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媒介契約3種類の選び方|法律が決めている5つの違いと、契約書で確認する5か所【2026年版】

媒介契約書と印鑑。専任・専属専任・一般の法的な違い

売却を依頼するとき、最初に決めるのが媒介契約の種類です。専任媒介、専属専任媒介、一般媒介の3つ。比較表を見せられて「おすすめは専任です」と言われる場面が多いと思います。

ただ、その比較表に載っているのは、たいてい「メリット・デメリット」です。法律が何を決めていて、何を決めていないのかは書かれていません。そこが分からないと、提示された契約書が標準的なものなのか、不利な特約が入っているのかを判断できません。

実は、宅地建物取引業法第34条の2は「これに反する特約は無効とする」という条項まで置いています。つまり、法律が決めている部分については、契約書に何と書いてあっても法律が勝ちます。逆に言えば、法律が決めていない部分こそが交渉の余地です。

この記事では、宅地建物取引業法第34条の2と同法施行規則第15条の7から第15条の11までだけを根拠に、3種類の法的な違いを確定させます。そのうえで、契約書で確認する5か所を挙げます。

結論:3種類の違いのうち、法律が決めているのは5つだけ

法律が決めている5項目

宅建業法第34条の2が3種類で差をつけているのは、次の5項目です。

項目 一般媒介 専任媒介 専属専任媒介
他社にも重ねて依頼 できる できない できない
自分で見つけた相手と契約 できる できる できない
有効期間の上限 法律上の上限なし 3か月 3か月
レインズへの登録 義務なし 7日以内 5日以内
業務処理状況の報告 義務なし 2週間に1回以上 1週間に1回以上

この5つが、条文に書かれている違いのすべてです。「囲い込まれにくい」「売却に力を入れてもらえる」といった話は、ここには含まれません。

反する特約は無効

第34条の2第10項は、一文でこう定めています。「第三項から第六項まで及び前二項の規定に反する特約は、無効とする」。

第3項から第6項までは有効期間とレインズ登録、前二項つまり第8項・第9項は報告義務です。したがって、次のような特約は契約書に書かれていても効力を持ちません。

  • 専任媒介の有効期間を6か月とする特約
  • レインズへの登録を14日以内とする、あるいは登録しないとする特約
  • 業務処理状況の報告を月1回とする特約
  • 申込みがあっても売主に報告しないとする特約

なお、第3項には「これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする」という書き方もあります。6か月と書いた契約書が無効になるのではなく、期間が3か月に読み替えられるという構造です。

結論:見るべきは「法律が決めていない部分」

法律が決めている5項目は、どの会社と契約しても同じ内容になります。専任を選べば期間は3か月、レインズ登録は7日以内、報告は2週間に1回以上。会社によって変わる余地がないので、ここを比較しても選ぶ材料にはなりません。

だとすれば、会社を選ぶときに見るべきは、法律が触れていない部分です。差がつくのは次の3つで、どれも契約書に書かれます。

  1. 価額(売出価格)とその根拠(第34条の2第1項2号・第2項)
  2. 報酬に関する事項(第1項7号)
  3. 標準媒介契約約款に基づくものか否か(施行規則第15条の9第4号)

媒介契約:法律が決めている違いと、決めていない部分 法律が決めている(宅建業法34条の2。反する特約は無効) ・他社に重ねて依頼できるか(1項3号) ・有効期間の上限 3か月(3項) ・自己発見取引ができるか ・更新は依頼者の申出による(4項) ・レインズ登録 専任7日/専属専任5日 ・申込みの報告は「遅滞なく」(8項)  (休業日は算入しない。規則15条の10) ・処理状況の報告 2週間/1週間(9項) 法律が決めていない=ここが判断材料 ・売出価格と、その根拠(2項で「根拠を明らかにしなければならない」) ・報酬に関する事項(上限は告示。下限はない) ・標準媒介契約約款に基づくか否か 出典:宅地建物取引業法第34条の2/同法施行規則第15条の9・第15条の10・第15条の11(e-Gov法令検索)

宅建業法34条の2が定める、書面の記載事項

交付は義務。記載事項は8号まである

第34条の2第1項は、宅建業者が売買・交換の媒介契約を締結したときは「遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない」としています。

記載事項は次の8号です。

号 記載される内容
1号 宅地・建物を特定するために必要な表示(所在、地番、種類、構造など)
2号 売買すべき価額またはその評価額
3号 他業者への重ねての依頼の許否と、許す場合の明示義務の存否
4号 既存建物の場合、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項
5号 媒介契約の有効期間および解除に関する事項
6号 指定流通機構(レインズ)への登録に関する事項
7号 報酬に関する事項
8号 その他国土交通省令・内閣府令で定める事項(施行規則第15条の9)

4号の建物状況調査、いわゆるインスペクションについては、あっせんの「有無」を書面に書かせる形になっています。実施を義務づけるものではなく、あっせんするかどうかを明確にさせる規定です。実施者の要件は施行規則第15条の8にあり、建築士であることと、国土交通大臣が定める講習を修了していることの両方を満たす人に限られます。

8号の中身は施行規則第15条の9

8号を受けた施行規則第15条の9が、さらに4項目を足します。

  1. 専任媒介契約で、依頼者が他社の媒介・代理で契約を成立させたときの措置
  2. 専属専任媒介契約で、依頼者が自分で見つけた相手と契約したときの措置
  3. 明示義務がある一般媒介契約で、明示していない他社の媒介・代理で契約を成立させたときの措置
  4. 当該媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別

1から3は、いわゆる違約金や費用償還の定めです。「約束を破った場合にどうなるか」が、必ず書面に書かれているということです。一般媒介でも、明示義務がある型なら該当します。

価額の根拠を示す義務は、条文にある

第34条の2第2項は、こう定めています。「宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない」。

前項第2号は、売買すべき価額です。つまり、査定価格について意見を述べるなら、その根拠を示すことが法律上の義務になっています。お願いではありません。

根拠として何を示すかまでは条文が決めていないため、実務では成約事例や公的な地価指標が使われます。売主の側で同じ数字に当たっておくと、示された根拠が妥当かを判断できます。成約価格を無料で調べる手順はレインズを一般人が見る方法に書いています。

有効期間は3か月。自動更新はできない

3項:3か月を超えることができない

第34条の2第3項は、専任媒介契約の有効期間について「三月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする」としています。

ここで言う「専任媒介契約」を、条文は「依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することを禁ずる媒介契約」と定義します。専属専任媒介契約はその一種なので、同じく3か月が上限です。

一般媒介には、この上限の定めがありません。法律上の上限はないということですが、後述する標準媒介契約約款では3か月以内とされています。

4項:更新は「依頼者の申出により」

第4項はこうです。「前項の有効期間は、依頼者の申出により、更新することができる。ただし、更新の時から三月を超えることができない」。

読み落としやすいのが「依頼者の申出により」です。売主が申し出て初めて更新されます。業者側から自動的に延長される仕組みではありません。

そして第10項により、これに反する特約は無効です。「期間満了時に別段の意思表示がなければ自動的に更新される」という条項が契約書にあっても、効力を持ちません。

3か月という区切りの使い方

この3か月は、売主にとっては見直しのタイミングが法律で保証されているということでもあります。

期間中に何が行われたかは、後述する業務処理状況の報告書に記録が残ります。3か月分の報告と、レインズの売却依頼主専用の確認画面を突き合わせれば、活動の実態が分かります。更新するかどうかは、そこを見てから決められます。

確認画面の見方と、囲い込みが疑われる場面については不動産の囲い込みとはで扱っています。

レインズ登録は専任7日・専属専任5日。休業日は数えない

5項:登録は義務

第34条の2第5項は、専任媒介契約を締結した宅建業者に対し、「契約の相手方を探索するため、国土交通省令で定める期間内に」指定流通機構に登録しなければならないとしています。指定流通機構がレインズです。

その期間を定めているのが施行規則第15条の10です。「法第三十四条の二第五項の国土交通省令で定める期間は、専任媒介契約の締結の日から七日(専属専任媒介契約にあつては、五日)とする」。

そして第2項に、見落とされがちな一文があります。「前項の期間の計算については、休業日数は算入しないものとする」。

休業日を数えないとどうなるか

多くの不動産会社は水曜定休です。休業日が算入されないということは、締結日によって実際の登録期限が変わります。

たとえば、水曜定休の会社と月曜に専任媒介契約を結んだ場合、7日のカウントから水曜が除かれるため、暦の上ではさらに後ろにずれます。「1週間経ったのに登録されていない」が、必ずしも違反とは限らないということです。

逆に言えば、期限を自分で計算するには締結日と会社の休業日が要ります。媒介契約書に休業日の記載がなければ、聞いておくと期限が確定します。

6項:登録を証する書面の引渡しも義務

第6項は、登録をした宅建業者は「登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない」としています。これも第10項により、反する特約は無効です。

この書面がレインズの登録証明書で、売却依頼主専用の確認画面に入るためのIDとパスワードが記載されています。渡されなかった場合は請求できます。義務だからです。

何が登録されるか

登録事項は第5項本文と施行規則第15条の11に分かれています。条文が挙げているのは、所在、規模、形質、売買すべき価額、そして規則の4項目です。

  1. 都市計画法その他の法令に基づく制限で主要なもの
  2. 当該宅地または建物の取引の申込みの受付に関する状況
  3. 交換契約の場合の評価額
  4. 専属専任媒介契約である場合はその旨

2号が、いわゆる「取引状況」です。売主は確認画面でこれを見ることができます。一般媒介にはレインズ登録の義務がないため、この確認手段も使えません。一般媒介を選ぶと、囲い込みが起きにくくなる代わりに、活動状況を公的な仕組みで確認する手段がなくなるという関係になります。

報告義務は2つある。申込みの報告と、処理状況の報告

8項:申込みがあったら「遅滞なく」報告。すべての媒介契約に適用される

第34条の2第8項は、こう定めています。「媒介契約を締結した宅地建物取引業者は、当該媒介契約の目的物である宅地又は建物の売買又は交換の申込みがあつたときは、遅滞なく、その旨を依頼者に報告しなければならない」。

主語が「媒介契約を締結した宅地建物取引業者」であることに注目してください。専任に限りません。一般媒介でも、申込みがあれば遅滞なく報告する義務があります。

この規定は2020年代の改正で明文化されたもので、囲い込みの典型である「買付が入っているのに売主に伝えない」に直接効きます。第10項により、反する特約は無効です。

9項:処理状況の報告は2週間/1週間

第9項は、専任媒介契約を締結した業者に対し、「依頼者に対し、当該専任媒介契約に係る業務の処理状況を二週間に一回以上(依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約にあつては、一週間に一回以上)報告しなければならない」としています。

カッコ内の長い条件が、専属専任媒介契約の定義です。つまり専任は2週間に1回以上、専属専任は1週間に1回以上。一般媒介には、この義務がありません。

2つの報告は、性質が違う

整理すると、こうなります。

  • 申込みの報告(8項):すべての媒介契約に適用。イベントが起きたら遅滞なく
  • 処理状況の報告(9項):専任・専属専任のみ。定期的に

実務で問題になりやすいのは前者です。定期報告は形式的に送られてくることが多い一方、申込みの報告は「申込みがあった」という事実を業者側が認めるかどうかにかかっているからです。

だからこそ、レインズの確認画面に記録される「取引の申込みの受付に関する状況」と、届いた報告書を突き合わせる意味があります。手順は不動産の囲い込みとはにまとめています。

一般媒介の「明示型」と「非明示型」

1項3号が2つのことを書かせている

第34条の2第1項3号は、書面に書くべき事項として「依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて売買又は交換の媒介又は代理を依頼することの許否及びこれを許す場合の他の宅地建物取引業者を明示する義務の存否に関する事項」を挙げます。

ここには2つのことが書かれています。1つは重ねて依頼できるかどうか。もう1つは、できる場合に、他にどこへ依頼しているかを明示する義務があるかどうかです。

後者によって、一般媒介はさらに2つに分かれます。明示義務がある「明示型」と、ない「非明示型」です。

明示型で明示しなかった場合の措置も、書面に書かれる

施行規則第15条の9第3号は、明示義務がある一般媒介契約について、「依頼者が明示していない他の宅地建物取引業者の媒介又は代理によつて売買又は交換の契約を成立させたときの措置」を書面の記載事項としています。

つまり、明示型を選んだうえで明示していない会社の仲介で売れた場合、契約書に書かれた措置が適用されます。一般媒介だから何をしてもよい、ということではありません。

一般媒介を選ぶときに確認すること

一般媒介の場合、法律上の有効期間の上限も、レインズ登録義務も、業務処理状況の報告義務もついてきません。自由度が高い反面、公的な仕組みで活動を確認する手段が用意されていないということでもあります。

そのため、一般媒介を選ぶなら次の3つを契約書で確認しておくと、後から比較ができます。

  1. 明示型か非明示型か、明示しなかった場合の措置は何か
  2. 有効期間は何か月か(法律上の上限はない)
  3. レインズに任意で登録するか、報告をどの頻度で行うか

3つめは義務ではないので、やってもらうなら契約書に書いてもらう必要があります。口頭の約束では、後から確認できません。

標準媒介契約約款に基づくものか否か

これも書面の記載事項

施行規則第15条の9第4号は、書面の記載事項として「当該媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別」を挙げています。

国土交通大臣が定める約款があり、その約款に基づくものかどうかを書面に明記させる、という構造です。基づかない契約自体が禁じられているわけではありません。「基づかない」と書かれた契約書も、制度上はありえます。

だから、この欄を見る

契約書のどこかに、標準媒介契約約款に基づくか否かのチェック欄があります。ここが「基づかない」になっている場合、約款と異なる条項が入っている可能性があるということです。

その場合に読むべきは、法律が決めていない部分です。有効期間や報告頻度は第10項で守られていますが、違約金の定め、費用償還の範囲、解除の要件などは約款と違いうるからです。

逆に「基づく」となっているなら、条項は標準的なものになります。それでも、価額と報酬の欄は契約ごとに埋める場所なので、そこは自分で確認します。

契約書で確認する5か所

書面を受け取ったら、この順で読む

法律が決めている部分は守られているので、確認すべきは残りの部分です。5か所あります。

  1. 売買すべき価額と、その根拠(1項2号・2項)。根拠を明らかにする義務は条文にあります。成約事例なのか、公的な地価指標なのか、何を根拠にしているかを書面または資料で確認します
  2. 報酬に関する事項(1項7号)。上限は国土交通省の告示で決まっています。上限額なのか、それより低いのかを見ます
  3. 有効期間および解除に関する事項(1項5号)。期間は3か月以内のはずです。解除の要件と、解除した場合の費用償還の範囲を読みます
  4. 標準媒介契約約款に基づくものか否か(規則15条の9第4号)。「基づかない」ならその理由を聞きます
  5. 建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項(1項4号)。既存建物ならこの欄があります。あっせんの有無と、費用負担を確認します

報酬の上限は告示で決まっている

報酬の上限は宅地建物取引業法第46条に基づく国土交通省の告示が定めており、400万円を超える部分については速算式で売買代金×3.3%+6.6万円(消費税10%込み)です。

これは上限であって定価ではありません。告示は下限を定めていないためです。告示の3段階の構造と、低廉な空家等の特例については家を売って手元に残る金額で扱っています。

署名する前に、期間を計算しておく

最後にひとつ。締結日が決まったら、その場でレインズ登録の期限を計算しておくことをおすすめします。

専任なら7日、専属専任なら5日で、いずれも休業日は算入しません。会社の休業日を聞いて、カレンダーに書いておく。期限を自分で持っていれば、登録されたかどうかを確認するタイミングが決まります。登録証明書が届いたら、そこに書かれたIDで確認画面に入って、登録内容が契約書と一致しているかを見てください。

まとめ

媒介契約3種類の違いのうち、法律が決めているのは5項目です。他社への重ねての依頼、自己発見取引、有効期間の上限、レインズ登録、業務処理状況の報告。宅地建物取引業法第34条の2がこれを定め、第10項が「これに反する特約は無効とする」としています。

有効期間は専任・専属専任とも3か月が上限で、これより長く定めても3か月に読み替えられます。更新は「依頼者の申出により」行うもので、自動更新の条項は効力を持ちません。

レインズ登録は専任7日、専属専任5日以内。施行規則第15条の10第2項により休業日数は算入されないので、実際の期限は締結日と会社の休業日で決まります。登録を証する書面の引渡しも義務です。

報告義務は2つに分かれます。申込みがあったときの報告はすべての媒介契約に適用され、遅滞なく行う必要があります。業務処理状況の定期報告は専任が2週間に1回以上、専属専任が1週間に1回以上です。

そして、差がつくのは法律が決めていない部分です。価額とその根拠、報酬、標準媒介契約約款に基づくか否か。価額について意見を述べるときは根拠を明らかにする義務が条文にあるので、査定価格の根拠は聞いていいものです。そこから読み始めてください。

よくある質問(FAQ)

専任媒介の期間を6か月と書かれた契約書にサインしてしまいました

その期間は3か月として扱われます。宅地建物取引業法第34条の2第3項は、専任媒介契約の有効期間について「三月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は、三月とする」としています。契約全体が無効になるのではなく、期間の部分が3か月に読み替えられる構造です。さらに第10項により、第3項に反する特約は無効とされています。3か月が経過した時点で、更新するかどうかを自分で決められます。更新は第4項により「依頼者の申出により」行うものなので、何も言わなければ更新されません。

一般媒介なら囲い込みは起きませんか

複数社に依頼できるため、1社が抱え込む形にはなりにくくなります。ただし、一般媒介には宅地建物取引業法上のレインズ登録義務がなく、業務処理状況の報告義務もありません。売却依頼主専用の確認画面で取引状況を見るという手段も使えなくなります。つまり、抱え込まれにくくなる代わりに、活動状況を公的な仕組みで確認する手段がなくなるという関係です。なお、申込みがあったときの報告義務(第34条の2第8項)は、媒介契約を締結した業者すべてに適用されるため、一般媒介でも報告されるべきものです。

レインズに登録されたかどうかは、どう確認しますか

宅地建物取引業法第34条の2第6項は、登録をした宅建業者に「登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡さなければならない」と義務づけます。これがレインズの登録証明書で、売却依頼主専用の確認画面に入るためのIDとパスワードが記載されています。渡されていなければ請求できます。義務だからです。期限は専任で締結日から7日、専属専任で5日ですが、施行規則第15条の10第2項により休業日数は算入されません。会社の定休日を聞いたうえで期限を計算しておくと、確認するタイミングが決まります。

査定価格の根拠を聞いてもいいのですか

聞いていい、というより、示すことが法律上の義務です。宅地建物取引業法第34条の2第2項は「宅地建物取引業者は、前項第二号の価額又は評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない」としています。前項第2号は売買すべき価額のことです。ただし、根拠として何を示すかまでは条文が決めていません。実務では成約事例や公的な地価指標が使われます。売主の側でも成約価格を無料で調べられるので、示された根拠と突き合わせると、妥当かどうかを自分で判断できます。

専属専任だと、知人に直接売ることもできないのですか

できません。専属専任媒介契約は、条文上「依頼者が当該宅地建物取引業者が探索した相手方以外の者と売買又は交換の契約を締結することができない旨の特約を含む専任媒介契約」と定義されています。知人や親族に直接売る場合も、この特約に触れます。なお、施行規則第15条の9第2号により、依頼者がその相手方以外の者と契約したときの措置は媒介契約の書面に記載されます。違約金や費用償還の定めがあるはずなので、契約前にその欄を読んでください。心当たりの買主がいる場合は、専属専任を避けるか、その旨を伝えて契約内容を調整することになります。

標準媒介契約約款に「基づかない」と書かれていたら問題ですか

それ自体が違法というわけではありません。施行規則第15条の9第4号は、標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別を書面に記載させているだけで、基づくことを義務づけてはいません。ただし「基づかない」場合、約款と異なる条項が入っている可能性があります。有効期間・レインズ登録・報告義務は法第34条の2第10項で守られているので変えられませんが、違約金の定め、費用償還の範囲、解除の要件などは約款と違いうる部分です。その場合は、どこがどう違うのかを説明してもらい、書面で確認してください。

条文はe-Govで確認できます

媒介契約の法的な違いは宅地建物取引業法第34条の2に、レインズ登録の期限は同法施行規則第15条の10に書かれています。契約書に署名する前に、この2つを開いておくと、説明と条文を突き合わせられます。

e-Gov 宅地建物取引業法
e-Gov 同法施行規則

本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の契約内容の判断は、宅地建物取引士または弁護士にご相談ください。

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