
UTAGEは、インボイス制度の適格請求書の要件を満たした領収書を自動発行できます。決済と同時にメールで送ることもできます。
設定自体は難しくありません。ただ、継続課金の領収書設定には、知らないと困る挙動があります。
宛名を変更すると、すでに発行済みの領収書まで書き換わります。
結論:宛名の変更は過去にさかのぼる
公式マニュアルの注記を、そのまま引きます。
領収書設定を変更したタイミングでこれまでに発行した領収書の宛名はすべて変更され、以降決済が成功して自動発行される領収書も変更済みの宛名となります
「これまでに発行した領収書の宛名はすべて変更され」と書かれています。
同じ画面の別項目は、さかのぼらない
ところが、同じ設定画面の中に、逆の挙動をする項目があります。
『自動送信先メールアドレス』は変更したタイミング以降に決済成功した場合に変更が適応されます
宛名はさかのぼる。送信先アドレスはさかのぼらない。同じ画面で保存する項目なのに、適用範囲が違います。
何が問題になるか
継続課金の購入者から「宛名を法人名に変えてほしい」と言われたとします。
設定画面で宛名を変えると、今月以降だけでなく、これまで送った領収書のURLを開いたときの表示も変わります。
相手がすでに印刷やPDF化して保存していた場合、手元の控えとURLの内容が食い違います。経理処理の途中なら混乱のもとになります。
対処としては、変更前に「これまでの分も書き換わります」と一言伝えることです。過去の分を残したいと言われたら、変更前にPDFで保存してもらいます。
事業者設定を先に作る
領収書を出すには、まず【事業者設定】が必要です。ここを作らないと何も発行できません。
場所はファネル > 事業者設定 > 【+追加】です。複数の事業者設定を作れます。
入力する項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法人名・屋号 | 領収書発行の事業者名 |
| 住所・建物名 | 事業所の所在地 |
| 消費税課税種別 | 課税事業者/免税(非課税)事業者 |
| 登録番号 | 課税事業者の場合。T+13桁の数字 |
| デフォルト設定 | 「する」にした事業者が既定になる |
課税事業者を選ぶと、登録番号の入力欄が出ます。ここに「T+13桁」を入れることで、適格請求書の要件を満たした形で発行されます。
免税事業者の場合も設定は必要です。公式は「免税(非課税)事業者として領収書、請求書を発行したいケースの場合は必要です」としています。登録番号がないから設定不要、ではありません。
デフォルト設定の意味
「デフォルト設定」を「する」にした事業者は、商品管理 > 商品基本設定 > 領収書設定で発行事業者を「デフォルト」にしたときに使われます。
事業者が1つしかないなら、それをデフォルトにしておけば以降は意識しなくて済みます。
逆に、デフォルトを設定していないと、商品ごとに毎回どの事業者で出すかを選ぶことになります。選び忘れた商品があると、その商品だけ領収書が出せません。
事業者を増やしたときも注意が必要です。デフォルトは1つしか設定できないので、新しい事業者をデフォルトにすると、それまでデフォルトだった事業者は外れます。「デフォルト」を指定している既存商品の発行元が、まとめて切り替わることになります。
途中で事業者を追加する場合は、既存の商品には明示的に事業者を指定しておくほうが安全です。デフォルトに依存していると、後から入れ替わります。
自動送信と個別発行の2通り
領収書の出し方は2通りあります。
決済と同時に自動送信する
事業者設定の中の「領収書設定」で「領収書自動送信」を「送信する」にします。
公式の記載です。
- 継続課金の場合は、課金成功毎に領収書が自動送信されます
- イベントを有料に設定している場合は、決済完了と同時に領収書がメール送信されます
継続課金では毎回送られます。月額商品なら毎月1通です。これを止めたい場合は「送信しない」にして、必要な人にだけ個別発行する運用になります。
あとから個別に発行する
自動送信を使わない場合、または再発行したい場合の手順です。
ファネル > 売上 > 売上一覧で対象の購入者を探し、操作メニュー【︙】から【領収書】または【請求書】をクリックします。
タブが開くので、そのURLをコピーして購入者に案内します。PDFを添付して送る形ではなく、URLを渡す形です。
この仕組みのため、UTAGEを解約すると発行済みの領収書URLが無効になります。404エラーになり、相手からは開けません。UTAGEの解約方法で詳しく扱っています。
カスタムメールで使える置き換え文字
領収書メールの送信内容を「カスタム」にすると、次の置き換え文字が使えます。
| 項目 | 置き換え文字 |
|---|---|
| 商品名 | %product_name% |
| お名前 | %name% |
| 課金額 | %amount% |
| 購入日時 | %paid_datetime% |
| 領収書番号 | %receipt_id% |
| 領収書URL | %receipt_url% |
これらは領収書メールの中でのみ使えます。他のメールに流用はできません。
宛名と但し書きを変える場所
宛名や但し書きを変える画面は、単発の決済と継続課金で違います。
単発の決済の場合
ファネル > 売上 > 売上一覧で対象を探し、【︙】 > 【領収書・請求書 設定】を開きます。
ここで変えられるのは3つです。
- 事業者:事業者設定で作ったものから選ぶ
- 宛名:指定しない場合は購入者名義になる
- 領収書の但し書き:任意の文言に変更できる
継続課金の場合
ファネル > 売上 > 継続課金一覧で対象を探し、【︙】 > 【領収書設定】を開きます。
こちらでは「自動送信先メールアドレス」も変更できます。指定しない場合は購入時のメールアドレスに送られます。
経理担当者のアドレスに送ってほしい、という要望に応えられるのがここです。ただし前述のとおり、この変更は過去にさかのぼりません。
購入者に自分で変えてもらう
事業者設定の領収書設定に「購入者による宛名変更」という項目があります。
「許可する」にすると、領収書・請求書の画面に「宛名を変更する」ボタンが表示されます。購入者が自分で書き換えられます。
法人相手が多いなら、これを許可しておくほうが問い合わせが減ります。「宛名を◯◯にしてください」というやりとりが不要になります。
商品ごとに発行事業者を分ける
事業者設定を複数作れる理由がここです。
商品管理 > 商品基本設定 > 領収書設定で、商品ごとに発行事業者を指定できます。
使う場面
- 法人と個人事業の両方で売っている
- 複数の屋号を使い分けている
- 共同事業で、商品によって発行元が違う
デフォルト以外を使いたい商品だけ、個別に事業者を指定します。指定しなければデフォルト設定の事業者が使われます。
商品管理の構造はUTAGEでEC・D2Cはできるかで解説しています。領収書設定は商品基本設定の側にあり、価格ラインナップ側の「領収書の品名」とは別の項目です。
有料イベントの領収書
イベント・予約機能で作った有料イベントでも領収書は出せますが、設定と発行の場所が違います。
事業者の指定はイベント設定から
イベント・予約 > 該当の有料イベント > イベント設定で【事業者】を選びます。商品管理ではありません。
有料イベントは商品管理を経由せず、イベント側で参加費を設定する作りになっています。そのため領収書の発行元も、イベント側で指定します。
イベントを複数作っている場合、事業者の指定はイベントごとです。1つのイベントで設定しても、他のイベントには引き継がれません。新しいイベントを作るたびに確認してください。
なお、領収書の自動送信そのものは事業者設定側の「領収書自動送信」で決まります。公式は「イベントを有料に設定している場合は、決済完了と同時に領収書がメール送信されます」としています。イベントごとに送る・送らないを切り替えることはできません。
個別発行は申込者一覧から
イベント・予約 > 該当イベント > 申込者一覧で該当者の【︙】 > 【領収書】をクリックします。URLが開くので、コピーして案内します。
宛名などを変えたい場合は、同じ【︙】から【領収書設定】を開きます。
売上一覧には出てきません。UTAGEで有料セミナーを売るで書いたとおり、有料イベントの決済は売上一覧に反映されないためです。領収書まわりも同じ場所を探すことになります。
領収書メールも認証設定の対象
領収書を自動送信する場合、送信元のメールアドレスにDKIM・DMARC認証が必要です。
公式の注記です。
「DKIM・DMARC認証登録」が未完了の場合、領収書メールが迷惑メールフォルダに振り分けられやすくなる、またはメールボックスに届かないことが発生する可能性があります
領収書が届かないのは、通常のメールが届かないより厄介です。相手は経理処理のために待っているので、問い合わせが来ます。
独自ドメインのアドレスを持っていない場合は、「システム標準のアドレスを利用」を選べば運用できます。その場合、お問い合わせ先メールアドレスにGmailなどのフリーアドレスを指定できます。
認証設定の全体像はUTAGEのメール配信を始める前ににまとめています。領収書メールも、その対象4機能のうちの1つです。
まとめ
UTAGEの領収書・請求書まわりで押さえる点です。
- 【事業者設定】を先に作る。免税事業者でも設定は必要
- 課税事業者は登録番号(T+13桁)を入れる。これで適格請求書の要件を満たす
- 事業者は複数作れる。商品基本設定で商品ごとに指定できる
- 継続課金では課金成功のたびに自動送信される
- 宛名と但し書きの変更は、発行済みの領収書までさかのぼる
- 自動送信先アドレスの変更は、さかのぼらない
- 「購入者による宛名変更」を許可すると問い合わせが減る
- 有料イベントの領収書は、イベント設定と申込者一覧から扱う
- 領収書メールもDKIM・DMARC認証の対象
いちばん注意すべきは宛名の遡及です。「今後の分から変えてください」という依頼に応えたつもりが、過去の分も書き換わります。
変更する前に、相手に一言伝えてください。過去の控えを残したいなら、先にPDFで保存してもらう必要があります。
ここで扱った事業者設定と領収書設定の画面は、UTAGEの機能の14日間の無料お試し期間中に実際に触って確認できます。
よくある質問(FAQ)
適格請求書(インボイス)は発行できますか?
できます。【事業者設定】で消費税課税種別を「課税事業者」にし、登録番号(T+13桁の数字)を入力することで、インボイス制度の適格請求書の要件を満たした領収書・請求書が自動発行されます。
免税事業者でも事業者設定は必要ですか?
必要です。公式は「免税(非課税)事業者として領収書、請求書を発行したいケースの場合は必要です」としています。登録番号がなくても、発行するなら設定します。
宛名を変更したら、過去の領収書はどうなりますか?
書き換わります。公式は「領収書設定を変更したタイミングでこれまでに発行した領収書の宛名はすべて変更され」と明記しています。相手が保存済みの控えと食い違う可能性があるので、変更前に伝えてください。
領収書の送信先だけを経理担当者に変えられますか?
継続課金一覧の【領収書設定】で「自動送信先メールアドレス」を変更できます。ただしこの変更は、変更したタイミング以降に決済成功した分にのみ適用されます。過去の分はさかのぼりません。
購入者に自分で宛名を変えてもらえますか?
できます。事業者設定の領収書設定で「購入者による宛名変更」を「許可する」にすると、領収書・請求書の画面に「宛名を変更する」ボタンが表示されます。法人相手が多いなら許可しておくと問い合わせが減ります。
商品によって発行元の事業者を分けられますか?
分けられます。事業者設定は複数作成でき、商品管理 > 商品基本設定 > 領収書設定で商品ごとに発行事業者を指定できます。指定しない場合はデフォルト設定の事業者が使われます。
有料イベントの領収書はどこから出しますか?
イベント・予約 > 該当イベント > 申込者一覧で、該当者の操作メニューから【領収書】をクリックします。事業者の指定はイベント設定から行います。売上一覧には出てきません。
継続課金だと毎回領収書が送られますか?
領収書自動送信を「送信する」にしている場合、課金成功のたびに自動送信されます。不要なら「送信しない」にして、必要な人にだけ売上一覧から個別発行する運用になります。
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