップで考えるのがおすすめです。
ステップ1:手取り収入を確認する
給与明細の「差引支給額」、つまり実際に振り込まれる金額を確認します。
額面(総支給額)で計算してしまうと、税金や社会保険料の分だけ実態より多く見積もってしまうので注意してください。
ステップ2:生活防衛資金を確保する
投資を始める前に、まず生活費の3〜6ヶ月分を現金(すぐに引き出せる預金)で確保しておくことが、多くのファイナンシャルプランナーが勧める基本の考え方です。
病気や失業など、急にお金が必要になったときに投資分を取り崩さずに済むようにするための備えです。
この生活防衛資金がまだない場合は、無理に投資額を増やすより、まずここを優先するほうが安全でしょう。
ステップ3:無理のない金額を試算する
生活防衛資金を確保できたら、残りの余剰資金の中から、手取りの5〜10%程度を目安に積立額を決めます。
前述の調査でも1万円未満から始めている人が一定数いたように、最初から高い金額を目指す必要はありません。
月1,000円や月5,000円といった少額からでも、新NISAの口座自体は開設できます。
慣れてきたら、ボーナス時や昇給のタイミングで見直していくのが現実的な進め方です。
新NISAの始め方と証券会社の選び方

新NISAを始める大まかな流れは、次の通りです。
- 証券会社を選んで、NISA口座(と証券総合口座)を開設する
- 積み立てる商品(投資信託など)を選ぶ
- 毎月の積立金額と引き落とし方法を設定する
- あとは基本的にほったらかしで積み立てが続く
証券会社選びに迷ったら、手数料の安さやアプリの使いやすさ、口座開設のしやすさで比較するのが一般的です。
参考までに、主要なネット証券を2社紹介します。
口座開設先の候補
どちらも手数料体系やキャンペーン内容は変わることがあるため、口座開設前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。
迷ったときは、複数の証券会社の資料請求・比較サイトを見比べてから決めるのもよい方法です。
よくある失敗例・注意点
- 月10万円など、いきなり高い金額から始めてしまう:生活費を圧迫すると、途中で解約・取り崩しをすることになりがちです。まずは無理なく続けられる金額からがおすすめです
- 生活防衛資金を確保せずに始めてしまう:急な出費が必要になったときに、投資分を予定より早く取り崩す羽目になることがあります
- 短期間の値動きで一喜一憂してやめてしまう:新NISAは長期の積立・分散投資を想定した制度です。数ヶ月の値下がりだけで判断せず、長い目で見る前提で始めましょう
- 元本保証だと誤解してしまう:投資信託や株式は値動きのある商品で、元本は保証されていません。この点を理解したうえで始めることが大切です
まとめ:金額より先に「続けられる仕組み」を作る
新NISAで「月いくらが正解か」に唯一の答えはありません。
20代の投資額は「3万円以上〜5万円未満」が最多とはいえ、1万円未満から始めている人も少なくないというのが実際のデータです。
大切なのは、生活防衛資金を確保したうえで、無理なく続けられる金額から始めること。
手取りの5〜10%程度を目安に、まずは少額からでも一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 新NISAは月1万円からでも意味がありますか?
意味はあります。金額の大小より「早く始めて長く続けること」が新NISAの非課税メリットを活かすポイントです。無理のない金額から始めて、収入が増えたタイミングで見直すのが現実的な進め方です。
Q2. 月10万円の積立はきついのですが、無理して続けるべきですか?
無理して続ける必要はありません。生活費を圧迫してまで高い金額を積み立てると、途中で取り崩すことになりがちです。まずは手取りの5〜10%程度を目安に、続けられる金額に調整することをおすすめします。
Q3. 「新NISAはやめたほうがいい」という意見も見ますが、本当ですか?
新NISA自体は非課税で長期投資ができる制度で、制度そのものに問題があるわけではありません。ただし、投資信託や株式は元本保証がなく値動きするため、生活防衛資金を確保せずに始めたり、短期的な値下がりで慌てて売却したりすると、望ましくない結果になることはあります。制度の仕組みと自分の資金状況を理解したうえで始めることが大切です。
Q4. つみたて投資枠と成長投資枠、どちらを使えばいいですか?
投資に慣れていないうちは、金融庁が定めた要件を満たす投資信託・ETFのみが対象の「つみたて投資枠」から始めるのが一般的です。慣れてきたら、個別株なども選べる「成長投資枠」を併用する人もいます。
Q5. 生活防衛資金はどのくらい用意すればいいですか?
一般的には、生活費の3〜6ヶ月分を目安に、すぐに引き出せる普通預金で確保しておくことが勧められています。会社員か自営業かなど、収入の安定度によっても目安は変わります。
Q6. 投資額は途中で変更できますか?
できます。多くの証券会社では、積立金額をアプリやウェブサイトからいつでも変更できます。最初は少額で始めて、収入や生活の変化に合わせて調整していくのが現実的です。
Q7. 20代のうちから始めるメリットは何ですか?
新NISAの非課税保有期間は無期限のため、20代から始めると、それだけ長い期間を非課税で運用に充てられます。ただし将来の運用成果を保証するものではなく、あくまで長期・積立・分散投資の基本的な考え方に基づくメリットです。
Q8. 証券会社はどこで選べばいいですか?
手数料の安さ、取扱商品の幅、アプリの使いやすさなどで比較するのが一般的です。手数料やキャンペーン内容は変更されることがあるため、口座開設前に必ず各社の公式サイトで最新情報を確認してください。


