
LINE公式アカウントが利用停止、いわゆるBANになると、UTAGE経由のLINE配信は止まります。ステップ配信もリマインダ配信も1to1トークも動きません。
このとき多くの人が最初に考えるのが、「新しいLINE公式アカウントを作って、UTAGE側の連携情報を差し替えればいい」という復旧のしかたです。設定画面にはMessaging APIやLINEログインチャネルの入力欄があるので、書き換えれば済むように見えます。
これは公式が「絶対に行わないでください」と書いている操作です。
この記事では、公式マニュアルにもとづいて、正しい復旧手順と、BANされる前にやっておける備えを整理します。復旧作業は手間がかかるので、備えのほうを先に読んでいただいても構いません。
BANされると、UTAGE側で何が起きるか
配信がエラーになり、管理画面にアラートが出る
LINE公式アカウントがBAN(凍結・利用停止)になっていた場合、UTAGE経由のLINEメッセージ配信は行えなくなります。配信するとエラーになります。
UTAGE側では、BANとなった可能性を検知すると管理画面上にアラートが表示されます。表示される文言は次のとおりです。
LINE公式アカウントのBAN(凍結)可能性があります
このアラートが出ている場合、まずLINE公式アカウントの管理画面にログインして、UTAGEと連携中のアカウントが利用可能な状態かを確認してください。ログイン先はLINE公式アカウントのログイン画面です。
アラートは「可能性」であって確定ではない
ここは押さえておきたい点です。UTAGEのアラートは検知にもとづく可能性の通知であり、それ自体がBANの確定を意味しません。
LINE公式アカウント側にログインして状態を確認するまでは、復旧作業に入らないでください。後述するとおり、復旧作業は新しいアカウントを作って配信アカウントをコピーするという重い作業です。誤検知だった場合に元に戻すのは簡単ではありません。
絶対にやってはいけない復旧のしかた
ここがこの記事でいちばん伝えたい部分です。
連携情報の上書き・差し替えはしない
既存のメール・LINE配信アカウントの「LINEアカウント設定画面」で、利用停止となったLINE公式アカウントの連携情報を、新しいLINE公式アカウントの連携情報に上書き・差し替えすることはできません。
対象になるのは次の情報です。
- Messaging API の「Channel ID」「Channel secret」
- LINEログインチャネルの「チャネルID」「チャネルシークレット」
公式マニュアルには「絶対に行わないでください」と書かれています。この4つの値の役割についてはUTAGEとLINE公式アカウントの連携方法で解説しています。
上書きすると何が起きるか
公式が挙げている結果は2つです。
- 元々追加されていたLINE友だちも、新規の友だちとして認識されてしまう
- 既存の友だちと新規の友だちが混在することで、LINE配信などの機能も正常に動作しなくなる
つまり、それまで積み上げてきた友だちのデータが実質的に使えない状態になります。しかも壊れ方が「エラーが出て止まる」ではなく「混在して正常に動かない」なので、気づくまでに時間がかかります。
設定画面には入力欄があるので、操作としては可能に見えてしまいます。だからこそ危険です。UTAGEには他にも「順番を間違えると戻せない」操作がいくつかあるので、UTAGEでやってはいけない操作38個にまとめてあります。
公式が指定している復旧手順(4ステップ)
正しい対応は、新しいLINE公式アカウントを作り、メール・LINE配信アカウントごとコピーするという方法です。順に見ていきます。
Step1:新しいLINE公式アカウントを作成する
まず新しいLINE公式アカウントを用意します。ここで公式が推奨しているのは次の点です。
可能であれば、新しいLINEビジネスアカウントの作成をご検討ください。同じビジネスアカウントを使用すると、再度利用停止となるリスクが高い可能性があります
LINE公式アカウントだけでなく、その上位にあたるLINEビジネスアカウントごと新しくするということです。同じビジネスアカウントの下で作り直すと、また止まる可能性がある、という趣旨です。
作成後は、次の4つの情報を取得しておいてください。
- Messaging API「Channel ID」
- Messaging API「Channel secret」
- LINEログインチャネル「チャネルID」
- LINEログインチャネル「チャネルシークレット」
Step2:メール・LINE配信アカウントをコピーする
操作場所は次のとおりです。
【メール・LINE配信】 > 該当【アカウント名】右側の三点マーク > 【コピー】
押すと「コピー先LINEアカウントの設定画面」が表示されるので、そこにStep1で取得した4つの値を入力してコピーを実行します。
ここで理解しておくべきなのが、コピーで引き継げるものと引き継げないものがあるということです。
引き継げるもの
- シナリオ構成
- ステップ配信
- リマインダ配信
- アクション設定
引き継げないもの
- 読者データ(名前・メールアドレス・LINE情報等)
公式も「コピー元のアカウント構成や全ての読者データ、現在進行中のステップ、リマインダ配信状況を完全な状態でコピー先に復元することはできません」と明記しています。仕組みは移せるが、人は移せないと考えてください。
Step3:読者データをCSVで移行する
読者は手動で移します。利用停止となったLINE公式アカウントを連携しているメール・LINE配信アカウントの各シナリオからCSVファイルをダウンロードし、新しいメール・LINE配信アカウントの各シナリオへインポートします。
ここに大きな制約があります。公式の記載は次のとおりです。
CSVによる一括追加はメールアドレスのみです。LINE情報のみではインポートはできません
つまり、メールアドレスを持っていない読者は移行できません。LINE友だち追加だけで、メールアドレスを取っていない読者がいる場合、その人たちに連絡する手段がなくなります。
これはBAN対策として非常に重要な示唆です。LINEだけで名簿を持っている状態はリスクが高いということになります。
なお、CSVで大量に追加した直後にそのまま一斉送信すると、受信側でスパム認定されて配信エラーになる、という別のNG操作があります。移行直後の配信は慎重に進めてください。詳しくはUTAGEのメールが迷惑メールに入る原因で解説しています。
Step4:新しいLINE公式アカウントへの登録を促す
最後に、移行した読者へ新しいLINEアカウントへの登録を案内します。新しいメール・LINE配信アカウントのシナリオでLINE登録URLを取得し、メール配信で案内する、という流れです。
この手順を実施することで、既存のユーザーリストと新しいLINE公式アカウントを統合できます。ここでもメールアドレスが必要になります。Step3で移行できた読者にしか案内が届かない、ということです。
古いシナリオに残っている友だちはどうなるか
公式に明確な回答があります。新しいLINE公式アカウントへの登録を案内してユーザーが登録した場合、既存のメールアドレスと紐づいているLINE情報は上書きされず、新しいアカウントでの登録として独立して処理されます。
古いシナリオにはリストとして残ったままになりますが、配信や1to1トークは利用停止になったアカウントに紐づいているため利用できません。データは見えるが動かせない、という状態です。
イベントのリマインダ配信を使っている場合
セミナーや個別相談の申込みでイベント機能を使い、LINEでリマインダを送っている場合は、追加の対応が必要になります。
既存のイベントは、元のシナリオと連携したままにする
公式が推奨している運用は次のとおりです。既存のイベントは元のシナリオと連携したままにしておき、新しく該当イベントを作成して、新しいメール・LINE配信アカウントと連携します。
理由は、イベント連携項目の置き換え文字が申込時点で連携していたシナリオでのみ利用可能だからです。イベントの連携先シナリオを新しいほうに切り替えても、既存の読者にはイベント情報がない状態になるため、置き換え文字が機能しません。
既存の申込者と新規の申込者で分けて考える
| 対象 | 対応 |
|---|---|
| 既存申込者 | 元々のリマインダ配信シナリオから、メールまたはSMSでリマインダ配信を行う。既存申込者の日程が終了するまでの利用とする |
| 新規申込者 | 該当イベントを新たに作成し、新しいメール・LINE配信アカウントと紐付けて運用する |
利用停止になったアカウントからはLINEでのリマインダ配信ができないため、既存申込者への連絡手段はメールとSMSになります。ファネルのイベント申込フォームの連携先イベントや、案内しているイベント申込URLは、すべて新しく作成したイベントへ切り替えてください。
事前にやっておける備え3つ
ここまで読んで分かるとおり、BAN後の復旧は重い作業です。しかも読者の一部は失われます。事前の備えのほうが費用対効果は圧倒的に高いので、3つ挙げます。
備え1:BAN検知の通知を受け取れるようにする
UTAGEの【LINE 通知設定】機能を使うと、LINE公式アカウントがBAN(凍結・利用停止)となった可能性を検知した際に、チャット通知を受け取ることができます。
管理画面のアラートは、管理画面を開かないと気づけません。通知設定をしておけば、開いていない時間帯でも気づけます。BANは配信が止まっている時間がそのまま損失になるので、検知までの時間を短くする意味は大きいです。
備え2:アカウントBAN時切替設定を用意しておく(β版機能)
これが最も効く備えです。BANを検知した場合に、LINE登録ページから新規登録されたLINE友だちの登録先シナリオを、自動で別のメール・LINE配信アカウントの「同一名称のシナリオ」へ切り替える機能があります。
広告やLPを走らせている最中にBANされると、通常は流入がまるごと無駄になります。この設定をしておけば、新規登録分は待避先のアカウントに入り続けます。
設定場所は次のとおりです。
メール・LINE配信 > 設定したいアカウント > 左メニュー「LINEアカウント」 > 「アカウントBAN時切替設定」
ここで【アカウントBAN検知時に切り替え先のアカウント(β版機能)】から切り替え先のアカウントを選択します。
ただし事前準備が必要です。切り替え先として使うために、次の2つを先に済ませておきます。
- 切り替え先用のLINE公式アカウントを別途作成する
- 現在のメール・LINE配信アカウントをコピーして、切り替え先のアカウントを作る(コピーすればシナリオ名がそのまま揃うため)
コピー時の「コピー先LINEアカウントの設定」には、1で新規作成したLINE公式アカウントの設定内容を使ってください。コピー元のMessaging APIやLINEログインチャネルを流用してはいけません。
備え2の仕様で押さえておく点
この機能には条件があります。公式が挙げているものを整理します。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 切り替えの判定 | 登録しようとしているシナリオと同一名称のシナリオが切り替え先に存在すれば、自動で切り替わる |
| 同一名称がない場合 | 切り替え先アカウントのLINEアカウント設定にある「友だち追加後に登録されるシナリオ」へ登録される。未設定ならどのシナリオにも登録されない |
| 登録経路 | 切り替え先のシナリオ内に同一名称の登録経路があれば、登録経路も自動で切り替わる |
| 対象範囲 | 新規LINE登録分のみ。すでにUTAGEに読者登録されていた既存読者は対象外 |
| 切り替え先の条件 | LINEアカウント設定の経路分析設定が「LINEログイン認証」のアカウントのみ選択可。「簡易認証」「画像認証」は指定できない |
「友だち追加後に登録されるシナリオ」が未設定だとどこにも登録されない、という点は特に注意してください。切り替えは動いたのに読者がどこにもいない、という事態になり得ます。
ラベルについても設定があります。「友だち追加時のラベル引き継ぎ」を使うと、BAN元アカウントで付与されていたラベルを、名前(LINE名)で照合して自動付与できます。ただし利用する場合は、コピー元と切り替え先でLINE連携しているプロバイダーが同一である必要があります。
切り替え先に同名のラベルがない場合の動作も選べます。「既存のラベルのみ使用する」なら同名ラベルがないものは付与されず、「新規にラベルを作成する」なら同名ラベルを自動作成して付与し、ラベルグループも引き継がれます。ラベルの考え方そのものはUTAGEのセグメント配信で解説しています。
備え3:メールアドレスを必ず取っておく
機能の話ではありませんが、実質的にこれが最大の備えです。
復旧手順のStep3で見たとおり、CSVによる一括追加はメールアドレスのみで、LINE情報だけではインポートできません。そしてStep4の再登録の案内も、メール配信で行います。
裏を返すと、メールアドレスを持っていない読者は、BANされた時点で連絡手段がゼロになります。LINE友だち追加だけで完結する導線は、集客としては摩擦が少なくて優秀ですが、この一点だけは弱点です。
LINE登録の前後どちらかでメールアドレスを取得する設計にしておくと、BANが起きても名簿は残ります。
「通数上限」はBANとは別物
混同しやすいのですが、配信が止まる原因にはもう1つ「メッセージ通数の上限」があります。こちらはBANではありません。
表示されるアラートが違う
LINE公式アカウント側で送信メッセージ数の利用上限に達した場合、UTAGE管理画面に次のアラートが表示されます。
LINE公式アカウントの通数が送信上限に到達しました
この状態では、LINE一斉配信・ステップ配信・リマインダ配信が送信できずエラーになります。症状は似ていますが、原因も対処もまったく違います。
対処は「プラン変更」か「追加メッセージの購入」
引き続きLINE配信を行うには、LINE公式アカウント側で「料金プランの変更」または「追加メッセージの購入」が必要です。UTAGE側で解決できることではありません。
現状の確認は、LINE公式アカウントの管理画面で設定 > ダッシュボード > 今月のメッセージ利用状況から行います。
UTAGE側で通数を見る方法と、更新のタイミング
メール・LINE配信の画面では、右上に「LINE公式配信数」が表示されています。これはLINE公式アカウント側から取得した情報を反映したものです。
ここに落とし穴があります。この数字は、手動で更新しない場合は1日1回だけしか更新されません。
UTAGE管理画面右上の「矢印の更新マーク」をクリックすると、リアルタイムの数字を反映できます。LINE公式アカウント側でプラン変更や通数追加を行った後は、この手動更新をしないと古い数字のままです。追加したのに反映されない、と焦る前に更新マークを押してください。
なお通数上限についても、【LINE 通知設定】でチャット通知を受け取れます。上限到達は配信が止まる直接の原因なので、BAN検知とあわせて設定しておくことをおすすめします。
また、UTAGEの各機能の配信方法や動作の選択によって、LINE公式アカウント側でのメッセージ通数のカウントのされ方が変わります。上限に近づきやすい構成になっていないか、一度見直しておくと安全です。
まとめ
BANへの対応は、事前と事後で押さえるところが分かれます。
事後(復旧)で最も重要なのは1点です。
- 既存の配信アカウントの連携情報を、新しいLINE公式アカウントの情報に上書き・差し替えしない。公式は「絶対に行わないでください」としている
- 正しい手順は、新しいLINE公式アカウントを作り、メール・LINE配信アカウントをコピーする
- コピーで引き継げるのはシナリオ構成・ステップ配信・リマインダ配信・アクション設定。読者データは引き継げない
- 読者はCSVで手動移行。ただしメールアドレスのみ
事前の備えは3つです。
- 【LINE 通知設定】でBAN検知の通知を受け取る
- アカウントBAN時切替設定(β版)で、新規登録の待避先を用意しておく
- メールアドレスを必ず取得しておく。これが無いと復旧手段そのものが無い
そして、配信が止まったときはBANなのか通数上限なのかをアラートの文言で見分けてください。「BAN(凍結)可能性があります」ならアカウントの状態確認から、「通数が送信上限に到達しました」ならLINE公式アカウント側のプラン変更からです。
なお、ここで扱った通知設定やアカウント設定を含め、UTAGEのLINE機能は14日間の無料お試し期間中に実際の管理画面で確認できます。
よくある質問(FAQ)
新しいLINE公式アカウントを作ったので、UTAGE側の連携情報を差し替えてもいいですか?
できません。公式は「絶対に行わないでください」としています。上書きすると、元々追加されていたLINE友だちも新規の友だちとして認識され、既存と新規が混在してLINE配信などの機能が正常に動作しなくなります。メール・LINE配信アカウントのコピーで対応してください。
配信アカウントをコピーすれば、読者もそのまま移りますか?
移りません。引き継げるのはシナリオ構成、ステップ配信、リマインダ配信、アクション設定です。読者データ(名前・メールアドレス・LINE情報等)は引き継げないため、CSVで手動インポートする必要があります。
メールアドレスを持っていない読者は移行できますか?
できません。CSVによる一括追加はメールアドレスのみで、LINE情報のみではインポートできません。LINE友だち追加だけで完結する導線の場合、BAN時に連絡手段がなくなります。
新しいLINE公式アカウントは、同じLINEビジネスアカウントで作ってもいいですか?
公式は、可能であれば新しいLINEビジネスアカウントの作成を検討するよう案内しています。同じビジネスアカウントを使用すると、再度利用停止となるリスクが高い可能性があるとされています。
BANされる前にできる対策はありますか?
【LINE 通知設定】でBAN検知の通知を受け取る設定、アカウントBAN時切替設定(β版)による新規登録の自動待避、そしてメールアドレスの取得です。切替設定には、切り替え先のLINE公式アカウントと配信アカウントを事前に用意しておく必要があります。
アカウントBAN時切替設定は、既存の読者も切り替わりますか?
切り替わりません。この機能は新規LINE登録分のみが対象で、すでにUTAGE側に読者登録されていた既存読者は対象外です。
配信が止まりましたが、BANかどうか分かりません。
管理画面のアラートの文言で見分けられます。「LINE公式アカウントのBAN(凍結)可能性があります」ならアカウントの状態を確認してください。「LINE公式アカウントの通数が送信上限に到達しました」の場合はBANではなく通数上限なので、LINE公式アカウント側で料金プランの変更または追加メッセージの購入が必要です。
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