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20代の一人暮らしガイド|お金がかかるのは「入居時・毎月・退去時」の3回。それぞれで確認することを整理しました

窓際に段ボール箱と観葉植物が置かれた引っ越し直後の部屋のイメージ

一人暮らしを始めるとき、多くの人が調べるのは「毎月いくらかかるか」です。

ただ、実際にお金が動くのはそこだけではありません。入居するとき、住んでいる間、そして出ていくとき。この3回です。そしていちばん揉めるのは、いちばん調べられていない3回目だったりします。

この記事では、総務省の家計調査、民法の条文、国土交通省のガイドライン、国民生活センターの相談データという一次情報をもとに、3つのタイミングごとに「何を確認しておけばいいか」を整理しました。

一人暮らしのお金は「3回」かかる

先に全体像を置いておきます。

タイミング 動くお金 先に確認しておくこと
入居時 敷金・礼金・仲介手数料・前家賃・家具家電 原状回復の条件と、敷金がどう扱われるか
毎月 家賃・食費・光熱水道・通信・その他 下げる順番(一度の手続きで効くものから)
退去時 原状回復費用(敷金から精算) どこまでが自分の負担で、どこからが違うのか

入居時のお金は、契約するときに見積書という形で目の前に出てくるもの。毎月のお金も、口座から引かれるので嫌でも見ます。

見えないのは退去時です。契約から数年後、引っ越しでバタバタしているときに、金額だけが後から届く。この非対称が、あとで説明するトラブルの温床になっています。

【入居時】契約書で先に見ておく2つのこと

スマートフォンで部屋の中を撮影している手元のイメージ

初期費用の内訳そのものは、契約前に必ず見積書で提示されます。だから、ここで本当に確認しておきたいのは金額ではありません。数年後に効いてくる2つの条件です。

1つめ:原状回復の条件が契約書に書かれているか

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」は、この点をはっきり書いています。

原状回復にかかる費用は、入居当初には発生しないものの、いずれ賃借人が一定に負担する可能性のあるものであり、賃料や敷金などと同様にその内容、金額等の条件によっては、賃貸借契約締結の重要な判断材料となる可能性がある。こうしたことからも、原状回復の問題は、単に契約終了時だけでなく、賃貸借契約当初の問題としてとらえる必要がある。

つまり、国の側も「退去のことは入るときに決めておけ」と言っているわけです。ガイドラインは、賃貸人・賃借人の修繕負担や賃借人の負担範囲を明記した書面を契約書に添付しておくことが重要だとしています。

契約前に聞くことは1つで足ります。「原状回復の負担区分が書かれた書面はありますか」。あれば受け取って保管する。無ければ、後で説明する民法とガイドラインの考え方が基準になると理解しておく。それだけで、数年後の立場がかなり変わります。

2つめ:入居時の部屋の状態を記録したか

同じガイドラインは、トラブルの大きな原因として入居時と退去時の物件の確認が不十分であることを挙げています。当事者間の記憶だけではあいまいになり、損耗の箇所や発生時期をめぐって揉めるという指摘です。

対策は単純です。入居した日に、部屋の写真を撮っておく。壁、床、水回り、窓のサッシ、既にある傷。スマホで10分あれば終わります。ガイドラインは、こうしたチェックリストや記録が訴訟に発展した場合の証拠資料にもなりうるとしています。

国土交通省は「入退去時の物件状況及び原状回復確認リスト(例)」という書式も公開しているので、几帳面にやりたい人はそれを使う手もあるでしょう。

補足:敷金は「預けているお金」です

2つの確認に加えて、位置づけを知っておくと安心なのが敷金です。民法第622条の2は敷金を「いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭」と定義したうえで、次のように定めます。

賃貸人は、敷金(中略)を受け取っている場合において、次に掲げるときは、賃借人に対し、その受け取った敷金の額から賃貸借に基づいて生じた賃借人の賃貸人に対する金銭の給付を目的とする債務の額を控除した残額を返還しなければならない。
一 賃貸借が終了し、かつ、賃貸物の返還を受けたとき。

読みにくい条文ですが、言っていることは1つです。敷金は、借主が負うべき債務を差し引いた残りを返す必要がある。返さなくていいお金ではありません。

なお礼金は敷金と違い、担保として預けるお金ではないので、この条文の対象外です。同じ「初期費用」の欄に並んでいても、性質が別だと覚えておくといいでしょう。

【毎月】単身世帯の支出は月17万3,042円。ただし読み方に注意

白い机の上にレシートと書類が重ねて置かれているイメージ

毎月のお金については、総務省の家計調査が公的な数字を出しています。2025年(令和7年)平均の単身世帯の消費支出は、1世帯当たり1か月平均173,042円でした。前年に比べ名目では2.1%の増加ですが、実質では1.5%の減少で、3年連続の実質減少です。

費目別の内訳はこうなっています。

費目 月平均額 構成比
食料 49,321円 28.5%
その他の消費支出 28,396円 16.4%
住居 21,667円 12.5%
教養娯楽 21,173円 12.2%
交通・通信 19,334円 11.2%
光熱・水道 13,333円 7.7%
保健医療 8,754円 5.1%
家具・家事用品 6,120円 3.5%
被服及び履物 4,908円 2.8%
教育 37円 0.0%
消費支出 計 173,042円 100%

※金額は表章単位未満を四捨五入しているため、内訳を足し上げても合計と一致しません(内訳の和は173,043円、構成比の和は99.9%)。

この表を自分の生活に当てはめる前に、2つ知っておくこと

【注意1】この単身世帯の平均年齢は58.6歳です

家計調査の「単身世帯」は20代だけを集めたものではありません。2025年平均の平均年齢は58.6歳。20代の実額として読むには無理があります。参考になるのは金額そのものより、費目の並び順です。食料が3割弱でいちばん重く、次にその他の消費支出、そして住居と教養娯楽が並ぶ、という構造のほうを見てください。

【注意2】「住居 21,667円」は家賃の相場ではありません

これがいちばん誤解されやすいところです。総務省の家計調査Q&Aには「家計調査では、実際に支払った借家・借間の家賃等のみが計上されます」と明記されています。つまり持ち家の人は住居費がほぼ計上されないため、持ち家の人も含む平均は下に引っ張られます。平均年齢58.6歳という数字と合わせて考えれば、この21,667円を家賃の目安として使うのは的を外すと分かるはずです。

賃貸で一人暮らしをする人にとって、家賃は費目のなかで最も重い固定費になります。それが平均で1万円台に見えてしまう統計を、そのまま自分の予算表に持ち込まないことです。

ちなみに収入側の数字もあります。単身世帯のうち勤労者世帯(平均年齢43.3歳)の実収入は、1か月平均386,791円でした。こちらも20代の数字ではありませんが、支出と収入を同じ調査で並べて見られる点は押さえておくといいでしょう。

【毎月】固定費を下げるなら、この順番で

毎月のお金で効くのは、節約の努力より一度の手続きで毎月効くものです。順番をつけるなら次のようになります。

【固定費を見直す順番】

  • 1. 使っていないサブスク:解約は1回で終わり、翌月から効く。気づきにくいものが残りやすい
  • 2. 通信費:プラン変更や乗り換えは手続き1回。交通・通信は単身世帯で月19,334円の費目
  • 3. 食費:いちばん大きい費目(月49,321円・28.5%)だが、毎日の行動が必要なので3番目
  • 4. 光熱・水道:月13,333円。季節変動が大きく、努力の割に動く幅が小さい

1番目のサブスクは、解約の手順そのものが分かりにくいサービスもあります。Amazonの定期おトク便のように「解約」という言葉が画面に出てこないものについては、サブスクの解約、見落としてない?で実際の手順を追いました。

2番目の通信費については、20代のスマホ代の平均額と内訳を20代のスマホ代、平均6,773円は高い?で総務省データから確認しています。端末代と通信料を分けて見ると、下げどころが変わります。

3番目の食費は、金額がいちばん大きいぶん効果も大きいのですが、続かなければ意味がありません。自炊が習慣にならない原因と、そこからの立て直し方は一人暮らしの自炊が続かない20代へにまとめました。

【退去時】原状回復は「借りた当時に戻すこと」ではない

白い布をかけたソファと積み上げた段ボール箱が置かれた退去前の部屋のイメージ

ここが3回目のお金、そして最も誤解されているところです。

出発点は法律です。民法第621条は、賃借人の原状回復義務をこう定めています。

賃借人は、賃借物を受け取った後にこれに生じた損傷(通常の使用及び収益によって生じた賃借物の損耗並びに賃借物の経年変化を除く。以下この条において同じ。)がある場合において、賃貸借が終了したときは、その損傷を原状に復する義務を負う。ただし、その損傷が賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

カッコの中が本題です。通常の使用で生じた損耗と経年変化は、原状回復義務の対象から条文上はっきり除かれています。普通に住んでいて古くなった分は、借主が戻す義務を負わない、ということです。

国土交通省のガイドラインも、この考え方に沿って原状回復を定義しました。

原状回復とは、賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること

建物の傷みは3つに分けて考える

ガイドラインは、建物価値の減少を3つに区分しています。この区分が、負担が誰に行くかの分かれ目です。

退去時の負担は、傷みの種類で分かれる 貸主(大家)の負担 ①-A 経年変化 日照による畳の変色など ①-B 通常損耗 家具を置いた床のへこみなど 借主(あなた)の負担 ② 故意・過失、善管注意   義務違反など 引越しでつけたひっかき傷 落書き、こぼして放置したシミ ②に当たっても、住んだ年数で負担割合は下がる クロスやカーペットは6年で残存価値1円として計算する考え方(ガイドライン) ガイドラインに法的な拘束力はない。最終的には契約内容と 物件の使用状況によって個別に判断される

ガイドラインが挙げている例で見ると、境目のイメージがつかめます。

貸主の負担とされる例
家具の設置による床やカーペットのへこみ・設置跡。日照や建物の構造上の欠陥による雨漏りで生じた畳の変色やフローリングの色落ち。次の入居者を確保するために行う畳の裏返しや表替え。フローリングのワックスがけ。いずれも「通常の使用による損耗」か「物件の維持管理」に当たるという考え方です。

借主の負担とされる例
引越作業で生じたひっかきキズ。落書きなど故意による毀損。カーペットに飲み物をこぼしたあと手入れをせずに残したシミやカビ。冷蔵庫の下にできたサビ跡を放置して床を汚損させたもの。こぼすこと自体は通常の生活の範囲だが、その後の手入れ不足は別という線が引かれています。

住んだ年数が長いほど、負担は下がる

もう1つ、知っておくと効く考え方があります。経過年数(入居年数)による減価です。

ガイドラインの説明はこうです。経年変化や通常損耗の分は家賃として払ってきているのだから、退去時にもう一度負担させると二重評価になる。そのうえで「賃借人の負担については、建物や設備等の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させることとするのが適当である」としています。

具体的には、クロスやカーペットは6年で残存価値1円になる直線(または曲線)を想定して負担割合を計算するという考え方です。同じ傷でも、1年で退去した人と6年住んだ人では負担が変わる。長く住んだほうが有利になる、という方向です。

ただし、経過年数を考慮しないものもあります。襖紙や障子紙、畳表は消耗品としての性格が強いため対象外。鍵を紛失した場合の交換費用も、経過年数を考慮せず全額が借主負担となる扱いです。

【退去時】よくある3つの誤解

ここまでを踏まえて、実際によく起きる誤解を3つ整理します。

誤解1:「ガイドラインにこう書いてあるから、払わなくていい」

これは半分だけ正しく、半分は危険です。ガイドライン自身が、自分の位置づけをこう書いています。

本ガイドラインについては、(中略)その使用を強制するものではなく、原状回復の内容、方法等については、最終的には契約内容、物件の使用の状況等によって、個別に判断、決定されるべきものであると考えられる。

ガイドラインは法令ではなく、一般的な基準を示したものです。「ガイドラインで決まっている」という言い方はできません。使い方としては、請求内容が妥当かを判断する材料として持ち、相手と話すときの共通の土台にする、というのが正確なところでしょう。

法的な根拠として使えるのは、あくまで民法621条の条文のほうです。

誤解2:「特約が書いてあるなら、全部従うしかない」

契約書に「退去時のクリーニング代は借主負担とする」のような特約が入っているケースは珍しくないでしょう。契約自由の原則があるので、こうした特約を置くこと自体は否定されていません。

ただしガイドラインは、賃借人に特別の負担を課す特約について3つの要件を挙げています。

【賃借人に特別の負担を課す特約の要件】

  • 特約の必要性があり、かつ、暴利的でないなどの客観的、合理的理由が存在すること
  • 賃借人が特約によって通常の原状回復義務を超えた修繕等の義務を負うことについて認識していること
  • 賃借人が特約による義務負担の意思表示をしていること

金額の目安すら示されないまま「借主負担」と一行だけ書かれている場合、3つめの「義務負担の意思表示」があったと言えるのか。そこは論点になりうるということです。契約時に単価を明示しておくことが紛争防止に欠かせないと、ガイドラインも述べています。

誤解3:「壁紙を1か所汚したら、部屋全体の張り替え代を払う」

クロスについてガイドラインが妥当としているのは、毀損箇所を含む一面分までの張替費用です。部屋全体の色や模様を合わせる作業は、賃貸物件としての商品価値の維持・増大という側面が大きく、いわゆるグレードアップに相当する部分が含まれるという理由です。

つまり、色合わせや模様合わせのための追加分は、借主の負担としない。ここも請求書を見るときのチェックポイントになります。

なお、ハウスクリーニングについては「通常の清掃を実施していない場合」に借主負担となる、という書き方です。ゴミの撤去、掃き掃除、拭き掃除、水回りの清掃、換気扇やレンジ回りの油汚れの除去。この程度のことをやって引き渡したかどうかが分かれ目になります。

負担区分の一覧や、設備が6年で1円まで下がる耐用年数の考え方は、退去費用、払わなくていいものは決まっている|国土交通省ガイドラインの負担区分と、6年で1円になる耐用年数で表にまとめています。

退去トラブルの相談は、いま増えている

これは珍しいトラブルではありません。国民生活センターは賃貸住宅の原状回復トラブルというページで、全国の消費生活センターに寄せられた相談件数を公表しています。

年度 相談件数
2023年度 13,273件
2024年度 13,312件
2025年度 14,711件
2026年度
※年度途中(2026年5月31日現在)
1,846件
前年同期 1,645件

2025年度は前年から1,399件増えて14,711件。2026年度の数字は年度が始まって2か月分なので他の年と単純に比べられませんが、前年同期の1,645件は上回っています。なお、この件数に消費生活センター等からの経由相談は含まれていません。

同ページに挙げられている相談事例も、内容が具体的です。立会いのときには「原状回復が必要な箇所はない」と言われたのに後日請求が届いた。6年半住んだ物件でクロス張替えなどの高額な見積書が来た。ペットがつけたと言われた傷が、写真を見ても判別できない。入居時にクリーニング代を払い「退去時は不要」と言われたのに請求された。

このうち1件目と4件目は、言われた内容が記録に残っていないことが争点です。だからこそ、入居時の写真と契約書面が効くわけです。

お金以外で、先に手を打っておくこと

夜の集合住宅で多くの窓に灯りがついているイメージ

お金の話が3回で終わる一方、住んでいる間ずっと続くものもあります。ここは深掘りした記事があるので要点だけ置いておきます。

防犯:警察庁のデータを見ると、侵入窃盗の手口で無締り(鍵のかけ忘れ)が大きな割合を占めます。お金をかける前にやることがある、という順番になります。詳しくは一人暮らしの防犯対策、まず何をすればいい?へ。

防災:一人暮らしの部屋は備蓄のスペースが限られるので、何を優先するかの判断が必要になります。南海トラフ地震の被害想定と、置き場所を取らない備え方を一人暮らしの防災、何を備えればいい?で整理しました。

ひとりの時間:寂しさは、なくすものというより付き合い方を決めるものです。無理に埋めようとしなくていい理由を一人暮らしが寂しいと感じる20代へに書いています。

今日からできること

3つに絞ります。すでに一人暮らしをしている人も、今日からできることです。

ステップ1(今日):契約書を探して、原状回復の条項を読む
ファイルの奥か、メールの添付か、実家の引き出しか。見つけたら「原状回復」「明渡し」「特約」という言葉がどこにあるかを確認します。クリーニング代や消毒代の負担が書かれていないか、金額の目安が示されているか。ここを一度読んでおくだけで、退去時に届く請求書の見え方が変わるはずです。

ステップ2(今週中):いまの部屋の状態を写真に撮る
入居時に撮っていなくても、今からで十分意味があります。すでにある傷や汚れを記録しておけば、「いつからあったのか」の争点を減らせます。壁、床、水回り、窓のサッシ、収納の中。撮影日が残るスマホのカメラでそのまま撮っておきます。

ステップ3(今月中):固定費を上から1つだけ解約する
サブスクを全部見直すと決めると、たいてい着手できません。明細を開いて、いちばん使っていないものを1つ解約する。それだけで翌月から効いてきます。残りは来月でいい、くらいの気持ちのほうが続くものです。

まとめ

一人暮らしのお金は、入居時・毎月・退去時の3回かかります。3回目がいちばん見えにくく、いちばん揉めやすい。

毎月の支出は、家計調査の2025年平均で単身世帯が月173,042円。ただし平均年齢は58.6歳。住居費は実際に家賃を払った人のぶんしか計上されないため、そのまま20代の予算には使えません。金額ではなく費目の並び順を見るのが正しい使い方です。

退去時については、民法621条が通常損耗と経年変化を原状回復義務から除いています。国土交通省のガイドラインが示すのは負担の区分と経過年数の考え方で、法的な拘束力はなく、最終的には契約内容と使用状況で個別に判断されるものです。相談件数は2025年度に14,711件へ増えています。

やることは、入居時の写真と契約書面の確認という2つだけ。どちらもお金がかからないのに、3回目のお金をいちばん左右します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 一人暮らしの生活費は月いくらですか?

総務省の家計調査によると、2025年(令和7年)平均の単身世帯の消費支出は1世帯当たり1か月平均173,042円でした。ただしこの単身世帯の平均年齢は58.6歳なので、20代の実額としては読めません。また住居費は実際に支払った家賃等のみが計上されるため、持ち家の人を含む平均値は賃貸の家賃相場とは一致しません。費目の構成比(食料28.5%、その他の消費支出16.4%、住居12.5%など)を参考にするのが実用的です。

Q2. 原状回復とは、借りたときの状態に戻すことですか?

いいえ。民法621条は、通常の使用及び収益によって生じた損耗と経年変化を原状回復義務の対象から除いた条文になっています。国土交通省のガイドラインも、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義しています。普通に住んで古くなった分は対象外です。

Q3. 敷金は返ってくるものですか?

民法622条の2は、賃貸借が終了して物件を返還したときなどに、受け取った敷金の額から賃借人が負う金銭債務の額を控除した残額を返還しなければならないと定めています。全額が必ず戻るわけではありませんが、差し引いた残りは返す必要があるお金です。なお礼金は担保として預けるお金ではないため、この条文の対象ではありません。

Q4. 家具を置いた床のへこみは、自分が払うのですか?

国土交通省のガイドラインは、家具の設置による床やカーペットのへこみ・設置跡を、通常の使用による損耗として賃貸人の負担とする例に挙げています。家具保有数が多いという日本の実状に鑑みてその設置は必然的なものであり、設置したことだけによるへこみや跡は通常の使用による損耗ととらえるのが妥当という考え方です。

Q5. 長く住んだほうが、退去費用は高くなりますか?

逆になる場合があります。国土交通省のガイドラインは、経年変化や通常損耗の分は家賃として支払ってきているため退去時に二重に負担させるべきではないとして、経過年数(入居年数)が多いほど賃借人の負担割合を減少させる考え方を採用しています。クロスやカーペットについては6年で残存価値1円となる直線を想定して負担割合を算定する、という説明です。ただし襖紙・障子紙・畳表や、鍵の紛失による交換費用は経過年数を考慮しない扱いです。

Q6. ガイドラインに反する請求は無効ですか?

ガイドライン自身が「その使用を強制するものではなく、原状回復の内容、方法等については、最終的には契約内容、物件の使用の状況等によって、個別に判断、決定されるべきものであると考えられる」と位置づけを述べています。法令ではないため、これに反することが直ちに無効になるわけではありません。法的な根拠となるのは民法621条などの条文で、ガイドラインは請求内容の妥当性を判断する材料として使うのが実際的です。

Q7. 退去費用でもめたら、どこに相談できますか?

国民生活センターおよび全国の消費生活センターが、賃貸住宅の原状回復に関する相談を受け付けています。同センターがPIO-NETに登録された相談件数を公表しており、2025年度は14,711件でした。相談時には契約書、入居時と退去時の写真、受け取った見積書や請求書が手元にあると話が進めやすくなります。

Q8. 固定費はどこから下げるのが効率的ですか?

手続き1回で毎月効くものが先です。使っていないサブスクの解約、次に通信費のプラン見直し。食料は単身世帯の消費支出で月49,321円と最も大きい費目ですが、毎日の行動が必要になるため3番目に置くのが現実的です。光熱・水道は月13,333円で季節変動が大きく、努力に対して動く幅が小さい費目です。



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