
目次
担当者の欄を使って、チームの負荷を見たり、未割り当ての案件を探したりしているでしょうか。
「担当が決まっているのは何件」「Aさんは何件持っている」。こういう数え方をしているなら、その数字に人以外が混ざっている可能性があります。
確かめました。担当者の欄は、人だけが入る欄ではありませんでした。
担当者欄に、ツールが入ります
まず、何が入るのかを試しました。
連携しているツールを、担当者にできました
担当者の欄に、外部と連携しているツールを指定してみました。エラーになりません。普通に登録されます。
読み返すと、その欄にはツールの名前が入っています。人の名前と同じ場所に、同じように並びます。
| 入れたもの | 結果 |
|---|---|
| 人 | 入る |
| 連携しているツール | 入る |
種別としては区別されています
データの上では、人なのかツールなのかが分かるようになっています。画面でも、アイコンを見れば違いは分かります。
問題は、数えるときや絞り込むときに、その区別が効かない場面があることです。
「担当が決まっている件数」がずれる
ここから実害の話です。
4行のうち、3行に担当が入っていました
検証用に4行を用意しました。人が担当の行、ツールが担当の行、人とツールの両方が入った行、そして担当が空の行です。
これを集計しました。
| 数え方 | 結果 |
|---|---|
| 値が入っている件数 | 4 |
| 空でない件数 | 3 |
| 空の件数 | 1 |
2つの数え方で、答えが違います
「値が入っている件数」が4で、「空でない件数」が3。同じことを数えているつもりでも、結果が変わります。
前者は、担当者として登録されている人やツールの延べ数を数えています。両方が入った行は2としてではなく、値として数えられます。
後者は、行の数です。担当が1人でも入っていれば1行。
「担当が決まっている案件は何件か」を知りたいなら、後者です。前者を使うと数が合いません。
そして、どちらにもツールが含まれます
より大きな問題がこちらです。3行のうち、人が担当なのは2行だけです。残り1行はツールが担当です。
「担当が決まっている案件は3件」と報告したら、実際に人が持っているのは2件。1件ぶん、多く見えています。
図にすると、こういうずれです
人とツールが、同じ行に混ざります
担当者の欄には、複数人を入れられます。ここにも落とし穴がありました。
1つの行に、両方入りました
人とツールを同時に指定してみたところ、両方が並んで登録されます。拒否されません。
この行は、人で絞り込めば拾われます。ツールで絞り込んでも拾われます。どちらの数字にも1件として入ります。
足し算が合わなくなります
Aさんの件数、Bさんの件数、と積み上げていくと、複数人が担当の行は何度も数えられます。合計すると行数を超えます。
これは人だけの場合も同じですが、ツールが混ざっていると原因が分かりにくくなります。担当者の一覧に見慣れない名前が出てきて、はじめて気づくことになります。
名前では絞り込めません
もう1つ、運用で効くところです。
名前を指定すると、拒否されました
「担当がこの人の行」を取り出すとき、名前で指定してみました。エラーになります。識別子でなければ受け付けない、という内容でした。
つまり、先に利用者の一覧を取って、名前と識別子を対応づけておく必要があります。
ここにもツールが並びます
その一覧を取ると、人とツールが同じ場所に返ってきます。連携ツールに渡している権限のほうで測ったとおりです。
人だけを取り出したいなら、種別で選り分けることになります。一覧をそのまま使うと、ツールが混ざります。
自分を指定する書き方はあります
ひとつだけ、識別子を知らなくても指定できる書き方がありました。「自分」を意味する指定です。
自分の担当分だけを取り出すなら、これが使えます。他の人を指定するには、やはり識別子が要ります。
自動で入った行を見つける
では、すでに混ざっているかどうかをどう確かめるか。
担当者の一覧を開くのが速いです
データベースを担当者でグループ分けして表示すると、担当者ごとのまとまりが出ます。そこに人以外の名前が並んでいれば、混ざっています。
連携ツールの名前は、たいてい見慣れないものです。一目で分かります。
作成者の欄も見ておく
ついでに確かめたことがあります。外から作った行の作成者は、すべてツールの名前になりました。人が作った行と混ざります。
作成者で絞り込んで「Aさんが作った案件」を数えるような使い方をしているなら、外から入った行がどう扱われるかを確認しておいてください。
入れた側は、気づきません
自動で担当者を埋める処理を書いている場合、指定する識別子を間違えるとツール自身が入ります。エラーにならないので、そのまま動き続けます。
処理を書いた人は、正常に動いていると思っています。気づくのは、担当者の一覧を見た別の人です。
担当者で回すときの決め事
ここまでを踏まえた運用です。
1. 数えるなら、人を指定して数える
「担当が決まっている件数」ではなく、「この人が担当の件数」を積み上げます。ツールが混ざる余地がなくなります。
人数分の集計を作ることになりますが、そもそも人ごとの負荷を見たいなら、その形になるはずです。
2. 未割り当ては「空」で探す
未割り当ての案件を探すときは、担当が空かどうかで絞ります。ここはツールの影響を受けません。
ただし、ツールが担当になっている行は「割り当て済み」に見えます。実際には誰も持っていないのに、未割り当ての一覧から外れます。
これがいちばん危ないかもしれません。拾われるべき案件が、拾われなくなります。
3. 自動化には、担当者を埋めさせない
いちばん確実なのがこれです。自動で担当者を決める処理は、間違えたときに気づけません。
どうしても必要なら、「自動で入れた」と分かる別の欄を用意します。チェックボックスを1つ足して、自動で入れた行には印を付ける。
これがあれば、あとから絞り込んで確認できます。人が決め直すときの一覧にもなります。
4. 担当者の一覧を、たまに開く
棚卸しの習慣です。担当者でグループ分けした表示を作っておいて、月に一度開きます。
見慣れない名前、もういない人、空のまとまり。並べて見るだけで、そのほとんどが見つかります。
以前、外からはゲストとメンバーを見分けられないという話を書きました。人の棚卸しは、結局どこかで画面を開くことになります。ここも同じです。
よくある質問(FAQ)
担当者にツールが入っているのを見つけました。どうすればいいですか。
その行の担当者を外して、人を入れ直すことになります。数が多い場合は、外から一括で書き換えられます。あわせて、なぜ入ったのかを確認してください。自動化の処理が原因なら、そこを直さないとまた入ります。
「値が入っている件数」と「空でない件数」は、どう使い分けますか。
案件の数を知りたいなら「空でない件数」です。「値が入っている件数」は、担当者として登録されている延べ数に近い数え方になります。どちらにもツールが含まれる点は変わりません。
1つの行に複数人を入れると、集計はどうなりますか。
人ごとの件数を積み上げると、その行は何度も数えられます。合計が行数を超えるので、そういうものだと理解しておいてください。行数を知りたい場合は、別に数える必要があります。
名前で絞り込めないのは不便です。
利用者の一覧を取って、名前と識別子を対応づけた表を作っておくのが現実的です。一度作れば使い回せます。自分の担当分だけなら、自分を意味する指定が使えます。
作成者の欄は信用できますか。
外から作った行は、作成者がツールの名前になりました。人が画面から作った行と混ざるので、「誰が作ったか」を数える用途では注意が必要です。
そもそも、ツールを担当者に入れる意味はありますか。
意図してやる場面は少ないと思います。今回確かめたのは「入れられてしまう」という点です。自動化の処理で識別子を間違えたときに、エラーにならずそのまま入ることが問題です。
担当者でグループ分けして、一度開いてください
担当者ごとのまとまりが並びます。見慣れない名前があれば、そこに連携ツールが入っています。ツールが担当の行は、未割り当ての一覧からも外れています。並べて見るだけで見つかります。