この記事の内容
時間帯の問いは3つに分かれている
テレアポは何時にかけるべきか。この問いを検索すると、10時から11時、14時から16時といった答えが出てきます。
ただし、この問いは1つではありません。3つの別の問いが混ざっています。
3つの問い
| 問い | 答えの所在 | 自分で決められるか |
|---|---|---|
| かけてはいけない時刻はあるか | 特定商取引法・施行規則・通達 | 決められない。条文と通達に従う |
| つながりやすい時刻はいつか | 自社の架電記録 | 測れば決まる |
| アポが取れやすい時刻はいつか | 自社の架電記録 | 測れば決まるが、2つ目と一致しない |
1つ目は法律の話です。2つ目と3つ目は測定の話で、しかもこの2つは別々の答えになります。
混ざると答えが出ない
解説記事の多くは、この3つを1つにまとめて「おすすめの時間帯」として提示します。すると読者は、法律で決まっているのか、平均的にそうなのか、自社でも同じなのかが分からないまま受け取ることになります。
この記事では3つを分けて扱います。1つ目は条文と通達で確定します。2つ目と3つ目は、測る手順を示します。
2つ目と3つ目を掛ける
接続率と通過率は別の指標。片方が高い時間帯が、もう片方でも高いとは限らない。
法律で禁止される時刻はあるのか
まず1つ目の問いを条文で確定させます。答えは2段になります。条文に時刻は書かれていません。ただし通達に「午後9時から午前8時まで等」という具体例があります。
「迷惑を覚えさせるような仕方」という条文
電話での勧誘に関係するのは特定商取引法の電話勧誘販売の規定です。同法第22条第1項は、主務大臣が指示できる行為を列挙しており、その第5号が主務省令に委ねています。
その主務省令が特定商取引に関する法律施行規則第64条です。第1号にこう書かれています。
「電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の締結について迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘をし、又は電話勧誘販売に係る売買契約若しくは役務提供契約の申込みの撤回若しくは解除について迷惑を覚えさせるような仕方でこれを妨げること。」
ここに時刻はありません。深夜は禁止、といった線は条文の文言としては存在しません。
通達に「午後9時から午前8時まで等」と書かれている
では何時が不適当なのか。これは「特定商取引に関する法律等の施行について」(令和4年6月22日付、消費者庁次長・経済産業省商務・サービス審議官)に書かれています。
訪問販売の禁止行為を定めた規則の解釈として、こうあります。
「『迷惑を覚えさせるような仕方』とは、客観的にみて相手方が迷惑を覚えるような言動であればよく、実際に相手方が迷惑と感じることは必要ではない。具体的には、正当な理由なく不適当な時間帯に(例えば午後9時から午前8時まで等)勧誘をすること、長時間にわたり勧誘をすること、執ように何度も勧誘をすること等はこれに該当することが多いと考えられる。」
そして電話勧誘販売については、この解釈を参照したうえで、こう書かれています。
「具体的には、深夜早朝や長時間の電話勧誘及び職場への電話勧誘については、相手方がそれを承諾しているケース等を除いて、『迷惑を覚えさせるような仕方』での勧誘に該当する場合が多いと考えられる。」
条番号の注意この通達は改正前の条番号で書かれており、訪問販売を「省令第7条第1号」、電話勧誘販売を「省令第23条第1号」と呼んでいます。現行の施行規則では、それぞれ第18条第1号と第64条第1号にあたります(条文の文言が一致します)。条番号だけで検索すると見つからないので注意してください。
ここから3つ読み取れます。1つ目、午後9時から午前8時は例示であって、それ以外の時間が安全という意味ではありません。2つ目、相手が実際に迷惑と感じたかは要件ではない。3つ目、時刻だけでなく長さと回数も判断に入ります。
この規制が及ぶ範囲
次に、どこまでこの規制がかかるかです。同法第26条第1項第1号は、次の契約について前三節の規定を適用しないと定めています。
「売買契約又は役務提供契約で、(中略)申込みをした者が営業のために若しくは営業として締結するもの又は購入者若しくは役務の提供を受ける者が営業のために若しくは営業として締結するものに係る販売又は役務の提供」
ここが重要です。基準は「相手が法人か個人か」ではありません。「その契約が営業のために、または営業として締結されるか」です。
| かける相手 | 提案する商材 | 適用除外になるか |
|---|---|---|
| 法人 | その会社の事業で使うもの | なる |
| 個人事業主 | その事業で使うもの | なる |
| 法人の従業員 | その人が私的に使うもの | ならない |
| 個人宅 | 家庭で使うもの | ならない |
つまり個人事業主が相手でも、事業用の商材なら適用除外です。逆に法人の番号にかけても、担当者本人が私的に使うものを売るなら除外になりません。
そして通達が「職場への電話勧誘」を挙げているのは、この後者の場面です。職場にかけて個人向けの商品を勧める行為が想定されています。
それでも時間帯を決める理由
事業者向けの商材だけを扱っているなら、この規制は及びません。ただし何時でもよいことにはなりません。理由は3つあります。
1つ目、事業用と私的用の両方に使える商材の場合。通信回線、車両、保険、パソコン。これらは購入の目的で線が動くので、送信先の属性だけでは判断できません。迷う場合は厳しい側で運用してください。
2つ目、リストに個人宅が混ざる場合。除外にならないので、規則第64条第1号が効いてきます。
3つ目、迷惑と受け取られた時点で商談は終わるからです。法令上問題が無くても、成果にはつながりません。法律の線と、実務の線は別に引きます。
「10時がおすすめ」の出どころを探した
次に、流通している時間帯の根拠を確認しました。
確認した記事に書かれていたこと
公開されている解説記事9本を、1本ずつ本文まで読みました。挙げられていた時間帯は、おおむね次のとおりです。
| 推奨されていた時間帯 | 添えられていた理由 |
|---|---|
| 10時から11時半 | 始業後のメール処理や朝の報告が一段落している |
| 14時から16時 | 昼休みが明けて、デスクにいる時間帯 |
| 16時から18時 | 担当者が外出から戻っている |
| 個人向けは17時から20時 | 勤務時間の後 |
9本のうち7本が業種別の推奨時間も挙げており、分け方はおおむね一致していました。
出典の記載
数値まで出していた記事は、9本のうち1本だけでした。医療機関向けの架電で、11時から12時の接続率が23.2%と書かれています。
ただし出典の表記は「弊社のインサイドセールスの事業において分析」というもので、調査年、母数、対象の内訳は書かれていません。自社の顧客構成に依存する値なので、他社が当てはめられるものではありません。
残りの8本には、時間帯ごとの数値がありませんでした。調査名、調査機関、調査年、母数のいずれかを書いていた記事は、9本とも0本です。
付記すると、1本は冒頭に「本記事は主観を多分に含んでおります」と明記していました。誠実な書き方だと思います。
確認できたこと時間帯別の接続率やアポ率について、第三者が検証できる形で公開された調査は見つかりませんでした。業界団体の統計も、公的機関の調査もありません。示されていた1件の数値も、出す側の顧客構成に依存する自社データです。
法令の記述は3本に分かれた
時間帯の法的な扱いについては、9本の書き方が分かれていました。ここは読者の判断を左右するので、内訳を書いておきます。
| 書かれていたこと | 本数 | 確認した結果 |
|---|---|---|
| 通達を挙げて「午後9時から午前8時」と書いた | 3本 | 通達の文言と一致する |
| 「特定商取引法で20時以降は禁止」と書いた | 1本 | 通達の例示は午後9時から。20時という線は見つからない |
| 「法人向けは規制対象外」と書いた | 1本 | 方向は正しいが、条文番号の引用はない |
| 法令に触れていない | 4本 | マナーの話として時間帯を扱っている |
20時という線を書いた記事は、おそらく通達の趣旨を安全側に寄せたのでしょう。ただし条文にも通達にも20時という数字はありません。根拠として引くなら、午後9時から午前8時が正しい記述です。
理由付けは推論である
ここで大事なのは、添えられている理由が間違っているとは言えないことです。始業直後は朝礼やメール処理で忙しい。これは多くの職場で当てはまるでしょう。
ただし、それは推論です。データではありません。そして推論が当てはまる度合いは、送信先の業種と規模で変わります。
建設業の現場に近い会社なら、朝は事務所に人がいて、昼以降は出ています。小売なら、開店前と閉店後に事務作業をしています。一般論の時間帯が自社の送信先に当てはまる保証はありません。
なぜ横断的な調査が存在しないのか
時間帯別の接続率を出すには、同じ定義で記録された架電データが複数社ぶん必要になります。その記録は各社の中にあり、定義も揃っていない。横断的に集められる立場の人がいないのです。
だからこの論点は、外に答えを探すより自分で測るほうが速い。測るコストも低く、架電の順番を変えるだけで追加の費用はかかりません。
つながる時間帯を自分で測る
では、どう決めるか。2つ目の問いから始めます。つながりやすい時刻です。
測るのは接続率だけ
最初に測るのは接続率です。分母と分子を先に決めます。
分母は、その時間帯に架電した件数。分子は、人が出た件数です。相手が誰であっても、人が出れば分子に入れます。
この定義だと、受付が出ても担当者が出ても同じ1件になります。粗いように見えますが、最初はこれで足ります。細かく分けるのは、件数が溜まってからです。
3つの時間帯に分けて始める
最初から1時間刻みで分けないでください。区分を細かくすると、どの区分も件数が足りなくなります。
- 午前。始業後から昼休み前まで
- 昼過ぎ。昼休み明けから15時台まで
- 夕方。16時台から終業前まで
この3区分で始めて、各区分に十分な件数が溜まってから割ります。割るのは、最も差が大きかった区分の中だけで構いません。
件数が足りるまでの目安
接続率が30%前後の水準なら 1区分100件 接続30件 ±の幅が大きく、区分間の差は読めない 1区分300件 接続90件 傾向が見え始める 1区分500件 接続150件 判断に使える 3区分で500件ずつ = 1,500件たまるまでは、全体の接続率だけ見る
区分ごとに数百件たまるまで、時間帯の比較は判断に使わない。
1,500件は少なくない数です。ですが、時間帯を変える施策はコストがほぼゼロなので、先に測るより先に均等に配分して、後から振り返るほうが早い。
具体的には、最初の数か月は3区分に均等に架電してください。偏らせると、件数の多い区分だけが精度良く出て、比較になりません。
つながる時間帯と、通る時間帯は別
ここが3つ目の問いです。そして最も見落とされる点です。
接続率が高い時間に通過率が低いことがある
始業直後は、人がいるので接続率が上がりやすい。一方で、朝礼中や朝のメール処理中は「後にしてほしい」と切られやすくなります。
つまり接続率と通過率は、同じ方向に動くとは限りません。接続率だけを指標にすると、つながるが通らない時間帯に架電を集めてしまいます。
通過率の定義も決めておきます。分母は人が出た件数、分子は担当者と会話できた件数です。歩留まりの段階の分け方はテレアポの記録項目で書いた5択と同じです。
2つを掛けた値で判断する
午前 接続率 38% 通過率 18% → 0.38 × 0.18 = 6.8% 昼過ぎ 接続率 31% 通過率 26% → 0.31 × 0.26 = 8.1% 夕方 接続率 24% 通過率 29% → 0.24 × 0.29 = 7.0% 接続率だけ見ると午前が最良。 掛けると昼過ぎが最良になる。
この数値は計算例。自社の値を入れて比べる。順位が入れ替わることを確認するための例。
掛けた値は、架電1件あたり担当者に届く確率です。これが時間帯の価値になります。
そしてこの順位が入れ替わるかどうかは、自社で測らないと分かりません。入れ替わらない会社もあります。どちらであっても、掛けて比べれば判断を誤りません。
どちらを優先するか
掛けた値がほぼ同じだった場合、通過率の高い時間帯を選んでください。
理由は、担当者と会話した回数が多いほど、トークの改善材料が溜まるからです。接続だけ多くても、受付で切られた記録からは学べるものが少ない。
改善の材料が増える方を選ぶ。これはトークスクリプトの作り方にも効いてきます。
時間帯より先に効くもの
時間帯は調整しやすいので、最初に手を付けたくなります。ただし効果の大きさでは、先に見るものがあります。
リストの鮮度
不通が多い場合、時間帯の問題ではありません。番号が変わっているか、会社が無くなっています。
時間帯を変えても、存在しない番号はつながりません。不通の割合が高いなら、先にリストを直してください。判断の材料は営業リストの鮮度にまとめました。
曜日と時間帯のどちらを先に試すか
曜日を先にしてください。理由は、曜日のほうが件数が溜まりやすいからです。
時間帯を3区分に割ると、1区分あたりの件数は3分の1になります。曜日は5区分ですが、週ごとに全曜日が回るので、均等に溜まります。時間帯は、架電の習慣で偏ります。
そして曜日の差が見えたら、その曜日の中で時間帯を割る。この順番だと、区分あたりの件数を確保しやすくなります。
変えるのは1つだけ
時間帯とトークを同時に変えないでください。数字が動いても、どちらが効いたのか分かりません。
この原則は営業メールは何時に送るべきかで書いたものと同じです。1度に変えるのは1つ。次の週の数字を見てから、次を変えます。
実務として避ける時間帯
法律の線とは別に、実務の線があります。ここは根拠が推論であることを前提に読んでください。
始業直後と昼
始業から30分は、朝礼や当日の段取りが動いている時間です。接続率は高くても、取り次ぎは通りにくい。昼休みはそもそも人が少なく、取り次がれた担当者も話を聞く状態にありません。
ただしこれも自社で測れる仮説です。信じて除外するのではなく、3区分の外側として少量だけ試して確かめてください。
終業間際
終業の30分前は、帰り支度と締めの作業が入ります。ここも取り次ぎが通りにくい。一方で担当者が席に戻っている時間でもあるので、折り返しを依頼するだけなら有効な場合もあります。目的によって、避けるかどうかが変わります。
相手の業種で変わる
| 業種の例 | 事務所に人がいやすい時間 | 避けたい時間 |
|---|---|---|
| 建設・工事 | 朝の集合時と夕方の帰社後 | 日中の現場稼働中 |
| 小売・飲食 | 開店前と、昼の山を過ぎた後 | 昼と夕方の繁忙時間 |
| 士業・コンサル | 午前と夕方 | 来客が入りやすい昼過ぎ |
この表も推論です。ただしリストを業種で分けていれば、業種ごとに測れます。全体の平均を出すより、主力の業種2つだけ分けて見るほうが実用的です。
自社のルールに落とす
最後に、決めることを整理します。
決める3つ
- 架電可能時間。何時から何時までかけるか。開始と終了を時刻で書く
- 1社あたりの回数。不通が続いた場合、何回でやめるか
- 間隔。同じ会社に次にかけるまで何日空けるか
2つ目と3つ目を決めていないと、時間帯を変えた効果が測れません。同じ会社に何度もかけている状態では、接続率の分母が実態と合わなくなります。
個人宅を含む場合
リストに個人宅が含まれるなら、架電可能時間を通達の線に合わせてください。午前8時から午後9時の内側に収めるのが出発点です。
前に書いたとおり、判断の基準は相手の属性ではなく契約の目的です。事業用の商材を事業者に提案するなら適用除外ですが、個人が私的に使うものを提案するなら除外されません。
そしてリストを分けるのが確実です。事業者向けと個人向けが同じリストに混ざっていると、厳しい側の基準を全体に適用することになります。分けておけば、事業者向けのリストだけ架電可能時間を広く取れます。
判断に迷う商材を扱っている場合は、全体を相手の営業時間の内側に収めるのが単純です。相手が営業していない時刻にかけても、そもそも接続率は上がりません。
記録に時刻を残す
時間帯を比較するには、記録に時刻が入っている必要があります。日付だけでは分析できません。
記録の行を作った時点で日時が自動で入る形にしておけば、手間はゼロです。この設計もテレアポの記録項目で書きました。
そして月に1回、3区分の接続率と通過率を出してください。掛けた値が最も高い区分に、翌月の架電を少し寄せる。全部を寄せないのが要点です。寄せすぎると、他の区分の件数が溜まらず、比較ができなくなります。
外注している場合
架電を外部に委託しているなら、契約の段階で3つ依頼してください。3区分に均等に配分すること。架電1件ごとに時刻を残すこと。到達段階を5択で記録すること。
指定しないと、委託先の稼働しやすい時間に寄ります。寄った状態では、時間帯の比較ができません。日別の件数報告だけを受け取っていると、時間帯の分析は永久にできません。
まとめ
- 時間帯の問いは3つに分かれる。禁止時刻があるか、つながりやすい時刻、通りやすい時刻
- 1つ目は条文で決まる。2つ目と3つ目は測定で決まり、しかも別々の答えになる
- 条文に時刻はない。特定商取引法施行規則第64条第1号が定めるのは「迷惑を覚えさせるような仕方で勧誘」という規範だけ
- 通達に「例えば午後9時から午前8時まで等」とある。令和4年6月22日付「特定商取引に関する法律等の施行について」。長時間・執ようも同じ号に該当し得る
- 通達は「客観的にみて相手方が迷惑を覚えるような言動であればよく、実際に相手方が迷惑と感じることは必要ではない」としている
- 電話勧誘販売の解釈では、深夜早朝と長時間に加えて「職場への電話勧誘」も挙げられている
- 同法第26条第1項第1号の適用除外は「営業のために若しくは営業として締結するもの」。基準は相手が法人か個人かではなく、その契約の目的
- だから個人事業主が相手でも事業用の商材なら除外。逆に法人にかけても担当者が私的に使うものを売るなら除外にならない
- 通信回線・車両・保険のように事業用と私的用の両方に使える商材は線が動く。迷う場合は厳しい側で運用する
- 解説記事9本を本文まで読んだ。数値を出していたのは1本だけ(医療機関向け11時から12時で23.2%)。それも調査年と母数の記載がない自社データ
- 調査名・調査機関・調査年・母数のいずれかを書いた記事は0本。第三者が検証できる調査は見つからなかった
- 法令の記述は分かれた。通達を正しく引いたのが3本、「20時以降は禁止」と書いた記事が1本。条文にも通達にも20時という数字はない
- 添えられた理由は推論。当てはまる度合いは送信先の業種と規模で変わる
- 測るのは接続率から。分母はその時間帯の架電件数、分子は人が出た件数
- 最初は午前・昼過ぎ・夕方の3区分。1時間刻みにすると件数が足りない
- 区分ごとに数百件たまるまで、時間帯の比較を判断に使わない
- 接続率と通過率を掛けた値で比べる。接続率だけ見ると、つながるが通らない時間帯に集めてしまう
- 掛けた値が同じなら、通過率の高い時間帯を選ぶ。改善の材料が溜まるから
- 不通が多いなら時間帯ではなくリストの鮮度。存在しない番号は何時でもつながらない
- 曜日を先に試す。時間帯より件数が溜まりやすい
- 時間帯とトークを同時に変えない。1度に1つ
- 記録に時刻を残す。翌月の架電を寄せるときは、全部を寄せない
時間帯は、正解を探す対象ではありません。禁止の線を条文と通達で確認し、あとは自社の記録で決める。他社の「おすすめ」は、測り始めるまでの仮の置き場として使うだけで足ります。
なお法令に関する記述は条文の原文から線を引いたものです。個別の事案については、条文と各ガイドラインを確認してください。
よくある質問
テレアポに法律で禁止されている時間帯はありますか
条文に時刻はありません。ただし令和4年6月22日付の通達「特定商取引に関する法律等の施行について」に、正当な理由なく不適当な時間帯に勧誘する例として「午後9時から午前8時まで等」と書かれています。これは例示なので、それ以外の時刻が安全という意味ではありません。長時間や執ような勧誘も同じ号に該当し得ます。
法人相手なら規制の対象外ですか
適用除外の基準は相手が法人かどうかではありません。第26条第1項第1号は「営業のために若しくは営業として締結するもの」を除外しており、判断するのは契約の目的です。個人事業主が相手でも事業用の商材なら除外され、法人にかけても担当者が私的に使うものを売るなら除外されません。
「10時から11時がおすすめ」には根拠がありますか
公開記事9本を本文まで読みましたが、調査名・調査機関・調査年・母数のいずれかを書いた記事は0本でした。数値を出していたのは1本だけで、医療機関向けの11時から12時が23.2%というもの。それも調査年と母数の記載がない自社データです。添えられた理由は推論であり、当てはまる度合いは送信先の業種で変わります。
時間帯はどう測り始めればいいですか
午前・昼過ぎ・夕方の3区分から始めてください。1時間刻みにすると、どの区分も件数が足りなくなります。最初の数か月は3区分に均等に架電します。偏らせると件数の多い区分だけ精度が出て、比較になりません。接続率が3割前後なら、区分ごとに数百件たまってから判断に使います。
接続率が高い時間帯にかければいいのではないですか
接続率だけを指標にすると、つながるが通らない時間帯に架電を集めてしまいます。始業直後は人がいるので接続率が上がりやすい一方、朝礼やメール処理中は取り次がれにくい。接続率と通過率を掛けた値で比べてください。この値が、架電1件あたり担当者に届く確率になります。
曜日と時間帯、どちらを先に試しますか
曜日が先です。時間帯を3区分に割ると1区分の件数が3分の1になりますが、曜日は週ごとに全曜日が回るので均等に溜まります。時間帯は架電の習慣で偏ります。曜日の差が見えたら、その曜日の中で時間帯を割ると、区分あたりの件数を確保しやすくなります。
時間帯が分かったら、そこに全部寄せていいですか
全部は寄せないでください。他の区分に件数が溜まらなくなり、次の比較ができなくなります。翌月の架電を少しだけ寄せる形にします。なお不通の割合が高い場合は時間帯の問題ではないので、先にリストの鮮度を直してください。