
自炊を始めたはいいものの、気づけば数週間でコンビニ弁当や外食に逆戻りしていた。
そんな経験がある20代は少なくないでしょう。
「自炊が続かない」のは意志の弱さのせいだと思われがちですが、実際には献立を考える手間や後片付けの負担など、続かなくなる理由がはっきりしています。
この記事では、自炊と外食の実際のコスト差から、無理なく自炊を続けるための具体的なコツまでをまとめました。
なぜ「自炊が続かない」20代が多いのか
パナソニック株式会社が2026年2月に実施した「一人暮らしの自炊調査」(週1回以上自炊をする一人暮らしの男女368名対象)では、自炊にまつわる負担として次のような悩みが挙げられています。
同調査によると、自炊をしている人の約57%が「食材を余らせたり腐らせたりした経験がある」と回答しています。最も捨てられやすい食材は野菜で、全体の約67%を占めました。あわせて「献立を考えるのが面倒」「後片付けが面倒」「作りすぎて食べきれない」といった悩みも多く挙げられています。
つまり、自炊が続かない背景には「料理そのものが苦手」というより、献立決め・後片付け・食材の使い切りといった「調理以外の負担」が大きく関わっているということです。
この構造を理解しておくと、対策も立てやすくなります。
まずは、自炊と外食で実際どれくらいコストが変わるのかを確認してみましょう。
自炊と外食、実際どれくらいコストが違うのか
総務省「家計調査」(2025年平均)によると、単身世帯の1か月あたりの食費(食料費)の平均は44,659円です。
このうち「外食」と「調理食品(お惣菜・弁当などの中食)」がそれぞれ8,000円を超え、合わせて食費全体の約4割を占めています。
また、35歳未満の単身世帯では、他の年代と比べて「外食」への支出割合が最も高い傾向にあることも分かっています。
| 項目 | 目安額 | 備考 |
|---|---|---|
| 単身世帯の食費平均(月) | 44,659円 | 総務省家計調査(2025年平均) |
| うち外食費 | 8,000円超 | 食費全体の約2割 |
| うち調理食品(中食)費 | 8,000円超 | お惣菜・弁当など |
外食中心の生活を送った場合の目安として、クレディセゾンの試算例では、平日は朝500円・昼800円・夕1,200円、休日は昼1,000円・夕1,500円という想定で、月の外食費が約75,000円になるという例が示されています(飲み物代や会食が加わればさらに増える可能性があります)。
一方で同記事では、ごはんに卵・納豆・インスタント味噌汁を添えるだけの簡単な自炊例なら、1食あたり170円程度で済むという試算も紹介されています。
もちろん実際の金額は買い物の仕方やメニューによって変わりますが、自炊を増やすことが食費を大きく左右する要素であることは間違いなさそうです。
20代が自炊に求めているのは「節約」と「時短」
株式会社UOCCが2023年1月に実施した調査(20〜59歳の男女500名対象)によると、20代の自炊率は91.6%と、実は年代による大きな差はありませんでした。
そのうえで、自炊をする際に重視することを聞いたところ、上位に挙がったのは次の2つです。
同調査では、自炊をする際に重視することとして「節約になること」が67.4%、「短時間で作れること」が57.8%という結果になりました。多くの人が、手間をかけた本格的な料理よりも「安く・早く」済ませられることを求めているのが実情です。
つまり「自炊を続けるコツ」を考えるうえで大切なのは、凝った料理を頑張ることではなく、いかに手間と時間を減らしながら、節約効果を出せるかという視点です。
次の章から、その具体的な方法を見ていきましょう。
無理なく自炊を続けるための4つのコツ
コツ1:「毎食手作り」を目標にしない
自炊が続かなくなる典型パターンは、最初から「毎日3食、栄養バランスも完璧に手作りする」という高い目標を立ててしまうことです。
冷凍食品やレトルト・お惣菜を組み合わせることも、立派な「自炊の一部」だと考えましょう。
週に何食かは冷凍ごはんに卵をのせるだけ、といった最低ラインを決めておくと、挫折しにくくなります。
コツ2:献立は「ローテーション」で決める
前述のパナソニックの調査でも「献立を考えるのが面倒」が大きな悩みとして挙がっていました。
毎回ゼロから献立を考えるのではなく、自分の定番メニューを5〜7パターン用意しておき、それを使い回すだけにすると、この負担は大きく減らせます。
コツ3:食材は使い切れる量だけ買う
「安いから」とまとめ買いをした結果、使い切れずに腐らせてしまうのは、フードロスの調査でも大きな悩みとして挙がっていたポイントです。
一人暮らしの場合、業務用サイズやまとめ売りは割安に見えても、使い切れなければ結果的に高くつきます。
小分けパックや、必要な分だけ購入できるスーパーを選ぶほうが、トータルでは節約になることが多いでしょう。
コツ4:時短家電に「ほったらかし」を任せる
火加減を見ながら鍋の前に立っている時間そのものが、自炊のハードルを上げている一因です。
材料を入れてスイッチを押すだけで調理が完了する家電を活用すれば、「手間がかかる」というイメージ自体を減らせます。
次の章で、具体的にどんな家電が使えるか紹介します。
時短家電で自炊のハードルを下げる
前述のとおり、20代が自炊に求めているのは「節約」と「時短」です。
その両方を叶えやすいのが、材料を入れておくだけで調理が完了する時短家電です。

自炊のハードルを下げる時短家電の例
いずれも数千円台から購入できるものが多く、初期投資としては手が届きやすい価格帯です。
価格や仕様は変動することがあるため、購入前には必ず各販売ページで最新情報を確認してください。
「毎回フライパンと鍋を洗うのが面倒」という後片付けの負担も、調理器具を一本化することである程度減らせます。
食材を余らせない・フードロスを防ぐ工夫

前述の調査で、自炊経験者の約57%が経験していた「食材を余らせる・腐らせる」問題への対策も押さえておきましょう。
- 買い物前に冷蔵庫の中身を確認する:同じ食材を重複して買ってしまうのを防げます
- 野菜は使い切りやすいサイズ・カット済みのものを選ぶ:フードロスで最も多かったのが野菜(約67%)でした。丸ごと1個より、カット野菜やミニサイズを選ぶと使い切りやすくなります
- 傷みやすい食材から先に使う献立を組む:葉物野菜や豆腐など傷みやすいものを優先的に使うメニューを最初に考えると、無駄が出にくくなります
- 冷凍保存を積極的に使う:使い切れないと感じた時点で冷凍しておけば、腐らせるリスクを減らせます
これらは特別な道具がなくても今日から実践できる工夫です。
無理に完璧を目指さず、できることから取り入れてみましょう。
よくある失敗例
- 最初から凝ったレシピに挑戦してしまう:手間がかかるメニューは挫折の原因になりやすいです。まずは簡単な定番メニューから始めましょう
- 1週間分をまとめて作り置きしようとして挫折する:一気に頑張りすぎると、逆に負担が大きくなって続かなくなることがあります。無理のないペースから始めるのがおすすめです
- 調味料を一通り揃えようとして出費がかさむ:最初から何十種類も揃える必要はありません。よく使う調味料から少しずつ買い足していけば十分です
- 完璧を目指しすぎて、できなかった日に自己嫌悪に陥る:自炊は「続けること」が大切です。できない日があっても、外食や冷凍食品に頼ってよいと考えましょう
まとめ:完璧な自炊より「続けられる自炊」を目指す
自炊が続かないのは、意志の弱さではなく、献立決め・後片付け・食材管理といった「調理以外の負担」が原因であることが多いとわかりました。
自炊は月あたりの食費に大きな差を生む一方、20代が自炊に求めているのは「節約」と「時短」であるというデータもあります。
毎食完璧を目指すのではなく、時短家電や冷凍食品もうまく活用しながら、無理なく続けられるペースを見つけていきましょう。
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