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サブリース新法で何が変わったか|規制されたのは勧誘と説明、家賃の減額請求は残っている【2026年版】

賃貸アパートと契約書。サブリース契約の規制と確認事項

いわゆるサブリース新法、正式には「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が施行され、サブリース業者への規制が入りました。誇大広告の禁止、不当な勧誘の禁止、契約前の書面交付と説明。

ただ、この法律で規制されたのは勧誘と説明の場面であって、契約の中身そのものではありません。借地借家法第32条は残っており、条件が整えば「契約の条件にかかわらず」家賃の減額を請求できます。「30年家賃保証」という契約書があっても、この条文は消えません。

逆方向の制約もあります。借地借家法第28条により、オーナーの側から契約を終わらせるには「正当の事由」が必要です。相手は借主なので、借地借家法の保護を受けます。

この記事では、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律と同法施行規則、そして借地借家法だけを根拠に、サブリース契約で何が規制され、何が規制されていないのかを整理します。

結論:規制されたのは勧誘と説明。家賃が下がらなくなったわけではない

この法律が規制していること

法律の第3章「特定賃貸借契約の適正化のための措置等」が置いているのは、次の規定です。

  • 第28条:誇大広告等の禁止
  • 第29条:不当な勧誘等の禁止
  • 第30条:特定賃貸借契約の締結前の書面の交付(説明義務)
  • 第31条:特定賃貸借契約の締結時の書面の交付
  • 第32条:書類の閲覧
  • 第33条:指示(違反した場合。指示をしたときは公表しなければならない)

並べると分かります。すべて、契約に至るまでの情報提供に関する規定です。「家賃を下げてはいけない」「解約してはいけない」といった、契約内容そのものを縛る規定はありません。

用語の整理

法律は第2条で用語を定義しています。

特定賃貸借契約とは、「賃貸住宅の賃貸借契約(中略)であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるもの」。いわゆるマスターリース契約です。

特定転貸事業者とは、「特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者」。サブリース業者のことです。

そして第28条は、規制の対象に勧誘者も含めています。「特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者」です。業者本人だけでなく、勧誘を担当する会社や個人も規制されます。

結論:見るのは2つの法律

だから、サブリース契約を検討するときは2つの法律を並べて見る必要があります。片方だけでは、判断を誤ります。

  1. 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律:勧誘と説明が適正か
  2. 借地借家法:契約の中身がどうなるか(家賃の減額請求、解約の正当事由)

前者だけを見て「規制されたから安心」と考えると、後者を見落とします。

サブリース新法が規制したのは「契約に至るまで」 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律 28条 誇大広告等の禁止 29条 不当な勧誘等の禁止 30条 契約前の書面交付と説明 31条 契約時の書面交付 32条 書類の閲覧 → すべて情報提供に関する規定 借地借家法は変わっていない 32条 借賃増減請求権  「契約の条件にかかわらず」減額を請求できる 28条 更新拒絶等の要件  オーナーからの解約には「正当の事由」が必要 → 契約の中身は縛られていない 「規制されたから安心」ではなく、「説明を受ける権利が明確になった」と読むのが正確。 家賃が下がらなくなったわけでも、いつでも解約できるようになったわけでもない。 出典:賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律/同法施行規則/借地借家法(e-Gov法令検索)

借地借家法32条があるかぎり、家賃は減額請求できる

条文を読む

借地借家法第32条第1項は、こう定めています。

「建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。」

注目すべきは「契約の条件にかかわらず」という文言です。契約書に何と書いてあっても、この請求権は行使できます。

ただし書きの読み方

同項にはただし書きがあります。「ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う」。

特約が有効とされているのは「増額しない旨の特約」だけです。減額しない旨の特約については、ただし書きに書かれていません。

サブリース契約でオーナーが求めたいのは減額されないことですが、条文の構造上、そこは保護の外に置かれています。

協議が調わないときの扱い

第32条第3項が、減額について協議が調わないときの扱いを定めた規定です。「その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる」。

つまり、業者が減額を請求し、オーナーが応じない場合、裁判が確定するまではオーナーが相当と認める額を請求できるという建て付けです。ただし、裁判で正当とされた額を超えていた分は、年1割の利息を付けて返還しなければなりません。

「話し合いで決まらなければ裁判」という構造です。時間も費用もかかります。

だから「家賃保証」の意味を確認する

この条文があるかぎり、「30年家賃保証」という表現は、30年間その金額が変わらないという意味にはなりません。契約期間が30年であることと、家賃額が固定されることは別だからです。

保証されているのは「空室でも家賃が入ること」であって、「その額が変わらないこと」ではない。ここを取り違えると、収支計画の前提が崩れます。

ワンルーム投資の提案で家賃保証がどう機能するかはワンルーム投資「やめとけ」の根拠でも扱いました。

オーナーからの解約には「正当の事由」が要る

借主は借地借家法に守られる

もう1つ、構造として押さえておくべき点があります。サブリース契約では、サブリース業者がオーナーから建物を借りる借主です。

したがって、借地借家法の借主保護の規定が業者に適用されます。第28条を読みます。

「建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。」

考慮される要素が列挙されている

条文が挙げているのは次の要素です。

  1. 賃貸人および賃借人(転借人を含む)が建物の使用を必要とする事情
  2. 建物の賃貸借に関する従前の経過
  3. 建物の利用状況および建物の現況
  4. 賃貸人が明渡しの条件として、または明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出をした場合の、その申出

4番目が、いわゆる立退料です。正当の事由を補完する要素として条文に書かれています。

「解約できない」と言われる理由

サブリース契約について「解約できない」という話を聞くのは、この条文が背景にあります。契約書に解約条項があっても、借地借家法の正当事由の要件は動きません。

一方、サブリース業者の側からの解約は、借主からの解約なので構造が違います。非対称になっているということです。

だからこそ、契約前に確認するのは「解約できるか」ではなく、契約書に解約に関してどう書かれていて、それが借地借家法の下でどう働くかです。

誇大広告の禁止(28条)。4項目が省令で決まっている

条文

誇大広告の禁止は、法第28条が定めています。対象は業者本人だけでなく、勧誘を担当する者も含まれます。

第28条は、特定転貸事業者と勧誘者に対し、特定賃貸借契約の条件について広告をするときに、国土交通省令で定める事項について「著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない」としています。

対象になる4項目

対象となる事項は、国土交通省令、すなわち同法施行規則第42条に列挙されていました。

誇大広告等をしてはならない事項(施行規則第42条)
一 特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項
二 賃貸住宅の維持保全の実施方法
三 賃貸住宅の維持保全に要する費用の分担に関する事項
四 特定賃貸借契約の解除に関する事項

1号の末尾に注目してください。「並びにその変更に関する事項」。家賃の額だけでなく、家賃が変わる可能性についての表示も対象だということです。

広告と契約書のセットで見る

広告に「家賃保証」とだけ書かれていて、減額の可能性が示されていなければ、この規定との関係が問題になりえます。

ただし、条文が禁じているのは「著しく」事実に相違する表示や「著しく」優良・有利と誤認させる表示です。程度の判断が入ります。

実務でできるのは、広告の表現と契約書の条項を並べて、食い違いがないかを自分で確認することです。

不当な勧誘の禁止(29条)。故意に事実を告げないことも違反

第1号が広い

第29条第1号は、次の行為を禁じています。

「特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際し、又はその解除を妨げるため、特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者に対し、当該特定賃貸借契約に関する事項であって(中略)判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為」

2つの行為が対象です。故意に事実を告げないことと、不実のことを告げること。

前者が重要です。嘘をつかなくても、判断に影響する重要な事実を意図的に伝えなければ違反になりえます。家賃の減額がありうることを伝えない、という場面が想定されます。

また、勧誘のときだけでなく「その解除を妨げるため」の行為も対象に含まれています。

第2号を受けた省令の4類型

第29条第2号を受けた施行規則第43条が、具体的な行為を4つ挙げます。

  1. 契約を締結・更新させ、または申込みの撤回・解除を妨げるため、相手方等を威迫する行為
  2. 契約の締結・更新について、相手方等に迷惑を覚えさせるような時間に電話または訪問により勧誘する行為
  3. 契約の締結・更新について、深夜または長時間の勧誘その他の私生活または業務の平穏を害するような方法により相手方等を困惑させる行為
  4. 締結・更新をしない旨の意思(勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示した相手方等に対して執ように勧誘する行為

4番目に注目してください。「勧誘を受けることを希望しない旨の意思」を表示すれば、それ以降の執ような勧誘は禁止行為になります。断る理由を説明する必要はありません。

違反したときは公表される

法第33条は、国土交通大臣が違反に対して指示をすることができるとしたうえで、第3項で「国土交通大臣は、前二項の規定による指示をしたときは、その旨を公表しなければならない」としています。

「公表しなければならない」は義務です。指示を受けた事業者は公表されます。検討している業者について、この公表を確認する意味があります。

契約前の書面交付と説明(30条)。12項目が省令に並ぶ

説明は契約前

第30条第1項は、特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結しようとするときは、相手方となろうとする者に対し、「当該特定賃貸借契約を締結するまでに」、国土交通省令で定める事項について「書面を交付して説明しなければならない」としています。

契約のときではなく、契約するまでに。宅地建物取引業の重要事項説明と同じ構造です。

なお、相手方が特定転貸事業者、賃貸住宅管理業者、宅地建物取引業者などの専門的知識を有する者である場合は、この説明義務の対象から外れます(施行規則第44条)。個人のオーナーは当然に対象です。

説明事項(施行規則第45条)

省令が挙げている事項を並べます。

号 説明される内容
一 特定転貸事業者の商号、名称または氏名および住所
二 特定賃貸借契約の対象となる賃貸住宅
三 相手方に支払う家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項
四 特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法
五 維持保全に要する費用の分担に関する事項
六 相手方に対する維持保全の実施状況の報告に関する事項
七 損害賠償額の予定または違約金に関する事項
八 責任及び免責に関する事項
九 契約期間に関する事項
十 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項
十一 転借人に対する維持保全の実施方法の周知に関する事項
十二 特定賃貸借契約の更新及び解除に関する事項ほか

3号の「変更に関する事項」が肝

誇大広告の対象事項と同じく、説明事項の3号にも「並びにその変更に関する事項」が入っています。

つまり、家賃がどういう場合に、どういう手続で変わりうるのかを、契約前に書面で説明することが義務づけられているということです。

説明を受けたとき、この部分が書面のどこにあるかを確認してください。空欄だったり、口頭だけで済まされていたりする場合は、その点を指摘できます。

契約時にも書面が交付される

第31条は、契約を締結したときに交付する書面の記載事項を定めています。対象となる賃貸住宅、家賃その他賃貸の条件、維持保全の実施方法、契約期間、転借人の資格その他の転貸の条件、更新または解除に関する定めがあるときはその内容、その他省令で定める事項です。

省令(第47条)が加えているのは、費用の分担、実施状況の報告、損害賠償額の予定・違約金、責任及び免責、転借人への周知、そして「特定賃貸借契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項」です。

最後の項目は見落とされがちですが、サブリースが終わったあと、入居者との関係がどうなるかに直結します。

業務状況調書などを閲覧させる義務がある(32条)

条文

第32条は、特定転貸事業者に対し、「当該特定転貸事業者の業務及び財産の状況を記載した書類を、特定賃貸借契約に関する業務を行う営業所又は事務所に備え置き、特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない」としています。

ここで「相手方となろうとする者」が含まれている点に注目してください。契約前でも、求めれば閲覧できます。

何を閲覧できるか

施行規則第48条が、書類の中身を定めています。業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書またはこれらに代わる書面です。

備置きの期間も決まっています。事業年度ごとに当該事業年度経過後3月以内に作成し、遅滞なく営業所または事務所ごとに備え置く。そして備え置かれた日から起算して3年を経過する日まで備え置き、営業時間中、相手方等の求めに応じて閲覧させる。

つまり、直近3年分の財務状況を見られるということです。

なぜこれが重要か

サブリースは、業者が家賃を払い続けられることが前提の仕組みです。業者が経営難に陥れば、家賃の減額請求や契約解除が現実になります。

だから、契約前に貸借対照表と損益計算書を閲覧する意味があります。これは交渉ではなく、条文が認めた権利です。求めれば閲覧させなければならないとされています。

閲覧を断られた場合、それ自体が第32条違反にあたりえます。

契約前に確認する6項目

資料と条文で確認できるもの

  1. 家賃の「変更に関する事項」がどう書かれているか(施行規則45条3号。書面のどこにあるかを指で押さえる)
  2. 免責期間の有無(責任及び免責に関する事項。同8号)
  3. 維持保全の費用分担(同5号。修繕費を誰が負担するか)
  4. 契約終了時の権利義務の承継(施行規則47条7号。入居者との関係がどうなるか)
  5. 業務状況調書・貸借対照表・損益計算書(法32条。求めれば閲覧できる)
  6. 国土交通大臣の指示を受けていないか(法33条3項により公表される)

1番目の聞き方

6項目のうち、最初の聞き方だけ補足します。

「家賃は下がりますか」と聞くと、答えは状況次第になります。聞くべきは「家賃の変更について、書面のどこに、どう書かれていますか」です。

施行規則第45条第3号が説明事項として定めている以上、書面に記載があるはずです。記載を示してもらい、その条項を読む。これが確実です。

借地借家法との関係も聞いておく

もう1つ、相手を測る質問があります。

「借地借家法32条の減額請求について、契約書はどう扱っていますか」と聞くと、相手の理解度が分かります。

条文は「契約の条件にかかわらず」と書いており、契約で排除できるものではありません。それを前提に説明できる相手かどうかは、判断材料になります。

「うちは減額しません」とだけ答えるのか、「条文上は請求できますが、当社の運用はこうです」と説明するのか。後者なら、少なくとも制度を理解したうえで話しています。

判断は数字に戻す

最後に。サブリースを使うかどうかの判断は、条文の確認だけでは決まりません。保証される家賃と、自主管理した場合の想定家賃から管理コストと空室損失を引いた額を、通算で比べることになります。

賃貸経営の収支を通算で計算する考え方はワンルーム投資「やめとけ」の根拠で、減価償却が終わる年の出し方は不動産投資の減価償却で扱いました。

まとめ

いわゆるサブリース新法が規制したのは、誇大広告(28条)、不当な勧誘(29条)、契約前の書面交付と説明(30条)、契約時の書面交付(31条)、書類の閲覧(32条)です。並べると、すべて契約に至るまでの情報提供に関する規定だと分かります。

契約の中身そのものは縛られていません。借地借家法第32条は残っており、条件が整えば「契約の条件にかかわらず」家賃の減額を請求できます。ただし書きが有効としているのは「増額しない旨の特約」だけで、減額しない旨の特約は書かれていません。

逆方向にも制約があります。借地借家法第28条により、オーナーからの解約の申入れには「正当の事由」が必要です。サブリース業者は借主なので、借地借家法の保護を受けます。

そのうえで、この法律が与えた武器もあります。家賃の「変更に関する事項」が説明義務の対象になったこと(施行規則45条3号)、業務状況調書や貸借対照表を求めれば閲覧できること(法32条)、そして違反に対する指示は公表されること(法33条3項)。

「規制されたから安心」ではなく、「説明を受ける権利と、確認する手段が明確になった」と読むのが正確です。手段があるのだから、使ってください。

よくある質問(FAQ)

サブリース新法ができて、家賃は下がらなくなったのですか

そうではありません。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律が置いたのは、誇大広告の禁止、不当な勧誘の禁止、契約前後の書面交付と説明、書類の閲覧といった規定で、いずれも契約に至るまでの情報提供に関するものです。契約の中身そのものを縛る規定ではありません。借地借家法第32条第1項は「契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる」としており、この条文は変わっていません。同項のただし書きが有効としているのは「一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約」だけです。減額しない旨の特約について、条文は何も書いていません。

オーナーの側からサブリース契約を解約できますか

借地借家法第28条の「正当の事由」が必要になります。サブリース契約では、サブリース業者がオーナーから建物を借りる借主にあたるため、借地借家法の借主保護の規定が業者に適用されるためです。同条は、賃貸人・賃借人が建物の使用を必要とする事情、従前の経過、利用状況および現況、そして明渡しの条件としてまたは明渡しと引換えに財産上の給付をする旨の申出があればその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ解約の申入れはできない、としています。契約書に解約条項があっても、この要件は動きません。

しつこく勧誘されています。断る方法はありますか

「勧誘を受けることを希望しない」という意思を表示してください。同法施行規則第43条第4号は、特定賃貸借契約の締結または更新をしない旨の意思(当該契約の締結または更新の勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示した相手方等に対して執ように勧誘する行為を、禁止行為として挙げています。理由を説明する必要はありません。同条はほかに、威迫する行為、迷惑を覚えさせるような時間に電話または訪問により勧誘する行為、深夜または長時間の勧誘その他の方法により困惑させる行為も禁じています。これらは特定転貸事業者だけでなく、勧誘者も対象です。

業者の財務状況を見ることはできますか

できます。法第32条は、特定転貸事業者に対し、業務及び財産の状況を記載した書類を営業所または事務所に備え置き、「特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない」としています。「相手方となろうとする者」が含まれているので、契約前でも閲覧できます。書類の中身は施行規則第48条が定めており、業務状況調書、貸借対照表及び損益計算書またはこれらに代わる書面です。事業年度経過後3月以内に作成し、備え置かれた日から3年を経過する日まで備え置くとされているため、直近3年分を見られます。

「30年家賃保証」という広告に問題はありますか

表示の内容次第です。法第28条は、国土交通省令で定める事項について「著しく事実に相違する表示」や「実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示」を禁じています。省令(施行規則第42条)が挙げる事項の第1号は「特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項」。家賃の変更に関する事項も対象です。ただし、禁じられているのは「著しく」事実に相違する表示などであり、程度の判断が入ります。実務上は、広告の表現と契約書の条項を並べて食い違いがないかを自分で確認してください。

契約が終わったら、入居者との関係はどうなりますか

まず契約書の該当条項を確認しましょう。同法施行規則第47条第7号は、契約時に交付する書面の記載事項として「特定賃貸借契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項」を挙げています。サブリースでは、入居者はサブリース業者と賃貸借契約を結んでおり、オーナーとは直接の契約関係にありません。サブリース契約が終了したときに、その入居者との契約をオーナーが引き継ぐのか、条件はどうなるのかは、この条項で定められます。見落とされやすい項目ですが、契約終了後の収支に直結します。

条文はe-Govで確認できます

サブリース業者への規制は「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」の第28条以下に、家賃の減額請求と解約の正当事由は借地借家法の第32条・第28条にあります。説明を受ける前に、この2つを開いておいてください。

e-Gov 賃貸住宅管理業法
e-Gov 借地借家法

本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定の事業者や商品を推奨または否定するものではありません。個別の契約内容の判断は、弁護士または宅地建物取引士にご相談ください。

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