
一人暮らしを始めて、防犯対策までしっかりできている自信はありますか。
株式会社AlbaLinkの調査では、一人暮らしで不安なことの2位が「防犯対策ができるか」(29.7%)でした。この記事では、実際の統計データをもとに、今日からできる具体的な防犯対策をまとめます。
一人暮らしの不安、2位は「防犯対策」
株式会社AlbaLinkの調査(2024年4月、499人対象、20代が44.2%を占める)によると、一人暮らしで不安なことのランキングは次のような結果でした。
| 順位 | 不安なこと | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 家計管理ができるか | 33.7% |
| 2位 | 防犯対策ができるか | 29.7% |
| 3位 | 家事ができるか | 25.7% |
| 4位 | 体調管理ができるか | – |
家計管理に次いで、防犯対策が2番目に多い不安として挙げられています。漠然とした不安のまま、具体的な対策までは手が回っていない人も多いのではないでしょうか。
侵入窃盗の半数近くは「鍵のかけ忘れ」から
では、実際にどこから被害が発生しているのでしょうか。警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅への侵入手段の内訳は次のとおりです。
| 侵入手段 | 割合 |
|---|---|
| 無締り(鍵のかけ忘れ) | 47.8% |
| ガラス破り | 30.1% |
| 施錠開け(ピッキング等) | 8.5% |
侵入窃盗の半数近くが、特別な道具も技術も使わない「鍵のかけ忘れ」から発生しているという事実は、覚えておく価値があります。つまり、防犯対策の第一歩は、高価な機器を導入することではなく、鍵を必ずかける習慣そのものだということです。
また、ALSOKの記事(出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」)によると、侵入窃盗の手口のうち、家に誰もいない時間帯を狙う「空き巣」が全体の約6割を占める一方、住人が在宅している時間帯に侵入する「忍込み」「居空き」も合わせて約3割にのぼります。「日中は家にいることが多いから大丈夫」というのは思い込みで、在宅中も来客を装った手口や、無施錠のすきをついた侵入への警戒が欠かせません。
今日からできる防犯対策

鍵をかける習慣を「仕組み」にする
「鍵をかけ忘れないようにする」という意識だけに頼ると、忙しい朝やお酒を飲んで帰った夜に、どうしても抜け落ちてしまいます。玄関を出るときの動線に、鍵をかけたか確認するひと手間を組み込んでしまいましょう。例えば、スマホを操作する前に必ずドアノブを引いて確認する、というように、すでに習慣化されている行動とセットにすると忘れにくくなります。帰宅時も同様で、玄関に入ったらすぐに鍵をかける、という順番を決めておくと、荷物を置いてから「あとでやろう」と後回しにして忘れる、という事態を防げます。1週間ほど意識的に続けると、確認作業そのものが無意識の習慣として定着しやすくなります。
窓の補助錠を追加する
ガラス破りは侵入手段の30.1%を占めていますが、窓の鍵(クレセント錠)は防犯性能が高くないものも多く、補助錠を1つ追加するだけで、侵入にかかる時間を大きく増やせます。警視庁が空き巣狙いの被疑者に行った聞き取り調査によると、侵入に5分以上かかると、約7割が侵入をあきらめるという結果が出ています。クレセント錠は、ガラスを割って手を入れれば数秒で開けられてしまう構造のため、これ単体では「5分の壁」を作れません。時間を稼ぐこと自体が有効な防犯対策になるため、補助錠は窓の上下2箇所に取り付けるとより効果が高まり、窓ガラスに貼るタイプの防犯フィルムを併用すれば、ガラスを割る作業自体にも時間がかかるようになります。特に1階の部屋や、ベランダに面した窓は優先的に対策しましょう。
在宅を知らせすぎない
宅配便を置き配にする、洗濯物を室内干しにするなど、生活のパターンを外から読み取られにくくする工夫も効果があります。郵便受けに新聞やチラシがたまっていると、長期不在のサインとして読み取られやすいため、旅行などで数日家を空ける際は、郵便物の受け取り停止を手配したり、家族や友人に定期的な確認を頼んでおいたりすると安心です。留守中も、照明を人感タイマーでつけておく、テレビや音楽をつけっぱなしにしておくといった工夫も、在宅を装ううえで有効とされています。SNSに「今から旅行に行きます」のような投稿をリアルタイムでするのも、不在をアピールすることになるため避けた方が安心です。
センサーライト・防犯カメラで「見られている」状態を作る
空き巣は、下見をして人目につきにくい部屋、周囲から見えにくい死角がある部屋を選ぶ傾向があります。玄関やベランダ、駐輪場の近くなど、人の出入りが少なく死角になりやすい場所にセンサーライトを設置するだけで、動きを感知して点灯し、不審者に「見られているかもしれない」と意識させる効果が期待できます。防犯カメラも同様に、実際に録画していないダミータイプであっても、設置してあること自体が犯行を思いとどまらせる抑止効果につながるとされています。ただし、ダミーだと見抜かれてしまうケースもあるため、可能であれば実際に稼働するタイプを選ぶ方が安心です。
防犯グッズ、何を選べばいい?
実際に使われている防犯グッズを、価格帯とあわせて紹介します。
3つの防犯グッズは、それぞれ役割が異なります。防犯アラームは「侵入されそうになったら音で気づかせる・威嚇する」もの、補助錠は「そもそも侵入にかかる時間を延ばす」もの、センサーライトは「下見や侵入の前段階で近寄らせない」ものです。予算が限られている場合は、まず費用対効果の高い補助錠から導入し、1階の部屋やベランダに面した窓が多い場合はセンサーライトを追加、さらに手厚くしたい場合に防犯アラームを足していく、という順番で検討すると無理がありません。
このうち、窓・ドア用の防犯アラームと補助錠は、賃貸物件でも取り付けやすく、退去時に外せるタイプがほとんどです。購入前には、原状回復できるか(壁や窓枠に穴を開けないタイプか)を必ず確認しましょう。
部屋探しの段階でチェックしたいポイント
これから引っ越す予定がある人は、部屋探しの段階で防犯性を確認しておくと、後からグッズを追加する手間が減ります。
建物のタイプによって狙われやすい経路が違う
ALSOKの記事(出典:警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」)によると、一戸建て住宅では窓ガラスを割っての侵入が多い一方、3階建て以下の共同住宅ではベランダからの侵入、高層マンションでも屋上や上階からベランダ経由で侵入されるケースが報告されています。「高層階だから安全」とは言い切れず、ベランダに面した窓の施錠・補助錠は、階数にかかわらず対策しておく必要があります。
オートロックを過信しない
オートロック付きの物件は安心感がありますが、他の住人がドアを開けたタイミングに合わせて部外者が一緒に入り込む「共連れ」という手口があり、オートロックだけでは完全には防げません。内見の際は、オートロックの有無だけでなく、共用部分に人感センサーライトや防犯カメラがあるか、管理人が常駐しているか、エントランスが死角の少ない場所にあるか、といった点もあわせて確認しておくと安心です。
部屋そのものの立地・構造
1階の部屋は、地面から直接窓に近づけるため家賃が安い分、侵入経路になりやすい傾向があります。可能であれば2階以上を検討し、難しい場合は窓の補助錠を最優先で導入しましょう。また、隣の建物やベランダから侵入しやすい配置になっていないか、部屋の周囲に足場になりそうな室外機・自転車置き場がないかも、内見時にチェックしておきたいポイントです。
今日からできること
ステップ1(今夜):今の部屋の鍵・窓を1つずつ確認する
玄関の鍵、すべての窓のクレセント錠が、きちんとロックされているか実際に手で確認してみましょう。1階の部屋やベランダに面した窓がある場合は、補助錠が付いているかもあわせてチェックしておくと、次のステップにそのままつなげられます。
ステップ2(今週中):補助錠の要不要を判断する
1階の部屋、ベランダに面した窓がある場合は、補助錠の設置を検討しましょう。工事不要のタイプなら、届いたその日に取り付けられます。窓が2箇所以上ある場合は、道路側やベランダ側など、外から近づきやすい窓から優先的に対策すると効率的です。
ステップ3(今月中):在宅を知らせすぎていないか見直す
洗濯物の干し方、宅配便の受け取り方、SNSの投稿タイミングなど、生活パターンが外から読み取られやすくなっていないか、一度振り返ってみてください。オートロックや管理人の有無など、住んでいる建物の共用部分のセキュリティ状況も、この機会にあらためて確認しておくと安心です。
まとめ
一人暮らしの不安で2位に挙げられる「防犯対策」ですが、警察庁の統計では、侵入窃盗の47.8%が鍵のかけ忘れという、特別な対策がなくても防げる原因から発生しています。まずは鍵をかける習慣を仕組み化し、そのうえで補助錠やセンサーライトのような具体的なグッズを、必要な場所から追加していくのが現実的な進め方です。侵入窃盗は在宅中にも発生していること、オートロックや高層階だけでは防ぎきれない手口があることもあわせて押さえておけば、思い込みによる対策漏れを減らせます。
防犯とあわせて、一人暮らしで避けて通れないのがお金の話です。入居時・毎月・退去時の3回にかかるお金と、契約時に確認しておくことは20代の一人暮らしガイドで扱っています。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 一人暮らしで防犯対策を不安に感じている人はどれくらいいますか?
株式会社AlbaLinkの調査(2024年4月、499人対象)によると、一人暮らしで不安なことの2位が「防犯対策ができるか」で29.7%でした。1位の「家計管理」に次いで多い不安です。
Q2. 侵入窃盗は主にどこから入られますか?
警察庁「令和6年の刑法犯に関する統計資料」によると、住宅への侵入手段は「無締り(鍵のかけ忘れ)」が47.8%と最も多く、次いで「ガラス破り」が30.1%、「施錠開け」が8.5%となっています。
Q3. お金をかけずにできる防犯対策はありますか?
はい。侵入窃盗の半数近くが鍵のかけ忘れから発生しているため、外出時に必ず鍵をかける習慣をつけることが、最もお金のかからない防犯対策になります。
Q4. 賃貸でも取り付けられる防犯グッズはありますか?
窓・ドア用の防犯アラームや、工事不要で後付けできる補助錠であれば、賃貸物件でも取り付けやすく、退去時に外せるタイプがほとんどです。購入前に原状回復できるか確認しましょう。
Q5. どの部屋が特に狙われやすいですか?
1階の部屋やベランダに面した窓がある部屋は、侵入経路になりやすい傾向があります。これから部屋を探す場合は、2階以上やオートロック付きの物件を検討するのも有効です。
Q6. 在宅していることを知られないためにできることは?
宅配便を置き配にする、洗濯物を室内干しにする、SNSに外出中であることをリアルタイムで投稿しないといった工夫が、生活パターンを外から読み取られにくくするのに役立ちます。
Q7. オートロック付きの物件なら安心ですか?
オートロックは有効な対策ですが、他の住人がドアを開けたタイミングに合わせて入り込む「共連れ」という手口があり、それだけで完全に防げるわけではありません。共用部分の防犯カメラの有無や管理人の常駐状況もあわせて確認しておくと安心です。
Q8. 高層階に住んでいれば防犯対策は不要ですか?
いいえ。警察庁の統計によると、高層マンションでも屋上や上階からベランダ経由で侵入されるケースが報告されており、「高層階だから安全」とは言い切れません。ベランダに面した窓の施錠・補助錠は、階数にかかわらず対策しておく必要があります。

