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ホームページ制作費の勘定科目|国税庁が書いていることだけで整理する

この記事は、国税庁が公開している資料の記述を引用して整理したものです。個別の会計処理や税務判断は、必ず顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。そのうえで本題です。「ホームページ制作費は広告宣伝費」と説明する記事は多いのですが、国税庁がホームページ制作費の勘定科目について書いた文書を、現行のサイトで見つけることはできませんでした。一方で、ソフトウエアの取得価額と耐用年数については明確に公開されています。そしてもうひとつ。多くの解説記事が前提にしている30万円未満の特例は、国税庁のページ上では「令和8年3月31日まで」と書かれたままです。この記事では、確認できた記述だけを土台にして、判断に必要な材料を整理します。

結論。国税庁が書いていること・書いていないこと

先に切り分けます。国税庁のサイトを確認した結果です。

論点国税庁の公開資料で確認できたか
ホームページ制作費を何費で処理するか見つからなかった。勘定科目を名指しした文書を確認できていない
ソフトウエアが減価償却資産に当たるか明記あり。「ソフトウエアは、減価償却資産(無形固定資産)に該当し」
ソフトウエアの耐用年数明記あり。複写販売用・研究開発用は3年、その他は5年
取得価額に何を含めるか明記あり。購入代価+購入に要した費用+事業供用に直接要した費用
10万円未満の扱い明記あり。少額の減価償却資産として損金算入できる
30万円未満の特例明記あり。ただし適用期間の記載に注意(後述)

つまり、「勘定科目そのもの」は国税庁が決めている話ではなく、「資産に当たるかどうか」「いくらから資産に計上するか」が公開されているという構造です。ここを混ぜると、根拠のない断言が生まれます。

「広告宣伝費」と言い切れない理由

解説記事の多くは「原則として広告宣伝費」と書き、その根拠として国税庁の質疑応答事例を挙げています。

ここは正直に書きます。その質疑応答事例を、現行の国税庁サイトで確認することができませんでした。質疑応答事例の法人税・所得税の索引と、文書回答事例を確認しましたが、ホームページ制作費を扱った項目は見当たりませんでした。

過去に存在して削除されたのか、そもそも別の出典なのか、そこまでは検証できていません。確認できなかった、という事実だけを書きます。

実務上「広告宣伝費で処理している会社が多い」こと自体は否定しません。ただ、それは「国税庁がそう定めている」という意味ではないということです。この違いは、税務調査で説明を求められたときに効いてきます。

説明の仕方強さ
「一般的に広告宣伝費とされているので」弱い。一般論は根拠にならない
「ソフトウエアに当たる部分がないので、費用処理した」強い。資産計上の要否という軸で説明できる
「見積書でこの範囲を分けてもらい、この部分を資産計上した」強い。金額の根拠がある

国税庁が明記しているのはソフトウエアの扱い

タックスアンサー No.5461「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」に、次のようにあります。

ソフトウエアは、減価償却資産(無形固定資産)に該当し、その取得価額および耐用年数は次のとおりです。

つまり、判断の軸は「広告か否か」ではなく「ソフトウエアに当たるか否か」です。ここから逆算すると、サイトの中身を分けて考えることになります。

サイトの構成要素ソフトウエアに当たるか
会社紹介・サービス紹介の静的なページプログラムとしての機能がないなら、当たらないと整理しやすい
ブログ記事同上
問い合わせフォーム(メール送信のみ)単純なものは判断が分かれる。税理士に確認
予約システム・会員機能・決済プログラムとしての機能がある。ソフトウエアとして扱う整理になりやすい
ECの購入機能・在庫連携同上
基幹システムとの連携同上

この表は筆者の整理です。「当たる/当たらない」の最終判断は税理士の領域なので、目安として使ってください。

大事なのは、1つのサイトの中に両方が混ざっているということです。コーポレートサイトに予約システムを載せた、という案件は、全部を一律に処理できません。

判断の軸は「広告か否か」ではなく「ソフトウエアに当たるか否か」機能を持たない部分会社紹介・サービス紹介ブログ記事・写真ソフトウエアに当たらないなら、資産計上の議論から外れるプログラムとしての機能予約・会員・決済EC・在庫連携・基幹連携「ソフトウエアは、減価償却資産(無形固定資産)に該当し」1つのサイトに両方が混ざる。だから見積書を分けてもらう必要がある

取得価額に入るもの・入れなくてよいもの

ソフトウエアに当たる部分がある場合、いくらで資産計上するか。国税庁の記述です。

(1) 購入した場合 購入の代価+購入に要した費用の額+事業の用に供するために直接要した費用の額

さらに注記があります。

(注) そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業および自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、取得価額に算入します。

設定作業とカスタマイズも取得価額に入ると明記されています。「本体は資産、設定費用は経費」という分け方はできない、ということです。

一方で、入れなくてよいものも列挙されています。

次のような費用の額は、取得価額に算入しないことができます。(1) 自己の製作に係るソフトウエアの製作計画の変更等により、いわゆる仕損じがあったため不要となったことが明らかなものに係る費用の額(2) 研究開発費の額(自社利用のソフトウエアに係る研究開発費の額については、その自社利用ソフトウエアの利用により将来の収益獲得または費用削減にならないことが明らかな場合におけるその研究開発費の額に限ります。)(3) 製作等のために要した間接費、付随費用等で、その合計額が少額(その製作原価のおおむね3パーセント以内の金額)であるもの

3つ目の「おおむね3パーセント以内」という数字は、覚えておく価値があります。少額の付随費用まで律儀に資産へ振り分ける必要はない、という趣旨です。

減価償却資産全般について、取得価額に含めなくてよい付随費用も別に公開されています。

ただし、次に掲げるような費用については、減価償却資産の取得に関連して支出した費用であっても、減価償却資産の取得価額に算入しないことができます。

取得価額に含めないことができる付随費用

1 次のような租税公課等 (1) 不動産取得税または自動車取得税 (2) 新増設に係る事業所税 (3) 登録免許税その他登記または登録のために要する費用

サイト制作の文脈で関係しそうなのは、次の項目です。

2 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用

途中で仕様を変えて不要になった設計費用が、これに近い考え方で整理できる場合があります。ただし、この項目は建物についての例示なので、そのまま当てはめてよいかは税理士に確認してください。

耐用年数は3年と5年

資産計上した場合、何年で償却するか。これも明記されています。

ソフトウエアの耐用年数については、次のとおりです。1 複写して販売するための原本または研究開発用のものについては、3年 2 その他のものについては、5年

自社のサイトやシステムは、通常「その他のもの」に当たります。5年です。

根拠法令も示されています。

根拠法令等 法令13、54、法基通7-3-15の2~15の3、耐令別表第三、第六

この行が書いてあるのが、タックスアンサーの良いところです。税理士に相談するとき、「タックスアンサーNo.5461の根拠法令の範囲で見てほしい」と伝えれば、話が早く進みます。

実務での注意点を1つ。5年で償却するということは、3年でリニューアルすると、旧サイトの未償却残高が残ります。制作会社の提案が「3年ごとのリニューアル」を前提にしているなら、この点も含めて費用を見てください。

金額で決まる3つの線

資産計上するかどうかは、金額でも変わります。国税庁が公開している線は3本です。

金額扱い出典
10万円未満少額の減価償却資産として、損金経理すれば損金算入できるタックスアンサー No.5403
使用可能期間が1年未満金額にかかわらず、同じく少額の減価償却資産に当たる同上
30万円未満(中小企業者等)特例により損金算入できる。ただし適用期間と上限ありタックスアンサー No.5408

10万円未満について、国税庁の記述です。

法人が取得した少額の減価償却資産については、その法人がこの減価償却資産を事業の用に供した事業年度において、その取得価額に相当する金額を損金経理した場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます。

「使用可能期間が1年未満のもの」の定義も、そのまま書かれています。

この場合の「使用可能期間が1年未満のもの」とは、法定耐用年数でみるのではなく、その法人の営む業種において一般的に消耗性のものと認識され、かつ、その法人の平均的な使用状況、補充状況などからみて、その使用可能期間が1年未満であるものをいいます。

そして、判定の単位についても明記があります。

この取得価額は、通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します。

「通常1単位として取引されるその単位ごと」。サイト制作を複数の請求に分けたら1単位も分かれるのか、という論点になりますが、ここは形式的な分割では通らないと考えておくべきです。判断は税理士に確認してください。

30万円の特例は期限に注意

ここが、この記事でいちばん確認してほしいところです。中小企業者等の30万円未満の特例について、国税庁の記述はこうです。

中小企業者等が、取得価額が30万円未満である減価償却資産(以下「少額減価償却資産」といいます。)を平成18年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得などして事業の用に供した場合には、一定の要件のもとに、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができます。

ページの冒頭には「[令和7年4月1日現在法令等]」と表示されています。このページはこの状態でした。

確認できたこと確認できなかったこと
ページに書かれた適用期間の終期は「令和8年3月31日」その後に延長されたかどうか
ページの基準日は「令和7年4月1日現在法令等」基準日以降の改正が反映されているか

この特例を前提に予算を組んでいるなら、いま税理士に確認してください。制度が延長されているかどうかで、20万円台の支出の扱いが変わります。

適用の条件も、あわせて確認しておく価値があります。

この特例の対象となる法人は、中小企業者(注1)または農業協同組合等で、青色申告書を提出するもの(中略)のうち、常時使用する従業員の数が500人以下(特定法人(注2)については、300人以下)の法人(以下「中小企業者等」といいます。)とされています。

ただし、適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額。月数は、暦に従って計算し、1か月に満たない端数を生じたときは、これを1か月とします。以下同じです。)を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります。

条件を整理します。

条件内容
青色申告青色申告書を提出していること
従業員数常時使用する従業員500人以下(特定法人は300人以下)
年間の上限その事業年度の合計で300万円まで
貸付け用は対象外令和4年4月1日以後に取得するものについて、貸付け用は原則除外

3行目の年300万円という上限は見落とされがちです。パソコンや什器と合算されるので、サイト制作に使い切ってしまうと他が資産計上になります。

リニューアルはどう扱うか

「デザインだけ変えるなら経費、機能を足すなら資産」という説明をよく見ます。考え方としては理解できますが、国税庁がそう書いた文書は確認できませんでした。

確認できた記述から組み立てると、判断の軸はこうなります。

やること考え方
文章と写真の差し替えソフトウエアに当たる部分が増えていない
デザインテンプレートの変更同上と整理しやすい。ただし規模による
予約システムを新たに追加新たなソフトウエアの取得として扱う整理になりやすい
既存システムの大幅な仕様変更国税庁の記述に該当する項目がある(次の引用)

4行目について、国税庁はこう書いています。

(注1) 既に有しているソフトウエアまたは購入したパッケージソフトウエア等(以下「既存ソフトウエア等」といいます。)の仕様を大幅に変更して、新たなソフトウエアを製作するための費用の額は、その新たなソフトウエアの取得価額になりますが、その場合(新たなソフトウエアを製作することに伴い、その製作後既存ソフトウエア等を利用することが見込まれない場合に限ります。)におけるその既存ソフトウエア等の残存簿価は、その新たなソフトウエアの製作のために要した原材料費となります。

読み取れることを整理します。

記述意味
仕様を大幅に変更して、新たなソフトウエアを製作するための費用の額は、その新たなソフトウエアの取得価額になります大幅な変更は、修繕ではなく新規取得として扱う
その製作後既存ソフトウエア等を利用することが見込まれない場合に限ります条件つき。旧システムを使い続けるなら、この扱いにはならない
既存ソフトウエア等の残存簿価は、その新たなソフトウエアの製作のために要した原材料費となります旧システムの未償却残高は、新システムの取得価額に含める

3行目が実務で効きます。リニューアル時に旧サイトの未償却残高が残っていると、それが新サイトの取得価額に乗るという整理です。「前のサイトは除却して損金」と単純に処理できない場合があります。

SEO・MEOの月額費用はどうなるか

ここが本メディアの読者にいちばん関係する部分です。月額で払っている運用費用の扱いです。

支出の内容考え方
SEOコンサルティングの月額役務の提供。資産として残るものがないなら、期間費用として整理しやすい
記事制作の外注費同上。ただし本数と納品物の関係を契約で明確にしておく
MEOの運用代行の月額同上
サーバー・ドメインの年額期間に対応する費用。前払費用の論点が出る場合がある
被リンク購入そもそも施策として推奨しない。費用処理の前に、Googleのポリシーを確認する
サイト改修を含む月額契約注意。改修の内容によっては資産計上の論点が出る

最後の行が問題になります。「月額30万円で、SEOコンサルとサイト改修込み」という契約だと、改修部分がソフトウエアに当たる場合、月額だからといって全額を期間費用にできるとは限りません。

対処は単純です。見積書と請求書で、役務提供と改修を分けてもらってください。これは税務のためだけでなく、成果の評価のためにも役立ちます。何にいくら払っているかが分かるからです。

費用の分解の考え方はSEO対策の費用相場で6項目に分けました。その分解が、そのまま請求書の分け方になります。

見積書と契約書の書き方で変わる

ここは発注側でできることです。制作会社に依頼する段階で、見積書の内訳を分けてもらってください。

分けてもらう項目なぜ必要か
デザイン・ページ制作機能を持たない部分の金額が分かる
システム開発(予約・会員・決済など)ソフトウエアに当たる可能性が高い部分
既存システムとの連携同上
設定作業・カスタマイズ国税庁が「取得価額に算入します」と明記している部分
原稿制作・撮影制作物として独立するか
保守・運用(月額)期間費用として整理しやすい部分

「一式」でまとめられた見積書は、あとから分けられません。請求が終わってから税理士に「この内訳は」と聞かれても、答えられなくなります。

依頼のしかたも書いておきます。「税務の判断に使うので、システム開発の部分とそれ以外を分けて記載してください」と伝えれば、たいていの制作会社は対応します。発注前に言うのがポイントです。

外注先の選び方そのものはSEO外注の失敗事例で整理しました。見積書の内訳を出せるかどうかは、その会社の姿勢を測る材料にもなります。

個人事業主の場合

ここまでは法人税の話でした。個人事業主は、根拠となる条文が所得税法になります。

論点注意点
30万円未満の特例中小企業者等の特例は、青色申告の個人事業主も対象になる場合がある。要件を税理士に確認
10万円未満少額の減価償却資産の考え方は共通するが、根拠条文が異なる
家事按分事業用とプライベートが混ざる場合、按分の論点が加わる
白色申告青色申告が要件の特例は使えない

この記事で引用したタックスアンサーは、いずれも「対象税目 法人税」と表示されているページです。個人事業主の方は、所得税のページを別途確認するか、税理士にご相談ください。

書類は何年保存するか

見積書と契約書を分けてもらったら、次はいつまで残すかです。ここも国税庁が明記しています。

法人は、帳簿(注1)を備え付けてその取引を記録するとともに、その帳簿と取引等に関して作成または受領した書類(注2)を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間(注3)保存しなければなりません。

「書類」に何が含まれるかも、例示されています。

(注2)「書類」には、例えば棚卸表、貸借対照表、損益計算書、注文書、契約書、領収書などがあります。

注文書と契約書が名指しされています。サイト制作の見積書・契約書・仕様書は、この範囲に入ると考えておくのが安全です。

期間が延びる場合についても記載があります。

(注3)青色申告書を提出した事業年度で欠損金額(青色繰越欠損金)が生じた事業年度または青色申告書を提出しなかった事業年度で災害損失金額が生じた事業年度においては、10年間(平成30年4月1日前に開始した事業年度は9年間)となります。

ここが実務で効きます。赤字だった年度は10年です。創業期にサイトを作った会社は、その年度が欠損だった可能性が高い。7年で捨てると足りません。

残すもの理由
見積書(内訳つき)資産計上の区分の根拠
契約書役務提供か成果物の納品かの根拠
仕様書・提案書どの機能があったかの根拠
公開日・稼働開始日が分かるもの「事業の用に供した」日の根拠
処理を決めたときのメモなぜその判断にしたかを、数年後に説明するため

最後の行は、法令上の保存義務とは別の話です。当時の判断理由を残しておくと、担当者が替わっても説明が続きます。1行でかまいません。「システム開発の部分だけ資産計上、税理士に確認済み」といったメモです。

電子で受け取った見積書の扱いについても、国税庁は別に案内を出しています。

電子帳簿保存法(電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律)による①国税関係帳簿書類の電磁的記録等による保存等、②国税関係書類のスキャナ保存、③電子取引を行った場合の取引情報に係る電磁的記録の保存については、国税庁ホームページ「電子帳簿保存法Q&A(一問一答)」を参照してください。

制作会社からPDFで見積書を受け取っている場合、③の電子取引に当たります。要件は税理士に確認してください。

税理士に聞くときに持っていくもの

相談の精度は、持っていく資料で決まります。

持っていくものなぜ必要か
見積書(内訳つき)金額の区分が判断の起点になる
提案書・仕様書どんな機能があるかが分かる
契約書役務提供か、成果物の納品かが分かる
公開予定日・稼働開始日「事業の用に供した」日の判断に使う
旧サイトの未償却残高リニューアルの場合。前述の論点に関わる
その事業年度の少額資産の取得額合計300万円の上限に関わる

聞き方も具体的にしてください。「何費になりますか」より、「この見積書のうち、ソフトウエアとして資産計上すべき範囲はどこですか」のほうが、答えが返ってきます。

そして、判断の理由をメモに残しておいてください。数年後に税務調査があったとき、当時なぜそう処理したかを説明できることが大事です。

経営者が判断してよいこと・いけないこと

判断自社で決めてよいか理由
見積書の内訳を分けてもらう自社で決める発注側の要望として伝えるだけ
契約を役務と改修に分ける自社で決める同上。成果の評価にも役立つ
勘定科目を決める税理士に確認国税庁が勘定科目を名指しした文書は確認できなかった
資産計上の要否を決める税理士に確認ソフトウエアに当たるかの判断が必要
30万円の特例を使う前提で予算を組む確認してからページの適用期間の記載が「令和8年3月31日まで」
リニューアルの時期を決める部分的に自社で5年償却との関係を踏まえる。未償却残高の論点は税理士に確認

この表で言いたいのは、税務の判断は税理士に任せて、発注のしかたは自社で整えるという切り分けです。見積書の内訳を分けてもらうところまでやっておけば、税理士の判断が速く、正確になります。

まとめ

  • 国税庁がホームページ制作費の勘定科目を名指しした文書は、現行サイトで確認できなかった
  • 公開されているのは「ソフトウエアは、減価償却資産(無形固定資産)に該当し」という整理
  • 判断の軸は「広告か否か」ではなく「ソフトウエアに当たるか否か」
  • 設定作業とカスタマイズも取得価額に入る。「付随的な修正作業等の費用の額は、取得価額に算入します」
  • 耐用年数は、その他のもので5年
  • 30万円未満の特例は、ページ上の適用期間が「令和8年3月31日まで」。基準日は令和7年4月1日現在。予算の前提にしているなら確認する
  • 年間300万円という上限がある。パソコンや什器と合算される
  • 見積書の内訳を、発注前に分けてもらう。「一式」はあとから分けられない

繰り返しになりますが、個別の判断は顧問税理士または所轄の税務署にご確認ください。この記事は、相談の前に材料を揃えるためのものです。

よくある質問

ホームページ制作費は広告宣伝費でよいですか

国税庁がホームページ制作費の勘定科目を名指しした文書を、現行サイトで確認することはできませんでした。公開されているのは「ソフトウエアは、減価償却資産(無形固定資産)に該当し」という整理です。勘定科目の判断は税理士にご確認ください。

どこで資産計上が必要になりますか

判断の軸は「ソフトウエアに当たるか否か」です。予約システム、会員機能、決済、EC、基幹連携のように、プログラムとしての機能を持つ部分がある場合は、ソフトウエアとして扱う整理になりやすいと考えています。最終判断は税理士にご確認ください。

設定費用は経費にできますか

国税庁は「そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業および自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、取得価額に算入します」と明記しています。本体は資産、設定は経費、という分け方はできないという記述です。

耐用年数は何年ですか

国税庁は「1 複写して販売するための原本または研究開発用のものについては、3年 2 その他のものについては、5年」としています。自社のサイトやシステムは通常「その他のもの」に当たります。

10万円未満なら経費にできますか

国税庁は「法人が取得した少額の減価償却資産については…その取得価額に相当する金額を損金経理した場合には、その損金経理をした金額は、損金の額に算入されます」としています。取得価額は「通常1単位として取引されるその単位ごとに判定します」とも書かれています。

30万円未満の特例は使えますか

国税庁のページには「平成18年4月1日から令和8年3月31日までの間に取得などして」と記載されており、基準日は「[令和7年4月1日現在法令等]」と表示されています。その後に延長されたかどうかはこのページから判断できません。予算の前提にしているなら、税理士に確認してください。

30万円の特例に上限はありますか

あります。「適用を受ける事業年度における少額減価償却資産の取得価額の合計額が300万円…を超えるときは、その取得価額の合計額のうち300万円に達するまでの少額減価償却資産の取得価額の合計額が限度となります」と書かれています。パソコンや什器と合算されます。

リニューアル費用はどう扱いますか

「デザインなら経費、機能なら資産」という説明はよく見ますが、国税庁がそう書いた文書は確認できませんでした。確認できたのは、既存ソフトウエアの「仕様を大幅に変更して、新たなソフトウエアを製作するための費用の額は、その新たなソフトウエアの取得価額になります」という記述です。ただし「その製作後既存ソフトウエア等を利用することが見込まれない場合に限ります」という条件が付いています。

旧サイトの未償却残高はどうなりますか

上の条件に当たる場合について、国税庁は「その既存ソフトウエア等の残存簿価は、その新たなソフトウエアの製作のために要した原材料費となります」としています。新しいサイトの取得価額に乗る、という整理です。該当するかどうかは税理士にご確認ください。

SEOの月額費用は経費でよいですか

役務の提供であれば期間費用として整理しやすいと考えています。ただし、月額契約にサイト改修が含まれている場合は、改修の内容によって論点が出ます。見積書と請求書で、役務提供と改修を分けてもらってください。

見積書は何を分けてもらえばいいですか

デザイン・ページ制作、システム開発、既存システムとの連携、設定作業・カスタマイズ、原稿制作・撮影、保守運用の6つです。「一式」でまとめられた見積書は、あとから分けられません。発注前に依頼してください。

個人事業主でも同じですか

この記事で引用したタックスアンサーは、いずれも「対象税目 法人税」と表示されているページです。個人事業主の方は、所得税のページを別途確認するか、税理士にご相談ください。家事按分の論点も加わります。

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