SEO記事の文字数について、Googleは「魔法の文字数は存在しない」と公式に書いています。つまり「最低◯◯文字」という基準そのものに、公式の裏づけはありません。ではどう決めるか。答えは毎回、狙うキーワードの上位10件を実測してから決めるです。この記事では、当研究所が記事を書くたびに実際に使っている測り方をコマンドごと公開します。あわせて、文字数が独り歩きする理由、長すぎることの害、そしてタイトルやリード文の文字数まで整理します。
この記事でわかること
結論。Googleは文字数の基準を否定している
先に、一次情報を置きます。Google検索セントラルのSEOスターターガイドに、コンテンツの最小・最大文字数について「魔法の文字数は存在しない」と書かれています。
これが意味するのは2つです。
| 言えること | 言えないこと |
|---|---|
| 「最低◯◯文字必要」という基準に、公式の裏づけはない | 「文字数は一切関係ない」とまでは言えない |
| 文字数を増やすこと自体が評価につながるわけではない | 薄い記事でも上位に行ける、という意味ではない |
2列目が重要です。文字数に基準がないことと、短くていいことは別です。実際に上位を取っている記事を見ると、テーマによっては1万字を超えています。それは文字数を狙ったからではなく、扱うべき論点が多かった結果です。
順序を間違えないでください。論点を書き切った結果として文字数が決まるのであって、文字数に合わせて内容を伸ばすのではありません。この順序が逆になると、読みにくいだけの記事ができます。
なぜ「最低5,000字」のような基準が広まったのか
公式に否定されている基準が、なぜ業界の常識のように語られるのか。理由は3つ考えられます。
1つ目。上位表示されている記事が、結果として長いから。これは相関であって因果ではありません。検索意図を満たそうとすると論点が増え、結果として長くなる。長くしたから上がったわけではない。この2つが混同されています。
2つ目。発注する側にとって、文字数が唯一分かりやすい指標だから。「良い記事」は評価が難しいのに対し、「5,000字」は数えられます。見積もりの単位として便利なので、契約の都合で使われている面があります。
3つ目。書き手にとっても、量のほうが管理しやすいから。論点の数で管理するより、文字数で管理するほうが進捗が見えます。
つまり「文字数は、測りやすいから使われている」のであって、効果の根拠があるからではありません。ここを理解しておくと、見積もりの読み方が変わります。詳しくはSEO対策のやり方の記事で、Googleが不要としている6項目としてまとめています。
当研究所の測り方。上位10件を実測する
では、どう決めるか。毎回、狙うキーワードで実際に検索して、上位の記事の文字数を測ります。当研究所がこの記事を含めて毎回やっている手順を、そのまま公開します。
手順1。狙うキーワードで検索し、上位5件から10件のURLを控える。広告は除きます。
手順2。各ページの本文の文字数を測る。手で数える必要はありません。次のコマンドで測れます。Macのターミナルか、Linuxで動きます。
for u in "https://example.com/aaa" "https://example.com/bbb"; do
n=$(curl -sL --max-time 25 -A "Mozilla/5.0" "$u" | python3 -c "
import sys,re,html
h=sys.stdin.read()
h=re.sub(r'(?is)<(script|style|nav|footer|header)[^>]*>.*?</\1>',' ',h)
t=html.unescape(re.sub(r'<[^>]+>',' ',h))
print(len(re.sub(r'\s','',t)))")
echo "$n 字 $u"
done
やっていることは単純です。ページを取得し、スクリプトやナビゲーションを取り除き、タグを消して、空白を除いた文字数を数えています。
この数字は正確な本文字数ではありません。サイドバーや関連記事のリンク文言が混ざるため、実際の本文より多めに出ます。あくまで相対比較のための概算として使ってください。5本並べれば、そのキーワードの相場観はつかめます。
また、JavaScriptで本文を描画しているサイトは0字や数百字と出ます。極端に小さい値が出たら、そのURLは除外してください。
手順3。中央値を取る。平均ではなく中央値です。1本だけ極端に長い記事があると、平均は引っ張られます。
手順4。中央値を目安に、論点が足りているかを確認する。これで初めて、書く量の見当がつきます。
実測してみると、キーワードごとにまるで違う
当研究所が実際に測った結果を公開します。すべて2026年9月に測定したものです。
| 狙ったキーワード | 上位の実測値 | 中央値のおおよそ |
|---|---|---|
| SEO対策 費用 | 12,555 / 11,075 / 27,279 / 29,864字 | 約2万字 |
| llms.txt 意味ない | 6,518 / 9,006 / 8,391 / 8,850 / 8,100字 | 約8,400字 |
| SEO 効果 いつから | 11,191 / 7,720 / 7,969 / 10,146 / 16,770字 | 約1万字 |
| 口コミ 返信 例文 美容室 | 8,251 / 5,293 / 5,899 / 9,347字 | 約7,000字 |
| meo 費用相場 | 11,311 / 8,468 / 7,074字 | 約8,500字 |
図1:当研究所が2026年9月に実測した、キーワード別の上位記事の分量(中央値の概算)。一律の基準を当てても意味がないことが分かる。
同じSEOという分野のなかでも、3倍近い開きがあります。「SEO対策 費用」で2万字が相場なのに対し、「口コミ返信例文」は7,000字で足ります。ここに一律の「5,000字」を当てても、片方は足りず、片方は過剰です。
傾向としては、お金の判断が絡む語ほど長くなります。読む人が慎重に比べるため、扱うべき論点が増えるからです。逆に、例文や手順を求めている語は、必要なものを出せば終わります。
測った数字をどう使うか
中央値が出たら、次のように使います。
| 自社の記事が | 判断 |
|---|---|
| 中央値より大きく短い | 論点が抜けている可能性が高い。上位の見出しを一覧にして、扱っていない論点を探す |
| 中央値とほぼ同じ | 量としては妥当。あとは独自の情報があるかで差がつく |
| 中央値より長い | 書くべき論点が実際に残っていたなら問題ない。水増しなら削る |
ここで大事なのは、短いことを文字数の問題として扱わないことです。短いのは結果であって、原因は論点の不足です。
当研究所でも、記事を書くたびにこれが起きます。初稿が中央値を大きく下回ったことが何度もありました。そのとき文章を伸ばすのではなく、上位記事の見出しを並べて、自分が書いていない論点を探します。足りない論点を書き足すと、自然に量も追いつきます。
足りないときは、水増しではなく論点を探す
では、どうやって論点を探すか。当研究所が使っている7つの角度を挙げます。
| 角度 | 具体的に書くこと |
|---|---|
| 1. 対象そのものの定義 | その仕組み・ツール・指標が何なのかを、一度きちんと説明する |
| 2. 前後の時間 | いつから始まった話か。今後どうなる見込みか |
| 3. 数字の分解 | 「97%」を「13万7,000のうち」に直す。割合を実数にする |
| 4. 反対の選択肢 | やらない場合どうなるか。代わりの手段は何か |
| 5. 当事者以外の視点 | 公式の見解、実装する側、計測する側の言い分 |
| 6. その後どうなったか | 施策を打ったあとの実際の数字 |
| 7. 弱点と限界 | 効果がない場合、逆効果になる場合。ここが最も差がつく |
とくに7番です。上位の記事を読むと、称賛だけで終わっているものが多い。「この施策が向かない場合」を書いている記事は少ないので、ここを書くだけで内容の厚みと信頼性が同時に上がります。
この7つを順に当てれば、たいていの記事で2つか3つの抜けが見つかります。それを埋めれば、量は自然に足ります。
長すぎることの害
逆の方向も見ておきます。長ければいいわけではありません。
1つ目。読む人の時間を奪う。上位が3,000字で足りているテーマに8,000字書くと、読む人は必要な情報にたどり着くまでに余計な時間を使います。
2つ目。AIに引用されにくくなる可能性がある。AIは記事全体ではなく、答えになっている部分を抜き出して使います。前置きが長く、結論が後ろにある記事は、抜き出しにくい構造です。AI概要の影響を扱った記事でも触れましたが、見出しの直後に結論を置く形のほうが有利です。
3つ目。更新の手間が増える。長い記事ほど、情報が古くなったときの修正が大変になります。数字や仕様を多く含む記事は、量が増えるほど維持費が上がります。
4つ目。制作費が上がる。文字単価で発注している場合、そのまま費用に跳ね返ります。必要のない量に払うことになります。
判断の基準は文字数ではなく「検索意図を満たしきったか」です。満たしたらそこで終える。足りないと感じたときだけ、前章の7つの角度で論点を探す。この順番を守れば、量は自然に決まります。
タイトル・リード文・見出しの文字数
本文以外の文字数についても、よく聞かれるので整理します。
| 場所 | 実務上の目安 | 根拠の性質 |
|---|---|---|
| タイトル | 30字前後。検索結果での表示が切れにくい範囲 | 表示の都合であって、順位の基準ではない |
| 説明文(メタディスクリプション) | 120字前後 | 同上。表示が切れる位置の目安 |
| リード文 | 200字前後で結論まで書き切る | 読む人とAIの両方に、最初に答えを渡すため |
| 見出し | 制限なし。内容が分かることが優先 | Googleは見出しの順序すら問わないとしている |
ここも「順位の基準」ではありません。タイトルの30字という目安は、検索結果での表示が切れにくいという表示上の理由です。切れても順位が下がるわけではなく、クリックされにくくなるだけです。
クリック率が低いかどうかは、Search Consoleで確認できます。順位が高いのにCTRが低い記事があれば、そこがタイトルの直し時です。
業者の見積もりに文字数の条件があったら
最後に、発注する立場での実務です。
見積もりに「1記事5,000字以上」という条件が書かれていたら、まず何を根拠にしているかを聞いてください。Googleが「魔法の文字数は存在しない」と明記している以上、公式の裏づけはありません。
ただし、それだけで悪い見積もりと決めつけるのも早計です。文字数は、発注側と受注側が合意しやすい単位でもあります。問題は基準そのものより、次の点です。
| 聞くこと | 良い回答の例 |
|---|---|
| この文字数は何を根拠に決めましたか | 「狙うキーワードの上位を実測して決めました」 |
| キーワードごとに量を変えますか | 「変えます。語によって上位の分量が違うので」 |
| 足りないとき、どう埋めますか | 「抜けている論点を探します」 |
| 取材はしますか | 「します。自社にしかない情報が必要なので」 |
「一律5,000字です」としか答えられないなら、上位を測っていないということです。その場合、キーワードによっては足りず、別のキーワードでは過剰な量に払うことになります。
費用の検算そのものについては、SEO対策の費用相場の記事で、総額を本数で割る方法をまとめています。
まとめ
SEO記事の文字数について、要点を整理します。
Googleは「魔法の文字数は存在しない」と明記しています。「最低◯◯文字」という基準に、公式の裏づけはありません。
決め方は、毎回、狙うキーワードで上位5件から10件の文字数を実測して中央値を取る。この記事にコマンドを載せたので、そのまま使ってください。
実測すると、同じSEOの分野でも3倍近い開きがあります。「SEO対策 費用」は約2万字、「口コミ返信例文」は約7,000字。一律の基準を当てても意味がありません。
短いときは、水増しではなく論点を探す。とくに「この施策が向かない場合」を書いている記事は少ないので、ここを書くだけで差がつきます。
そして長すぎることにも害があります。判断の基準は文字数ではなく、検索意図を満たしきったかどうかです。
よくある質問
SEO記事は何文字書けばいいですか
一律の答えはありません。Googleは「魔法の文字数は存在しない」と明記しています。狙うキーワードで検索して、上位5件から10件の文字数を測り、その中央値を目安にしてください。当研究所の実測では、同じSEOの分野でも「SEO対策 費用」で約2万字、「口コミ返信例文」で約7,000字と3倍近い開きがありました。
文字数が多いほど上位に行きやすいのですか
因果が逆です。上位の記事が長いのは、検索意図を満たそうとして論点が増えた結果であって、長くしたから上がったわけではありません。文字数を増やすこと自体に効果があるという公式情報は見つかりません。論点を書き切った結果として量が決まる、という順序で考えてください。
上位記事の文字数は、どうやって測るのですか
この記事にコマンドを載せています。ページを取得し、スクリプトやナビゲーションを除いてタグを消し、空白を除いた文字数を数えるものです。ただしサイドバーや関連記事の文言が混ざるため、実際の本文より多めに出ます。相対比較のための概算として使ってください。JavaScriptで本文を描画しているサイトは極端に小さい値が出るので、その場合は除外します。
書いてみたら上位より短くなりました。どうすればいいですか
文章を伸ばすのではなく、抜けている論点を探してください。上位記事の見出しを一覧にして、自分が扱っていないものを見つけるのが早いです。加えて、対象の定義、前後の時間、数字の分解、反対の選択肢、当事者以外の視点、その後どうなったか、そして弱点と限界。この7つの角度を当てると、たいてい2つか3つの抜けが見つかります。
長く書きすぎるとどうなりますか
読む人の時間を奪うだけでなく、AIに引用されにくくなる可能性があります。AIは記事全体ではなく答えになっている部分を抜き出すので、前置きが長く結論が後ろにある構造は不利です。加えて、更新の手間が増え、文字単価で発注しているなら制作費も上がります。
タイトルは何文字がいいですか
30字前後が目安です。ただしこれは検索結果で表示が切れにくいという表示上の理由で、順位の基準ではありません。切れても順位が下がるわけではなく、クリックされにくくなるだけです。Search Consoleで順位が高いのにCTRが低い記事を探せば、直すべきタイトルが見つかります。
見積もりに「1記事5,000字以上」と書いてありました
まず何を根拠に決めたかを聞いてください。Googleが基準を否定している以上、公式の裏づけはありません。ただし文字数は発注側と受注側が合意しやすい単位でもあるので、それだけで悪い見積もりとは限りません。「キーワードごとに量を変えますか」「足りないときどう埋めますか」と聞いて、「上位を実測して決めます」「抜けている論点を探します」と答えられるかを見てください。