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不動産価格指数の使い方|2010年=100の読み方と、いま公表が止まっている事実【2026年版】

不動産価格指数の推移グラフ。2010年平均を100とした指数

相場が上がっているのか下がっているのか。それを月単位で見られる公的なデータがあります。国土交通省の不動産価格指数です。

国土交通省は、この指数を「年間約30万件の不動産の取引価格情報をもとに、全国・ブロック別・都市圏別等に不動産価格の動向を指数化した」ものと説明しています。

ただ、使うときに知っておくべきことが3つあります。基準が2010年であること、速報値は3か月間改訂されること、そして、この記事を書いている2026年9月時点で公表が止まっていることです。

この記事は、指数の読み方と、使うときの注意点を整理します。使うのは国土交通省の「不動産価格指数」のページと、直近の公表資料(令和8年3月31日公表、令和7年12月・令和7年第4四半期分)です。

個別の物件の価格を調べる方法は不動産情報ライブラリの使い方で、土地の4つの価格の使い分けは公示地価・路線価・固定資産税評価額で扱いました。この記事は「向き」を見るためのデータの話です。

結論:まず「2010年平均=100」を頭に入れる

公表資料に明記されている基準

公表資料には、表の脇に注記があります。「※2010年平均=100」。

指数は金額ではありません。2010年の平均を100として、そこから何倍になったかを示す数字です。

だから、指数が150だからといって「1平方メートルあたり150万円」といった意味にはなりません。2010年の1.5倍という意味です。

基準年が2010年である点にも意味があります。2010年より前の水準と比べたい場合、この指数だけでは直接分かりません。比べているのは、あくまで2010年からの動きです。

直近の数値

令和8年3月31日に公表された、令和7年12月分(季節調整値)の全国の数値です。

区分 指数(季節調整値) 対前月比
住宅総合 148.0 0.5%増
住宅地 119.8 1.1%減
戸建住宅 121.9 1.2%増
マンション(区分所有) 225.1 1.0%増

そして商業用不動産(令和7年第4四半期分・季節調整値)は、商業用不動産総合が146.6(前期比0.2%減)、店舗162.7、オフィス168.7、マンション・アパート(一棟)176.1です。

住宅総合が148.0。2010年の平均を100とすると、およそ1.48倍になっているということです。

ただし、この「住宅総合」という1つの数字を見ても、実は何も分かりません。内訳を見ると、まったく違う動きをしているからです。次の章で見ます。

マンションと住宅地では、動きがまったく違う

225.1と119.8。差は2倍近い

もう一度、内訳を見てください。

  • マンション(区分所有):225.1
  • 戸建住宅:121.9
  • 住宅地:119.8

同じ2010年を100として、マンションは約2.25倍、住宅地は約1.2倍。差は2倍近くあります。

住宅総合の148.0は、この3つを含んだ数字です。マンションの大きな伸びが、住宅地や戸建住宅の緩やかな動きと混ざっています。

自分が売ろう・買おうとしているのがマンションなら、見るべきはマンション(区分所有)です。戸建てなら戸建住宅、土地なら住宅地。総合を見て判断すると、実勢とずれます。

同じ月でも、向きが逆になることがある

令和7年12月分の対前月比を見ると、住宅地は1.1%減、戸建住宅は1.2%増、マンションは1.0%増です。

同じ月に、住宅地だけが下がっています。「不動産が上がっている・下がっている」という言い方が成立しないことが、この1行で分かります。

前年同月とも比べてみます。令和6年12月の季節調整値は、住宅総合140.7、マンション207.7でした。1年でマンションは17.4ポイント、住宅総合は7.3ポイント上がっています。1年で見ても、伸びの大きさは区分によって違います。

同じ「住宅」でも、2倍近い差がある(2010年平均=100) 令和8年3月31日公表/令和7年12月分・全国・季節調整値 100(2010年平均) 住宅地 119.8 対前月比 1.1%減 戸建住宅 121.9 対前月比 1.2%増 住宅総合 148.0 対前月比 0.5%増(3つの合成) マンション 225.1(対前月比 1.0%増) 「住宅総合」は3つの合成です。自分が見るべき区分を選んでください。 出典:国土交通省「不動産価格指数(令和7年12月・令和7年第4四半期分)を公表」(令和8年3月31日)

住宅は月次、商業用不動産は四半期

公表の単位が違う

公表資料の見出しを読むと、対象期間が分かれています。「不動産価格指数(令和7年12月・令和7年第4四半期分)を公表」。

住宅は月次(令和7年12月分)、商業用不動産は四半期(令和7年第4四半期分)です。

だから、住宅の指数は「対前月比」、商業用不動産の指数は「対前期比」で示されます。2つを並べて比べるときは、期間の単位が違うことを踏まえてください。

商業用不動産の区分

商業用不動産の内訳も、住宅とは別に用意されています。令和7年第4四半期分(季節調整値)では、商業用不動産総合146.6、店舗162.7、オフィス168.7、マンション・アパート(一棟)176.1です。

ここでの「マンション・アパート(一棟)」は、1棟の収益物件を指します。住宅側の「マンション(区分所有)」とは別の区分です。言葉が似ているので、取り違えないでください。

1棟の収益物件を検討している場合、見るべきは商業用不動産側です。実物の賃貸経営の採算についてはワンルーム投資「やめとけ」の根拠で扱いました。

オフィスの動きは大きい

公表資料の参考表を見ると、オフィスの季節調整値は令和7年第4四半期168.7、第3四半期166.8、第2四半期178.8、令和6年第4四半期180.1です。

四半期ごとに大きく動いています。第2四半期の178.8から第3四半期の166.8へ、12ポイント下がって、また上がっている。1期の数字だけで向きを判断できる系列ではありません。

原系列で見ても、同じ4期は169.5、166.4、178.4、181.0と同様の動きです。季節調整の問題ではなく、もともと振れ幅が大きいということになります。

住宅に比べて取引の件数が少ないぶん、1件あたりの影響が出やすいと考えられます。商業用不動産の指数を使うなら、複数期を並べてから判断してください。

季節調整値と原系列、どちらを見るか

2つの系列が公表されている

公表資料には、各区分について「季節調整値」と「同 原系列」の2つが載っています。

区分 R7.12 R7.11 R7.10 R6.12
住宅総合 季節調整値 148.0 147.3 146.1 140.7
同 原系列 145.1 145.2 143.6 137.8
マンション 季節調整値 225.1 222.9 221.4 207.7
同 原系列 221.2 219.8 218.7 204.2

同じ月でも、数字が違う

住宅総合の令和7年12月は、季節調整値が148.0、原系列が145.1。約3ポイント違います。

ニュースで引用されるのは、通常季節調整値です。公表資料の【ポイント】も季節調整値で書かれています。記事やSNSで数字を見たら、どちらの系列かを確認してください。

マンションでも同じです。令和7年12月の季節調整値は225.1、原系列は221.2。約4ポイント違います。

そして公表資料の表は、直近3か月分と前年同月を並べる形になっています。月次の増減だけでなく、1年前との比較ができるように組まれているということです。

速報値は3か月間、改訂される

資料に明記されている改訂の扱い

公表資料の注記です。

「各数値は速報値であり、初回公表後3ヶ月間は改訂を行う」

つまり、最新月の数字は確定値ではありません。3か月間は変わる可能性があります。

「先月の指数は◯◯でした」という書き方は、3か月後には違う数字になっているかもしれません。資料やブログで引用するなら、いつ公表された、いつの分の数値かを併記してください。この記事も、令和8年3月31日公表・令和7年12月分と明記しました。

訂正が入ることもある

国土交通省のページには「訂正情報」という欄があり、実例が載っていました。

「令和6年5月10日 令和6年4月30日に公表した不動産価格指数(住宅)の季節調整値の『対前月比』の一部に誤りがあり、『最新データ』の『不動産価格指数(住宅)』のExcel資料及び『更新情報』の『令和6年1月・第4四半期分』のPDF資料を訂正しました」

速報値の改訂とは別に、誤りの訂正もあります。重要な判断に使うなら、最新データのExcelを開き直すのが確実です。

2026年9月時点で、公表が止まっている

国土交通省のお知らせ

この記事を書いている2026年9月27日時点で、指数の公表は止まっています。国土交通省のページに掲載されているお知らせです。

「令和8年8月27日 『不動産価格指数』の公表延期について

令和8年8月31日に公開を予定しておりました『不動産価格指数(令和8年5月・第1四半期分)』につきましては、算出時のプログラムに不具合が発生しており、原因の確認作業を行っております。それに伴い、指数算出作業・精査等に時間を要しているため公表を延期することといたしました。

同様の理由から、令和8年4月以降に公開を予定しておりました『不動産価格指数(令和8年1月/2月/3月/4月/令和7年第4四半期分)』についても公表を延期しております。

なお、新たな公表日につきましては、日程が決まり次第、速やかにお知らせいたします」

したがって、2026年9月27日時点で入手できる最新の公表は、令和8年3月31日に公表された令和7年12月・第4四半期分です。

この記事で挙げている数値も、すべてその回のものです。令和8年1月以降の月次の数値は、まだ公表されていません。

実務への影響

「毎月公表されています」と書いている記事を見かけたら、公表日を自分で確認してください。制度としては毎月ですが、現に止まることがあります。

そして、この事実自体が使い方を示しています。指数は、直近の市況を知るためのデータとしては遅れるということです。

  • もともと、住宅の月次データが公表されるのは対象月から数か月後(たとえば令和7年12月分の公表は令和8年3月31日)
  • 公表後3か月は速報値として改訂される
  • そのうえで、システム上の理由で止まることもある

直近の動きを知りたいなら、成約価格や取引価格を自分で見に行くほうが早いことがあります。手順はレインズを一般人が見る方法にまとめました。

地域の区分と、参考値の扱い

ブロックと都市圏の定義

公表資料には、地域区分の定義が明記されています。

ブロックは、北海道地方(北海道)、東北地方(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島・新潟)、関東地方(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨)、北陸地方(富山・石川・福井)、中部地方(長野・静岡・岐阜・愛知・三重)、近畿地方(滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山)、中国地方(鳥取・島根・岡山・広島・山口)、四国地方(徳島・香川・愛媛・高知)、九州・沖縄地方(福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)です。

都市圏は、南関東圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、名古屋圏(岐阜・愛知・三重)、京阪神圏(京都・大阪・兵庫)です。

見落としやすい点が2つあります。

  • 新潟は東北地方に入っています
  • 山梨は関東地方、長野は中部地方です

「関東」や「中部」という言葉から想像する範囲と、この指数の区分は必ずしも一致しません。自分の地域がどのブロックに入るかを、先に確認してください。

括弧つきの数値は参考値

資料には、もう1つ注記があります。

「※括弧内の数値については、サンプル数が少ないため、参考値としている」

括弧がついている数字は、サンプル数が少ないということです。地方のブロックや細かい区分では、これに当たる場合があります。

括弧つきの数値を根拠に判断すると、少数の取引に引きずられた数字を見ている可能性が出てきます。

ほかの価格データとの使い分け

指数は「向き」を見るもの

不動産価格指数は、2010年を100とした相対的な水準の推移を示します。金額ではありません。

だから、次のように使い分けることになります。

知りたいこと 見るもの
全体の向き(上がっているか下がっているか) 不動産価格指数
近隣で実際にいくらで成約したか レインズ・マーケットインフォメーション、不動産情報ライブラリ
土地の公的な価格 公示地価、都道府県地価調査、路線価、固定資産税評価額
取引の量(件数・面積) 不動産取引件数・面積(同じく国土交通省が毎月公表)

それぞれの調べ方は、不動産情報ライブラリの使い方と公示地価・路線価・固定資産税評価額にまとめました。

取引件数・面積という別の指標もある

国土交通省は、指数のほかにもう1つ公表しています。「所有権移転登記情報をもとに、不動産価格指数を補完するものとして、不動産の毎月の取引件数及び取引面積を示す『不動産取引件数・面積』も毎月公表しています」。

価格が上がっていても、取引件数が減っていれば、市場の厚みは薄くなっています。価格と量の両方を見ると、指数だけでは分からないことが見えます。

指数で向きを把握し、成約価格で自分の物件の水準を確かめる。この順番が使いやすい形です。

そのうえで、売却で実際に手元に残る金額は、価格から仲介手数料・実費・ローン残債・税金を引いて計算します。手順は家を売って手元に残る金額で扱いました。

まとめ

不動産価格指数は、2010年平均を100とした指数です。金額ではありません。公表資料に「※2010年平均=100」と明記されています。

そして、「住宅総合」を見ても判断できません。令和7年12月分(季節調整値)で、マンション(区分所有)は225.1、住宅地は119.8。同じ基準年からの伸びが2倍近く違います。自分が見るべき区分を選んでください。

住宅は月次、商業用不動産は四半期です。系列も季節調整値と原系列の2つがあり、住宅総合の令和7年12月は148.0と145.1で約3ポイント違います。引用するときは、どちらかを明示してください。

そして「各数値は速報値であり、初回公表後3ヶ月間は改訂を行う」と資料に書かれています。最新月の数字は確定値ではありません。

最後に、2026年9月27日時点で公表が止まっています。国土交通省は令和8年8月27日のお知らせで、算出時のプログラムに不具合が発生したため、令和8年1月分以降の公表を延期していると発表しました。入手できる最新は、令和8年3月31日公表の令和7年12月・第4四半期分です。

指数は、直近の市況を追うデータとしては遅れます。向きを見るのが指数、水準を見るのが成約価格。役割を分けて使ってください。

よくある質問(FAQ)

指数が148.0というのは、何を意味しますか

2010年の平均を100としたときの水準です。国土交通省の公表資料には「※2010年平均=100」と明記されています。148.0は、2010年の平均のおよそ1.48倍という意味で、金額ではありません。なお、これは令和8年3月31日に公表された令和7年12月分の全国・住宅総合・季節調整値です。同じ月でも原系列は145.1で、約3ポイント違います。数字を引用するときは、いつの分か、どちらの系列かを併記してください。

「住宅総合」を見れば全体の動きが分かりますか

区分ごとに動きが大きく違うので、総合だけでは判断できません。令和7年12月分の季節調整値では、住宅総合148.0に対して、住宅地119.8、戸建住宅121.9、マンション(区分所有)225.1です。2010年からの伸びで、マンションと住宅地では2倍近い差があります。対前月比も、住宅地が1.1%減、戸建住宅が1.2%増、マンションが1.0%増と、同じ月に向きが分かれています。自分が売る・買う対象に合わせて、区分を選んで見てください。

最新の指数はどこで見られますか

国土交通省の「不動産価格指数」のページに、最新データのExcelと過去の公表資料のPDFが掲載されています。ただし2026年9月27日時点では公表が止まっていました。同ページのお知らせは「令和8年8月31日に公開を予定しておりました『不動産価格指数(令和8年5月・第1四半期分)』につきましては、算出時のプログラムに不具合が発生しており(中略)公表を延期することといたしました」とし、「同様の理由から、令和8年4月以降に公開を予定しておりました『不動産価格指数(令和8年1月/2月/3月/4月/令和7年第4四半期分)』についても公表を延期しております」としています。入手できる最新は令和8年3月31日公表分です。

季節調整値と原系列は、どちらを見ればよいですか

公表資料の【ポイント】は季節調整値で書かれており、ニュースで引用されるのも通常は季節調整値です。季節調整値は季節的な変動の影響を取り除いた系列で、月ごとの動きを見るのに使われます。ただし、同じ月でも原系列とは数字が異なります。令和7年12月分の住宅総合は、季節調整値148.0に対して原系列145.1です。どちらが正しいということではなく、目的が違います。他の資料と比べるときは、両方が同じ系列かを確認してください。

数字が後から変わることはありますか

あります。公表資料には「各数値は速報値であり、初回公表後3ヶ月間は改訂を行う」と明記されています。最新月の数字は確定値ではありません。また、これとは別に訂正が入ることもありました。国土交通省のページの訂正情報には、令和6年5月10日付で「令和6年4月30日に公表した不動産価格指数(住宅)の季節調整値の『対前月比』の一部に誤りがあり(中略)訂正しました」という記載があります。重要な判断に使うなら、最新データのExcelを開き直してください。

自分の地域の指数を見たいのですが

ブロック別・都市圏別の数値が公表されています。ブロックは北海道・東北・関東・北陸・中部・近畿・中国・四国・九州沖縄の9区分、都市圏は南関東圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)、名古屋圏(岐阜・愛知・三重)、京阪神圏(京都・大阪・兵庫)の3区分です。ただし一般的な感覚とずれる部分があり、新潟は東北地方、山梨は関東地方、長野は中部地方に含まれます。また公表資料には「※括弧内の数値については、サンプル数が少ないため、参考値としている」という注記があるので、括弧つきの数字は扱いに注意してください。

公表状況は必ず確認してください

国土交通省の「不動産価格指数」のページには、最新データのExcel、過去の公表資料、お知らせ、訂正情報がまとまっています。数値を使う前に、いつの分がいつ公表されたものかを確認してください。

国交省 不動産価格指数
令和7年12月・第4四半期分(PDF)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。記事中の数値は令和8年3月31日に公表された令和7年12月・令和7年第4四半期分のもので、速報値として改訂される場合があります。個別の物件の価格判断は、宅地建物取引士または不動産鑑定士にご相談ください。

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