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長期修繕計画の見方|国交省ガイドラインのチェック表と、30年計画に入らない工事【2026年版】

長期修繕計画表と電卓。計画期間と推定修繕工事費を確認する

中古マンションを検討するとき、長期修繕計画表を渡されることがあります。何十行もある表と、30年分の年度が横に並んだ図。どこから見ればいいのか、迷います。

実は、見る順番は国土交通省が公表しています。「長期修繕計画作成ガイドライン」の第3章第3節に、チェック項目と、対応する様式番号を並べた表があります。

しかもガイドラインは、それを使う相手として購入予定者を名指ししています。「分譲時において、購入予定者は、分譲会社から提示された長期修繕計画(案)の内容及び設定した修繕積立金の額を(中略)標準様式を参考としてチェックすることができます」。

この記事は、そのチェック表を実際に使う形に落とします。使うのは国土交通省「長期修繕計画標準様式・長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」(平成20年6月、令和6年6月改定)だけです。金額の目安については修繕積立金の目安で別のガイドラインを扱ったので、そちらを参照してください。

結論:ガイドラインに、購入予定者向けのチェック表が載っている

チェックの方法が、表で示されている

ガイドラインの第3章第3節は「長期修繕計画の内容及び修繕積立金の額のチェックの方法」という節です。チェック項目、チェックの方法、該当様式の3列で構成された表が置かれています。

項目は9つあります。

  1. マンションの建物・設備の概要等
  2. 調査・診断の概要
  3. 長期修繕計画の作成の考え方
  4. 計画期間の設定
  5. 推定修繕工事項目の設定
  6. 修繕周期の設定
  7. 推定修繕工事費の算定(算定方法・数量計算・単価)
  8. 収支計画の検討
  9. 修繕積立金の額の設定

この記事では、太字にした4つを中心に扱います。買主が判断に使えて、かつ答えが明確に出る項目だからです。

「理由を確認する」と書かれている項目がある

チェック表の書き方に特徴があります。いくつかの項目には、基準に合わないときの動き方まで書かれています。

  • 長期修繕計画の作成の考え方:「標準様式と同様の項目と内容が記載されているか。記載されていないときは理由を確認する」
  • 推定修繕工事項目の設定:「推定修繕工事費が計上されていない項目があるか。あるときは理由を確認する」
  • 単価:「次の資料等と比較して、大きな差異があったときは理由を確認する」

「ないから駄目」ではなく「ないなら理由を聞く」。この構えで見ると、質問の形が決まります。

ガイドラインは説明も求めている

同じ節のコメントには、こうもあります。「また、分譲会社又は専門家は、このガイドラインを参考として、購入予定者又は依頼した管理組合に説明を行うことが必要です」。

買主が勝手に読むものではなく、説明されるべきものとして位置づけられています。分からない欄があれば、聞いて構いません。

この節がどこにあるかも押さえておくと便利です。ガイドラインは3編構成で、第1編が長期修繕計画標準様式、第2編がガイドライン本体、第3編がガイドラインとコメントを並べたものです。チェック表は第3編の第3章第3節、「長期修繕計画の内容及び修繕積立金の額のチェックの方法」にあります。

様式そのものも、同じ資料に収録されました。様式第1号から第5号まであり、チェック表の右の列に対応する様式番号が振られています。渡された計画表がどの様式に対応するかを突き合わせれば、足りない書面がその場で分かります。

計画期間は「30年以上、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上」

ガイドラインが定める計画期間

チェック表の4番目、計画期間の設定は、チェックの方法がはっきりしています。「30年以上かつ大規模修繕工事が2回以上含まれる期間となっているか」。

本文も同じです。「計画期間は、30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とします」。

この2つは別々の条件です。30年あればよいのではなく、その30年の中に大規模修繕工事が2回入っている必要があります。

なぜ「2回」なのか

コメントが理由を説明しています。「外壁の塗装や屋上防水などを行う大規模修繕工事の周期は部材や工事の仕様等により異なりますが、一般的に12~15年程度ですので、見直し時には、これが2回含まれる期間以上とします」。

12〜15年周期なら、2回で24〜30年。だから30年以上という数字が出てきます。

新築時についても書かれています。「新築時は、経年が30年程度において実施が見込まれる昇降機設備の取替えなどを含めた期間以上とします」。昇降機の取替えのような多額の工事が計画期間に入っているかどうかが基準です。

コメントは、その狙いも書いています。「計画修繕工事の実施時において修繕積立金が不足することがないように、多額の推定修繕工事費が見込まれる年度を含むように計画期間を設定する必要があります」。

標準管理規約でも同じ内容が示されている

ガイドラインは参考として、マンション標準管理規約第32条関係コメント②を引いています。「長期修繕計画の内容としては次のようなものが最低限必要である。1 計画期間が30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とすること」。

「最低限必要」という書き方です。渡された計画表の計画期間が25年や20年だった場合、この水準を下回っていることになります。

30年の計画に入らない工事がある

ガイドライン自身が注意している

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。

計画期間の設定のコメントに、こう書かれています。

「ただし、新築時に計画期間を30年とした場合であっても、窓のサッシ等の建具の取替えや給排水管の取替えなどは、修繕周期が計画期間を上回り、計画期間内に含まれていないことがありますので、見直しの際には注意が必要です」

30年の計画表を見て「これで全部」と考えると、30年より先に来る大きな工事が視野から抜けます。

ガイドラインの記載例には「計画期間外」の欄がある

標準様式第3-2号の記載例には、修繕周期の一覧が載っています。その表のいちばん右に「(参考)計画期間外に実施予定の工事」という列があります。

つまり、30年に収まらない工事を書く場所が、様式の側に用意されています。記載例で計画期間外に置かれているのは、次のような項目です。

項目 工事区分 修繕周期(例)
建具関係(窓のサッシ等) 取替 34〜38年
手すり 取替 34〜38年
屋外鉄骨階段 取替 34〜38年
金物類(メーターボックス扉等) 取替 34〜38年
避雷針設備 取替 38〜42年
給水管・排水管 取替 30〜40年

給水管と排水管の取替えは30〜40年です。30年の計画期間の、ちょうど端にかかります。計上されているかどうかで、必要な積立額が大きく変わる項目です。

「計上していない」と明示することが求められている

では、計画期間に入らない項目はどう扱われるのか。推定修繕工事項目の設定のコメントに、扱いが書かれています。

「新築時に計画期間を30年とした場合において、修繕周期が計画期間を上回る場合、『修繕周期に到達しないため推定修繕工事費を計上していない。』旨を明示します」

さらに続きます。「なお、計画期間内に修繕周期に到達しない項目に係る工事について、参考情報として当該工事の予定時期及び推定修繕工事費を明示するとともに、多額の費用を要するものは修繕積立金を計画的に積み立てる観点から、計画期間に応じた推定修繕工事費を計上」することが求められています。

本文のほうにも同じ趣旨があります。「マンションの形状、仕様等により該当しない項目、又は修繕周期が計画期間に含まれないため推定修繕工事費を計上していない項目は、その旨を明示します」。

だから、渡された計画表で先に探すのは「空欄」

チェック表の5番目は、まさにここを見ています。「標準様式と同様の項目が設定されているか。推定修繕工事費が計上されていない項目があるか。あるときは理由を確認する」。

渡された長期修繕計画表を開いたら、金額の合計を見る前に、項目が並んだ列を上から下まで見てください。そして、金額が入っていない行を探します。

その行に「修繕周期に到達しないため計上していない」といった注記があれば、ガイドラインどおりの作りです。注記がなく、ただ空欄になっているなら、そこが質問すべき場所です。

30年の計画表に「載らない工事」がある 0年 15年 30年 40年 計画期間(30年以上) 計画期間外 大規模修繕(外壁・屋上防水など)12〜15年周期 → 30年で2回 昇降機の取替 26〜30年/ガス管 28〜32年/貯水槽 26〜30年 給水管・排水管の取替 30〜40年 ← 計上されているかで積立額が変わる 建具・手すり・屋外鉄骨階段 34〜38年 避雷針設備 38〜42年 出典:国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン・同コメント」(令和6年6月改定)標準様式第3-2号記載例の修繕周期(参考)より作成

修繕周期の目安は、部位ごとに示されている

周期の定義

ガイドラインは、修繕周期をこう定義しています。「修繕周期は、劣化する建物の部位や設備の性能・機能を実用上支障がない水準まで経済的に回復させることができなくなるまでの期間をいいます」。

「壊れるまでの期間」ではなく、「経済的に回復させることができなくなるまでの期間」です。修繕で直せるうちに直す、という考え方が定義に入っています。

標準様式第3-2号記載例の周期(抜粋)

記載例に示されている周期の一部です。実際の計画表と突き合わせるときの目安になります。

部位 工事区分 周期(例)
屋上防水(保護・露出) 補修・修繕/撤去・新設 12〜15年/24〜30年
外壁塗装(雨掛かり部分) 塗替/除去・塗装 12〜15年/24〜30年
シーリング 打替 12〜15年
鉄部塗装(雨掛かり部分) 塗替 5〜7年
給水管 更生/取替 19〜23年/30〜40年
排水管 更生/取替 19〜23年/30〜40年
昇降機 補修/取替 12〜15年/26〜30年
機械式駐車場 補修/取替 5年/18〜22年
長期修繕計画の見直し - 5年

見落としやすいのは鉄部塗装の5〜7年と機械式駐車場の補修5年です。周期が短いので、30年の間に何度も出てきます。回数が多い項目は、単価が小さくても累計では効きます。

そして最後の行に注目してください。長期修繕計画の見直しそのものが、5年周期の費用項目として計上されています。計画を作り直す費用も、修繕積立金から出ます。

周期が短くても、長くてもコストになる

コメントは、周期設定の考え方も書いています。「修繕工事の時期は、早過ぎると不要な修繕となりますし、遅すぎても劣化が進み計画修繕工事費を増加させます」。

そして工事をまとめることの効果と注意も示されています。「修繕工事を集約すると、直接仮設や共通仮設の設置費用が軽減できるなどの経済的なメリットがあります。なお、集約を過剰に行うと、修繕積立金が一時的に不足することにもつながりますので、注意が必要です」。

仮設工事、つまり足場です。記載例では共通仮設・直接仮設とも12〜15年周期で計上されています。外壁と屋上を別々の年にやると、足場を2回組むことになります。

見直しのたびに積立金が上がる、構造的な理由

見直しは5年程度ごと

ガイドラインは、見直しが必要な理由を4つ挙げています。

  1. 建物及び設備の劣化の状況
  2. 社会的環境及び生活様式の変化
  3. 新たな材料、工法等の開発及びそれによる修繕周期、単価等の変動
  4. 修繕積立金の運用益、借入金の金利、物価、工事費価格、消費税率等の変動

そのうえで「5年程度ごとに調査・診断を行い、その結果に基づいて見直すことが必要です」と続きます。見直しの周期そのものは修繕積立金の目安でも触れました。

あわせて「見直しには一定の期間(おおむね1~2年)を要する」とも書かれています。5年ごとに、1〜2年かけて作り直す。それ自体が管理組合の仕事です。

15年目以降の見直しで、給排水管が入ってくる

ここが、値上げの構造的な理由です。コメントが具体例を挙げています。

「例えば、新築後15年目以降の見直しでは、新築当初の30年の計画期間では推定修繕工事費を計上していなかった給排水管の取替えなどについても計上が必要となる場合があります。これに伴って計画期間の推定修繕工事費が増加しますので、修繕積立金の額の見直しも必要となります」

新築時の30年計画は、0年から30年までを見ています。15年目に見直すと、計画期間は15年目から45年目までになります。すると、30〜40年周期の給排水管の取替えが、計画期間の中に入ってきます。

入ってくれば、推定修繕工事費の累計が増えます。累計が増えた分だけ、必要な積立額も上がる。これは運営の失敗ではなく、計画の仕組みから来る動きです。

均等積立方式でも上がる

ガイドラインは積立方法について「計画期間に積み立てる修繕積立金の額を均等にする積立方式(以下「均等積立方式」という。)を基本とします」としています。

ただし、そのすぐ後に注意が続きます。「なお、均等積立方式による場合でも5年程度ごとの計画の見直しにより、計画期間の推定修繕工事費の累計額の増加に伴って必要とする修繕積立金の額が増加しますので留意が必要です」。

段階増額積立方式についてはさらに強い書き方です。「計画の見直しにより、計画の作成当初において推定した増加の額からさらに増加しますので特に留意が必要です」。

2つの積立方式の違いと、令和6年6月改定で加わった0.6倍・1.1倍の目安は修繕積立金の目安で扱いました。

収支計画は、累計で足りているかを見る

チェックの方法は1行で書かれている

チェック表の8番目、収支計画の検討です。チェックの方法はこうです。

「計画期間の推定修繕工事費(注4)の累計額より修繕積立金(注5)の累計額が上回っているか」

該当様式は第4-1号(長期修繕計画総括表)と第4-2号(収支計画グラフ)です。総括表に累計が出ているので、そこを見ます。

比べるのは各年度ではなく、計画期間全体の累計です。年度単位では、大規模修繕工事のある年に支出が突出し、残高が大きく減ります。それ自体は計画どおりの動きです。

グラフのほうを見ると、残高の線が工事の年に落ち、その後また積み上がっていく形になります。問題になるのは、その線が途中でゼロを割るかどうかです。割る計画であれば、借入れか一時金か値上げのいずれかが前提になっています。

注に、含めるものが書かれている

何を含めるかは、注4と注5が定めます。

区分 含めるもの
支出(注4) 推定修繕工事費のほか、実施した計画修繕工事のための借入金がある場合は償還金を含める
収入(注5) 修繕積立金のほか、専用庭等の専用使用料や駐車場等の使用料などからの繰入金、修繕積立金の運用益、分譲時の修繕積立基金、必要に応じて徴収する一時金も含める

収入の側に「必要に応じて徴収する一時金」が入っている点に注意してください。収支が合っている計画でも、その内訳に一時金が織り込まれていることがあります。

駐車場使用料からの繰入金も同様です。機械式駐車場の空きが増えれば、この収入は減ります。累計で足りているかを見たあと、何で足りているかを見てください。

単価は、外部の資料と比べる

推定修繕工事費のうち単価については、チェックの方法に比較対象が示されています。「次の資料等と比較して、大きな差異があったときは理由を確認する」として、(一財)建設物価調査会の「マンションの改修工事費に関する調査・研究」の報告書と、「積算資料ポケット版マンション修繕編」の2つが並びます。

数量計算については、「『建築数量積算基準・同解説』等に準拠して算出した旨の記載があるか」を見るとされています。算出方法が書かれているかどうか、という確認です。

チェック表の9項目を、順番に使う

購入前に見るなら、この順番

ガイドラインのチェック表を、渡された資料で確認できる順に並べ替えると次のようになります。

見る順 確認すること 様式
1 計画期間が30年以上で、大規模修繕工事が2回以上含まれているか 第3-1号
2 推定修繕工事費が計上されていない項目があるか。あれば理由の注記があるか 第3-2号
3 修繕周期が適切に設定されているか(記載例と突き合わせる) 第3-2号
4 推定修繕工事費の累計より、修繕積立金の累計が上回っているか 第4-1号・4-2号
5 収入に一時金や駐車場使用料の繰入金が織り込まれていないか 第4-1号
6 均等積立方式になっているか 第5号
7 直近の見直しがいつか(5年程度ごと) 第3-1号

そもそも渡してもらえない場合

長期修繕計画表は、重要事項説明書の添付資料として必ず付くものではありません。管理費・修繕積立金の額や滞納、積立総額の記載は重要事項説明の対象ですが、計画表そのものは別です。詳しくは中古マンション重要事項説明書で扱いました。

売主または管理会社を通じて依頼することになります。あわせて、直近の総会議事録と管理規約の全文も依頼する価値があります。依頼して断られたという事実自体も、判断材料の1つです。

マンション管理センターの評価という方法もある

ガイドラインは「その他のチェックの方法」として、管理組合が必要に応じて、現状の長期修繕計画と公益財団法人マンション管理センターが行っている仕組みを利用することに触れています。

買主が直接使うものではありませんが、外部の評価を受けているかどうかは、管理組合の姿勢を示す情報になります。管理会社に任せきりで5年ごとの見直しが止まっている組合と、外部に確認を求めている組合では、今後の運営の見通しが変わります。

あわせて、直近の見直しがいつ行われたかを聞いてください。ガイドラインは見直しを5年程度ごととし、見直しにはおおむね1〜2年を要するとしています。前回から7年も8年も経っているなら、その計画表の数字は現在の工事費価格を反映していない可能性があります。

まとめ

長期修繕計画表の見方は、国土交通省のガイドラインにチェック表として載っていました。しかもガイドラインは、それを使う相手として購入予定者を名指ししています。

まず計画期間です。「30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上」。2つは別の条件で、標準管理規約でも「最低限必要」とされています。

次に空欄です。30年の計画には、建具・手すり・屋外鉄骨階段(34〜38年)、避雷針設備(38〜42年)、給排水管の取替え(30〜40年)が入らないことがあります。ガイドラインは「修繕周期に到達しないため推定修繕工事費を計上していない」旨を明示するよう求めています。注記のない空欄が、質問すべき場所です。

そして累計です。チェックの方法は「計画期間の推定修繕工事費の累計額より修繕積立金の累計額が上回っているか」。ただし収入側には一時金や駐車場使用料の繰入金も含まれるので、足りているかを見たあと、何で足りているかを見てください。

最後に、見直しで積立金が上がるのは仕組みです。新築後15年目以降の見直しで、当初は計上されていなかった給排水管の取替えが計画期間に入ってくる。ガイドライン自身がそう書いています。均等積立方式でも上がります。

30年分の表を全部読む必要はありません。計画期間、空欄、累計。この3つだけ先に見てください。

よくある質問(FAQ)

長期修繕計画の計画期間は何年あればよいですか

国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインは「計画期間は、30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上とします」としています。30年あればよいのではなく、その期間の中に大規模修繕工事が2回入っている必要があります。コメントによれば、大規模修繕工事の周期は一般的に12〜15年程度なので、2回で24〜30年になります。ガイドラインが参考として引くマンション標準管理規約第32条関係コメント②も、同じ内容を「最低限必要」としています。渡された計画表が25年や20年なら、この水準に届いていないことになります。

30年の計画があれば、30年間は安心ですか

計画期間に入らない工事があります。ガイドラインのコメントは「新築時に計画期間を30年とした場合であっても、窓のサッシ等の建具の取替えや給排水管の取替えなどは、修繕周期が計画期間を上回り、計画期間内に含まれていないことがありますので、見直しの際には注意が必要です」としています。標準様式第3-2号の記載例では、建具関係・手すり・屋外鉄骨階段の取替が34〜38年、避雷針設備が38〜42年、給水管・排水管の取替が30〜40年とされ、表の右端には「(参考)計画期間外に実施予定の工事」という列もあります。

計画表に金額が入っていない行があります

注記があるかを確認してください。ガイドラインは「マンションの形状、仕様等により該当しない項目、又は修繕周期が計画期間に含まれないため推定修繕工事費を計上していない項目は、その旨を明示します」としています。コメントはさらに、修繕周期が計画期間を上回る場合は「修繕周期に到達しないため推定修繕工事費を計上していない。」旨を明示し、参考情報として予定時期と推定修繕工事費も示すよう求めています。チェック表の側も「推定修繕工事費が計上されていない項目があるか。あるときは理由を確認する」としています。理由が書かれていない空欄が、確認すべき場所です。

なぜ修繕積立金は見直しのたびに上がるのですか

計画の仕組みから来ます。ガイドラインのコメントは「例えば、新築後15年目以降の見直しでは、新築当初の30年の計画期間では推定修繕工事費を計上していなかった給排水管の取替えなどについても計上が必要となる場合があります。これに伴って計画期間の推定修繕工事費が増加しますので、修繕積立金の額の見直しも必要となります」としています。新築時の30年計画は0年から30年を見ていますが、15年目に見直すと15年目から45年目が対象になり、30〜40年周期の工事が入ってきます。ガイドラインは、均等積立方式による場合でも見直しにより増加すると注意しています。

収支が足りている計画なら問題ありませんか

内訳を確認してください。ガイドラインのチェックの方法は「計画期間の推定修繕工事費の累計額より修繕積立金の累計額が上回っているか」ですが、注5により収入には「修繕積立金のほか、専用庭等の専用使用料や駐車場等の使用料などからの繰入金、修繕積立金の運用益のほか、分譲時の修繕積立基金や必要に応じて徴収する一時金」も含めるとされています。一時金の徴収が織り込まれている場合、それは将来の追加負担です。また駐車場使用料からの繰入金は、空きが増えれば減ります。累計で足りているかを見たあと、何で足りているかを見てください。

周期が短い項目で、見落としやすいものはありますか

鉄部塗装と機械式駐車場です。標準様式第3-2号の記載例では、鉄部塗装(雨掛かり部分・非雨掛かり部分とも)が5〜7年周期の塗替、機械式駐車場が5年周期の補修とされています。周期が短いので、30年の間に何度も出てきます。1回あたりの金額が小さくても、累計では効きます。また同じ記載例には「長期修繕計画作成費用 ①見直し 5年」という行もあり、計画を作り直す費用そのものが5年周期の項目として計上されています。

チェック表はガイドラインの中にあります

「長期修繕計画の内容及び修繕積立金の額のチェックの方法」は、第3章第3節にあります。標準様式の記載例(修繕周期の一覧)も同じ資料に収録されています。計画表を受け取る前に、目を通しておいてください。

長期修繕計画作成ガイドライン
国土交通省 マンション管理

本記事は一般的な情報提供を目的としています。記事中の修繕周期はガイドラインの記載例であり、個別のマンションの適切な周期は仕様・立地条件・調査診断の結果によって異なります。個別の判断はマンション管理士、建築士または管理組合の顧問にご相談ください。ガイドラインは令和6年6月改定版によります。

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