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公示地価・路線価・固定資産税評価額|1つの土地に4つの価格がある理由と使い分け【2026年版】

住宅地の俯瞰。1つの土地に複数の公的価格がある仕組み

同じ土地なのに、価格がいくつも出てきます。公示地価、都道府県地価調査、相続税路線価、固定資産税評価額。さらに実際の売買価格。「一物四価」「一物五価」と呼ばれる状態です。

これを「日本の制度は複雑だ」で終わらせると、何も使えません。4つあるのは、それぞれ根拠法が違い、誰が、いつ時点で、何のために決めているかが違うからです。目的が違うので、数字が一致しないのは当たり前です。

そして、そのうち1つについては、他の価格との関係が公的な文書で明示されています。固定資産税評価額です。総務省の資料は、宅地の評価について「地価公示価格、鑑定評価価格等の7割を目途とする」と書き、根拠として固定資産評価基準の条項まで示しています。

この記事では、地価公示法、地方税法、国税庁のタックスアンサー、総務省の資料だけを根拠に、4つの価格の作られ方と使い分けを整理します。最後に、自分の土地の4つを全部調べる手順を書きます。

結論:4つあるのは、使う場面が違うから

4つの価格を並べる

価格 決めるのは 時点 何のため
公示地価 土地鑑定委員会 毎年1月1日 取引価格の指標、公共用地の補償金算定など
都道府県地価調査 都道府県知事 毎年7月1日 公示地価を補完する基準値
相続税路線価 国税庁 毎年1月1日 相続税・贈与税の財産評価
固定資産税評価額 市町村長 基準年度の1月1日(3年に1度) 固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税の課税標準

「何のため」の列を見ると、性質がはっきりします。上2つは取引の指標、下2つは税金の計算のためです。指標と課税標準では、求められる精度も更新頻度も違います。

結論:覚えるべきは割合ではなく、出どころ

「路線価は公示地価の8割」「固定資産税評価額は7割」という説明をよく見ます。このうち公的な文書で確認できるのは後者だけです。総務省の資料が固定資産評価基準の条項とともに明示しています。

前者について、国税庁は路線価図・評価倍率表のページで公示価格に対する割合を示していません。したがって、この記事では割合を示しません。割合を覚えるより、自分の土地の近くで4つを実際に引いて比べるほうが確実です。手順は後半に書きます。

1つの土地に4つの価格がある理由 取引の指標として 公示地価(1/1・土地鑑定委員会) 都道府県地価調査(7/1・知事) 根拠:地価公示法/国土利用計画法 税金の計算のために 相続税路線価(1/1・国税庁) 固定資産税評価額(3年に1度・市町村) 根拠:相続税法・財産評価基準/地方税法 固定資産税評価額は、公示価格等の7割を目途に評定される 「宅地については、地価公示価格、鑑定評価価格等の7割を目途とする(評価基準第1章第12節一)」 出典:総務省「固定資産評価のしくみについて(土地評価)」/地価公示法/地方税法/国税庁タックスアンサー4602・4604・4606 ※相続税路線価については、国税庁が公示価格に対する割合を示していないため本図には記載していない。

公示地価:地価公示法が定める「正常な価格」

目的は「指標を与える」こと

地価公示法第1条は、この制度の目的をこう書いています。「標準地を選定し、その正常な価格を公示することにより、一般の土地の取引価格に対して指標を与え、及び公共の利益となる事業の用に供する土地に対する適正な補償金の額の算定等に資し、もつて適正な地価の形成に寄与すること」。

「指標を与え」です。個別の土地の価格を決めるものではありません。

誰がどう決めるか

第2条第1項は、土地鑑定委員会が公示区域内の標準地について、毎年1回、「二人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求め、その結果を審査し、必要な調整を行つて、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、これを公示する」としています。

鑑定士1人の意見ではなく、2人以上の評価を委員会が審査・調整します。そのぶん手間がかかるため、地点数は限られます。

「正常な価格」は更地の価格

見落とされやすいのが第2条第2項の定義です。正常な価格とは、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格であり、「当該土地に建物その他の定着物がある場合又は当該土地に関して地上権その他当該土地の使用若しくは収益を制限する権利が存する場合には、これらの定着物又は権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格」とされています。

つまり、建物が建っていても、建っていないものとして評価した価格です。実際の取引では建物の解体費や借地権の有無が価格に影響しますが、公示地価はそれらを取り除いた数字です。実勢価格とずれる理由の1つがここにあります。

鑑定士には「規準としなければならない」義務がある

第8条はこうです。「不動産鑑定士は、公示区域内の土地について鑑定評価を行う場合において、当該土地の正常な価格を求めるときは、第六条の規定により公示された標準地の価格(以下「公示価格」という。)を規準としなければならない」。

公示価格は、単なる参考値ではありません。不動産鑑定士が鑑定評価を行うときの法律上の基準です。だから、公共用地の買収価格も、裁判所の鑑定も、金融機関の担保評価の多くも、公示価格を出発点に組み立てられます。

公示される内容は第6条が定めており、標準地の所在(郡・市・区・町村・字・地番)、単位面積当たりの価格と価格判定の基準日、地積および形状、標準地とその周辺の土地の利用の現況などです。地価公示と都道府県地価調査の違い、検索の手順は不動産情報ライブラリの使い方にまとめました。

路線価:相続税・贈与税を計算するための価格

2つの方式がある

相続税・贈与税で土地を評価する方法は2つあると、国税庁のタックスアンサー4602が示しています。路線価方式と倍率方式です。

路線価方式は、路線価が定められている地域で使います。路線価とは「路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額」で、路線価図には千円単位で表示されています。

倍率方式は、路線価が定められていない地域で使います。「その土地の固定資産税評価額に一定の倍率を乗じて計算します」。倍率は評価倍率表で確認します。

ここで注意したいのは、倍率方式では固定資産税評価額がそのまま計算の入口になるという点です。4つの価格は独立して存在しているのではなく、一部は互いを参照し合う関係にあります。

路線価はそのまま使うのではない

路線価方式の計算を、タックスアンサー4604はこう説明します。「評価する宅地の面する路線の路線価を基として」、正面路線価に奥行価格補正率を乗じ、側方路線がある場合は側方路線影響加算額を、裏面路線がある場合は二方路線影響加算額を足し、その1平方メートル当たりの価額に面積を乗じる。

補正率は路線価図に示された地区等に応じて定められており、調整率表が国税庁ホームページに掲載されています。同じ路線に面していても、土地の形と接し方で評価額は変わります。

正面路線の決め方にも規定があります。原則として、接する路線価に奥行価格補正率を乗じて計算した金額の高い方の路線が正面路線になります。同額の場合は、接する距離の長い方です。

家屋は固定資産税評価額と同じ

土地の話に隠れがちですが、タックスアンサー4602は家屋についてこう書いています。「固定資産税評価額に1.0を乗じて計算した金額によって評価します。したがって、その評価額は固定資産税評価額と同じです」。

相続税の家屋の評価額は、固定資産税評価額そのものです。倍率が1.0だからです。家屋については、価格が4つあるという話が当てはまりません。

マンションの評価には計算例が公開されている

タックスアンサー4602には、マンションの評価方法と計算例が載っています。敷地利用権(土地部分)と区分所有権(家屋部分)を分けて計算し、合計する形です。

国税庁が示している例は、正面路線価500千円/平方メートル、面積3,500平方メートル、敷地権の割合1,050,000分の6,300というものです。まず敷地全体の価額を500千円×3,500平方メートル=1,750,000千円と出し、これに敷地権の割合を乗じて1,750,000千円×6,300/1,050,000=10,500千円。家屋部分は固定資産税評価額4,000,000円×1.0=4,000,000円。

なお、令和6年1月1日以後に相続・遺贈・贈与により取得した「居住用の区分所有財産」、いわゆる分譲マンションについては、それぞれの価額に区分所有補正率を乗じて計算する場合があるとされています。詳細は国税庁のコード4667が案内します。

固定資産税評価額:7割を目途に、市町村が決める

「価格」とは「適正な時価」

地方税法第341条第5号は、固定資産税における「価格」を「適正な時価をいう」と定義しています。一文です。

では、適正な時価をどう求めるのか。第388条第1項が「総務大臣は、固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続(以下「固定資産評価基準」という。)を定め、これを告示しなければならない」としています。

そして第403条第1項が「市町村長は、(中略)固定資産評価基準によつて、固定資産の価格を決定しなければならない」。市町村が自由に決めているのではなく、総務大臣の告示した基準に従う構造です。

7割を目途とする、と書かれている

総務省の資料「固定資産評価のしくみについて(土地評価)」は、宅地の正常売買価格の求め方についてこう注記しています。

「宅地については、地価公示価格、鑑定評価価格等の7割を目途とする(評価基準第1章第12節一)」

同じ資料の別の箇所にも、標準宅地の適正な時価の評定について「鑑定評価書様式における1平方メートル当たり標準価格を基に、その7割を路線価として付設」とありました。ここでいう路線価は、相続税路線価ではなく固定資産税の路線価です。名前が同じで別物なので、混同しないでください。

公示地点だけを使っているわけではない

同じ資料に、令和3年度評価替えの数字が載っています。標準宅地数は430,028地点。そのうち地価公示地点との重複が20,210、都道府県地価調査地点との重複が15,427、鑑定評価対象地点数が396,026でした。

つまり、固定資産税の評価は公示地点をなぞっているのではなく、約40万地点について独自に鑑定評価を取って組み立てられています。公示地価の地点数より桁が1つ多い。これが、市町村ごとの評価額が公示地価から機械的に計算できない理由です。

評価の手順は基準で決まっている

市街地宅地評価法の手順は、総務省の資料によれば次のとおりです。用途地区の区分、状況類似地域の区分、主要な街路の選定、標準宅地の選定、標準宅地の適正な時価の評定、主要な街路の路線価の付設、その他の街路の路線価の付設、各筆の評点数の付設、各筆の評価額の算出。

各筆の評点数を付ける段階で、間口や角地などに応じた画地計算法が適用されます。相続税路線価と同じように、形と接し方で評価額が変わるという点は共通しています。

3年に1度しか変わらない仕組み

基準年度は3年ごと

基準年度の定義は地方税法第341条第6号にあり、「昭和三十一年度及び昭和三十三年度並びに昭和三十三年度から起算して三年度又は三の倍数の年度を経過したごとの年度」とされます。3年ごとに回ってくる年度です。

第349条第1項は、基準年度の固定資産税の課税標準を、その年度の賦課期日における価格で課税台帳に登録されたものとしています。そして第2項・第3項が、第2年度・第3年度について基準年度の価格を据え置くと定めます。

これが「評価替えは3年に1度」と言われる根拠です。地価が動いても、原則として3年間は同じ価格が使われます。

据え置かれない場合もある

第349条第2項・第3項にはただし書きがあります。地目の変換、家屋の改築または損壊その他これらに類する特別の事情があり、基準年度の価格によることが不適当な場合などは、類似する土地・家屋の基準年度の価格に比準する価格が使われます。

土地を分筆した、建物を建て替えた、地目が変わったといった場合は、基準年度以外でも価格が動きうるということです。

価格が決まるのは3月31日まで

第410条第1項は、市町村長が評価調書に基づいて「固定資産の価格等を毎年三月三十一日までに決定しなければならない」としています。災害その他特別の事情がある場合は4月1日以後に決定できる、というただし書きがあります。

そして第410条第2項に、あまり知られていない一項が置かれています。「市町村長は、前項の規定によつて固定資産の価格等を決定した場合においては、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、地域ごとの宅地の標準的な価格を記載した書面を一般の閲覧に供しなければならない」。

地域ごとの宅地の標準的な価格を、誰でも見られる状態にしておく義務が市町村にあります。自分の土地の評価額が高いと感じたとき、近隣の標準的な価格と比べる材料が公的に用意されているということです。

「評価額」と「課税標準額」は別物

課税明細書に2つの数字が並ぶ理由

固定資産税の納税通知書に添えられる課税明細書には、「価格(評価額)」と「課税標準額」が別々に載っています。同じ土地なのに数字が違うので、どちらを見ればよいのか分からなくなる場面です。

整理すると、こうなります。

  • 評価額=地方税法第341条第5号の「価格」。適正な時価として、固定資産評価基準によって決定された額
  • 課税標準額=税率を掛ける対象の額。特例や負担調整が適用された後の額

第349条は課税標準を「価格」としていますが、その後に特例を定める条文が続きます。住宅用地については課税標準を軽減する特例があるため、住宅が建っている土地では課税標準額が評価額より小さくなるのが通常です。

どちらを使うかは、場面で決まる

使い分けは明確です。

  • 登録免許税の課税標準は「不動産の価額」、つまり評価額のほうです
  • 倍率方式による相続税評価も、固定資産税評価額に倍率を乗じます
  • 固定資産税・都市計画税の計算に使われるのが課税標準額です

登録免許税の計算で課税標準額を使うと、税額を過少に見積もることになります。中古マンションの諸費用を計算する場面で、この違いが効いてきます。手順は中古マンションの諸費用で扱っています。

不服があれば、審査の申出ができる

評価額そのものに不服がある場合の手続も、法律が用意しました。

地方税法第432条第1項は、固定資産税の納税者が固定資産課税台帳に登録された価格について不服がある場合、固定資産評価審査委員会に文書で審査の申出をすることができるとしています。

期限があります。同項は、公示の日から「納税通知書の交付を受けた日後三月を経過する日まで」としています。納税通知書が届いてから3か月です。

ただし第3項に注意が必要です。「固定資産税の賦課についての審査請求においては、第一項の規定により審査を申し出ることができる事項についての不服を当該固定資産税の賦課についての不服の理由とすることができない」。価格そのものへの不服は、賦課への不服申立てでは扱えず、審査の申出という別のルートを使う必要がある、ということです。

自分の土地の4つの価格を調べる手順

順番に引く

割合を覚えるより、自分の土地で実際に引いて比べたほうが確実です。手順は4つです。

  1. 公示地価・都道府県地価調査:国土交通省の不動産情報ライブラリで、最寄りの標準地・基準地を探します。地点は限られているので、完全に一致する地点はまずありません。近くの地点を複数見て、水準をつかみます
  2. 相続税路線価:国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で、自分の土地が面する道路の数字を見ます。千円単位です。路線価が付いていない地域なら、評価倍率表で倍率を確認します
  3. 固定資産税評価額:手元の固定資産税の納税通知書の課税明細書を見ます。「価格」または「評価額」の欄です。課税標準額ではありません
  4. 実勢価格の水準:不動産情報ライブラリの取引価格情報・成約価格情報で、同じ地域・同じ面積帯の成約を複数件集めます

並べると、自分の地域の関係が見える

4つを1平方メートル当たりに直して並べると、自分の地域での関係が出ます。全国一律の割合を当てはめるより、この数字のほうが判断に使えます。

注意点が1つあります。時点が違います。公示地価と路線価は1月1日、地価調査は7月1日、固定資産税評価額は基準年度の1月1日です。最大で3年近くずれることがあるので、地価が動いている地域では差が開きます。

納税通知書が手元にない場合

固定資産税評価額は、市町村で評価証明書を取得すれば確認できます。

また、地方税法第410条第2項により、市町村は地域ごとの宅地の標準的な価格を一般の閲覧に供する義務を負います。自分の土地の周辺の水準は、その書面でも確かめられます。

買おうとしている物件の評価額を知りたい場合は、売主が持っている納税通知書を見せてもらうか、仲介会社に評価証明書の取り寄せを依頼します。登録免許税の計算に必要な数字なので、いずれにせよ決済までに取得することになります。

場面別。どれを使うか

売買価格の当たりをつけたいとき

使うのは実勢価格です。成約価格情報と取引価格情報を複数件集めて、幅として見ます。公示地価は地点が限られており、更地としての価格なので、単独では売買価格の根拠になりません。

公示地価が役に立つのは、地域全体の水準と、前年からの動きを見るときです。同じ標準地の価格を数年分並べれば、上がっているのか下がっているのかが分かります。

相続の話をするとき

使うのは路線価または倍率方式による評価額です。家屋は固定資産税評価額と同じ額になります。

ここで押さえておきたいのは、相続税の評価額と、売ったときに手に入る金額は別物だということです。遺産分割の話し合いでは、両方を出しておくと議論がかみ合います。税務上の評価額だけで分けると、実際に売った人と持ち続けた人で結果が変わることがあるためです。

税額や諸費用を計算するとき

使うのは固定資産税評価額です。ただし、同じ評価額でも見る欄が分かれます。固定資産税・都市計画税は課税標準額に税率を掛けますが、登録免許税と不動産取得税は評価額が課税標準になります。

住宅が建っている土地では特例で課税標準額が小さくなっているため、間違えると税額の見積もりが大きくずれます。課税明細書を開いたら、「価格」または「評価額」の欄と「課税標準額」の欄のどちらを使うのかを決めてから計算してください。

なお、登録免許税では課税標準となる不動産の価額を1,000円未満切捨て、算出した税額を100円未満切捨てにします。端数処理の分だけ、概算とは数百円のずれが出ます。

評価額が高いと感じたとき

まず、地方税法第410条第2項に基づいて閲覧できる「地域ごとの宅地の標準的な価格」と比べます。そのうえで不服があるなら、第432条の審査の申出です。納税通知書の交付を受けた日後3か月という期限があります。

なお、審査の申出の対象は台帳に登録された価格です。税額の計算や特例の適用に誤りがあると思う場合は、別の手続になります。市町村の窓口で、どちらの話なのかを先に整理してから進めてください。

まとめ

1つの土地に価格が4つあるのは、根拠法も、決める主体も、目的も違うからです。公示地価と都道府県地価調査は取引の指標、相続税路線価と固定資産税評価額は税金の計算のためにあります。

公示地価は地価公示法に基づき、土地鑑定委員会が2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を審査・調整して判定します。定義上は建物や権利が存しないものとした価格で、不動産鑑定士には公示価格を規準とする義務があります。

相続税路線価は、路線に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額を千円単位で示したもので、奥行や接し方の補正率を掛けて評価額を出します。家屋は固定資産税評価額に1.0を乗じた額、つまり同額です。

固定資産税評価額は、地方税法が「適正な時価」と定義し、総務大臣が告示する固定資産評価基準によって市町村長が決定します。宅地については総務省の資料が「地価公示価格、鑑定評価価格等の7割を目途とする」と明示しており、令和3年度は430,028地点の標準宅地について評定されました。

最後に、実務で効く2点です。課税明細書の「評価額」と「課税標準額」は別物で、登録免許税の計算に使うのは前者です。そして、市町村には地域ごとの宅地の標準的な価格を一般の閲覧に供する義務があり、不服があれば納税通知書の交付を受けた日後3か月以内に審査の申出ができます。

割合を覚える必要はありません。自分の土地で4つを引いて、1平方メートル当たりに直して並べてください。そのほうが、自分の地域で使える数字になります。

よくある質問(FAQ)

路線価は公示地価の8割、というのは本当ですか

この記事では割合を示していません。国税庁は路線価図・評価倍率表のページで、公示価格に対する割合を明示していないためです。一方、固定資産税評価額については総務省の資料が「宅地については、地価公示価格、鑑定評価価格等の7割を目途とする(評価基準第1章第12節一)」と根拠条項とともに書いています。確かめたい場合は、自分の土地の近くにある公示地価の標準地と、その道路に付いている路線価を1平方メートル当たりで並べてみてください。全国一律の数字を当てはめるより、自分の地域での関係が分かります。

公示地価と実際の売買価格が違うのはなぜですか

理由は2つあります。1つは定義です。地価公示法第2条第2項は「正常な価格」を、建物その他の定着物や使用収益を制限する権利が存しないものとして通常成立すると認められる価格、としています。つまり更地としての価格で、建物付きの実際の取引とは前提が違います。もう1つは地点です。公示地価は選定された標準地について判定されるもので、あなたの土地について判定されたものではありません。同法第1条も目的を「一般の土地の取引価格に対して指標を与え」ることとしています。指標であって、個別の価格ではありません。

固定資産税の路線価と、相続税路線価は同じものですか

別物です。名前が似ていますが、決める主体も目的も違います。相続税路線価は国税庁が相続税・贈与税の財産評価のために定めるもので、路線価図で千円単位で公表されています。固定資産税の路線価は、市町村が固定資産評価基準に従って評定します。総務省の資料によれば、標準宅地の1平方メートル当たり標準価格の7割を路線価として付設する形です。どちらも「路線に付けた価格から各筆の評価額を計算する」という構造は共通していますが、数字は一致しません。

評価額と課税標準額、どちらを見ればいいですか

場面によります。固定資産税・都市計画税の税額は課税標準額に税率を掛けて計算されます。一方、登録免許税の課税標準は「不動産の価額」、つまり評価額のほうです。不動産取得税も評価額が課税標準です。住宅が建っている土地では課税標準を軽減する特例があるため、課税標準額が評価額より小さくなるのが通常で、混同すると税額の見積もりを誤ります。課税明細書には両方が並んで載っているので、どちらの数字なのかを確認してから使ってください。

評価替えは3年に1度なのに、毎年税額が変わるのはなぜですか

評価額が据え置かれても、課税標準額が動くことがあるためです。地方税法第341条第6号が基準年度を3年ごとと定め、第349条第2項・第3項が第2年度・第3年度は基準年度の価格を据え置くとしています。ただし、負担調整措置により課税標準額が段階的に変わる場合があります。また、同条のただし書きにより、地目の変換、家屋の改築または損壊その他これらに類する特別の事情があるときは、基準年度以外でも価格自体が見直されます。土地を分筆した、建物を建て替えたといった場合がこれに当たります。

評価額に納得できないとき、どうすればいいですか

地方税法第432条第1項により、固定資産税の納税者は固定資産課税台帳に登録された価格について、固定資産評価審査委員会に文書で審査の申出ができます。期限は、納税通知書の交付を受けた日後3か月を経過する日までです。その前に、同法第410条第2項により市町村が一般の閲覧に供している「地域ごとの宅地の標準的な価格」と比べておくと、主張の材料になります。なお同条第3項により、価格そのものへの不服は賦課についての審査請求の理由にはできません。価格の話なのか税額計算の話なのかを整理してから、窓口で相談してください。

4つの価格は、それぞれの公式サイトで引けます

相続税路線価は国税庁の財産評価基準書で、公示地価と地価調査は国土交通省の不動産情報ライブラリで、いずれも無料・登録不要で見られます。自分の土地の近くで引いて、1平方メートル当たりに直して並べてみてください。

国税庁 路線価図・評価倍率表
国交省 不動産情報ライブラリ

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の物件・税務の判断は、不動産鑑定士・税理士または所轄の官公署にご相談ください。

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