AIO・LLMO対策の見積もりは、月額10万円から100万円まで開きがあります。金額を比べる前に、確認しておきたいことが1つ。Googleは「生成 AI 検索向けに最適化することは…SEO であることに変わりはありません」と明記していて、AI専用の構造化データについても「追加する必要もありません」と書いています。そして効果測定については、2026年8月31日からSearch Consoleの生成AIレポートが全サイトで使えるようになりました。つまり、見積もりの一部はすでに無料で手に入るか、SEOの契約に含まれている可能性があります。この記事では、相場を出典つきで整理したうえで、有料で頼む価値が残るのはどこかを切り分けます。
この記事でわかること
結論。有料で頼む価値が残る部分は限られる
先に判断の枠を置きます。
| 見積もりの項目 | 実際のところ |
|---|---|
| robots.txtの確認・修正 | ほぼゼロ円でできる |
| Search Consoleの登録とレポート確認 | 無料 |
| AI専用の構造化データ実装 | Googleが「追加する必要もありません」と明記 |
| 可視性スコアのレポート | Googleの内部データではない。Search Consoleで足りる範囲が多い |
| 記事制作 | SEOの契約と重複していないか確認 |
| 他社AI(ChatGPT等)での言及調査 | Search Consoleにない領域。ここは払う価値がある |
Googleの公式ガイドは、AI検索向けの最適化について「SEO であることに変わりはありません」としています。だから、SEOと別枠で費用が発生するなら、その差分が何かを項目単位で説明してもらう必要があります。
用語そのものの整理はGEO対策とは何かを整理した記事で、作業の中身はAIO対策のやり方で扱いました。この記事は費用の話に絞ります。
相場として出回っている数字
公開されている料金表を並べます。出典のあるものだけを載せます。
| 契約形態 | 金額 | 出典 |
|---|---|---|
| 単発(スポット) | 10〜80万円(内容による) | AKARUMI |
| コンサルティング | 月額10〜50万円 | AKARUMI |
| 実装を含むコンサルティング | 月額30〜100万円 | AKARUMI |
| 初期費用 | 10〜50万円 | デジマ部 |
| 月額費用 | 10〜100万円 | デジマ部 |
| SEOコンサル型 | 月30〜50万円+記事制作費 | souzoh |
| LLMO専門コンサル型 | 月20〜50万円+調査費 | souzoh |
| 制作会社系のスポット施策 | 10〜100万円程度 | souzoh |
並べて分かるのは、「相場」と呼べる幅になっていないということです。月額10万円と月額100万円が同じ言葉で呼ばれています。
理由は単純で、含まれる作業が違うからです。記事制作が入るかどうか、実装まで含むかどうか、調査の範囲がどこまでか。ここを揃えないと比較になりません。
これはSEOでも同じ構造でした。SEO対策の費用相場で、見積書を6つに分解する方法を書きました。AIOでも同じ分解が使えます。
見積もりを6つに分解する
「AIO対策一式」で出てきた見積もりを、次の6つに割ってもらってください。
| 分解した項目 | 確認すること |
|---|---|
| 1. 現状の診断 | 何を見るのか。Search Consoleで見える範囲を超えるか |
| 2. 技術的な設定 | robots.txt、構造化データ、表示速度。SEOの契約に入っていないか |
| 3. 記事の制作 | 本数、取材の有無、単価 |
| 4. 既存記事の改修 | 何本を、何を基準に直すか |
| 5. 効果測定・レポート | Search Consoleで見られる範囲か、他社AIも含むか |
| 6. 定例会・相談 | 回数と時間 |
分解すると、どこに金額が乗っているかが見えます。多くの場合、3と5に集中しています。
そして、2については注意が必要です。Googleはこう明記しています。
生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。追加する必要がある特別な schema.org マークアップもありません。ただし、Google 検索のリッチリザルトの対象となる助けとなるため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします。
AI専用のマークアップは不要。ただしGoogleは、通常のSEOの一部として構造化データを使い続けることは勧めています。「AI向けの構造化データ実装」として別途金額が乗っているなら、通常のSEOの構造化データと何が違うのかを聞いてください。
そのうち、無料でできる部分
公式に裏づけのある作業のうち、費用がかからないものを並べます。
| 作業 | 費用 | 所要 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| robots.txtを開いて確認する | 0円 | 5分 | OpenAIがOAI-SearchBotの許可を推奨 |
| Search Consoleに登録する | 0円 | 30分 | Googleが「強くおすすめします」 |
| 生成AIレポートで表示回数を見る | 0円 | 10分 | 2026年8月31日から全サイトで利用可能 |
| インデックス登録とスニペット表示を確認 | 0円 | 15分 | AI機能表示の技術要件 |
| ビジネスプロフィールの情報を最新にする | 0円 | 数時間 | 公式ガイドの技術項目に含まれる |
| 主要キーワードでAIに質問して記録する | 0円 | 月30分 | 他社AIを追う現実的な方法 |
6つとも無料です。そして、公式ガイドが挙げている技術項目のほとんどがここに入ります。
Search Consoleの生成AIレポートについては、Googleが2026年6月のブログでこう告知しています。
注: これらの分析情報は、2026 年 8 月 31 日付けで世界中のすべてのウェブサイトにリリースされました。
見られる項目も明示されていて、表示回数、表示されたURL、国、デバイス、日付です。有料レポートを検討する前に、この画面を開いてください。
SEOの見積もりと重複していないか
すでにSEOを外注している会社は、ここを必ず確認してください。
Googleの公式ガイドが挙げている作業を並べると、SEOの契約範囲とほぼ重なります。
| 公式ガイドが挙げている項目 | SEOの契約に含まれることが多いか |
|---|---|
| 技術要件を満たす(インデックス、スニペット) | 含まれる |
| クロールできる状態にする | 含まれる |
| 内部リンクから見つけられるようにする | 含まれる |
| ページエクスペリエンスを良くする | 含まれる |
| 重要なコンテンツをテキストで出す | 含まれる |
| 重複コンテンツを減らす | 含まれる |
| 構造化データを表示テキストと一致させる | 含まれる |
| 独自の材料を持つ記事を作る | 含まれる |
8項目とも、通常のSEOの範囲です。これを「AIO対策」として別契約にすると、同じ作業に二重で払うことになります。
確認の仕方はシンプルです。SEOの契約書とAIOの見積もりを並べて、重なっている行に印をつけてください。重なりが多いなら、既存の契約に含める交渉ができます。
「AI可視性レポート」に払う前に
AIO対策の見積もりで、金額が乗りやすいのがレポートです。ここにはGoogleの明確な記述があります。
サードパーティ ツールは、Google の内部ランキング データにアクセスすることも、パフォーマンスを保証することもできません。予測はすべてサードパーティ ツール独自の予測であり、一般的な予測と同様に、必ずしも実現するとは限りません。
ツールが出すスコアは、Googleの評価ではありません。そのツールが独自に計算した数字です。
さらに、こうも書かれています。
一部のサードパーティ サービスは、一部のツールユーザーが Google からのものと誤解するようなデータを提供しています。
そして、Googleが代わりに推奨しているのがSearch Consoleです。
サードパーティ ツールを使用するかどうかに関係なく、Google 検索自体から直接重要な情報とデータを入手できる Google のファーストパーティ ツールである Google Search Console を使用することを強くおすすめします。
図1:測定の費用は、Search Consoleにない領域に払う。無料で見られるものを有料で受け取っていないか確認する。
左側の項目が有料レポートに並んでいたら、それは無料で見られるものです。右側を担当してもらう形なら、費用に見合います。
有料で頼む価値が残るのはどこか
ここまでを引き算すると、残るものが見えてきます。
1つ目。他社AIでの言及調査。ChatGPT、Perplexity、Copilotなどには、自社向けの管理画面がありません。定点観測を代行してもらう価値はあります。ただし、何を、何件、どの頻度で聞くのかを契約に書いてください。自動化できる作業なので、工数と金額が見合っているかを見ます。
2つ目。独自の材料を持つ記事の制作。Googleは「ユニークで魅力的で役立つと感じるコンテンツを作成すれば、このガイドで説明している他のどの提案よりも、生成 AI 検索でのウェブサイトのプレゼンスを長期的に高めることができる」と書いています。技術施策より上に置かれているのが、ここです。
ただし、記事制作費はSEOの契約と重複しやすい部分でもあります。単価と本数で管理してください。
3つ目。既存記事の作り直し。Googleが公式に挙げている悪い例と良い例が、判断材料になります。
コモディティ化されたコンテンツ(「初めて住宅を購入する人向けの 7 つのヒント」など)は、多くの場合、誰でも発信できる一般的な知識に基づいており、通常、読者に独自の洞察をほとんど提供しません。
自社の記事一覧を見て、この形になっているものを直す作業。これは外注しても意味があります。ただし、直す基準を先に共有しておかないと、表現だけ変えた記事が返ってきます。
4つ目。技術的な不具合の修正。クロールできない、テキストが出ていない、表示が遅い。これは実作業なので、費用が発生して当然です。ただしSEOの範囲なので、AIO対策として別料金にする理由はありません。
成果報酬型が成立しにくい理由
SEOやMEOには成果報酬型がありますが、AIO・LLMOでは成立しにくい構造があります。
理由は3つです。
1つ目。順位という概念がない。AIの回答に出たかどうかは、質問の仕方や文脈で変わります。何位という単位がないので、課金の基準を作れません。
2つ目。他社AIの表示状況を、双方が同じ条件で確認できない。同じ質問をしても、回答は毎回変わります。Googleも掲載順位について「リンクの掲載順位は表示されるたびに変わる」と書いていますが、生成AIの回答はさらに変動します。
3つ目。Google側はSearch Consoleで見られる。つまり、成果として提示される数字が、無料で確認できるものと同じになります。
成果報酬型を提案された場合、「成果の定義」と「誰がどう測るか」を書面にしてください。測定方法が業者側にしかない場合、検証できません。SEOの成果報酬については費用相場の記事で、日額課金の落とし穴を整理しました。
いま出す価値があるかの判断
予算を出すかどうかの判断軸を並べます。
| 自社の状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| Search Consoleに登録していない | まだ早い | 公式ガイドが前提条件として挙げている |
| 通常の検索でも表示回数が少ない | まだ早い | AI機能の表示要件にインデックスとスニペットが入る |
| 記事が10本以下 | まだ早い | 材料が足りない |
| SEOを外注しており、記事も出ている | 既存契約への追加を検討 | 作業が重複する |
| 指名検索が増えており、AIでの説明が気になる | 他社AIの調査に価値がある | Search Consoleで見えない領域 |
| BtoBで、検討段階の長い商材を扱う | 検討する価値がある | AIモードは比較検討の検索で使われる |
最後の行について、Googleはこう説明しています。「AI モードは、さらなる調査、根拠、複雑な比較が必要とされるクエリで特に便利な機能です」。比較検討が必要な商材ほど、AI機能に出る場面が多い。
逆に、Googleは「AI による概要は、従来の検索結果に対して付加価値があるとシステムが判断した場合にのみ表示されるため、通常はトリガーされません」とも書いています。自社のキーワードでそもそもAIによる概要が出ていないなら、優先順位は下がります。
予算を出すならこの順
金額を投じる順番を整理します。
| 順 | やること | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 無料の6項目をすべて済ませる | 0円 |
| 2 | Search Consoleの生成AIレポートで、現状の表示回数を記録する | 0円 |
| 3 | コモディティ化した既存記事を洗い出す | 0円 |
| 4 | 洗い出した記事に、自社の材料を足して書き直す | 制作費 |
| 5 | テキスト中心のページに画像・動画を足す | 制作費 |
| 6 | 他社AIでの言及を定点観測する(自社または外注) | 調査費 |
1から3までは無料で、しかも判断材料が手に入ります。ここを飛ばして4以降に予算を出すと、何が変わったのか分からなくなります。
2番目が特に重要です。着手前の数字を記録しておかないと、施策の効果を測れません。いまは無料で見られるので、記録だけでも今日できます。
契約前の確認項目
提案を受けたときに聞くことを、金額に関わる部分に絞って並べます。
SEOの契約と重複している項目はどれか。重複分を引いた金額を出してもらいます。
レポートに載る項目のうち、Search Consoleで見られるものはどれか。無料で見られる項目を有料で受け取っていないか確認します。
AI専用の構造化データやファイルを作るか。Googleは「追加する必要もありません」と明記しています。作ると言われたら理由を聞きます。
記事は何本で、取材は入るか。本数だけの契約は、価値より本数が優先されます。
他社AIの調査は、何を何件、どの頻度で行うか。ここが有料で頼む価値の中心なので、具体的に決めます。
解約後に何が残るか。記事は残りますが、ツールのアカウントやレポートは残りません。
業者選定そのものの進め方は、SEO外注の失敗事例で、Googleが公式に挙げている9つの質問を整理しました。AIO対策の業者にも、そのまま使えます。
自社でやると実質いくらか
外注の判断をするには、自社でやった場合のコストも出しておく必要があります。金額ではなく時間で見ます。
前章までに挙げた作業を、月あたりの工数に直します。
| 作業 | 初回 | 毎月 |
|---|---|---|
| robots.txtの確認 | 5分 | 0分(変更時のみ) |
| Search Consoleの登録 | 30分 | 0分 |
| 生成AIレポートの確認と記録 | 10分 | 15分 |
| インデックスとスニペットの確認 | 15分 | 10分 |
| ビジネスプロフィールの更新 | 2時間 | 15分 |
| 他社AIへの定点質問と記録 | 30分 | 30分 |
| 合計 | 約3時間半 | 約1時間10分 |
初回で3時間半、以降は月1時間強。記事制作を除けば、この程度です。
時給換算は事業によりますが、仮に社内の担当者を時給3,000円とすると、初回が約1万円、毎月が約3,500円。月額10万円の見積もりと比べると、差は記事制作と他社AI調査の深さに集約されます。
ここから導ける判断は2つです。
1つ目。技術項目だけを理由に外注するなら、金額が見合いにくい。月1時間の作業に月10万円は、説明が要ります。
2つ目。外注する価値があるのは、社内で時間が取れない場合と、記事制作を任せる場合。前者は正当な理由です。ただし「やれるがやらない」のか「やり方が分からない」のかで、頼むべき相手が変わります。
この計算は、SEOでも同じようにやりました。SEO対策の費用相場で、自社でやった場合の実質コストを月5時間で試算しています。AIO側の追加工数は、そこに月1時間強を足すだけというのが、公式ガイドを読んだうえでの結論です。
まとめ
整理します。
- 相場は月額10万円〜100万円。幅が広すぎるのは、含まれる作業が違うから
- Googleは「SEO であることに変わりはありません」と明記。別枠の費用には説明が要る
- AI専用の構造化データは「追加する必要もありません」
- 無料でできる作業が6つある。公式ガイドの技術項目のほとんどがここに入る
- 効果測定は2026年8月31日から無料。Search Consoleの生成AIレポート
- サードパーティのスコアはGoogleのデータではない
- 有料で頼む価値が残るのは、他社AIの調査と、独自の材料を持つ記事
- 成果報酬型は、成果の定義と測定方法を書面にする
この分野は、無料でできることを全部やってから見積もりを見ると、判断がかなり楽になります。順番を変えるだけで、同じ提案の評価が変わります。
よくある質問
AIO対策の費用相場はいくらですか
公開されている料金表では、単発で10〜80万円、コンサルティングで月額10〜50万円、実装を含むと月額30〜100万円といった幅が示されています(AKARUMI、デジマ部、souzohの公開情報より)。ただし含まれる作業が違うため、金額だけでは比較できません。
SEOとは別に契約すべきですか
Googleは「生成 AI 検索向けに最適化することは、検索エクスペリエンス向けに最適化することであるため、SEO であることに変わりはありません」としています。別枠にするなら、SEOと何が違うのかを項目単位で確認してください。
AI専用の構造化データは必要ですか
Googleは「生成 AI 検索に構造化データは必要ありません。追加する必要がある特別な schema.org マークアップもありません」と明記しています。ただし同じ箇所で「Google 検索のリッチリザルトの対象となる助けとなるため、SEO 戦略全体の一部として引き続き使用することをおすすめします」とも書かれています。AI向けの別料金になっているなら、通常のSEOとの差分を聞いてください。
効果測定のレポートは有料で頼むべきですか
Googleの生成AI機能については、Search Consoleの生成AIレポートで表示回数やURLが無料で確認できます(2026年8月31日から全サイト)。有料で頼むなら、ChatGPTなど他社AIでの言及状況のように、Search Consoleにない部分にしてください。
ツールが出す可視性スコアは信用できますか
Googleは「サードパーティ ツールは、Google の内部ランキング データにアクセスすることも、パフォーマンスを保証することもできません」と書いています。Googleの評価ではなく、そのツールの計算結果です。
成果報酬型の提案を受けました
AI検索には順位という単位がなく、回答も毎回変わるため、課金の基準を作りにくい構造があります。成果の定義と、誰がどう測るかを書面にしてください。
まだ早い場合の見分け方は
Search Consoleに登録していない、通常の検索でも表示回数が少ない、記事が10本以下。このいずれかに当てはまるなら、先にやることがあります。Googleも、AI機能の表示要件としてインデックス登録とスニペット表示を挙げています。
自社のキーワードでAIによる概要が出ていません
Googleは「AI による概要は、従来の検索結果に対して付加価値があるとシステムが判断した場合にのみ表示されるため、通常はトリガーされません」としています。出ていないこと自体は異常ではなく、優先順位を下げる判断材料になります。