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ネットショップの商品写真の撮り方|スマホ1台で始める手順とそろえる機材

白背景の前に置いた商品を、三脚に固定したカメラとソフトボックスで撮影しているセッティング

ネットショップで最初につまずくのは、たいてい商品写真です。スマホで撮ってみたけれど、なんとなく素人っぽい。かといって撮影スタジオに頼むと、1点あたり数千円かかる。

結論から言うと、机の上に置ける商品なら、スマホ1台と1万円以下の道具でショップに載せられる写真は撮れます。うまくいかない原因はカメラの性能ではなく、ほとんどが光の当て方と、撮る距離だからです。

この記事では、機材をそろえるところから撮影、撮ったあとの仕上げまでを、実際に手を動かす順番どおりに書きます。

撮る前に決める:何を、何枚撮るか

機材をそろえる前に、決めておくことがあります。何の写真を、何枚撮るのかです。

ここを決めずに始めると、撮り終えてから「サイズ感が分かる写真がない」と気づいて、もう一度セッティングし直すことになります。照明の位置も背景も組み直しになるので、後から1枚足すのがいちばん高くつきます。

撮影を始める前に決めておくと、撮り直しが激減します。逆にここを決めずに撮り始めると、あとから「サイズ感がわかる写真がない」と気づいて、もう一度セッティングし直すことになります。

必要なのは3種類

ネットショップの商品ページで使う写真は、役割で3つに分かれます。それぞれ答えている「お客さんの疑問」が違うので、1種類だけでは足りません。

  • 全体写真:これは何か。形と色がわかる1枚。一覧に出るサムネイルもこれを使います
  • 部分写真:素材や作りはどうか。生地の質感、縫い目、留め具、内側のポケットなど
  • 使用シーン写真:自分が使うとどうなるか。手に持った、机に置いた、身につけた状態

返品やクレームの多くは「思っていたのと違った」から起きます。3種類そろえるのは、見栄えのためというよりあとで揉めないためです。

枚数の目安

枚数は商品によって変わりますが、少なすぎると判断材料が足りず、多すぎると見る側が途中で飽きます。

迷ったときの基準は、「この写真が無かったら、買うのをためらうか」です。ためらうなら必要な1枚、そうでないなら無くても構いません。

商品のタイプ 最低限そろえたいカット 枚数
アクセサリー・小物 正面/斜め上/留め具などの寄り/着用 4〜5枚
衣類 前/後ろ/生地の寄り/着用/サイズ表 5〜6枚
食品 パッケージ/中身/断面や盛り付け/内容量がわかる1枚 4〜5枚
雑貨・家電 正面/背面や端子/同梱物一式/使用中 4〜6枚

迷ったら、手に持った写真を1枚足してください。大きさが一瞬で伝わるので、サイズに関する問い合わせが減ります。

そろえる機材は4つだけ

撮るものが決まったら、機材です。ここで高いカメラを買う必要はありません。

スマホの写真が素人っぽく見える原因は、カメラの性能ではなく光の当て方にあります。同じスマホのままでも、光を整えるだけで見え方が変わります。 だから、お金をかける順番は「光が先、カメラは後」になります。

カメラ・照明・レフ板・背景。この4つがそろえば、机の上で撮れる商品はひととおりカバーできます。高価な一眼レフは、少なくとも最初は要りません。

役割 買うもの 価格
カメラ 手持ちのスマホでよい 0円
照明 LEDの定常光ライト(ソフトボックス付き) 5,980円
三脚 スマホ用の三脚 2,480円
背景・レフ板 白いスチレンボード(3mm厚・A2) 704円
  • カメラ:画素数より「歪ませない撮り方」のほうが効きます。買い足す必要はありません
  • 照明:光り続けるタイプ。影の出方を目で見ながら動かせるので、初心者はこちらが扱いやすい
  • 三脚:手ブレを消すためではなく、全カットで高さと角度を揃えるために要ります
  • 背景・レフ板:2枚買って、1枚を背景、もう1枚をレフ板に。画材店や100円ショップでも買えます

※価格は2026年9月時点のものです。変動します。

照明はストロボではなく「光り続けるライト」を選ぶ

撮影用のライトには、シャッターの瞬間だけ光るストロボと、点けっぱなしになる定常光の2種類があります。商品撮影に慣れていないうちは、定常光のほうが確実です。

理由は単純で、ライトを動かしたときに影がどう変わるかを、その場で目で見ながら決められるからです。ストロボは撮ってみるまで結果がわからないので、試行回数が必要になります。同じ理由で、光を柔らかくするソフトボックスが最初から付いている製品を選ぶと、影の縁がきつくならず失敗しにくくなります。

背景は白のボードで足りる

本格的なロール状の背景紙もありますが、1万円台からと値段が上がり、置き場所も取ります。机の上に収まる商品を撮るうちは、画材店や100円ショップで買える白いスチレンボードで十分です。

ボードを2枚買っておくと、1枚を背景、もう1枚をレフ板として使えます。撮り始めの投資としてはこれが一番効率がいいです。

撮影ボックスという選択肢

手のひらに乗るサイズの商品を数多く撮るなら、ライト内蔵の撮影ボックス(4,280円前後)も選択肢になります。背景・照明・レフ板の役割がひとつになっているので、置いて撮るだけで背景が白く飛びます。

ただし内寸が25cm前後の製品が多く、入らない商品は撮れません。扱う商品がボックスに収まるかどうかを先に測ってから決めてください。バッグや衣類を撮る予定があるなら、ライトとボードを別々に買うほうが長く使えます。

置き方で9割決まる:机の上のセッティング

機材がそろったら並べます。ここが写真の仕上がりをいちばん左右する工程で、逆に言えば一度決めてしまえば、あとは商品を差し替えるだけになります。

机(背景紙を敷いて壁に立てかける) 商品 ライト 斜め45度 レフ板 影を起こす スマホ(三脚に固定)
ライトは商品の斜め前45度、その反対側にレフ板。カメラは正面から。この3点の位置関係だけ覚えれば、あとは商品が変わっても同じです。

手順は4つです。

  1. 机を窓際ではなく、壁際に寄せる。 窓から入る光は時間帯で変わるので、同じ商品を翌日撮ると色が変わります。安定させたいので、あえて自然光を使いません
  2. 背景のボードを、机と壁にまたがるように立てかける。 机と壁の境目に線が出ないよう、ボードを緩やかに曲げて置くと、背景が奥までつながって見えます
  3. ライトを商品の斜め前、45度の位置に置く。 真正面から当てると平べったく写り、真横から当てると影が強く出ます。45度は、立体感と影の濃さのバランスが取れる位置です
  4. ライトの反対側にレフ板を立てる。 ライトの光を跳ね返して、影になっている側を持ち上げます。商品から10〜15cmが目安で、近づけるほど影が薄くなります

この状態で部屋の照明は消してください。 天井のシーリングライトと撮影ライトでは光の色が違うため、混ざると商品の色が転びます。撮影ライトだけにするのが、色を合わせる一番簡単な方法です。

撮影の手順:この5つを順番にやる

セッティングができたら、撮影に入ります。ここからは順番が決まっていて、入れ替えると手戻りが出ます。

たとえば明るさを決める前に何枚も撮ると、あとで全部撮り直しになります。先に条件を固定して、そのあと数を撮る。 この順番だけ守れば、1商品あたりの時間はかなり短くなります。

ここからが本番です。順番に意味があるので、飛ばさずに上から進めてください。

① 三脚に固定して、高さを決める

三脚は手ブレ対策と思われがちですが、商品撮影での本当の役割は全カットで高さと角度を揃えることです。手持ちで撮ると1枚ごとに微妙に角度が変わり、商品ページに並べたときにバラついて見えます。

高さの基本は、商品の中心と同じ高さ(真横から)と、斜め上45度の2パターン。まず真横で全体を1枚、次に三脚を上げて斜め上から1枚。この2枚が全体写真の基本形になります。

② 20〜30cm離れて、ズームで寄る

いちばん多い失敗が、スマホを商品に近づけすぎることです。スマホの標準カメラは広角レンズなので、近づくと手前が大きく、奥が小さく写って形が歪みます。 四角い箱を撮ったのに台形になるのはこれが原因です。

正しくは、20〜30cm離れた位置に三脚を置き、画面の「2x」など光学ズームで寄せます。同じ大きさに写っていても、歪み方がまったく違います。ピントが合わない場合も、たいていは近づきすぎているだけです。

③ 明るさを手で決める

白い背景で撮ると、カメラは「全体が明るすぎる」と判断して、自動で暗く写します。その結果、白い背景が薄い灰色になります。

iPhoneなら、画面上の商品をタップするとピントが合い、黄色い枠の横に太陽のマークが出ます。これを上へドラッグすると明るくなります。背景の白がしっかり白く見えるところまで上げてください。Androidも同様に、タップ後に出るスライダーで調整できます。

目安は背景が白く飛びきる少し手前。上げすぎると商品の輪郭まで消えるので、商品と背景の境目が残っているかを見ながら決めます。

④ ホワイトバランスを固定する

明るさを決めたら、次は色です。撮影ライトだけの環境にしていれば大きくは転びませんが、それでも1カットごとに自動調整が働くと、同じ商品なのに写真ごとに色味が変わります。

iPhoneの標準カメラなら、ピントを合わせた状態で画面を長押しすると「AE/AFロック」がかかり、露出とピントが固定されます。より厳密にやるなら、ホワイトバランスを手動で固定できるカメラアプリを使います。1商品を撮り終えるまでは設定を変えない、これだけ守れば十分です。

⑤ その場で拡大して確認する

撮ったらすぐ、写真を開いてピンチで拡大してください。スマホの小さな画面では、ピンボケも小さなホコリも見えません。等倍まで拡大して、ピントが商品の手前に来ていないか、糸くずや指紋が写っていないかを見ます。

ここで見つければ、セッティングを崩さずに撮り直せます。片付けたあとに気づくと、もう一度全部組み直しです。1商品ごとに確認してから次へ進むのが、結局いちばん速いです。

⑥ 部分写真は「離して寄る」を徹底する

全体写真が撮れたら、同じセッティングのまま部分写真に移ります。三脚の位置は動かさず、ズームだけで寄ってください。 三脚ごと近づけると、ここでも歪みが出ます。

撮る場所は、お客さんが実際に迷うところです。バッグなら持ち手の付け根と内側のポケット、衣類なら生地の織りとボタン、食品ならパッケージの原材料表示。「レビューでよく聞かれること」がそのまま部分写真の被写体になります。

寄ると光が足りなくなることがあるので、その場合はレフ板を5cmほど商品に近づけます。ライトを動かすと全体写真と明るさが変わってしまうので、触るのはレフ板だけにしてください。

⑦ 使用シーン写真は、背景を1つだけ変える

使用シーン写真は「使っている状態」を見せるカットです。ここだけは白背景から離れますが、変えるのは背景だけにします。ライトの位置も明るさも、それまでと同じままにしてください。

手軽なのは、白いボードを木目調のシートやリネンの布に差し替える方法です。撮影用の背景シートなら220円前後から買えて、敷き替えるだけで生活感が出ます。人物を入れる場合は、顔を写さず手元だけにすると、撮影のハードルが一気に下がるうえ、商品から視線が逸れません。

布を使うなら、リネン調の背景布(2,680円前後)のように大判のものを1枚持っておくと、衣類やバッグのような大きめの商品にも使えます。シワが出ると安っぽく見えるので、使う前に一度アイロンをかけるか、しばらく吊るしておいてください。

注意点として、小道具を置きすぎないこと。 商品より目立つものが写ると、何を売っているのかがわからなくなります。置くのは1〜2点までが目安です。

1商品を回す順番(所要15〜20分)

実際の作業は、この順番で回すと迷いません。2商品目以降はセッティングが済んでいるので、もっと短くなります。

順 やること 目安
1 商品を拭く(ホコリ・指紋・タグの折り目) 2分
2 背景に置き、明るさとピントを決めて固定 3分
3 全体写真(真横・斜め上) 3分
4 部分写真(2〜3か所) 4分
5 背景を替えて使用シーン 4分
6 拡大して確認、必要なら撮り直し 2分

商品を拭く工程を最初に入れているのは、あとから加工で消すより圧倒的に速いからです。黒い商品のホコリは、撮影後に1点ずつ消そうとすると1枚10分かかることもあります。

よくある失敗4つと、その場での直し方

撮っていると、必ずどこかでつまずきます。ただ、つまずき方はだいたい決まっていて、しかもどれも道具を買い足さずにその場で直せます。

大事なのは、セッティングを崩す前に気づくことです。片付けたあとに気づくと、もう一度全部組み直しになります。

白い背景が灰色に写る

原因:カメラが白を「明るすぎる」と判断して暗く写している

直し方:露出(明るさ)を1段上げる。iPhoneなら画面をタップして出る太陽マークを上へドラッグ

商品の色が実物と違う

原因:部屋の照明と撮影ライトの色が混ざっている

直し方:部屋の照明を消して、撮影ライトだけにする。これだけでほぼ直ります

影が濃くて商品が沈む

原因:光が一方向からしか当たっていない

直し方:ライトの反対側にレフ板(白いボード)を立てる。商品から10〜15cmの距離が目安

近づくとピントが合わない

原因:スマホの最短撮影距離を割っている

直し方:20〜30cm離れて、ズームで寄る。広角のまま近づくと形も歪みます

4つとも、機材を買い足さずにその場で直せます。撮り直しのたびに新しい道具を買う必要はありません。

撮ったあとにやること

撮影が終わったら、ショップに載せる前にやることが3つあります。加工というより、体裁を揃える作業です。

ここで押さえておきたい前提があります。加工は、実物に近づけるためにやるものです。 実物より良く見せるためにやると、届いた瞬間に「写真と違う」と言われて返品が増えます。

だから、やることは最小限で足ります。明るさを実物に合わせる、サイズをそろえる、それだけです。

  1. 正方形に切り抜く。 多くのカートは商品一覧を正方形で表示します。長方形のまま入れると、上下や左右が勝手に切られて商品が欠けます。トリミングの段階で正方形にして、商品が中央に来るようにそろえます
  2. 明るさとコントラストだけ整える。 スマホの標準の写真アプリで足ります。彩度を上げるのは避けてください。 実物より鮮やかな写真は、届いた瞬間に「色が違う」と言われる原因になります
  3. 長辺のサイズをそろえて書き出す。 商品ごとに大きさがバラバラだと、ページ上での見え方が揃いません。全商品で同じ長辺(たとえば1200px)に統一しておくと、あとから並べ替えても崩れません

加工は「実物に近づける」ためにやるもので、「実物より良く見せる」ためにやると返品が増えます。ここは割り切ったほうが、結果的にショップの評価が安定します。

この記事でそろえた機材のまとめ

最初に買うのは、上の3点だけで足ります。合計9,868円。撮影ボックスと背景まわりは、撮る商品が決まってから足すかどうかを決めてください。

まず買う3点(合計9,868円)

必要になったら足すもの

※価格は2026年9月時点。変動します。

順番としては、ライトを最初に買うのがいちばん効きます。 カメラを替えるより、三脚を買うより、光を足したときの変化がいちばん大きいからです。予算が限られているなら、ライトとスチレンボードの2点(7,388円)から始めても構いません。

よくある質問

スマホではなく一眼レフを買ったほうがいいですか

先に照明をそろえてください。同じスマホでも、ライトとレフ板を入れるだけで写真は大きく変わります。カメラを一眼に替えて効いてくるのは、光を整えたあとです。順番を逆にすると、高いカメラで撮った暗い写真ができあがります。

自然光で撮ってはいけないのですか

1回だけ撮るならきれいに撮れます。問題は同じ条件で撮り続けられないことで、天候と時間帯で色も明るさも変わります。商品を追加するたびに写真の雰囲気が変わると、一覧に並べたときにちぐはぐになります。継続して出品するなら、ライトを使ったほうが揃います。

背景の白がどうしてもきれいに飛びません

背景と商品の距離を離してみてください。商品が背景に近いほど、商品の影が背景に落ちます。10cmでも離すと影が薄くなります。それでも残る場合は、レフ板を背景側にもう1枚足すか、明るさをもう少し上げます。

撮影代行に頼むといくらかかりますか

サービスによって料金体系が大きく違うため、ここで金額を書くと誤解を招きます。依頼を検討する場合は、点数・カット数・背景の指定・納期で見積もりが変わる点を押さえて、複数社に同じ条件で見積もりを取ってください。

撮った写真を、実際に商品ページに並べてみる

写真は、ページに載せてはじめて良し悪しがわかります。一覧でどう見えるか、拡大したときに耐えるか。まず1商品ぶん登録して、自分の目で確かめてみてください。

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