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ふるさと納税のワンストップ特例、無効になる4つの場合|確定申告をすると全部消えます

ソファでスマートフォンを操作している人と、そばに置かれた開封済みの箱のイメージ

ふるさと納税は、10月から12月に駆け込む人が多い制度です。締めは12月31日。それまでにやっておくことが、いくつかあります。

ただ、いざ調べようとすると少し困るのではないでしょうか。検索して出てくるのは、ほとんどが寄附を受け付けている側のサイトだからです。仲介サイトは寄附額に応じて手数料が入りますし、カード会社は決済を取りたい。どこも親切に書いてくれていますが、「こうすると台無しになる」という話は書きにくい立場にあります。

この記事では、地方税法の条文と総務省の資料にあたって、何をすると控除が受けられなくなるかを整理します。返礼品の紹介はしません。

まず、いちばん誤解されやすい点から片付けます。

ポイントは、全部なくなったわけではありません

スマートフォンとクレジットカードを手に持って操作している人の手元のイメージ

「ふるさと納税のポイントはもらえなくなった」という話は、半分だけ合っています。

規制の中身は、総務省の指定基準告示(平成31年総務省告示第179号)にあります。規制されているのは自治体の募集のやり方で、自治体は次のような者を「通じた募集」をしてはいけない、という形です。

「第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益(第一号寄附金に係る決済に伴って提供されるものであって、通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するものを除く。)を提供する者(第三者を通じて提供する者を含む。)」(告示第3条第1号ロ⑵)

鉤括弧の中の但し書きが大事です。普通の買い物でも付くような決済ポイントは、はじめから除かれています。

総務省のQ&A(令和8年4月1日付け総税市第33号)は、この条文の当てはめをもっとはっきり書いていました。令和8年10月1日以降はこのQ&Aの別紙2によることとされていて、問7がこの規定を扱っています。

「クレジット会社やキャッシュレス決済事業者等により、ふるさと納税に係る寄附に係る決済に伴って付与されるポイント等については、『…通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの』に該当するが、これらのうち、ふるさと納税に係る寄附に係る決済を対象として追加的に付与されるものについては、『通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの』に該当しない。」

「ポータルサイト運営事業者等により、直接・間接を問わず寄附者に付与されるポイント等(「マイル」、「コイン」等その名称を問わず寄附者に付与される経済的利益をいう)については、広く『第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益』に該当する。」

「いわゆるポイントサイト等を経由してポータルサイトに遷移し寄附を行った際に当該寄附に伴って付与されるポイント等については、…『第一号寄附金の寄附に伴って寄附者に対し金銭その他の経済的利益』に該当する。」

整理すると、下の表のとおりです。

規制の外(今も付く) 規制の対象
いつもの買い物と同じように付くカードの決済ポイント ふるさと納税の決済を対象に上乗せされるポイント
— ポイントサイトを経由して寄附したときの付与
— 仲介サイト側が寄附に付随して付けるマイル・コイン等(名称を問わず)

もうひとつ、見落とされやすい条件があります。Q&Aは「該当すると考えられる例」として、決済ポイントのうち「ふるさと納税以外のサービス等の利用状況等に応じて追加的に付与されるもの」も挙げています。ふだんの利用状況で倍率が上がるタイプの上乗せも、規制の対象です。

「ポイントが全部なくなったからやめた」という判断は、事実と少しずれたところから出ている可能性があります。

ワンストップ特例が無効になる4つの場合

ここからが本題です。

ワンストップ特例は、正式には地方税法附則第7条が定める仕組みで、提出する書類は申告特例申請書といいます。

この特例は、申請したあとの自分の行動で無効になります。 第6項がこう書いています。

「申告特例の求めを行つた者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、…申告特例の求め及び前項の規定による申告特例通知書の送付(第四号に該当する場合にあつては、同号に係るものに限る。)については、いずれもなかつたものとみなす。」

  • 一 当該申告特例対象年の年分の所得税について所得税法第百二十一条の規定の適用を受けないこととなつたとき。
  • 二 …道府県民税の所得割について第四十五条の二の規定による申告書の提出をしたとき。
  • 三 …申告特例通知書を送付した都道府県知事等の数が五を超えたとき。
  • 四 …申告特例通知書の送付を受けた市町村長が賦課期日現在における住所所在地の市町村長と異なつたとき。

読むときのポイントが3つあります。

ひとつめ。「なかったものとみなす」のは、原則として全部です。 6つ目の自治体に申請したら、それまでの5件分のワンストップもまとめて無効になります。1件だけが落ちるのではありません。

ふたつめ。第四号だけは例外です。 括弧書きに「第四号に該当する場合にあつては、同号に係るものに限る」とあり、引っ越しのケースだけは、その寄附分だけが無効になります。これは読者に有利な例外なので、覚えておく価値があります。

みっつめ。第二号の「申告書」には、確定申告書も含まれます。 第二号が指す第45条の2の申告書について、同じ附則第7条の第1項が括弧書きで「第四十五条の三第一項の規定により…申告書が提出されたものとみなされる…確定申告書の提出を含む。第六項第二号において同じ」と定めているためです。住民税の申告をしただけでも無効になりますし、確定申告をすればもちろん無効です。

「5団体以内」の数え方

条文は「申告特例の求めを行う都道府県知事等の数が五以下であると見込まれる場合に限り」としています(附則第7条第2項)。

同じ自治体に何回寄附しても、1団体です。 総務省のよくある質問も「ふるさと納税を行うことができる自治体の数には制限はありません」としたうえで、ワンストップの適用は「ふるさと納税先の自治体数が5団体以内である場合に限られます」と書いています。

ただし、申請書は寄附ごとに出す必要があります。条文が「特例控除対象寄附金を支出する際」に求めるとしているためで、団体数の数え方と申請書の枚数は別の話です。1枚でまとめられると思い込むと、出し忘れた分だけ控除が受けられません。

なお、自己負担の2,000円は寄附のたびにかかるものではなく、総務省は「1回ごとの寄附について必要となるものではなく、1年間(1月~12月)の寄附金総額に対して必要となるもの」としています。

確定申告をする予定があるなら、最初から使わない

机の上で書類と電卓を広げて申告書を記入している二人の手元のイメージ

前の章の第二号が、いちばん多い落とし穴です。具体的に見ていきます。

国税庁のタックスアンサーNo.1155に、こう書かれています。

「確定申告を行う方は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があります。」

同じページは、確定申告をする人の例として「医療費控除や雑損控除を受けるなどのために確定申告や個人住民税の申告をする方などを含みます」と挙げています。

20代の会社員で、よくある組み合わせを並べます。

その年にやったこと ワンストップは使えるか
医療費控除を受ける 使えません。確定申告が必要なので無効になります
住宅ローン控除の1年目 使えません。初年度は確定申告が必要です。2年目以降は年末調整でできるので、ワンストップに戻せます
副業の所得がある 多くの場合、使えません(下記)
6つ目の自治体に申請した 使えません。全件が無効になります

副業がある人は、20万円以下でも注意が必要です

「副業の所得が20万円以下なら確定申告はいらない」という話は、所得税についてはそのとおりです(所得税法第121条)。このルールの中身は副業の確定申告、20万円ルールって結局どういうこと?で詳しく書きました。

ただし住民税は別です。地方税法第317条の2第1項は3月15日までの申告義務を定めていて、ただし書で一部の人を外していますが、その対象は「前年中において給与所得以外の所得…を有しなかつたもの」などに限られています。つまり給与以外の所得がある人は、この免除に当てはまりません。金額が小さくても住民税の申告義務は残ります。

そしてワンストップ特例は、条文上「住民税の申告書の提出…を要しないと見込まれるもの」に限って認められています(附則第7条第1項)。住民税の申告が必要な人は、そもそも対象外ということです。

副業をしている人は、ワンストップではなく確定申告に一本化するほうが確実でしょう。所得の区分については副業の所得は「事業所得」と「雑所得」のどっち?にまとめています。

間違えたときの救済と、その限界

ワンストップを申請したあとに確定申告をして、ふるさと納税を書き忘れた。このときの救済について、国税庁はこう書いています。

「ワンストップ特例の申請をした方が、誤って寄附金控除の適用を受けずに確定申告をした場合は、更正の請求により寄附金控除の適用を受けることができます」

「(注)寄附金控除を適用しても最終的な所得税等の額に異動がない場合は、更正の請求をすることができませんので、この場合は、お住まいの市区町村にご相談ください。」

救済はありますが、使えない場合もあります。 注のほうを落として「あとから直せる」とだけ覚えると危ない箇所です。

期限のしくみ。「1月10日必着」は法律ではありません

1月のページを開いた手書きの手帳とペンが置かれている机のイメージ

「ワンストップの申請は翌年1月10日必着」。これはよく見る表現で、実務としては正しいのですが、法律にそう書いてあるわけではありません。

条文を読むと、申請書そのものは「特例控除対象寄附金を支出する際」に提出するものとされているだけで、提出期限は定められていないのです。法律に出てくる1月10日は、変更届の期限のほうです(附則第7条第4項)。

では、なぜ1月10日が締切になるのか。自治体側の期限から逆算されているからです。

「都道府県知事等は、申告特例の求めがあつたときは、申告特例対象年の翌年の一月三十一日までに、…市町村長に対し、…申告特例通知書を送付しなければならない。」(附則第7条第5項)

自治体が1月31日までに住所地の市区町村へ通知しなければならないので、そこから逆算して各自治体が1月10日必着と決めている、という構造です。

実務上はこの日を守るほかありませんが、法定期限ではないので自治体によって扱いが違い得るということは知っておいてください。寄附先の案内を見るのが確実です。

寄附してから住民税が減るまで 寄附できる期間(1月1日〜12月31日) 年末 年末は、自治体によって申請書類が間に合わないことがあります 翌年1月10日ごろ 申請書の締切(自治体の設定) 翌年1月31日まで 自治体→市区町村へ通知(法定) 翌年6月から、住民税が毎月少しずつ減る ワンストップを使った場合、所得税からの還付はありません 法律で決まっているのは「1月31日までに自治体が通知する」のほうで、1月10日は各自治体の設定です。 出典:地方税法附則第7条、総務省「税金の控除について」。 年末の締切の扱いは自治体ごとに異なるため、寄附先の案内をご確認ください。

年末に駆け込むときの注意

自治体によっては、年末に近い時期の寄附に申請書類を同梱しない運用をとるところがあります。1月10日までに届ける時間がないためです。この場合は自分で様式をダウンロードして送ることになります。

扱いは自治体ごとに違いますし、年によっても変わります。 年末ぎりぎりに寄附するなら、寄附先の案内を必ず確認してください。オンライン申請という手もあります。総務省は「令和4年中にされた寄附から、一部の自治体においてマイナンバーカードを利用したワンストップ特例のオンライン申請が可能となっています」としたうえで、対応状況は寄附先の自治体に問い合わせるよう案内しています。

控除されるのは翌年6月から

ワンストップ特例を使った場合、所得税からの還付はありません。総務省の税金の控除についてがこう書いています。

「ふるさと納税ワンストップ特例の申請を行った場合、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、翌年度の住民税から控除されます。」

振り込まれるお金はなく、翌年6月以降の住民税が少しずつ減る形です。「やったのに何も戻ってこない」と感じるのは、この時間差と形の違いが理由でしょう。

上限はどう決まるか。国は目安表を出していません

ここは、正直に書きます。

まず仕組みです。控除は3つに分かれていて、総務省の説明はこうなっています。

区分 計算 上限
(1) 所得税から (ふるさと納税額 − 2,000円)×「所得税の税率」 対象となる寄附額は総所得金額等の40%まで
(2) 住民税から(基本分) (ふるさと納税額 − 2,000円)× 10% 対象となる寄附額は総所得金額等の30%まで
(3) 住民税から(特例分) (ふるさと納税額 − 2,000円)×(100% − 10% − 所得税の税率) この式が使えるのは、特例分が住民税所得割額の2割を超えない場合
(3)’ 2割を超える場合 (住民税所得割額)× 20% 特例分はここで頭打ちになります

実質2,000円で済むかどうかを決めているのは、いちばん下の特例分です。ここが頭打ちになると、自己負担が2,000円を超えます。総務省の表現はこうです。

「この場合、…3つの控除を合計しても(ふるさと納税額-2,000円)の全額が控除されず、実質負担額は2,000円を超えます。」

「いくらまで」の目安表は、国は出していません

ここが、他のサイトと食い違うところです。仲介サイトには年収別の早見表やシミュレーターがありますが、総務省のふるさと納税ポータルの「税金の控除について」と「よくある質問」には、年収別の目安額の表が見当たりませんでした。 PDFやExcelの添付もありません。

総務省が案内しているのは、自治体への問い合わせです。

「受けられる寄附金控除の額には上限があり、ふるさと納税を行った方の収入や他の控除等の状況によります。具体的な上限額の計算は、お住まいの市区町村の住民税を担当する部署にお問い合わせください。」(よくある質問 Q5)

「※ 具体的な計算は、お住まいの市区町村にお問い合わせください。(ただし、お住まいの自治体によって、控除の対象となるふるさと納税額の上限はお答えできない場合があります。」(税金の控除について)

「ただし」以下まで読むと、問い合わせても答えてもらえないことがある、と国の側が書いています。 早見表が絶対の正解ではない、という前提で使うのが現実的でしょう。

上限は年収だけでは決まりません。総務省が書いているとおり「収入や他の控除等の状況」によります。家族構成や社会保険料、医療費控除でも動くということです。シミュレーターの数字は目安で、ぎりぎりを狙うほど外れたときの自己負担が増える、という性質のものだと考えてください。

年末調整では終わりません

会社員がよく誤解する点です。ふるさと納税は、年末調整では処理されません。

所得税法第190条が年末調整で精算できる控除を列挙していますが、その中に寄附金控除という項目はないのです。社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、扶養控除、基礎控除などは並んでいますが、寄附金控除はありません。

だから、会社に提出する書類に書く欄がないのです。総務省も「寄附金控除を受けるためには、原則として、寄附をした翌年の3月15日までに、住所地等の所轄の税務署へ確定申告を行っていただく必要があります」としていて、その手間を省く仕組みがワンストップ特例、という関係になります。

もうひとつ、落としやすい注意点を。総務省のページの末尾にこう書かれています。

「※年末調整等により所得税が0円になっていて、住民税からのみ控除を受ける方は、住民税に関する申告書をお住まいの市区町村に提出する必要があります。」

引っ越したとき。例外があります

引っ越しの段ボール箱が並ぶ部屋に立っている人の足元のイメージ

申請したあとに引っ越した場合は、変更届の提出が必要です。様式は申告特例申請事項変更届出書といいます。

ただし、ここには読者に有利な例外があります。条文を見てください。

「当該申告特例の求めを行つた日から賦課期日までの間に…変更があつたときは、…翌年の一月十日までに…届け出なければならない。」(附則第7条第4項)

賦課期日は1月1日です。 つまり届出が必要なのは「寄附した日から翌年1月1日まで」に引っ越した場合で、1月1日より後の引っ越しは対象外です。「寄附したあとに引っ越したら全部やり直し」ではありません。

出さなかったらどうなるか。前に見た第四号に当たり、その寄附は無効になります。ただしこれもその寄附分だけです。

問題はその先です。無効になった分を取り戻すには申告が必要ですが、その申告が第二号に当たって、ほかの寄附のワンストップまで無効にします。結果として、全部まとめて確定申告するしかなくなります。小さな届出を出さなかったことが、全件に波及する構造です。

今日からできること

3つあります。順番そのものが大事です。

ひとつめ、5分。「来年、確定申告をするか」を先に決める。

ワンストップを使うかどうかは、ここで決まります。医療費控除を受けるつもりがある、住宅を買って入居した、副業の所得がある。 ひとつでも当てはまるなら、最初からワンストップを申請せず、受領証明書を集めて確定申告に一本化するほうが確実です。

申請してから確定申告をすると全部無効になり、書き忘れれば控除がゼロになります。更正の請求という救済はありますが、所得税額に動きがない場合は使えません。

ふたつめ、5分。申請先を5自治体以内に収めると決める。

数えるのは申請書を出した自治体の数です。6つ目に申請した時点で、それまでの分もまとめて無効になります。同じ自治体に何回寄附しても1団体ですが、申請書は寄附ごとに出します。ここを取り違えると、出し忘れた分だけ落ちます。

みっつめ、10分。12月の給与が確定してから、寄附額を詰める。

上限は寄附した年の所得で決まります。去年の源泉徴収票で計算すると、転職・減収・賞与の増減があったときにずれます。超えた分は自己負担です。

上限の計算は仲介サイトのシミュレーターでできますが、国は年収別の目安表を出しておらず、「市区町村に問い合わせてほしい、ただし答えられない場合もある」という立場です。早見表はあくまで目安なので、ぎりぎりを狙わないのが現実的な落としどころでしょう。

年末ぎりぎりに寄附するなら、申請書類が同梱されない自治体があることも頭に入れておいてください。

まとめ

ポイントは、全部なくなったわけではありません。規制されたのは、ふるさと納税の決済を対象に上乗せされる分、ポイントサイト経由の分、そして仲介サイト側が寄附に付随して付ける分です。いつもどおりのカード決済ポイントは、規制の対象外のままです。

ワンストップ特例は、申請したあとの自分の行動で無効になります。確定申告をした、住民税の申告をした、6つ目の自治体に申請した。このいずれかで、それまでの分もまとめて無効です。引っ越しのケースだけは、その寄附分だけで済みます。

「1月10日必着」は法律の期限ではなく、各自治体が決めているものでした。法律が定めているのは「自治体が1月31日までに市区町村へ通知する」ほうで、そこから逆算されています。

上限の目安表は、総務省のポータルには見当たりませんでした。国の側は市区町村への問い合わせを案内しつつ、「ただし答えられない場合もある」とも書いています。早見表は目安として使い、ぎりぎりを狙わないほうが安全です。

そして、年末調整では終わりません。ワンストップを使うなら申請書を出す、使わないなら確定申告をする。どちらかを必ずやる必要があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. ふるさと納税でポイントはもうもらえないのですか?

全部なくなったわけではありません。総務省の指定基準告示が規制しているのは自治体の募集方法で、禁止の対象から「通常の商取引に係る決済に伴って提供されるものに相当するもの」が除かれています。総務省のQ&Aは、クレジット会社やキャッシュレス決済事業者が決済に伴って付与するポイントはこれに該当する(=規制されない)としたうえで、そのうちふるさと納税の決済を対象として追加的に付与されるものは該当しない(=規制される)としています。仲介サイト側が寄附に付随して付けるポイントやマイル、ポイントサイトを経由した場合の付与も規制の対象です。つまり、いつもどおりのカード決済ポイントは今も付きます。

Q2. ワンストップ特例はどんなときに無効になりますか?

地方税法附則第7条第6項は4つの場合を挙げています。その年の所得税について所得税法第121条の規定の適用を受けないこととなったとき、道府県民税の所得割について第45条の2の規定による申告書の提出をしたとき、申告特例通知書を送付した都道府県知事等の数が5を超えたとき、申告特例通知書の送付を受けた市町村長が賦課期日現在の住所所在地の市町村長と異なったとき、です。条文は「いずれもなかつたものとみなす」としており、原則として申請した全件が無効になります。ただし4つ目だけは括弧書きで「同号に係るものに限る」とされ、その寄附分だけが無効です。

Q3. 医療費控除を受けたいのですが、ワンストップ特例と両方使えますか?

使えません。医療費控除を受けるには確定申告が必要で、確定申告をするとワンストップ特例は無効になります。国税庁は「確定申告を行う方は、ふるさと納税ワンストップ特例の申請が無効となるため、ワンストップ特例の申請をした分も含めて寄附金控除額を計算する必要があります」としており、確定申告をする方の例に「医療費控除や雑損控除を受けるなどのために確定申告や個人住民税の申告をする方など」を挙げています。医療費控除を受けるつもりなら、最初からワンストップを使わず確定申告に一本化するほうが確実です。

Q4. 副業の所得が20万円以下ならワンストップ特例を使えますか?

多くの場合、使えません。20万円以下なら所得税の確定申告が不要というのは所得税の話で、住民税は別です。地方税法第317条の2第1項は3月15日までの申告義務を定めており、ただし書の免除は「前年中において給与所得以外の所得…を有しなかつたもの」などが対象なので、給与以外の所得がある人は当てはまりません。ワンストップ特例は条文上「住民税の申告書の提出を要しないと見込まれるもの」に限って認められているので、この場合はそもそも対象外です。確定申告に一本化してください。

Q5. 同じ自治体に何回も寄附したら、5団体のうち何件と数えますか?

1団体です。条文は「申告特例の求めを行う都道府県知事等の数が五以下であると見込まれる場合に限り」としており、数えるのは自治体の数なので、同じ自治体に10回寄附しても1でカウントされます。ただし申請書は寄附ごとに提出する必要があります。条文が「特例控除対象寄附金を支出する際」に求めるとしているためで、団体数の数え方と申請書の枚数は別の話です。なお自己負担の2,000円は寄附のたびにかかるものではなく、総務省は「1回ごとの寄附について必要となるものではなく、1年間(1月~12月)の寄附金総額に対して必要となるもの」としています。

Q6. 申請は1月10日必着だと聞きましたが、法律で決まっているのですか?

法律の期限ではありません。地方税法附則第7条は申請書を「特例控除対象寄附金を支出する際」に提出するものとしていて、提出期限を定めていません。法律に出てくる1月10日は変更届の期限のほうです。1月10日が実務上の締切になっているのは、同条第5項が「翌年の一月三十一日までに」自治体から市区町村へ通知するよう定めており、そこから逆算して各自治体が設定しているためです。自治体によって扱いが違い得るので、寄附先の案内を確認してください。

Q7. ワンストップ特例を使うと、いつお金が戻ってきますか?

お金が振り込まれる形ではありません。総務省は「ふるさと納税ワンストップ特例の申請を行った場合、所得税からの控除は行われず、その分も含めた控除額の全額が、翌年度の住民税から控除されます」としています。寄附した翌年の6月以降に納める住民税が、その分だけ少なくなる形です。確定申告をした場合は所得税分がその年の所得税から還付され、住民税分は翌年度の住民税から控除されるので、戻り方が変わります。

Q8. 上限額はいくらですか?早見表はどれを信じればいいですか?

総務省のふるさと納税ポータルの「税金の控除について」と「よくある質問」には、年収別の目安額の表が見当たりませんでした。総務省が案内しているのは市区町村への問い合わせで、「具体的な上限額の計算は、お住まいの市区町村の住民税を担当する部署にお問い合わせください」としています。ただし別のページには「お住まいの自治体によって、控除の対象となるふるさと納税額の上限はお答えできない場合があります」とも書かれています。上限は年収だけでなく「他の控除等の状況」でも動くので、仲介サイトのシミュレーターは目安として使い、ぎりぎりを狙わないほうが安全です。

Q9. 寄附したあとに引っ越しました。手続きは必要ですか?

時期によります。地方税法附則第7条第4項は「当該申告特例の求めを行つた日から賦課期日までの間に」変更があったときに届け出るよう定めていて、賦課期日は1月1日です。つまり届出が必要なのは寄附した日から翌年1月1日までに引っ越した場合で、1月1日より後の引っ越しは対象外です。届出をしなかった場合はその寄附分が無効になりますが、無効になるのはその分だけです。ただし取り戻すために申告をすると、それが別の無効事由に当たってほかの寄附のワンストップも無効になるため、結果的に全件を確定申告することになります。

Q10. 返礼品に税金はかかりますか?

かかる場合があります。総務省は「自治体によっては寄附者へのお礼として特産品を送る場合がありますが、これは一時所得に該当します」としたうえで、「一時所得は、年間50万円を超える場合に、超えた額について課税対象となります」と説明しています。懸賞や福引きの賞金品、生命保険の一時金、損害保険の満期払戻金なども一時所得に当たるので、同じ年にそうした収入があるときは合算して考えることになります。

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