
「副業に興味はあるけど、時間がない」。20代でそう感じている人は少なくありません。
株式会社学情の調査(2023年11月実施、20代社会人269人対象)によると、副業をしていない理由として「時間を確保できない」と答えた人は34.2%にのぼります。
けれど、副業に必要なのは「まとまった時間」だけではありません。この記事では、スキマ時間だけで無理なく副業を続けるための考え方と具体的な方法を紹介します。
20代の34.2%が「時間を確保できない」を理由に副業を諦めている
前述の学情調査では、副業をしていない理由(複数回答)として「副業の始め方が分からない」(41.7%)に次いで、「勤務先で認められていない」(37.9%)、「確定申告などが難しそう」(35.0%)、そして「時間を確保できない」(34.2%)が上位に並びました。
一方で、副業そのものへの関心は高い世代でもあります。株式会社オモシゴの調査(2025年1月公開、20〜50代504人対象)では、20代の約63%が「副業に興味がある」と回答しており、これは他の年代を上回る数値です。関心はあるのに、時間の面で一歩を踏み出せていない20代が多いことがうかがえます。
| 調査項目 | 数値 | 出典・対象 |
|---|---|---|
| 副業をしていない理由「時間を確保できない」 | 34.2% | 学情、2023年11月調査(20代社会人269人) |
| 副業に興味があると回答した20代 | 約63% | オモシゴ、2025年1月公開(20〜50代504人のうち20代) |
「まとまった時間」がなくても始められる
リクルート「兼業・副業に関する動向調査データ集2022」(参考値、n=594)では、副業に充てられそうな時間として「月に1〜9時間」(24%)、「月に10〜19時間」(25%)と回答した人が合わせて半数近くを占めています。月10時間程度であれば、1日あたり20分ほどの計算です。
「毎日まとまった時間を確保しないと副業はできない」というのは思い込みで、通勤時間・休憩時間・家事の合間といったスキマ時間を積み重ねるだけでも、十分に始められるというのが実態に近いといえます。
スキマ時間でできる副業の種類

学情調査で実際に20代が経験した副業の種類を見ると、「サービス・接遇(接客販売)」(38.8%)がもっとも多く、次いで「ライティング・記事作成」(17.9%)、「データ入力などの簡易作業」(14.9%)、「SNS運用」(10.4%)と続きます。このうち、ライティング・データ入力・SNS運用のような在宅・オンライン完結型の副業は、スマートフォン1台とスキマ時間の組み合わせで着手しやすいのが特徴です。具体的にどんな入り口があるのか、実際に使われているサービスの特徴とあわせて見てみましょう。
案件に応募して進める:クラウドワークス・ランサーズ
「クラウドワークス」「ランサーズ」は、企業や個人が出した仕事(ライティング・データ入力・簡単な調査・アンケートなど)に、自分から応募して受注するタイプのサービスです。クラウドワークスは案件数が業界最多クラスで、未経験者でも取り組みやすい「タスク形式」(1件数十円〜数百円の細切れ作業)の案件が多いのが特徴で、初めての人が試しに使うのに向いています。一方、ランサーズは案件の質・単価が比較的高く、専門的なスキルを求められる案件が多いため、ある程度経験を積んでから単価アップを狙う段階で使われることが多いサービスです。
実際の進め方をライティングの例で見ると、次のように作業を分割できます。
| タイミング | 作業内容 | 目安時間 |
|---|---|---|
| 通勤・移動中 | 案件一覧を眺めて応募する/次に書く記事のテーマとネタを2〜3個メモする | 10〜15分 |
| 昼休みの残り | クライアントからの連絡確認、簡単な返信 | 5〜10分 |
| 就寝前 | メモをもとに本文を執筆する(1回で仕上げなくてよい) | 20〜30分 |
| 翌朝の通勤中 | 前日書いた文章を読み返して誤字脱字をチェックし、提出する | 10分 |
このように「ネタ出し」「執筆」「推敲」を別のタイミングに分けてしまうと、まとまった時間がなくても1本の記事を無理なく仕上げられるでしょう。
スキルを出品して待つ:ココナラ
「ココナラ」は、案件に応募するのではなく、自分の得意なこと(イラスト、占い、悩み相談、資料作成の代行、SNS運用のアドバイスなど740種類以上のジャンル)を「商品」として出品し、依頼が来るのを待つスタイルのサービスです。出品ページの作成やメッセージのやり取りはスキマ時間に少しずつ進められ、実際の作業(依頼された内容を仕上げる)だけまとまった時間を確保すればよいため、「毎日決まった時間に何かをしなければいけない」というプレッシャーが少ない点にあります。得意なことが明確にある人には、クラウドソーシングより向いていることも多いでしょう。
すぐに1回だけ働く:タイミー
在宅ワークだけでなく、実際に体を動かす単発バイトを組み合わせる選択肢もあります。「タイミー」は、面接や履歴書なしでスマホから応募でき、最短1時間から働けて、勤務後すぐに給与を受け取れる単発バイトアプリです。求人は先着順でマッチングする仕組みで、土日や祝日の数時間だけ、といったピンポイントの空き時間を埋めるのに向いています。ただし、直前キャンセルや遅刻をするとペナルティが加算され、累計が増えると利用が制限されるため、確実に動ける時間だけ申し込むようにしましょう。
スキマ時間だけで完結する:アンケートモニター
企業のアンケートに答えるだけの「アンケートモニター」は、1件あたり数分で完了するものが多く、通勤時間や信号待ちのようなごく短いスキマ時間でも進められます。単価は低いものが多いため主軸にはなりにくいですが、他の副業のスキマ時間(順番待ちの数分など)を埋める「ついで」の副業として組み合わせる使い方が現実的です。
自分の得意なこと・すでにできることから選ぶ方が、新しくスキルを覚える負担がない分、スキマ時間でも続けやすいでしょう。「今すぐ収入がほしい」ならタイミー、「文章や作業でコツコツ稼ぎたい」ならクラウドワークス・ランサーズ、「得意なことを活かしたい」ならココナラ、というように、自分の状況に近いものから1つだけ試してみるのがおすすめです。
1日15分から始めるスケジュールの組み方
いきなり毎日1時間を確保しようとすると挫折しやすいため、時間を段階的に増やしていく組み方が現実的です。
具体的には、次のような時間帯にスキマ時間が生まれやすくなります。
- 通勤・移動中:情報収集や構成メモ作成など、画面を見るだけで進められる作業
- 昼休みの残り10〜15分:メールの返信や簡単な入力作業
- 就寝前の20〜30分:1日の作業をまとめて仕上げる、翌日の計画を立てる
最初の1〜2週間は「続けられた」という感覚を得ることを優先し、時間や成果を欲張らないことが、結果的に長く続けるコツです。
両立をラクにする時間管理のコツ
- 本業のタスクと副業のタスクを同じ手帳・アプリで管理する:別々に管理すると、うっかり予定が重なったり、副業の存在自体を忘れてしまったりしやすくなります
- 「やる時間」ではなく「やらない時間」を先に決める:通知をオフにする時間帯や、SNSを見ない時間帯を先に区切っておくと、結果的にスキマ時間が確保しやすくなります
- 週に1回、翌週の作業内容を前倒しで決めておく:毎日「今日は何をやろう」と考える時間そのものが積み重なると負担になるため、まとめて決めてしまう方が効率的です
時間の使い方そのものを見直したい人には、「神・時間術」(樺沢紫苑著、1,870円)のような、脳科学の観点から時間の使い方を解説した書籍も参考になります。
気をつけたいこと
学情調査では「確定申告などが難しそう」(35.0%)、「勤務先で認められていない」(37.9%)という不安の声も多く挙がっています。副業の安全な始め方・会社バレ対策・確定申告の基礎については、副業の始め方がわからない20代へ|安全な選び方から会社バレ対策・確定申告までで詳しく解説しているので、始める前に一度目を通しておくと安心です。
また、スキマ時間の積み重ねだからといって、睡眠時間を削ってまで続けるのは本末転倒だという点は忘れないでください。本業のパフォーマンスに支障が出ていないかを、週に一度は振り返るようにしましょう。実際の収入相場については副業の「平均収入」は実態と違う?20代のリアルな金額と最新トレンド【2026年】もあわせて参考にしてください。
今日からできること
考えるだけで終わらせないために、今日・今週でできる行動を3ステップに分けました。
ステップ1(今夜):自分に合いそうなサービスを1つだけ選び、登録する
どれか1つで迷ったら、次の基準で選ぶと決めやすくなります。「今すぐ収入がほしい」ならタイミー、「文章や単純作業でコツコツ進めたい」ならクラウドワークス、「得意なことを活かしたい」ならココナラです。登録自体は10〜15分あればどのサービスも完了します。
ステップ2(明日の通勤中):実際の案件・求人を3件だけ眺めてみる
応募や申込はまだしなくて構いません。「どんな仕事があるのか」「自分にもできそうか」を確認するだけで、次に何をすればいいかが具体的に見えてきます。
ステップ3(今週中):1件だけ応募・出品・申込をしてみる
最初の1件は、金額や条件よりも「やってみて感触をつかむこと」を優先しましょう。
前述のライティングの例を1週間の流れに当てはめると、次のようなイメージになります。
| 曜日 | スキマ時間の使い方 |
|---|---|
| 月 | 通勤中にクラウドワークスの案件を3件チェックし、1件応募する |
| 火 | 昼休みにクライアントからの連絡を確認する |
| 水 | 就寝前の15分で、次に書く記事のネタと構成をメモする |
| 木 | 通勤中に、水曜日のメモを見返して肉付けする |
| 金 | 就寝前の30分で本文を一気に書く |
| 土・日のどちらか1時間 | 読み返して誤字脱字を直し、提出する。残りは無理に予定を詰めない |
1週間ですべてを完璧にこなす必要はありません。最初の週は「ステップ1・2だけ済ませられれば十分」というくらいの気持ちで始める方が、結果的に長く続けられます。
まとめ
副業をためらう20代の理由には「時間を確保できない」(34.2%)が上位に挙がる一方、月10〜20時間程度の副業なら現実的と考える人も少なくありません。まとまった時間を用意しようとせず、通勤・休憩・就寝前といったスキマ時間を段階的に積み重ねることが、無理なく続ける近道です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. 副業を始めたいのに時間がない人はどれくらいいますか?
学情の2023年11月調査(20代社会人269人)では、副業をしていない理由として「時間を確保できない」と回答した人が34.2%にのぼりました。一方で20代の約63%が副業に興味があると回答しており(オモシゴ、2025年1月公開)、関心はあっても時間面で踏み出せていない人が多いことが分かります。
Q2. まとまった時間がなくても副業はできますか?
はい。リクルートの調査(参考値、n=594)では、月10〜20時間程度なら副業に充てられると回答した人が半数近くにのぼります。1日あたりに換算すると20〜30分程度で、通勤時間や休憩時間の積み重ねでも十分に始められる水準です。
Q3. スキマ時間でもできる副業にはどんな種類がありますか?
ライティング、データ入力、SNS運用代行など、在宅・オンラインで完結する副業は、作業を細かく分割しやすいためスキマ時間との相性が良い傾向にあります。まずは自分がすでに得意なことから選ぶと、負担が少なく続けやすいはずです。
Q4. 副業と本業をどうやって両立すればいいですか?
本業と副業のタスクを同じ手帳・アプリで一元管理し、「やらない時間」を先に決めておくことで、結果的にスキマ時間が確保しやすくなります。週に1回、翌週の作業内容をまとめて決めておくのもおすすめです。
Q5. 確定申告や会社バレが不安です。
学情調査でも「確定申告などが難しそう」(35.0%)、「勤務先で認められていない」(37.9%)という不安の声が多く挙がっています。安全な始め方・会社バレ対策・確定申告の基礎は関連記事で詳しく解説しているので、始める前に確認しておくと安心です。
Q6. 副業を続けるコツはありますか?
最初から時間や成果を欲張らず、1日15分程度から始めて段階的に増やしていくことをおすすめします。「続けられた」という感覚を早い段階で得ることが、長く続けるための一番のコツです。

