
「iDeCoとNISA、結局何が違うの?」「どっちから始めればいいの?」。資産運用を調べ始めた20代が、最初にぶつかる疑問です。
ちょうど今、iDeCoの手数料が2027年1月から15年ぶりに値上げされることが決まりました。この記事では、値上げの内容から、iDeCoとNISAの制度の違い、20代がどちらを優先すべきかまで、実際の数字とあわせて整理します。
iDeCoの手数料が2027年1月から値上げされる
日本経済新聞の報道によると、iDeCoの拠出時にかかる手数料が、2027年1月の納入分から105円から120円(月額換算)に引き上げられます。運営元の国民年金基金連合会は、値上げの理由について「制度改正に伴うシステム更新や手続きの電子化などに費用を要していた」と説明しており、消費税増税に伴う見直しを除けば15年ぶりの値上げです。毎月拠出している場合、年間の積立額換算で1,440円分の負担増になります。
これから始める人にとっては大きな金額ではありませんが、「何となく気になっていたけど、そのままにしていた」という人には、制度を見直すよいタイミングかもしれません。
そもそもiDeCoとNISAは何が違うのか
どちらも税金の優遇を受けながら資産形成できる制度ですが、性質はかなり異なります。
| 項目 | iDeCo | NISA |
|---|---|---|
| 目的 | 老後資金づくり(私的年金) | 自由な目的の資産形成 |
| 税制優遇 | 掛金が全額所得控除+運用益非課税+受取時も控除あり | 運用益が非課税 |
| 引き出し | 原則60歳まで引き出せない | いつでも引き出せる |
| 手数料 | 加入時・毎月の手数料がかかる | 口座管理手数料は基本無料 |
一番の違いは、iDeCoは60歳まで引き出せないという点です。NISAの積立方法や商品選びについては、新NISA、20代は月いくらから始めるべき?無理のない積立額の決め方や新NISA、オルカンとNASDAQ100どっちがいい?20代が知っておきたい違いと選び方【2026年】で詳しく解説しているので、あわせて確認してみてください。
20代はどっちから始めるべきか
多くの専門家が「20代はまずNISAから」と勧めるのには理由があります。就職、結婚、住宅購入、出産など、20代はライフイベントが多く、まとまったお金が必要になる場面が今後何度も訪れるものです。iDeCoは原則60歳まで引き出せないため、そうした資金までiDeCoに入れてしまうと、必要なときに使えないという事態になりかねません。
一方で、iDeCoには「掛金が全額所得控除される」という強力なメリットがあります。これは、支払っている税金が多い人ほど効果が大きい仕組みです。20代のうちは年収がまだ高くない人も多く、控除の恩恵を実感しにくい時期でもあります。年収が上がってから、あるいは他の資金にめどが立ってから検討を始めても遅くはありません。
iDeCoの手数料、実際いくらかかる?
iDeCoを始めると、次の手数料がかかります。
| 手数料の種類 | 金額 | 支払い先 |
|---|---|---|
| 加入時・移換時手数料 | 2,829円(初回のみ) | 国民年金基金連合会 |
| 毎月の手数料(共通部分) | 月171円(2027年1月分から月186円) | 国民年金基金連合会105円※+信託銀行66円 |
| 運営管理機関手数料 | 金融機関により0円〜数百円 | 口座を開設した金融機関 |
※2027年1月納入分からは120円に値上げ
大手ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券・auカブコム証券・野村證券)は、運営管理機関手数料を0円にしているところが多く、毎月の手数料は共通部分の171円のみで済みます。一方、銀行や保険会社では月400円〜600円程度かかることもあり、30年間続けると差額はおよそ9万3,000円にもなるのです。どの金融機関で始めるかによって、長期的なコストが大きく変わる点は覚えておきましょう。
併用するならどう配分する?
「両方使いたい」という場合の考え方は難しくありません。まず、生活防衛資金(生活費の3〜6か月分)を現金で確保し、そのうえで、5年以内に使う可能性がある資金はNISAへ、当分使う予定がなく老後まで置いておける余裕資金があればiDeCoへ、という順番で配分するのが基本です。iDeCoは掛金の変更や停止もできるので、「まずは少額から」で始めて、収入が増えたタイミングで見直すという進め方もできます。
例えば、毎月の投資に3万円をあてられる人なら、まずはNISAで2万円を積み立てて、生活防衛資金の状況を見ながら残り1万円をiDeCoに回す、というような配分から始めるイメージです。iDeCoの掛金には、会社員か自営業か、企業年金があるかどうかによって上限額が決められているので、実際に申し込む前に自分の上限額を確認しておきましょう。
今日からできること
ステップ1(今夜):自分の生活防衛資金を確認する
普通預金にいくらあるか確認し、生活費の3〜6か月分に届いているかを見てみましょう。届いていなければ、まずは現金を貯めることを優先します。
ステップ2(今週中):NISA口座の有無を確認する
まだNISA口座を持っていない場合は、新NISA、20代は月いくらから始めるべき?無理のない積立額の決め方を参考に、無理のない積立額から検討してみてください。
ステップ3(今月中):iDeCoは「今すぐ」でなくてよいと理解しておく
生活防衛資金とNISAの積み立てが軌道に乗ってから、iDeCoを検討しても遅くありません。焦って60歳まで引き出せないお金を増やす必要はないことを、まず頭に入れておきましょう。
iDeCoとNISAのどちらから始めるかを含めて全体像を確かめたい場合は、20代の投資ガイドにまとめています。
まとめ
iDeCoの拠出時手数料は2027年1月から105円から120円に値上げされます。iDeCoとNISAの一番の違いは、iDeCoが原則60歳まで引き出せないという点で、ライフイベントの多い20代は、まずNISAを優先し、生活防衛資金と当面使わない余裕資金が確保できてからiDeCoを検討するのが現実的な順番です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. iDeCoとNISA、一番の違いは何ですか?
一番の違いは、資産をいつ引き出せるかです。iDeCoは原則60歳まで引き出せませんが、NISAはいつでも引き出せます。iDeCoは掛金が全額所得控除される代わりに、資金の自由度が低い制度と考えるとわかりやすいです。
Q2. iDeCoの手数料はいつから、いくら値上げされますか?
2027年1月の納入分から、拠出時手数料が105円から120円(月額換算)に引き上げられます。消費税増税に伴う見直しを除けば15年ぶりの値上げです。
Q3. 20代はiDeCoとNISA、どちらから始めるべきですか?
多くの専門家は、20代はまずNISAから始めることを勧めています。就職・結婚・住宅購入などライフイベントが多く、まとまったお金が必要になりやすい20代にとって、原則60歳まで引き出せないiDeCoは資金の自由度の面で不利になりやすいためです。
Q4. iDeCoの手数料は具体的にいくらかかりますか?
加入時に2,829円(初回のみ)、毎月171円(2027年1月分からは186円)の共通手数料に加えて、金融機関ごとの運営管理機関手数料がかかります。大手ネット証券の多くは、この手数料を0円に設定しているのが実情です。
Q5. iDeCoとNISAは両方使ってもいいのですか?
はい、併用できます。生活防衛資金を確保したうえで、5年以内に使う可能性がある資金はNISA、当分使う予定がない余裕資金があればiDeCo、という順番で配分するのが基本の考え方です。
Q6. iDeCoに加入している人はどれくらいいますか?
運営管理機関連絡協議会の統計(2025年3月末時点)によると、iDeCo(個人型)の加入者数は約363万人で、2016年3月末の約26万人と比べて約14倍に増加しています。

