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生成AI研修を社内で作る手順|公開教材の3段階をそのまま章立てにする【2026年版】

研修室のスクリーンに資料を映し、着席した数人が前を向いている様子

生成AIの社内研修を任されたとき、何から作ればいいか分からない。スライドを1枚目から作り始めて、そのまま止まっていないでしょうか。総務省が全75ページの教材を公開していて、構成がそのまま使える形になっていました。

この記事では、総務省が公開している教材のページと、そこからダウンロードできるPDFおよびPPTXの中身を確認して整理します。内容は公式ページと実ファイルで確認したものです。教材は更新される場合があるとされているため、使う前には配布元のページで最新の状態をご確認ください。なお、公式に記載のない部分は、実務の提案であることを本文で明示しています。

結論:ゼロから作らず、構成を借りる

先に結論です。社内研修の資料づくりで時間が溶けるのは、スライドを作る作業ではなく構成を決める作業のほうでした。公開されている教材は、そこが決まっています。中身の判断も、章の並びも、すでに済んでいます。

公開されているものの中身

総務省の「安心・安全なインターネット利用ガイド」に、生成AIはじめの一歩~生成AIの入門的な使い方と注意点~という教材が掲載されています。ページにはこう書かれています。今後の生活の中で生成AIに触れうる国民の方(初心者)向けに、①生成AIの基礎知識 ②生成AIの活用場面や入門的な使い方 ③生成AI活用時の注意点 をご紹介する教材を掲載しています。そして、PDFダウンロードとPPTXダウンロードの2種類が用意されています。PDF版を開くと全75ページ、表紙にver1.0と書かれていました。スライド形式なので、そのまま投影できる作りです。

時間の指定は、どこにもない

先に1つ、はっきりさせておきます。この教材に、所要時間の指定はありません。1回何分で実施する、という記載は教材にもページにも出てきません。代わりに書かれているのが、講座の実施時間や進め方などに応じて内容を編集していただけますという一文です。時間のほうを先に決めて、それに合わせて中身を削ることが前提になっています。ここは実務の提案になりますが、枠が決まっていないなら、次の節で見る3段階のうちどこまでを1回に入れるかから決めるほうが早いと思います。以降の節で、借りられる構成を順に見ていきます。

公開教材から借りられるもの

章立て学習の流れが3段階で決まっている。
中身の範囲注意点が4つに決め打ちされている。
進め方説明・事例・理解度チェックの3種。
先にやること配布元への連絡のお願いがある。

出典:総務省「生成AIはじめの一歩」

学習の流れが3段階で決まっている

教材の3ページ目に、学習の流れが図で示されています。これがそのまま章立てになります。順番にも意味があって、後ろの段ほど社内で外せない部分になっていました。書き方にも特徴があります。まずここから見ます。

3つの問いの形になっている

教材には学習の流れとして3つが並んでいます。1つ目が生成AIとは何か?で、説明は生成AIの基礎知識を学習。2つ目が生成AIをどのように使うか?で、生成AIの活用場面や入門的な使い方を学習。3つ目が生成AI活用にあたって注意すべきポイントは?で、生成AIを使いこなすうえでの4つの注意点を学習です。すべて問いの形になっているのが特徴だと思います。ここは実務の感覚ですが、社内研修の章タイトルが名詞だけだと、受ける側は何を持ち帰ればいいのか分かりません。問いの形なら、答えられるようになったかで確認できます。

目次はさらに細かく割れている

5ページ目の目次では、3段階がさらに分かれています。1段目が基礎知識と生成AIにまつわる変化。2段目が生成AIの用途と生成AIサービスの使い方。3段目が情報の正確性、情報流出、知的財産権の侵害、活用者としてのモラル。そして最後におわりにとして学習のまとめ、関連資料が置かれています。3段階の下に、合計8つの小見出しがある構成です。時間が足りないときにどこを削るかを考えるなら、この単位で見るのがいちばん分かりやすいと思います。

対象と目的が、最初のページに書かれている

2ページ目には、対象と目的が1枚にまとめられています。対象は今後の生活の中で、生成AIに触れうる国民の方で、注記にIT関連の専門職等のみを対象としたものではないとあります。目的は生成AIを自身で利活用できるリテラシーを身に付けることです。対象と目的を1枚目に置くという作り方自体が参考になります。ここは実務の提案ですが、社内研修でこの1枚を自社版に差し替えるだけでも、受ける側の身構え方が変わります。誰向けで、終わったあと何ができるようになるのか。ここが曖昧な研修は、途中で集中が切れます。

注意点は4つに決め打ちされている

研修を作るときにいちばん迷うのが、注意点をどこまで入れるかだと思います。挙げ始めるときりがありません。教材では、ここが4つに固定されていました。中身の粒度も揃っていて、そのまま配布資料にできる形になっています。

4つの並び

教材が挙げている4つは、情報の正確性、情報流出、知的財産権の侵害、活用者としてのモラルです。使う側が起こしうる問題で揃っています。技術的な仕組みの話や、事業者側の責任の話は入っていません。入門者向けの範囲がはっきり切られています。ここは実務の提案になりますが、社内研修で注意点を10項目並べると、受ける側は覚えて帰れません。4つなら、終わったあとに口頭で言えます。削る勇気の代わりに、公開されている区切りを借りる形になります。

まとめのページがチェックリストになっている

73ページ目の学習のまとめでは、4つそれぞれにチェック項目が付いています。たとえば情報流出には生成AIサービスの規約を確認する(商用利用可否、損害発生時の責任所在等)、個人情報や機密情報の入力は必要最小限にする、生成AIに入力したデータを学習に使わせないように設定する。知的財産権の侵害には既存のものや実在の人物に似たものを生成するような指示入力を避けるなどが並びます。やることの形で書かれているのが要点です。研修の配布資料をこの1枚だけにしても成立する作りになっています。

使い方の工夫も4つにまとめられている

注意点だけではありません。72ページ目には、指示入力の工夫が4つ挙げられています。目的・詳細な設定・検討の材料を書く、欲しい回答の例を与える、書式/回答方法を制限する、文章のテイストを指定する。こちらも4つです。注意点が4つ、工夫が4つという揃え方になっています。ここは実務の感覚ですが、研修の終わりに持ち帰ってもらう項目が8つというのは、多すぎず少なすぎない量だと思います。まとめの2枚だけ印刷して配る、という運用もできます。

ページに3種類の役割がある

教材の4ページ目に、ページの種類が説明されています。ここが、研修の進め方を決めるのに効きます。読み飛ばしやすい場所ですが、どこを削るかという時間配分の判断に、そのまま直結していました。3種類を順に見ます。

3種類が目印付きで分かれている

教材にはこうあります。説明ページは最低限これだけ読めばOK。事例ページは具体例を知りたいときに活用。理解度チェックページは理解度を確認したいときに活用です。そして、それぞれ左上のマークが目印と書かれています。どのページが必須で、どのページが任意かが、見た目で分かる作りになっているわけです。前の節で触れたとおり時間の指定はないので、枠に収まらないときは事例ページから落とすという判断が、この区分だけでできます。

理解度チェックの量まで決まっている

理解度チェックページには、さらに具体的な記載があります。章ごとに基礎・応用各1問です。1章につき2問。問題を自分で作る必要がありません。研修の効果を確認したいと言われたときに、いちばん手間がかかるのがテストの作成だと思います。ここが最初から入っています。ここは実務の提案になりますが、全問を解かせる時間がないなら、基礎だけをその場で、応用を持ち帰りにする分け方ができます。難易度が2段階で用意されているのは、そのためだと読めます。

PDFとPPTXで使い分けられる

配布ページにはPDFダウンロードとPPTXダウンロードの2つが用意されています。読むだけならPDF、編集するならPPTXという使い分けになります。なお、配布ページのHTMLを確認したところ、現在リンクが生きているのはPDFとPPTXの1組だけでした。もう1組は記述がコメントアウトされていて、実際にアクセスすると見つかりません。ページの見た目だけで判断せず、実際に開いて確かめるのが確実です。PDF版の表紙にはver1.0と記載されています。

話す内容のメモが付いている

ここが、いちばん知られていない部分だと思います。スライドだけでなく、講師が話す内容まで用意されていました。実際にファイルを開いて中身を確かめたので、どれくらいの量があるのかも含めて、確かめた結果を書いておきます。

公式にそう書かれている

配布ページにこうあります。本教材を活用して講座を開催される方向けに、PPTXのデータのノート欄に、各スライドで話す内容の参考となるメモを記載していますので、必要に応じてご活用ください。講座を開催される方向けにと明記されています。読み物として置いてあるのではなく、研修で使うことが想定された作りだということです。PowerPointのノート欄なので、発表者ツールを使えば、投影されている画面とは別に手元で読めます。受ける側にはスライドだけが見えて、話す側にはメモが見えている状態になります。PDF版にはこのノートが入らないため、進行に使うならPPTX版を取る必要があります。

実際に開いて確かめた

PPTXファイルを取得して中身を確認しました。スライド75枚のうち、74枚にノートが付いています。合計の文字数は約6,700字でした。1枚あたり平均で90字ほどです。たとえば学習の流れのページには学習の流れは、大きく3つのパートに分かれています。まず、「生成AIとは何か?」で生成AIの基礎知識を学習した上で、「生成AIをどのように使うか?」で生成AIの入門的な使い方を学習します。その後、生成AIを使う上で注意すべき4つのポイントを学習します。というメモが入っていました。そのまま読み上げられる文章になっています。

誰が話すかの問題が、これで軽くなる

ここは実務の提案です。社内研修でいちばん詰まるのは、資料ではなく話す人が見つからないことだと思います。詳しい人は忙しく、時間のある人は詳しくない。ノートが付いていると、詳しくない人でも進行できます。約6,700字は、読み上げるとおよそ25分から30分程度の分量です。ここに質疑や演習を足して枠を組む形になります。なお、ノートの文言は一般向けに書かれているので、自社の話に触れる部分は、次の節で触れる修正と合わせて手を入れることになります。

使う前に、連絡のお願いがある

ここは見落とすと気まずい部分です。教材は公開されていますが、使うときの手続きがページに書かれていました。義務とまでは書かれていないものの、送るメールの書式まで用意されていました。先に見ておく部分です。

書かれているのは「お願い」

配布ページに、こうあります。本教材をご使用の際は、教材の利用目的や資料編集の有無等の確認と、教材の活用実態の把握のため、下記連絡先まで事前にご連絡いただきますようお願いいたします。目的が3つ示されています。利用目的の確認、資料編集の有無の確認、活用実態の把握です。文末はお願いいたしますであり、許可を得なければ使えないという書き方にはなっていません。ただ、連絡先とメールの書式まで用意されていることを考えると、出す前提で作られていると読むのが自然だと思います。

書く項目が7つ示されている

ページには、メールのフォーマットが載っています。件名はMM/DD(※)啓発教育教材の利用について(○○(会社名・学校名等))で、注記に※にはメール送信日の日付を数字4桁でご記載ください。(例:9月1日であれば09/01)とあります。本文に書く項目は所属(会社名・組織名等および部署名)、担当者名、連絡先(電話番号)、連絡先(メールアドレス)、利用する教材名、利用目的(社内研修、勉強会など)、資料の編集有無(ありorなし)の7つです。注目したいのが6つ目で、利用目的の例として「社内研修」が挙がっています。想定された使い方だということが、ここから分かります。

「編集あり」の判断に注記がある

最後の項目には、間違えやすい注記が付いています。※スライドの抜粋のみであれば「なし」とご記載ください。つまり、枚数を減らしただけなら「編集なし」です。文言を書き換えたり、自社の情報を足したりした場合が「あり」になります。ここは実務の提案になりますが、社内研修では前後に自社のルールのページを足すことが多いと思います。その場合は「あり」で出すことになります。なお、宛先は総務省情報流通行政局 情報流通振興課 情報活用支援室の担当宛てで、連絡先は配布ページに記載されています。変更される可能性があるため、送る直前にページで確認してください。

そのままでは使えない2か所

構成は借りられますが、中身をそのまま投影すると困る箇所が2つありました。どちらも教材が悪いのではなく、想定している相手と作られた時期の違いによるものです。社内で使う前に、この2か所だけは直しておく部分になります。

1つ目:関連資料が古い

74ページ目の関連資料に、AI事業者ガイドライン第1.0版(案)が挙げられています。しかも注記として※AIネットワーク社会推進会議等での議論結果も踏まえ、後日「AI事業者ガイドライン第1.0版」として両省HPに公表予定と書かれています。正式版が出る前に作られた状態のままだということです。実際、PDFの作成日時は2024年3月になっていました。ガイドラインはその後も更新されており、現在は第1.2版が公表されています。社内研修で参照先として示すなら、ここは現行版に差し替えることになります。他の関連資料についても、リンク先が変わっていないかを送る前に確認する部分だと思います。

2つ目:学習データの説明が一般向け

46ページ目に、情報流出の説明として生成AIは、利用者が入力したデータを学習データとして利用することがあると書かれています。リスクとして個人情報や社外秘の機密情報を入力すると、他人の質問への回答に使われ、情報が漏洩する可能性があるとも示されています。これは、契約や設定によらず一般的に注意を促す書き方です。ただ、法人向けのプランでは既定の扱いが異なる場合があり、実際の条件は契約している製品とプランによって変わります。社内研修でこの1枚を出すなら、自社が契約している条件に差し替えるほうが正確です。ここを一般論のまま出すと、「うちも学習に使われているのか」という質問が出て、その場で答えられなくなります。

逆に、そのまま使える部分

一方で、47ページ目の事例は手を入れずに使えると思います。2023年3月、海外の電子機器メーカーで生成AIの使用による、社内情報流出が立て続けに発生とされ、内容として社内機密のソースコードを生成AIに入力し、修正を依頼(2件)、社内会議の録音データを音声認識アプリで文章に変換して生成AIに入力し、議事録を作成(1件)が挙げられています。件数まで書かれているので、具体的な話として伝わります。2つ目は、議事録づくりという身近な作業から起きているのが効きます。前の節の注意点と組にして使う形になります。

まとめ

生成AIの社内研修は、ゼロから作らなくても始められます。総務省の「生成AIはじめの一歩」は全75ページで、学習の流れが3段階に整理されています。生成AIとは何か?、生成AIをどのように使うか?、生成AI活用にあたって注意すべきポイントは?の3つで、3段目は情報の正確性、情報流出、知的財産権の侵害、活用者としてのモラルの4つに決め打ちされています。ページは説明ページ、事例ページ、理解度チェックページの3種類に分かれ、左上のマークが目印で、理解度チェックは章ごとに基礎・応用各1問です。

進行の負担も軽くなります。配布ページにはPPTXのデータのノート欄に、各スライドで話す内容の参考となるメモを記載していますので、必要に応じてご活用くださいとあり、実際にファイルを開いて確かめたところ75枚のうち74枚にノートが付き、合計は約6,700字でした。所要時間の指定はなく、講座の実施時間や進め方などに応じて内容を編集していただけますとされています。時間を先に決めて、中身を合わせる形になります。

使う前の手続きもあります。本教材をご使用の際は、教材の利用目的や資料編集の有無等の確認と、教材の活用実態の把握のため、下記連絡先まで事前にご連絡いただきますようお願いいたしますとされ、メールの書式が示されています。項目は7つで、利用目的(社内研修、勉強会など)と社内研修が例示されており、※スライドの抜粋のみであれば「なし」とご記載くださいという注記も付いています。そして直す箇所が2つ。関連資料にAI事業者ガイドライン第1.0版(案)が残っている点と、生成AIは、利用者が入力したデータを学習データとして利用することがあるという一般向けの説明です。構成は借りて、参照先と契約条件だけ自社に直す。これが手順になります。

よくある質問(FAQ)

研修は1回何分で組めばよいですか

この教材にもページにも、所要時間の指定はありません。逆に、講座の実施時間や進め方などに応じて内容を編集していただけます、と書かれています。先に枠を決めて、学習の流れ3段階のどこまでを1回に入れるかを決める形になります。

章立てはどう決めればよいですか

教材では学習の流れが3段階で示されています。生成AIとは何か、生成AIをどのように使うか、生成AI活用にあたって注意すべきポイントは、の3つです。目次ではこの下がさらに8つの小見出しに分かれています。

注意点はどこまで入れるべきですか

教材では、情報の正確性、情報流出、知的財産権の侵害、活用者としてのモラルの4つに絞られています。学習のまとめのページでは、この4つそれぞれにやることの形でチェック項目が並んでいます。

理解度テストは自分で作る必要がありますか

教材には理解度チェックページがあり、章ごとに基礎・応用各1問と記載されています。説明ページ、事例ページと合わせて3種類に分かれており、左上のマークが目印とされています。

使うときに連絡は必要ですか

配布ページには、利用目的や資料編集の有無等の確認と活用実態の把握のため、事前に連絡してほしい旨がお願いとして記載されており、メールの書式も示されています。利用目的の例として社内研修が挙げられています。連絡先は配布ページでご確認ください。

そのまま投影して問題ありませんか

本記事では2か所を挙げています。関連資料にAI事業者ガイドライン第1.0版(案)が残っている点と、利用者が入力したデータを学習データとして利用することがある、という一般向けの説明です。後者は契約している製品とプランで条件が変わるため、自社の条件に差し替えるほうが正確です。

原典で記載を確認する
教材は更新される場合があるとされています。使う前に、生成AIはじめの一歩(総務省)で最新の状態と連絡先をご確認ください。

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