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フォーム営業の外注|「下請法」は当たらない。相手が1人なら別の法律が当たる

誰が誰に頼むかで、当たる法律が変わる

フォーム営業を外に出すとき、契約書に何を書けばよいのか。調べると下請法という言葉が出てきます。

ところが、この場面で下請法が当たることは、あまりありません。そして当たらない代わりに、別の法律が当たります。

3つの型を分ける

誰が誰に頼むか 主に当たる法律
事業会社が、自社の営業を代行会社に頼む 相手が1人なら、フリーランス法
代行会社が、顧客から請けた営業を別の会社に再委託する 取適法(旧 下請法)
事業会社や代行会社が、個人に頼む フリーランス法

2つ目だけが、旧来の下請法の領域です。自社の営業を外に出す場合は入りません。理由は条文の書き方にあります。

3つの問いで決める

順に答えてください。

1つ、自社の営業を外に出すのか。いいえ、つまり顧客に提供する営業の再委託なら、取適法を読みます。その場合も、相手が1人ならフリーランス法も重ねてかかります。

2つ、相手は1人の個人や一人会社か。いいえ、つまり従業員のいる会社なら、どちらの法律も当たりません。契約だけで決める場面になります。

3つ、1か月未満で終わるか。いいえ、つまり1か月以上続けるなら、禁止行為が加わります。6か月以上なら、やめるときの予告も加わります。

一番下まで来ても、明示義務は外れません。相手が1人なら必ずかかります。そしてどの経路でも、リストを渡すなら委託先の監督は別にかかります。

この記事で扱わないこと

フォーム送信そのものの可否は扱いません。フォーム営業は違法なのかとフォーム営業の自動送信は違法かで整理しました。

そして料金の相場も扱いません。出典のある数字が無いからです。この記事は、条文から読める線だけを引きます。

3つの問いで、当たる法律が決まる1はい自社の営業を外に出すいいえ顧客に提供する営業の再委託→ 取適法。相手が1人ならフリーランス法も2はい相手は1人の個人や一人会社いいえ相手は従業員のいる会社→ どちらの法律も当たらない。契約で決める3はい1か月未満で終わるいいえ1か月以上続ける→ 禁止行為が加わる。6か月以上なら予告も明示義務がかかる自社に従業員がいれば支払期日も2でいいえに進むと、どちらの法律も当たらない。契約だけで決める。1でいいえに進んだ場合は、相手が1人かどうかも続けて見る。一番下まで来ても、明示義務は外れない。相手が1人なら必ずかかる。どの経路でも、リストを渡すなら委託先の監督は別にかかる。

3つの問いに答えると、どの法律を読むかが決まる。

「下請法」という名前の法律は、もう無い

先に名前の話をします。下請法は改称されました。

現在の題名は製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律です。e-Govの条文データには、略称として中小受託取引適正化法と取適法が登録されています。

用語も変わりました。

旧 現在
下請代金支払遅延等防止法(下請法) 中小受託取引適正化法(取適法)
親事業者 委託事業者
下請事業者 中小受託事業者
下請代金 製造委託等代金

この記事では、以下すべて現在の用語で書きます。下請法は改称前の呼び方です。

中身が全部変わったわけではありません。ただし条番号や用語を引いて確認する場面では、現在の題名で探さないと条文にたどり着けません。

自社の営業は「役務提供委託」に当たらない

ここが本題です。取適法が対象にするのは、製造委託、修理委託、情報成果物作成委託、役務提供委託、特定運送委託の5つです。

営業を頼む行為は、このうち役務提供委託に当たるかどうかが問題になります。

条文を並べると、1つだけ書き方が違う

第2条の各項を並べてみてください。

製造委託(第1項)
  …を他の事業者に委託すること
  及び 事業者がその使用し又は消費する物品の製造を業として行う場合に…

修理委託(第2項)
  …を他の事業者に委託すること
  及び 事業者がその使用する物品の修理を業として行う場合に…

情報成果物作成委託(第3項)
  …を他の事業者に委託すること
  及び 事業者がその使用する情報成果物の作成を業として行う場合に…

役務提供委託(第4項)
  事業者が業として行う提供の目的たる役務の提供の行為の
  全部又は一部を他の事業者に委託すること

前の3つには「その使用する」から始まる後段がある。役務提供委託だけ、それが無い。

前の3つには、自分で使うものを外に作らせる場合を拾う後段があります。

役務提供委託には、それがありません。対象は「業として行う提供の目的たる役務」だけです。

読める線

自社の営業は、顧客に提供している役務ではありません。自社のために使う役務です。

だから事業会社が自社の営業を代行会社に頼む行為は、役務提供委託に当たらないと読めます。取適法の適用の外です。

フォーム営業も同じです。送信を代行してもらう行為は、自社のための役務です。

文面の作成を頼む場合は、別の項を見る

ただし、送る文面の作成まで頼む場合は、情報成果物作成委託のほうを見てください。

第7項第3号に「文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合により構成されるもの」とあります。文面はここに入り得ます。

そして情報成果物作成委託には「その使用する情報成果物の作成」という後段があります。自社で使う文面を作らせる場合も、文言の上では入ります。

つまり、送信だけを頼むのか、文面も作らせるのかで、見る項が変わります。

代行会社が再委託する場合は、当たる

立場が変わると、結論も変わります。

営業代行会社が顧客から請けた営業の一部を別の会社に出す場合、その営業は業として行う提供の目的たる役務です。

だから役務提供委託に当たります。取適法の中に入ります。

ただし、規模の条件がある

当たるかどうかは、双方の規模で決まります。役務提供委託の場合、第2条第8項のうち使えるのは第3号、第4号、第6号です。

委託する側 受ける側
資本金または出資の総額が5千万円超 個人、または資本金5千万円以下の法人
資本金または出資の総額が1千万円超5千万円以下 個人、または資本金1千万円以下の法人
常時使用する従業員が100人超 常時使用する従業員が100人以下の個人または法人

第1号と第2号の区分(資本金3億円の線)は、ここでは使えません。

第1号は「政令で定める役務」に限られていて、その政令が第2条第8項第1号の情報成果物及び役務を定める政令です。

指定されている役務は3つだけ。運送、物品の倉庫における保管、情報処理です。情報成果物はプログラムのみ。

営業はここに入りません。だから第1号の線は当たらず、第3号以降で判断します。

規模が小さければ、どちらも外れる

資本金1千万円以下で従業員100人以下なら、委託する側として取適法には入りません。

ここで安心して終わらないでください。取適法から外れても、相手が1人ならフリーランス法が当たります。

相手が1人なら、別の法律が当たる

特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律です。e-Govに登録されている略称はフリーランス・事業者間取引適正化等法。

相手の条件が先に決まる

この法律が守るのは「特定受託事業者」です。第2条第1項で、2つに限っています。

特定受託事業者 当たらない相手
従業員を使用しない個人 従業員を雇っている個人事業主
代表者以外に役員がなく、従業員を使用しない法人 役員が2人以上いる法人、従業員のいる法人

相手の条件を先に確かめてください。従業員のいる代行会社に頼む場合、この法律は当たりません。

逆に、1人でやっている代行者や、一人会社に頼む場合は当たります。成果報酬で個人に頼む形は、ここに入ります。

自社の側の条件

自社の側は2つに分かれます。

業務委託事業者
  特定受託事業者に業務委託をする事業者すべて
  → 第3条の明示義務がかかる

特定業務委託事業者(第2条第6項)
  ・従業員を使用する個人
  ・2以上の役員があるか、従業員を使用する法人
  → 第4条の支払期日、第5条の禁止行為、第16条の予告もかかる

一人でやっている側が、一人に頼む場合。
明示義務はかかるが、支払期日や予告はかからない

条文の主語が「業務委託事業者」か「特定業務委託事業者」かで、かかる義務が変わる。

この主語の違いが実務の分かれ目です。第3条だけは、規模にかかわらずかかります。

条文が「自らに役務の提供をさせること」を含めている

取適法との違いは、業務委託の定義です。第2条第3項第2号にこうあります。

「事業者がその事業のために他の事業者に役務の提供を委託すること(他の事業者をして自らに役務の提供をさせることを含む。)」

かっこ書きが入っています。自分のために役務を提供させる場合も、業務委託です。

取適法の役務提供委託には、この後段がありませんでした。だから自社の営業を外に出す行為は、取適法では拾われず、フリーランス法では拾われます。

委託した時点で明示する3項目

第3条です。業務委託をした場合、直ちに明示しなければなりません。

条文が挙げている項目

条文の文言は「特定受託事業者の給付の内容、報酬の額、支払期日その他の事項」です。

項目 フォーム営業での中身
給付の内容 何件に送るか。どのリストを使うか。文面を誰が作るか
報酬の額 固定か、件数あたりか、成果あたりか。計算のしかた
支払期日 いつ払うか。後述のとおり期限がある

その他の事項は公正取引委員会規則で定められています。条文だけ読んで3つで足りると考えないでください。規則を確認してから様式を作ります。

方法は書面か電磁的方法

書面でも、電磁的方法でもよい。ただし電磁的方法で明示した場合、相手から書面の交付を求められたら、遅滞なく交付しなければなりません(第2項)。

つまり、メールやチャットで済ませても構いませんが、後から書面を求められる前提で記録を残してください。

内容が決まらない項目がある場合

第1項にただし書きがあります。内容が定められないことにつき正当な理由がある項目は、明示を要しない。ただし定まった後、直ちに明示する必要があります。

これを使って全部を後回しにしないでください。正当な理由があるものだけで、しかも決まったら直ちに出す義務が残ります。

成果報酬のときは計算のしかたを先に書く

成果報酬で頼む場合、報酬の額ではなく計算のしかたを明示に含めてください。

書く   1件のアポイントにつき報酬を定める
書く   アポイントの定義(日程が確定した商談を指す)
書く   取り消しになった場合の扱い
書く   二重計上を避けるための条件(同一法人は月に1件まで等)

後から計算のしかたを変えると、
第5条第1項第2号の「報酬の額を減ずること」に近づく

成果が出なかったぶんを払わないのは減額ではない。計算のしかたを後から変えるのが減額。

ここは混同されやすいところです。決めた計算で成果が0なら、支払いも0です。それは減額ではありません。

減額になるのは、決めたあとに単価を下げる、条件を追加する、確定したぶんを取り消すといった行為です。

期間で増える義務。1か月と6か月

フリーランス法の義務は、期間によって増えます。

期間が長いほど、義務が増える委託した日1か月6か月明示義務すべての委託支払期日60日従業員がいる場合禁止行為5つ1か月以上30日前の予告6か月以上帯の左端が、その義務がかかり始める時点。明示義務は1回だけの依頼にもかかる。支払期日は自社に従業員がいる場合。1か月以上にすると、報酬の減額や買いたたきの禁止が加わる。6か月以上にすると、やめるときに30日前の予告が要る。期間は契約の更新で通算される。短く切っても積み上がる。

明示義務と支払期日は最初から。禁止行為は1か月以上、予告は6か月以上。

支払期日は60日以内(第4条)

特定業務委託事業者は、役務の提供を受けた日から起算して60日の期間内、かつできる限り短い期間内に支払期日を定めなければなりません。

検査をするかどうかは関係ありません。条文に明記されています。

そして第2項にみなし規定があります。

状態 みなされる支払期日
支払期日を定めなかった 役務の提供を受けた日
60日を超える期日を定めた 役務の提供を受けた日から起算して60日を経過する日

つまり定めなければ即日払いとみなされます。長めに取ったつもりの契約が、条文で60日に戻されます。

再委託なら30日以内(第4条第3項)

自分が元委託者から請けた業務を再委託した場合は、元委託支払期日から起算して30日の期間内になります。

ただし条件があります。第3条の明示で、再委託である旨、元委託者の氏名または名称、元委託支払期日などを示した場合に限る。

示さなければ、原則の60日が適用されます。再委託だと伝えていないなら、元委託者の入金待ちは理由になりません。

1か月以上なら禁止行為が加わる(第5条)

第5条は「政令で定める期間以上の期間行うもの」に限られます。その期間は施行令第1条で1月と定められています。

そして契約の更新で1か月以上続くことになるものも含まれます。短く切って更新を重ねても、通算されます。

禁止される行為 役務の委託での扱い
責めに帰すべき事由がないのに受領を拒む 役務の委託では除かれる
責めに帰すべき事由がないのに報酬の額を減ずる かかる
受領後に引き取らせる 役務の委託では除かれる
著しく低い報酬の額を不当に定める かかる
自己の指定する物や役務を強制して購入・利用させる かかる

第1号と第3号が除かれるのは、受領と引き取りが物の話だからです。残る3つが、営業の委託で効いてきます。

第2項もあります。経済上の利益を提供させること、責めに帰すべき事由がないのに給付をやり直させること。どちらも相手の利益を不当に害してはならないという形で書かれています。

6か月以上なら30日前の予告(第16条)

第16条は継続的業務委託が対象です。その定義は第13条にあり、期間は施行令第3条で6月と定められています。

継続的業務委託の契約を解除する場合、少なくとも30日前までに予告しなければなりません。契約期間の満了後に更新しない場合も含みます。

そして相手が理由の開示を請求した場合、遅滞なく開示する必要があります。

ここも更新で通算されます。3か月契約を2回更新した時点で、6か月以上になります。やめるときに、いきなり切れません。

法令の外側で、自社が決めること

条文を満たしても、委託がうまく回るわけではありません。決めるのは自社です。

渡すものは3つ

渡す先と条件を外部が決めることはできません。この考え方はインサイドセールスの立ち上げ30日で書きました。渡すのは3つです。

渡すもの 書く内容
送ってよい条件と、受け取る人 どの状態で渡すか。誰が受け取るか
記録の項目を自社の様式で出す指定 委託先の形式だと、やめた瞬間に使えなくなる
禁止事項 送ってはいけない相手と、使ってはいけない情報源

情報源を契約に1行入れる

禁止事項のうち、情報源は条文ではなく規約の問題です。

地図サービスの規約は、大量取得を禁止行為に挙げ、かっこ書きで「その行為を第三者に委託すること」まで含めています。この整理は地図サービスから営業リストを作っていいのかで書きました。

だから契約に1行入れてください。利用規約が大量取得を禁止している情報源から取得しないこと。

リストを渡すなら、委託先の監督義務

自社のリストを渡す場合、個人情報の保護に関する法律第25条がかかります。委託先に対する必要かつ適切な監督を求める条文です。

担当者名が入っていれば個人データです。委託の場合は第三者提供に当たらない整理になりますが、監督義務は残ります。一斉送信とBCCの事故で触れた報告義務も、委託先での漏えいに及びます。

指示の出し方には線がある

最後に1つ。労働者派遣法第2条第1号は、労働者派遣を「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定義しています。

委託先が雇っている人に、自社が直接指示を出す形は、この定義に近づきます。

どこからが指揮命令に当たるかは、告示と運用で決まるので、ここでは踏み込みません。文面と送信先の条件を指定する行為は、成果物の指定です。作業の時間や進め方を日々指示する形とは、分けて考えてください。

迷う場合は、やることを決めるのは自社、やり方を決めるのは委託先という形に寄せると整理しやすくなります。

まとめ

  • 下請法は改称された。現在は中小受託取引適正化法(取適法)。親事業者は委託事業者、下請事業者は中小受託事業者に変わった
  • 取適法の役務提供委託には「その使用する」の後段が無い。製造・修理・情報成果物作成の3つにはある
  • だから自社の営業を外に出す行為は、役務提供委託に当たらないと読める
  • 文面の作成まで頼むなら情報成果物作成委託のほうを見る。こちらには自家使用の後段がある
  • 代行会社が顧客から請けた営業を再委託する場合は当たる。業として行う提供の目的たる役務だから
  • その場合に使う区分は第3号・第4号・第6号。資本金3億円の線(第1号)は政令指定役務だけで、営業は入らない
  • 政令で指定されているのは運送・物品の倉庫における保管・情報処理の3つだけ
  • 取適法から外れても、相手が1人ならフリーランス法が当たる
  • 特定受託事業者は従業員を使用しない個人、または代表者以外に役員がなく従業員を使用しない法人
  • フリーランス法の業務委託の定義は「自らに役務の提供をさせることを含む」と明記している。ここが取適法との違い
  • 条文の主語を見る。第3条は業務委託事業者、第4条と第5条と第16条は特定業務委託事業者
  • 第3条の明示は直ちに。給付の内容、報酬の額、支払期日と、規則で定める事項
  • 電磁的方法で明示しても、書面の交付を求められたら遅滞なく交付する
  • 成果報酬なら計算のしかたを明示に含める。成果0で支払い0は減額ではないが、後から計算を変えるのは減額に近づく
  • 支払期日は役務の提供を受けた日から60日以内。定めなければ受領日が、60日超なら60日目がみなされる
  • 再委託は元委託支払期日から30日以内。ただし再委託である旨を明示した場合に限る
  • 第5条の禁止行為は1か月以上の委託が対象。役務の委託では受領拒否と引き取りが除かれ、減額・買いたたき・購入強制が残る
  • 第16条の30日前予告は6か月以上の継続的業務委託が対象。不更新も含み、理由の開示請求にも応じる
  • 期間は契約の更新で通算される。短く切っても積み上がる
  • 法令の外側では、渡す3つ・情報源の1行・委託先の監督を自社で決める

外注の契約で迷うのは、読む法律を間違えているからです。自社の営業を外に出すなら、見るのは取適法ではありません。相手が1人かどうかを先に確かめて、フリーランス法の条文を読んでください。そのうえで、渡す条件と記録の様式と禁止事項は、自社で決めます。

なお本稿は条文の原文から線を引いたものです。個別の事案については、条文と各ガイドラインを確認してください。

よくある質問

フォーム営業は代行に頼んでもいいですか

法令上、代行そのものを禁じる条文はありません。ただし決めることが2つあります。1つは契約で、相手が従業員を使用しない個人や一人会社なら、フリーランス法の明示義務と支払期日がかかります。もう1つは自社で決める部分で、送ってよい条件、記録を自社の様式で出す指定、そして使ってはいけない情報源の3つです。フォーム送信そのものの可否は、別の記事で条文から整理しました。

営業代行の契約書には何を書けばいいですか

相手が従業員を使用しない個人や一人会社なら、フリーランス法第3条の明示事項が出発点です。給付の内容、報酬の額、支払期日と、公正取引委員会規則で定める事項。成果報酬なら報酬の額ではなく計算のしかたを書いてください。そして支払期日は、役務の提供を受けた日から60日以内に定める必要があります。定めなければ受領日が支払期日とみなされます。

営業代行の委託で違法になるのはどんな場合ですか

条文上の問題になりやすいのは4つです。1つ、明示をしないこと。これは相手が1人なら規模にかかわらずかかります。2つ、支払期日を60日より後に定めること。定めなくても受領日とみなされます。3つ、1か月以上の委託で、決めた報酬を後から減らすこと。4つ、6か月以上の委託を30日前の予告なしで終わらせること。このほか、自社のリストを渡す場合は個人情報保護法第25条の監督義務がかかります。

営業代行の成果報酬で、成果が出なければ払わなくてよいですか

決めた計算で成果が0なら、支払いも0です。これは減額ではありません。問題になるのは、決めたあとに単価を下げる、条件を追加する、確定したぶんを取り消すといった行為です。1か月以上の委託なら、フリーランス法第5条第1項第2号が「責めに帰すべき事由がないのに報酬の額を減ずること」を禁じています。だから計算のしかたを、委託した時点の明示に含めてください。

営業の業務委託に下請法は当たりますか

まず、下請法という名前の法律は現在ありません。題名は製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律で、略称は中小受託取引適正化法です。そして自社の営業を外に出す場合、役務提供委託には当たらないと読めます。第2条第4項の対象は「業として行う提供の目的たる役務」で、製造委託や情報成果物作成委託にある「その使用する」という後段がありません。代行会社が顧客から請けた営業を再委託する場合は、当たります。

営業代行でよくあるトラブルは何ですか

条文に関わるものとしては、支払期日の認識違いと、報酬の計算の食い違いです。どちらも委託した時点の明示で防げます。条文の外では、渡された案件が使えないという不満が起きます。原因は委託先の質ではなく、渡してよい条件を渡していなかったことです。そして情報源の確認漏れ。納品されたリストの出どころを聞いていないと、規約違反の産物を受け取ることになります。

委託先に指示を出してもいいですか

労働者派遣法第2条第1号は、労働者派遣を「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させること」と定義しています。委託先が雇っている人に自社が直接指示を出す形は、この定義に近づきます。どこからが指揮命令に当たるかは告示と運用で決まるので、断定はしません。整理のしかたとしては、やることを決めるのは自社、やり方を決めるのは委託先。文面と送信先の条件を指定するのは成果物の指定で、作業の時間や進め方を日々指示する形とは分けて考えてください。

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