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HubSpotのオブジェクトは4つ|コンタクト・会社・取引・チケットの関係と、プランで使えない範囲

公開 2026年10月21日

地面に並べられた太い鎖

HubSpotを触り始めて最初に混乱するのが、情報をどこに入れればいいのかという点です。

人の情報、会社の情報、商談の情報、問い合わせの情報。入れる箱が分かれています。そして、箱どうしがつながっています。

この構造を理解しないまま使い始めると、あとで作り直すことになります。データが増えてからでは、直すのに何日もかかります。

この記事では、箱の種類と、つながり方の仕様を扱います。

先に結論:構造の3点

  1. 基本の箱は、コンタクト・会社・取引・チケットの4つです。
  2. 関連付けは常に双方向です。片側だけつながる状態はありません。
  3. 関係に名前をつける機能は、Professional以上でないと使えません。

そして、会社は自動で作られます。その条件を知らないと、紐づいていない顧客が静かに溜まります。

まず4つの箱を覚える

公式ヘルプでは、それぞれの箱を「オブジェクト」と呼んでいます。まず、基本の4つを押さえてください。

コンタクト 関わるすべての人 会社 取引先の法人 取引 商談の進み具合 チケット 問い合わせの記録 つながりは常に双方向です

コンタクトは「人」です

公式には、コンタクトの定義として「貴社と関わるすべての人」と記載されています。

見込み客も、既存顧客も、取引先の担当者も、すべてここに入ります。まだ受注していない人を除外する必要はありません。

会社は「法人」です

公式には、「貴社とのビジネスに関連するやり取りを伴うあらゆるビジネス」と記載されています。

1つの会社に、複数のコンタクトがぶら下がります。担当者が3人いれば、コンタクトは3件、会社は1件です。

取引は「商談」です

公式には、取引の進捗状況、所有者、その他詳細を保存すると記載されています。

以前の記事で書いた取引パイプラインが、ここに乗ります。金額と確度を持つのは、この箱だけです。

チケットは「問い合わせ」です

公式には、「カスタマーサポートへの問い合わせに関する情報」と記載されています。

受注後のやりとりを記録する箱です。商談の箱とは分けて考えてください。

レコードとプロパティーの関係

箱の中身にも、名前がついています。ここを理解すると、設定画面の言葉が読めるようになります。

レコードは1件分のデータです

公式には、レコードは「オブジェクトの個々のインスタンス」と説明されています。

言い換えると、コンタクトという箱に入っている1人分のデータが1レコードです。名刺1枚が1レコード、と考えると分かりやすい。

プロパティーは項目です

公式には、プロパティーは「レコード情報を保存するさまざまなフィールド」と説明されています。

氏名、電話番号、役職。これらが1つずつプロパティーです。既定のものに加えて、自分で作ることもできます。

どの箱に項目を作るかで結果が変わります

ここが実務で効いてきます。「業種」という項目を、コンタクト側に作るか、会社側に作るか。

業種は会社の属性です。コンタクト側に作ると、同じ会社の3人に同じ値を3回入れることになります。そして、1人だけ更新し忘れます。

関連付けは常に双方向です

箱どうしをつなぐことを、公式では「関連付け」と呼びます。

そして、重要な仕様があります。公式には「レコードAがレコードBに関連付けられている場合は、レコードBもレコードAに関連付けられています」と明記されています。

片側だけつなぐ、はできません

コンタクトから会社をつないだ時点で、会社の側からもそのコンタクトが見えます。別々に作業する必要はありません。

逆に言えば、片側で外すと、両側から消えます。ここを知らずに整理すると、相手側の画面から情報が消えて驚かれます。

つなげる数には上限があります

公式には、「オブジェクトペアごとに関連付けることができるレコード数は、HubSpotサブスクリプションによって異なります」と記載されています。

具体的な数は、公式の製品&サービスカタログで確認するよう案内されています。大量に紐づける運用を考えているなら、先に見てください。

解除の操作は簡単です

関連付けの解除は、対象の横のチェックボックスを選ぶ操作で行えます。簡単だからこそ、誤操作も起きます。

そして、解除してもレコード自体は消えません。つながりが切れるだけです。ここは安心してください。

プライマリー会社という例外

「常に双方向」と書きましたが、1つだけ例外の仕組みがあります。

プライマリーは会社側にだけあります

公式には、「オブジェクト→会社」の関係には既定の一方向のプライマリーラベルがあると説明されています。

つまり、コンタクトに「主となる会社」を指定することはできます。しかし、会社に「主となるコンタクト」を指定する仕組みは、既定では用意されていません。

複数の会社に紐づくときに効きます

1人のコンタクトが、複数の会社に関連付けられることがあります。親会社と子会社、両方に関わる担当者などです。

このとき、どちらが主かを決めるのがプライマリー会社です。レポートや自動化で参照されるのは、こちらになります。

「代表者を決めたい」には使えません

日本の会社でよくある要望が、「この会社の窓口はこの人、と決めておきたい」というものです。

これは、プライマリーの仕組みでは実現できません。会社側にプロパティーを作るか、次に説明するラベルを使うことになります。

会社は自動で作られます

ここを知らない人が多い。会社のレコードは、条件がそろうと自動で作られます。

メールアドレスのドメインで判定されます

公式には、コンタクトのメールアドレスのドメインが「会社のドメイン名」と一致すると自動で関連付けられると説明されています。

例として、sandra@example.com というアドレスのコンタクトは、example.com の会社に関連付けられると記載されています。

設定はオフにできます

公式には、オフにすると「Eメールアドレスと会社ドメインに基づいて会社が自動的に作成されたりコンタクトと関連付けられたりしなくなります。既存のレコードは変更されません」と記載されています。

つまり、途中でオフにしても、すでに作られた会社は残ります。止めれば消える、ではありません。

有効にするとき、過去分に適用するか選べます

公式には、有効化のときに既存のコンタクトへ遡って適用するかを選べると説明されています。「はい」なら既存にも適用、「いいえ」なら新規のみです。

すでに数千件のコンタクトがある状態で「はい」を選ぶと、会社レコードが一気に増えます。事前に、どれくらい増えるかを見積もってください。

フリーメールのコンタクトは紐づきません

日本の中小企業で、いちばん影響が出るのがここです。

ウェブサイトURLを見に行きます

公式には、無料のメールドメインの場合、HubSpotがコンタクトの「ウェブサイトURL」プロパティーも参照して、会社のドメイン名との照合を試みると記載されています。

そして、そのプロパティーに値がない場合は関連付けられません。

個人事業主や小規模の会社で起きます

取引先がフリーメールを使っている場合、会社に紐づかないコンタクトとして溜まっていきます。

この状態は、画面上ではエラーになりません。静かに、会社のないコンタクトが増えるだけです。気づくのは、会社別のレポートを出そうとしたときです。

対策は、フォームでURLを取ることです

問い合わせフォームに、会社のウェブサイトの欄を入れてください。ここが埋まれば、照合の材料になります。

以前の記事で書いたとおり、フォームの項目は増やすほど離脱します。それでも、この1項目は回収する価値があります。

関連付けラベルはProfessional以上

つながりに名前をつける機能が、関連付けラベルです。ただし、プランの制約があります。

無料版・Starter つなぐことはできます 関係に名前はつけられません Professional・Enterprise 決裁者、窓口、紹介者などを指定できます 作成にはスーパー管理者の権限が必要です

対象はProfessionalとEnterpriseです

公式ヘルプの対象プランには、各製品のProfessionalとEnterpriseが並んでいます。無料版とStarterは含まれていません。

つまり、下位のプランでも「つなぐ」ことはできますが、「関係の種類を記録する」ことはできません。

作成にはスーパー管理者の権限が要ります

公式には、関連付けラベルを作成するにはスーパー管理者権限が必要と記載されています。

この媒体で何度か書いた権限の話と同じです。担当者がその場で作れる設定ではありません。

ラベルは双方向で設定されます

公式には、ペアのラベルについて「一方のレコードにラベルを設定すると、関連付けられているレコードは自動的にペアのもう一方のラベルに設定されます」と説明されています。

片方に「決裁者」と入れれば、相手側には対になる名前が入ります。2回入力する必要はありません。

使用中のラベルは、そのままでは消せません

公式には、レコード内や他のツールで使用されている場合は、削除する前にそれらから除去する必要があると記載されています。

ラベルを増やしすぎると、あとで整理するのが大変になります。1つのオブジェクトのペアにつき作成できる数には上限がありますが、実務で使うのは3つか4つです。

プランが必要なオブジェクト

4つの基本の箱以外にも、オブジェクトはあります。ただし、プランの条件がついています。

機能・オブジェクト 公式に記載された必要プラン
コンタクト・会社・取引 プランの記載なし
リード Sales Hub Professional または Enterprise
ヘルプデスク Service Hub Professional または Enterprise
カスタムオブジェクト Enterprise

リードは無料版にはありません

公式には、「リードを使用するには、Sales Hub ProfessionalまたはEnterpriseサブスクリプションが必要です」と記載されています。

見込み客の管理をしたいだけなら、コンタクトのプロパティーで状態を分ければ足ります。以前の記事で書いたライフサイクルステージが、その役割です。

カスタムオブジェクトはEnterpriseです

公式には、「カスタムオブジェクトを使用するにはEnterpriseのご契約が必要です」と記載されています。

自社独自の箱を作りたい、という要望はよく出ます。しかし、最上位のプランが必要です。現実的には、既存の4つで設計することになります。

足りない分はプロパティーで補います

箱を増やせないなら、既存の箱に項目を足すのが基本の考え方です。

たとえば「物件」を管理したいなら、取引のプロパティーとして持たせる。完璧ではありませんが、無料の範囲で動きます。

日本の会社で起きる紐づけのずれ

公式の仕様どおりに動いていても、日本の商習慣では合わない場面があります。

1社が複数のドメインを持っている

本体とサービスサイトでドメインが違う会社があります。この場合、別々の会社レコードとして作られます。

以前の記事で書いた重複のマージで統合できますが、気づかないと別会社として集計されます。

グループ会社の扱い

親会社と子会社を、1つにまとめるか分けるか。先に決めてください。

請求先が親、担当者が子、という形はよくあります。取引をどちらに紐づけるかで、売上の集計が変わります。

屋号と法人名が違う

名刺の表記と登記上の名称が違う会社があります。どちらで登録するかを統一してください。

この媒体で繰り返し書いているとおり、命名の規則を決めるのは、データが少ないうちです。1,000件になってからでは、直す作業に丸一日かかります。

設計する順番

導入のときに、どこから手をつけるか。順番があります。

順番 やること 決めること
1 会社の登録ルール 法人名の表記、ドメインの扱い
2 コンタクトの登録ルール 会社アドレスで登録、重複の判定
3 取引の作り方 いつ作るか、どの会社に紐づけるか

会社から決める理由

会社が土台になるからです。会社の登録が乱れていると、その下のコンタクトも取引も乱れます。

逆に、会社さえ整っていれば、あとから紐づけ直せます。順番を守ってください。

取引を作るタイミングを決める

問い合わせが来た時点で作るのか、見積を出した時点で作るのか。会社によって違って構いません。

大事なのは、全員が同じタイミングで作ることです。ばらばらだと、パイプラインの数字が使えなくなります。

決めた内容は1枚にまとめておく

3つを決めたら、紙1枚に書いて共有してください。頭の中にあるだけでは、人が増えた時点で崩れます。

書く内容は多くありません。会社名の表記、コンタクトの登録アドレス、取引を作るタイミング。この3行で足ります。

やってはいけない4つ

最後に、あとで直すのが大変になる4つを挙げます。

1. 会社を作らずにコンタクトだけ入れる

最初は速いのですが、あとから会社別に見ようとした瞬間に詰まります。

そして、紐づけ直す作業は1件ずつです。件数が増えるほど、かかる時間が伸びます。

2. 同じ人を2件作る

部署が変わった、役職が変わった。そのたびに新しく作ってしまう人がいます。

同じメールアドレスなら、上書きしてください。履歴が1本につながっていることに価値があります。

3. 同じ項目を両方の箱に作る

業種をコンタクトにも会社にも作る。どちらが正なのか、誰も分からなくなります。

属性がどちらのものかで判断してください。人につくものか、法人につくものか。迷ったら、法人につくものは会社側です。

4. ラベルを増やしすぎる

関係の種類を細かく分けたくなります。しかし、増やすほど入力されなくなります。

そして、使用中のラベルは、使っている場所から外さないと削除できません。増やすのは簡単で、減らすのは手間です。

まとめ

構造を先に理解しておくと、あとの作業が減ります。

  1. 基本の箱は、コンタクト・会社・取引・チケットの4つです。
  2. 関連付けは常に双方向です。片側で外すと、両側から消えます
  3. プライマリーは「会社」の方向にだけある例外です。
  4. 会社はメールのドメインで自動作成されます。フリーメールはウェブサイトURLがないと紐づきません
  5. 関連付けラベルはProfessional以上。リードはSales Hub Professional以上、カスタムオブジェクトはEnterpriseです。

箱を増やせない前提で、4つをどう使うかを決める。それが、無料から始める会社の設計です。

よくある質問(FAQ)

コンタクトと会社は、両方作る必要がありますか

法人を相手にしているなら、両方作ってください。コンタクトは「貴社と関わるすべての人」、会社は「貴社とのビジネスに関連するやり取りを伴うあらゆるビジネス」と公式に定義されています。会社を作らずに進めると、会社単位で集計できなくなり、あとから紐づけ直す作業が1件ずつ発生します。

関連付けを片方だけ解除できますか

できません。公式には、レコードAがレコードBに関連付けられている場合はレコードBもレコードAに関連付けられている、と明記されています。片側で解除すると、両側から見えなくなります。なお、解除してもレコード自体は削除されません。

会社が勝手に作られるのはなぜですか

コンタクトのメールアドレスのドメインが会社のドメイン名と一致すると、自動で作成・関連付けが行われる仕組みがあるためです。設定でオフにできますが、公式には、オフにしても既存のレコードは変更されないと記載されています。すでに作られた会社は残ります。

フリーメールの顧客は会社に紐づきませんか

そのままでは紐づきません。公式には、無料のメールドメインの場合はコンタクトの「ウェブサイトURL」プロパティーも参照して照合を試みるが、値がない場合は関連付けられない、と記載されています。フォームで会社のウェブサイトを取得しておくと、照合の材料になります。

取引先との関係に「決裁者」などの名前をつけられますか

関連付けラベルという機能がありますが、対象は各製品のProfessionalとEnterpriseです。無料版とStarterでは、つなぐことはできても関係の種類を記録することはできません。作成にはスーパー管理者の権限も必要です。

自社独自のデータを入れる箱を作れますか

カスタムオブジェクトという仕組みがありますが、公式には、使用するにはEnterpriseの契約が必要と記載されています。下位のプランでは、既存の4つのオブジェクトにプロパティーを追加して対応することになります。

リード機能は無料版で使えますか

使えません。公式には、リードを使用するにはSales Hub ProfessionalまたはEnterpriseサブスクリプションが必要と記載されています。見込み客の状態を分けたいだけであれば、コンタクトのライフサイクルステージで代用できます。

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コンタクト管理・フォーム・メール配信・商談管理を1つにまとめたCRMプラットフォームです。コンタクト、会社、取引の3つは、プランの記載なく使えます。プランごとの違いと料金は公式サイトでご確認ください。

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