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HubSpotの無料版でできること・できないこと|線引きを自分で確かめる方法と、無料で止まる7つの線

公開 2026年10月3日

人工芝に引かれた一本の白いライン

HubSpotを無料で使い始めるとき、最初に知りたいのは「どこまで無料で、どこから有料か」です。ところが、この線が調べてもはっきりしません。

理由は単純で、製品ページの機能一覧は「何ができるか」を並べたもので、「どのプランでできるか」を書く場所ではないからです。

同じ名前の機能でも、無料で丸ごと使えるものと、入口だけ無料で肝心な部分が有料のものがあります。この違いを知らずに設計すると、作り込んだあとで「この動きは有料でした」と分かります。

この記事では、線引きを自分で確かめる方法と、実際に確認できた「無料で止まる7つの線」を扱います。

先に結論:線引きはヘルプ記事の冒頭で分かります

  1. 公式ヘルプの各記事には、冒頭に対象プランの表記があります。ここが唯一の確定情報です
  2. 「すべての製品とプラン」と書かれていれば、無料ツールのみのアカウントでも使えます。
  3. 製品名とプラン名(Professional など)が書かれていれば、そこが有料の線です。機能の入口が見えていても、その動作は有料です

機能ごとに線の位置が違います。「無料版で全部できない」わけでも、「無料版で全部できる」わけでもありません。

前提:機能一覧のページでは、無料の線が分かりません

無料で始めようとする人が最初に見るのは、たいてい製品紹介のページです。そこには使える機能が並んでいます。

ただ、そのページの目的は「HubSpotで何ができるか」を伝えることです。「無料のアカウントでどこまで動くか」を1行ずつ書き分ける場所ではありません。

同じ機能名でも、線の位置が違います

たとえば「Eメール」。マーケティングメールを作って送る機能そのものは、無料ツールのみのアカウントでも使えます。ところが、条件を満たした人へ自動で送る動きは有料です。

機能名で見れば、どちらも「Eメール」です。一覧表の1行には収まりません。この粒度の違いが、線引きを分かりにくくしています。

だから「使えるはず」で設計すると詰まります

よくあるのが、運用の設計を先に固めてから、途中で有料の壁にぶつかる進み方です。

問い合わせが来たら自動でお礼メールを送り、3日後に事例を送り、反応した人に担当者が連絡する。こうした流れを紙の上で作り、いざ設定しようとすると、自動で送る部分が動きません。

設計をやり直すことになりますが、失われるのは時間だけではありません。一度「使えない」と思った人は、その後HubSpotをあまり開かなくなります。入口でつまずくコストは、思ったより大きい。

確かめる方法は1つだけ:ヘルプ記事の冒頭にあるプラン表記

ここが、この記事でいちばん持ち帰ってほしい内容です。

公式ヘルプ(ナレッジベース)の記事には、本文が始まる前に対象の製品とプランが書かれています。そこを見れば、その機能が自分のアカウントで動くかが分かります。

冒頭の表記 意味
すべての製品とプラン 無料ツールのみのアカウントでも使えます
製品名+Starter その製品の有料プランが必要です
製品名+Professional 中位プラン以上が必要です
製品名+Enterprise 最上位プランが必要です

本文の途中にも、個別の但し書きがあります

冒頭が「すべての製品とプラン」でも、記事の中の特定の段落だけに、別のプラン表記が付いていることがあります。

実際、マーケティングEメールの記事は冒頭が「すべての製品とプラン」ですが、自動送信の説明には「Marketing Hub Professional または Enterprise のサブスクリプションが必須」と書かれています。

つまり、冒頭だけ見て安心せず、自分がやりたい操作が書かれた段落まで読む。ここまでやって、はじめて確認したことになります。

検索の仕方にもコツがあります

機能名で検索すると、製品紹介のページが先に出てきます。「knowledge.hubspot.com」の中を検索するか、検索語の頭に「HubSpot ヘルプ」と付けると、ヘルプ記事に当たりやすくなります。

日本語のヘルプ記事はURLに「/ja/」が入ります。英語のページに飛んだ場合は、URLの該当部分を見て、日本語版があるかを確認してください。

無料のまま使えると確認できたもの

この媒体でこれまでに扱った機能のうち、冒頭の表記が「すべての製品とプラン」だったものを挙げます。

機能 無料での扱い
トラッキングコードの設置 使えます
リスト(動的・静的)の作成 使えます
ユーザー権限の設定 使えます
配信停止リストの取り込み 使えます
マーケティングメールの作成と送信 使えます(自動送信は除く)
見るだけの席(ビューオンリー) 人数の制限なく使えます

「無料だから貧弱」ではありません

並べてみると分かりますが、データを貯める・絞り込む・送る、という一連の流れは無料で完結します。1〜10人の会社が最初の半年でやることは、ほぼこの範囲に収まります。

とくに、見るだけの席が人数制限なく無料で使える点は大きい。社長も、経理も、外部の協力会社も、見るだけなら何人でも招けます。情報共有のために資料を作り直す作業が、まるごと不要になります。

権限が無料で使えることの意味

権限の設定が「すべての製品とプラン」で使えるのも、実務では効きます。表示の範囲は、すべて・チームのもの・自分のもの、から選べます。

つまり、人を招くときに「全部見えてしまうから招けない」という制約がありません。担当分だけ見える状態にして招けば、必要な範囲だけを共有できます。

無料で止まる7つの線

逆に、無料では止まると確認できたものを挙げます。この7つは、運用設計に直接影響します。

無料で完結する範囲 貯める:コンタクト・会社・取引を記録する 絞り込む:リストで条件を組む 送る:メールを作って一斉に送る 見るだけの席は人数の制限なし ここから有料 有料が必要になる範囲 自動で動かす:条件を満たしたら送る 数を増やす:パイプラインや予約ページ まとめて整える:重複の管理、権限の型 人が手を動かせば、代わりは利きます

1. 自動化(ワークフロー)

条件を満たした人に自動で何かをする仕組みは、Professional以上の機能です。無料版とStarterでは使えません。

この線がいちばん影響します。「自動でお礼メール」「自動で担当者に通知」といった動きは、すべてここに含まれます。

2. Eメールの自動送信

メールの作成と一斉送信は無料でできますが、自動送信はMarketing Hub ProfessionalまたはEnterpriseが必要と公式に明記されています。

3. 送信時間の最適化

相手ごとに開きやすい時間を選んで送る機能も、Marketing Hub ProfessionalまたはEnterprise向けと書かれています。

4. 重複の管理ツール

重複しているコンタクトを自動で見つけて並べてくれる画面は、Professional以上です。無料版では、気づいた分を1件ずつ手で統合します。

5. 取引パイプラインを増やすこと

取引の流れを表すパイプラインは、無料版では1本だけです。商材ごとに分けたい場合は、有料プランが必要になります。

6. ミーティングリンクを増やすこと

日程調整のページは、無料版では1対1のものが1本です。複数人で受ける形や、用途ごとに使い分ける運用には、有料の席が要ります。

7. 権限の型を配ること

権限の設定自体は無料でできますが、あらかじめ用意された型を割り当てられるのはProfessional/Enterprise、型として保存できるのはEnterpriseです。それ以下では1人ずつ設定します。

止まったときに、無料のまま回す方法

線にぶつかったとき、すぐ有料にする必要はありません。人数が少ないうちは、人が手を動かすほうが速い場面もあります。

止まるところ 無料での代わり
自動でメールを送る リストで対象を出し、手で一斉送信する
自動で担当者に通知 曜日を決めてリストを開く
重複の自動検出 並び替えて目視で確認し、手で統合する
パイプラインを分ける 案件区分のプロパティーを作り、絞り込む
予約ページを分ける 1本の中で用途を尋ねる質問を1つ置く

代わりが利く線と、利かない線があります

表のとおり、多くは人の手で代替できます。ただし、代替には「思い出す」という作業が必ず入ります。

自動化との違いは、速さでも正確さでもありません。やらなくても誰にも怒られない、という点です。自動なら実行されますが、手作業は忘れても表面上は何も起きません。だから、抜けたことに気づくのは数か月後になります。

代替を選ぶなら、やる日をカレンダーに入れて、終わったら消す形にしてください。頭の中の「そのうちやる」は、必ず消えます。

週に1回リストを開くと決めても、忙しい週は飛びます。件数が少ないうちは飛んでも実害が小さいので続きますが、件数が増えると漏れが成果に響き始めます。

この「飛ばしても平気な量」を超えたときが、有料を検討するタイミングです。機能の魅力ではなく、自分の運用が回らなくなった事実で判断してください。

有料に上げるかどうかの判断の順番

順番を間違えると、使わない機能に払い続けることになります。3段階で考えてください。

1 どこで詰まったかを1つ書く 「便利そう」ではなく、実際に止まった作業 ↓ 2 手作業だと月に何分かを数える 回数と1回あたりの分を、実測で出す ↓ 3 その1点が解けるプランだけを見る 上位プランの他の機能は、判断に入れない

「便利そう」で上げると、使わない機能に払い続けます

上位プランの紹介を読むと、どれも魅力的に見えます。ただ、今の運用で使っていない機能は、上げたあとも使いません。使う理由がないからです。

判断に入れていいのは、実際に手が止まった1点だけです。それ以外は、あとから必要になったときに考えれば足ります。

月に何分かかっているかを実測してください

代替の手作業が月に何分かかっているかを、1か月だけ数えてください。感覚で「けっこうかかる」と言っているうちは、判断ができません。

数えてみると、思ったより短いことも、想像以上に長いこともあります。どちらにしても、数字が出れば迷う時間がなくなります。

契約前に自分で確かめる10分の手順

ここまでの内容を、実際の手順に落とします。有料プランを申し込む前に、必ずこの10分を使ってください。

  1. やりたいことを1文で書く。「問い合わせが来たら自動でお礼メールを送る」のように、動作で書きます
  2. その動作の名前でヘルプ記事を探す。機能名ではなく、やりたい動作から探すほうが早く着きます
  3. 記事の冒頭にあるプラン表記を読む。「すべての製品とプラン」なら、まず無料で試します
  4. 該当する段落まで読む。冒頭が無料でも、その段落だけ有料のことがあります
  5. 自分のアカウントで画面を開く。有料の機能は、入口が見えていても実行時に案内が出ます

5つ目を省かないでください

ヘルプの記載と、自分のアカウントの状態が食い違うことがあります。過去に試用していた、他の製品を契約している、といった事情で、使える範囲は変わります。

実際に画面を開いて、最後まで操作してみる。ここまでやれば、申し込んだあとで「思っていたのと違う」が起きません。

操作の途中でプランの案内が出た場合は、その画面に書かれている製品名とプラン名を控えてください。申し込むときに必要になるのは、その2つです。「有料にすれば使える」という記憶だけで申し込むと、別の製品を契約してしまうことがあります。

よくある3つの誤解

誤解1:無料版は試用期間だと思っている

無料ツールのみのアカウントは、期間限定の試用ではありません。期限なく使い続けられます。有料の試用とは別のものです。

「そのうち止まるから、本格運用は有料にしてから」と考える必要はありません。今日から本番のデータを入れて構いません。

誤解2:有料にすれば全部できると思っている

有料にも段階があります。Starterにしたのに自動化が使えない、という相談はよくあります。自動化はProfessional以上だからです。

「有料にする」ではなく「どのプランにする」まで決めないと、この行き違いが起きます。判断の材料は、やはりヘルプ記事の冒頭表記です。

誤解3:製品ごとの契約だと知らない

HubSpotは、マーケティング、営業、カスタマーサービスといった製品に分かれています。片方を有料にしても、もう片方の有料機能は使えません。

メールの自動送信で必要なのはマーケティング側の有料プランです。営業側を有料にしても、この機能は開きません。止まった機能がどの製品のものかを確認してから申し込んでください。

誤解4:無料だとHubSpotの表示が必ず入ると思っている

フォームやメールにHubSpotの表示が入るかどうかは、機能ごとに扱いが違います。「無料だから全部に入る」でも「有料にすれば全部消える」でもありません。

気になる場合は、その機能のヘルプ記事で表示の削除について書かれた段落を探してください。削除できる条件と、必要なプランがそこに書かれています。

実務での影響も、機能によって差があります。社内で使う画面なら表示が入っても困りませんが、顧客に見せるページに入るかどうかは、申し込む前に確認しておいたほうがいい点です。

無料のまま3か月回す設計例

線引きが分かったところで、実際にどう組むかを書きます。ここでは、問い合わせが月に10件から30件ある会社を想定します。工務店、士業事務所、受託開発など、1件ごとの単価が大きく、件数はそれほど多くない業種です。

最初の週にやること

やることは3つだけです。トラッキングコードをサイトに入れる。問い合わせフォームをHubSpotのものに差し替える。既存の顧客リストを取り込む。

この3つで、問い合わせが自動的にコンタクトとして記録され、その人が事前に見ていたページも残るようになります。ここまでは、すべて無料の範囲です。

既存リストの取り込みは、取り消せない操作なので慎重に進めてください。件数が多い場合は、まず数件だけで試します。

2週目から決める、週1回の型

自動化が使えない以上、人が見る日を決めるのが設計の中心になります。曜日と時間を固定してください。

頻度 やること 目安
毎朝 前日の問い合わせを開き、見ていたページを確認 3分
週1回 商談に進んでいない人のリストを開く 10分
月1回 3か月接点のない人へ、案内を1通送る 30分

合計すると、月に2時間ほどです。この2時間が回らなくなったときが、自動化を検討する合図になります。

3か月たったら数字を見る

3か月続けると、判断に使える材料がそろいます。見るのは3つです。

問い合わせの件数、どの経路から来たか、商談に進んだ割合。この3つは、無料のままでも記録されています。

ここで初めて、有料にする意味があるかが分かります。件数が月に10件のままなら、手作業で十分に回ります。月に50件を超えて、しかも取りこぼしが出ているなら、そこが線です。

先に有料にしてから使い方を考えるのではなく、無料で3か月回して、足りない1点を特定してから上げる。この順番なら、払う金額に対して何が返ってくるかが自分で説明できます。

まとめ

無料の線引きは、調べ方さえ分かれば自分で確定できます。

  1. 製品紹介の機能一覧では分かりません。ヘルプ記事の冒頭にあるプラン表記が唯一の確定情報です
  2. 「すべての製品とプラン」なら無料で使えます。ただし本文中の段落に別の表記が付くことがあります
  3. 貯める・絞り込む・送るまでは無料で完結します。自動で動かす部分から有料です
  4. 止まっても、多くは人の手で代替できます。代替が回らなくなった時点が、有料を考えるタイミングです
  5. 申し込む前に、自分のアカウントで最後まで操作してみてください。10分で確定します

迷っている時間がいちばんもったいない。調べ方が分かれば、判断は10分で終わります。

よくある質問(FAQ)

無料版はいつまで使えますか

無料ツールのみのアカウントに期限はありません。試用期間とは別のものです。本番のデータを入れて使い続けられます。

どの機能が無料か、一覧で確認できませんか

機能ごとにヘルプ記事の冒頭を見るのが確実です。製品紹介の一覧は「何ができるか」を示すもので、プランごとの線は書き分けられていません。同じ機能名でも、一部の動作だけ有料のことがあります。

自動でメールを送りたいのですが、無料でできますか

できません。メールの作成と一斉送信は無料で行えますが、自動送信はMarketing Hub ProfessionalまたはEnterpriseが必要と公式に記載されています。無料のままなら、リストで対象を出して手で送る形になります。

Starterにすれば自動化は使えますか

使えません。自動化(ワークフロー)はProfessional以上の機能です。Starterで解決できるかどうかは、止まっている機能のヘルプ記事の冒頭表記で確認してください。

無料で何人まで招けますか

編集できる席には数の制限がありますが、見るだけの席(ビューオンリー)は無料で人数の制限がありません。見るだけでよい相手なら、何人招いても請求は増えません。

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コンタクト管理・フォーム・メール配信・商談管理を1つにまとめたCRMプラットフォームです。無料ツールのみのアカウントでも、貯める・絞り込む・送るまでは行えます。プランごとの違いと料金は公式サイトでご確認ください。

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