
物件の重要事項説明書に、水害ハザードマップの欄があります。ここに何も書かれていなければ安心してよいのか。結論から書くと、そうではありません。
宅地建物取引業法が説明を義務づけているのは、市町村が水防法に基づいて作成した図面に、その物件の位置が表示されているときです。そしてその図面は、浸水想定区域を含む市町村でなければ作られません。図面がなければ、説明する対象そのものが存在しないことになります。
この記事では、まず説明義務の範囲を条文で確認し、そのうえで自分で調べる手順を扱います。使うのは水防法(第14条・第14条の2・第14条の3・第15条)、水防法施行規則第11条、国土交通省のハザードマップポータルサイト、国土地理院の自然災害伝承碑です。
重要事項説明書のどこに何が書かれるかについては、中古マンションの重要事項説明書で扱いました。この記事はその先、書面に出てこない部分を自分で埋める話になります。
結論:説明されるのは、市町村が図面を作っている場合だけ
宅建業法が参照しているのは、水防法施行規則の条文
宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3第3号の2は、水害ハザードマップに関する説明事項を定めています。ここで説明の対象とされているのは、市町村が水防法施行規則第11条第1号の規定により提供する図面に、物件の位置が表示されているときの、その図面における所在地です。
読み方として大切なのは、説明されるのが「この物件は浸水想定区域です」という結論ではないという点です。図面のどこに位置するかを示すという建て付けになっています。
つまり、判断するのは説明を受けた側ということです。図面上の位置を示されたら、その図面が何を想定したものかを自分で読む必要があります。
その図面は、浸水想定区域を含む市町村でしか作られない
では、その図面はどういう場合に作られるのでしょうか。水防法第15条第3項がこう定めています。
「浸水想定区域をその区域に含む市町村の長は、国土交通省令で定めるところにより、市町村地域防災計画において定められた第一項各号に掲げる事項を住民、滞在者その他の者に周知させるため、(中略)これらの事項を記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講じなければならない」。
義務を負うのは「浸水想定区域をその区域に含む市町村の長」です。区域内に浸水想定区域の指定がなければ、この義務は発生しません。図面が作られないので、宅建業法上の説明対象も生じません。
だから「記載なし」は安全の意味ではない
ここまでをつなぐと、重要事項説明書の水害ハザードマップ欄が空欄である理由は、少なくとも2つあり得ることになります。
1つは、市町村が図面を作っていて、その図面にその物件の位置が表示されていない場合。もう1つは、そもそも図面が作られていない場合です。書面を見ただけでは、このどちらなのかは分かりません。
記載がないことと、水害のおそれがないことは、別の話です。同じ構造は石綿と耐震診断の欄にもあり、こちらは中古マンションの重要事項説明書で整理しました。「調査記録なし」が「問題なし」を意味しないのと同じことが、ハザードマップ欄にも当てはまります。
浸水想定区域には3種類ある
洪水・雨水出水・高潮
水防法は、浸水想定区域を3つに分けて定めています。1つにまとめて「ハザードマップ」と呼ばれがちですが、根拠条文も指定する主体も違います。
| 区域 | 条文 | 指定する主体 |
|---|---|---|
| 洪水浸水想定区域 | 第14条 | 国土交通大臣または都道府県知事 |
| 雨水出水浸水想定区域 | 第14条の2 | 都道府県知事または市町村長 |
| 高潮浸水想定区域 | 第14条の3 | 都道府県知事 |
雨水出水は、いわゆる内水氾濫です。第14条の2は「当該排水施設に雨水を排除できなくなつた場合」または「当該排水施設から河川その他の公共の水域若しくは海域に雨水を排除できなくなつた場合」に浸水が想定される区域、としています。川から水があふれるのではなく、下水道が処理しきれずに浸水する場面です。
川沿いでない場所でも起こります。洪水のマップだけを見て安心できない理由が、ここにあります。
前提は「想定最大規模降雨」
3つとも、想定の前提が条文に書かれています。洪水と雨水出水については「想定最大規模降雨」、高潮については「想定し得る最大規模の高潮」です。
第14条第1項は、想定最大規模降雨を「想定し得る最大規模の降雨であつて国土交通大臣が定める基準に該当するもの」と定義しています。つまり、現在のマップは最大規模を前提にしたものということになります。
この点は古い資料を見るときに効いてきます。想定最大規模を前提とする指定に切り替わる前の図面と、現在の図面では、着色されている範囲が違うことがあります。手元にある印刷物がいつのものかを確かめてください。
対象になる河川は限定されている
もう1つ、洪水浸水想定区域の対象になる河川は、条文で限定列挙されています。
第14条第1項各号と第2項各号が挙げているのは、水防法第10条・第11条・第13条により指定した河川、特定都市河川浸水被害対策法により指定した河川、そして「洪水による災害の発生を警戒すべきものとして国土交通省令で定める基準に該当するもの」です。
すべての川が対象になるわけではありません。小さな河川や水路については、指定がないこともあり得ます。近くに川があるのにマップで着色されていない場合、その川が指定対象に入っているかどうかを疑う余地があります。これは自治体に問い合わせれば分かることです。
市町村が配る図面に、何が載ることになっているか
水防法施行規則第11条第1号が定める中身
市町村が作る図面の中身は、水防法施行規則第11条に書かれています。第1号は、所定の事項を表示した図面に市町村地域防災計画で定められた事項を記載したものを「印刷物の配布その他の適切な方法により、各世帯に提供すること」と定めました。
「各世帯に提供」とされているので、その地域に住んでいれば手元に届いているはずのものです。これから買おうとしている土地の分は届きませんから、自分で取りに行くか、後述するポータルサイトで見ることになります。
なお条文は、電子的方式で作られる記録も含むとしています。紙の冊子だけでなく、データで提供される場合も義務を果たしたことになります。
土砂災害警戒区域と津波災害警戒区域も載る
同じ第1号には、括弧書きで追加の定めがあります。土砂災害警戒区域を区域に含む市町村では土砂災害防止法第8条第3項に規定する事項を、津波災害警戒区域を区域に含む市町村では津波防災地域づくりに関する法律第55条に規定する事項を、それぞれ含めるという内容です。
つまり、市町村が配る図面は水害だけのものとは限りません。該当する市町村では、土砂災害と津波の情報も同じ図面に載ることになっています。
逆に言えば、該当しない市町村の図面には載りません。1枚の図面に載っている災害の種類は、市町村によって違うということです。
インターネットでも提供される
第11条第2号は、第1号の図面に表示した事項と記載した事項に係る情報を「インターネットの利用その他の適切な方法により、住民等がその提供を受けることができる状態に置くこと」としています。
各世帯への配布とは別に、オンラインでの提供も求められているということです。だから、住んでいない市町村のマップでも、多くの場合は自治体のサイトで見られます。
この条文があるおかげで、物件を見に行く前に、自宅から確認できます。内見の前に見ておけば、現地で確かめたいことが具体的になります。内見で分かることと書面でしか分からないことの切り分けは、建物状況調査で分かることでも扱いました。
自分で見る手順① 2つのツールを使い分ける
役割が違う2つのツール
国土交通省のハザードマップポータルサイトには、2つの入口があります。運営は同省の水管理・国土保全局防災課および国土地理院応用地理部地理情報処理課です。
| ツール | 説明(サイトの原文) |
|---|---|
| 重ねるハザードマップ | 洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示します |
| わがまちハザードマップ | 市町村が法令に基づき作成・公開したハザードマップへリンクします |
この違いは重要です。重要事項説明の対象になるのは、わがまちハザードマップ側からたどれる、市町村が作成した図面のほうです。重ねるハザードマップは国が各機関のデータを集めて重ねて見せるもので、宅建業法が参照している図面とは別のものになります。
だから両方を見ます。重ねるハザードマップで全体像をつかみ、わがまちハザードマップから市町村の図面を開いて、説明を受ける対象を確認する。この順番です。
重ねられる情報の種類
重ねるハザードマップで扱われるのは、洪水・内水、土砂災害、高潮、津波、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちです。
「洪水・内水」が1つにまとまっている点に注意してください。前の章で見たとおり、洪水浸水想定区域と雨水出水浸水想定区域は別の指定です。表示を切り替えて、両方を確認する必要があります。
道路防災情報も、住むうえでは意味を持ちます。物件そのものが浸水しなくても、そこへ至る道路が冠水すれば孤立します。避難経路として想定している道が使えるかどうかは、地図の上で確かめられることです。
見る順番
手順としては、次の順で見ると漏れが出にくくなります。
- 重ねるハザードマップで住所を入れ、洪水・内水を表示する
- 土砂災害、高潮、津波に切り替えて、それぞれ確認する
- 道路防災情報を重ね、最寄り駅や幹線道路までの経路を見る
- 土地の特徴・成り立ちを重ね、周囲との高低差を確認する
- わがまちハザードマップから市町村の図面を開き、想定の前提と作成年を確認する
5つめを飛ばさないでください。市町村の図面には、想定の前提や避難所の情報など、国のポータルには載っていないものが含まれます。
なお、ポータルサイトには「掲載されているデータの内容や、リスク情報の解釈等については、作成した機関にお問合せください」という記載があります。地図の色から先の判断は、作成した機関に確認するという建て付けです。
自分で見る手順② 土地の成り立ちと、災害の記録
「土地の特徴・成り立ち」レイヤ
重ねるハザードマップの情報の中で、不動産を買う立場から見落とされやすいのが「土地の特徴・成り立ち」です。
浸水想定区域の図は、想定した規模の雨が降った場合の結果を示すものです。これに対して土地の成り立ちは、その場所がどうやってできたかを示します。想定を超える事態が起きたときに何が起こりやすいかは、後者のほうに手がかりがあります。
周囲より低い土地、かつて水面だった土地、埋め立てや盛土で造成された土地。こうした情報は、現地に立っただけでは分かりません。地図の上で、周囲との関係として見るものです。
自然災害伝承碑は全国2,481基
もう1つ、同じポータルから見られるのが自然災害伝承碑です。国土地理院はこれを「過去に発生した自然災害(洪水、土砂災害、高潮、地震、津波、火山災害等)の様相や被害状況等が記載されている石碑やモニュメント」と定義しています。
地図記号が制定されたのは2019年です。同年8月29日の報道発表で新しい地図記号が示され、自然災害伝承碑を掲載した2万5千分1地形図の刊行が始まりました。
国土地理院の最新情報によると、2026年9月24日時点で全国686市区町村2,481基が公開されています。地理院地図、ハザードマップポータルサイト、自然災害伝承碑検索ツールの3つから閲覧できます。
伝承碑の読み方
伝承碑が示すのは想定ではなく、実際に起きたことです。この違いには意味があります。
浸水想定区域は、現在の河川整備や排水施設を前提にした計算の結果です。過去に被害があった場所が、その後の整備によって現在は区域外になっていることもあります。逆に、伝承碑が立っているという事実は、その場所で何が起きうるかを具体的に示します。
ただし、伝承碑がないことは何も意味しません。公開されているのは686市区町村分であり、全国の市区町村すべてを網羅したものではないためです。碑があれば手がかりになる、という使い方になります。
重要事項説明では出てこない災害
地震の揺れやすさは列挙に入っていない
宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3が挙げているのは、造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域、水害ハザードマップ、石綿の調査結果、耐震診断の内容、住宅性能評価です。
この列挙の中に、地震の揺れやすさや液状化のしやすさを示す情報は入っていません。耐震診断は建物についての項目であり、その土地が地震のときにどう揺れるかを示すものではありません。
地震に関する情報は、防災科学技術研究所が公開している地震ハザードステーションなど、別の窓口で調べることになります。この記事では扱いませんが、「重要事項説明で災害の話が出たから、災害の確認は終わった」とはならないことは押さえておいてください。
過去の浸水実績は「想定」とは別
浸水想定区域図は、想定最大規模の降雨を前提にした計算結果です。実際に過去に浸水した範囲を示すものではありません。
自治体によっては、過去の浸水実績図を別に公開しています。想定と実績は別の資料なので、両方あるなら両方見ることになります。想定区域外でも実績がある場所、逆に実績はないが想定区域内という場所、どちらもあり得ます。
わがまちハザードマップから自治体のサイトに入ると、浸水実績や内水の資料が別に置かれていることがあります。ポータルの地図だけで終わらせない理由が、ここにもあるわけです。
内水と高潮は、自治体によって整備状況が違う
3種類の浸水想定区域のうち、雨水出水と高潮については、指定の対象が条文で絞られました。
第14条の2は、都道府県または市町村が管理する一定の排水施設について指定するとしており、対象は同条各号に列挙されています。第14条の3も、対象となる海岸を各号で限定しました。
したがって、洪水のマップはあるが内水のマップは見当たらない、という状況は起こり得ます。それは内水のおそれがないという意味ではなく、指定や作成が及んでいないという意味かもしれません。見当たらないときは、自治体に確認するのが確実です。
契約前にやることの順番
重要事項説明をもらう前に、自分で見る
重要事項説明は、契約が成立するまでの間に行われるものです。当日に初めて内容を知る状態だと、疑問が出ても確認する時間がありません。
ハザードマップは公開情報なので、物件の住所が分かった時点で見られます。内見の前に見ておけば、現地で確認したいことが具体的になります。周囲との高低差、水路の位置、避難経路。地図で見た疑問を、現地で確かめる順番になります。
物件の所在地や周辺情報を地図で確認する方法は、不動産情報ライブラリの使い方でも扱いました。あわせて使うと、価格と災害リスクを同じ地図の上に並べて見る形になります。
重要事項説明で確認する欄
自分で調べたうえで重要事項説明を受けると、確認すべきことが絞られます。
1つめは、水害ハザードマップの欄に何が書かれているか。図面における所在地が示されているか、空欄か。2つめは、空欄だった場合の理由です。市町村が図面を作っていないのか、作っているが位置が表示されていないのか。この違いは、聞かなければ分かりません。
3つめは、土砂災害警戒区域と津波災害警戒区域の欄です。これらは水害ハザードマップとは別の号に基づく項目で、市町村が配る図面にも含まれる場合があります。書面の欄と図面の両方で確認してください。オンラインで説明を受ける場合の段取りは重要事項説明をオンラインで受けるにまとめています。
疑問が出たら、どこに聞くか
聞く先は、内容によって分かれます。
図面の内容や、リスク情報の解釈については、ハザードマップポータルサイトが「作成した機関にお問合せください」としています。洪水浸水想定区域なら国土交通省または都道府県、雨水出水と高潮なら都道府県または市町村です。市町村が配る図面そのものについては、市町村の防災担当部署になります。
重要事項説明書の記載内容については、説明を行う宅地建物取引士に確認します。書面に書かれていない事柄について「危険はない」といった説明を受けた場合は、その根拠を聞いてください。
いずれにしても、地図の色から先の判断は自分で行うことになります。制度は情報を届けるところまでを設計しており、その情報をどう評価するかは買う側に委ねられています。
まとめ
重要事項説明で水害ハザードマップが説明されるには、3つの条件が重なる必要があります。浸水想定区域の指定があること、市町村がそれに基づいて図面を作っていること、その図面に物件の位置が表示されていることです。
水防法第15条第3項が義務を課しているのは「浸水想定区域をその区域に含む市町村の長」です。指定がなければ図面は作られず、説明する対象も生じません。したがって、重要事項説明書の欄が空欄であることは、水害のおそれがないことを意味しません。
浸水想定区域は3種類あります。洪水が第14条、雨水出水が第14条の2、高潮が第14条の3です。いずれも想定最大規模を前提としており、対象となる河川や排水施設、海岸は条文で限定列挙されています。すべての川が対象になるわけではありません。
市町村が作る図面の中身は水防法施行規則第11条が定めており、該当する市町村では土砂災害警戒区域と津波災害警戒区域の事項も含まれます。同条第2号により、インターネットでの提供も求められています。
自分で調べるときは、国土交通省のハザードマップポータルサイトの2つの入口を使い分けます。重ねるハザードマップで洪水・内水、土砂災害、高潮、津波、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちを確認し、わがまちハザードマップから市町村の図面を開いて、想定の前提と作成年を見る。自然災害伝承碑は2026年9月24日時点で全国686市区町村2,481基が公開されており、想定ではなく実際に起きたことの手がかりになります。
そして、地震の揺れやすさや液状化のしやすさは、宅建業法施行規則第16条の4の3の列挙に入っていません。重要事項説明で災害の項目を聞いたからといって、災害の確認が終わったことにはなりません。
よくある質問(FAQ)
重要事項説明書のハザードマップ欄が空欄でした。安全ということですか
そうとは限りません。宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3第3号の2が説明の対象としているのは、市町村が水防法施行規則第11条第1号により提供する図面に物件の位置が表示されているときの、その図面における所在地です。そして水防法第15条第3項により図面の作成義務を負うのは「浸水想定区域をその区域に含む市町村の長」であり、区域の指定がなければ図面自体が作られません。空欄の理由が「図面に位置が表示されていない」のか「図面が存在しない」のかは、書面からは判断できません。宅地建物取引士に直接確認してください。
川から離れているので、洪水のマップだけ見れば十分ですか
十分とはいえません。水防法第14条の2は雨水出水浸水想定区域を別に定めており、これは「当該排水施設に雨水を排除できなくなつた場合」などに浸水が想定される区域です。いわゆる内水氾濫で、下水道が処理しきれずに起こります。川沿いでない場所でも発生します。重ねるハザードマップでは「洪水・内水」として扱われているため、表示を切り替えて両方を確認してください。なお、雨水出水浸水想定区域の指定対象は第14条の2各号で限定されているため、指定や図面の作成が及んでいない地域もあります。
近くに川があるのに、マップで色がついていません
洪水浸水想定区域の指定対象は、水防法第14条第1項各号および第2項各号で限定列挙されています。挙げられているのは同法第10条・第11条・第13条により指定した河川、特定都市河川浸水被害対策法により指定した河川、そのほか「洪水による災害の発生を警戒すべきものとして国土交通省令で定める基準に該当するもの」です。すべての河川が対象になるわけではないため、その川が指定対象に入っていない可能性があります。指定の有無は、河川を管理している国土交通省の事務所または都道府県に確認できます。
重ねるハザードマップだけ見れば足りますか
両方を見ることをおすすめします。ハザードマップポータルサイトの説明によると、重ねるハザードマップは「洪水・土砂災害・高潮・津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴・成り立ちなどを地図や写真に自由に重ねて表示します」、わがまちハザードマップは「市町村が法令に基づき作成・公開したハザードマップへリンクします」とされています。重要事項説明の対象になるのは後者、市町村が作成した図面のほうです。また市町村の図面には、想定の前提や避難所の情報など、国のポータルには載っていないものが含まれる場合もあります。
古いハザードマップを見ている可能性はありますか
あり得ます。水防法第14条第1項は、洪水浸水想定区域を「想定最大規模降雨により当該河川が氾濫した場合に浸水が想定される区域」として指定するものと定めており、想定し得る最大規模を前提としています。想定最大規模を前提とする指定に切り替わる前の図面と、現在の図面では着色されている範囲が異なることがあります。また第14条第5項により指定の変更も行われます。手元の印刷物やダウンロードした図面については、作成年と想定の前提を確認してください。わがまちハザードマップから自治体の最新版にたどれます。
地震のリスクは重要事項説明で説明されますか
地震の揺れやすさや液状化のしやすさそのものは、宅地建物取引業法施行規則第16条の4の3の列挙に入っていません。同条が挙げているのは造成宅地防災区域、土砂災害警戒区域、津波災害警戒区域、水害ハザードマップ、石綿の調査結果、耐震診断の内容、住宅性能評価です。このうち耐震診断は建物についての項目で、しかも「耐震診断を受けたものであるとき」にその内容を説明するという条件つきです。診断を受けていなければ説明することがありません。地震に関する地盤の情報は、防災科学技術研究所が公開している地震ハザードステーションなど、別の窓口で調べることになります。
住所が分かった時点で、もう調べられます
重要事項説明を待つ必要はありません。国土交通省のハザードマップポータルサイトは誰でも使えます。市町村の図面へは、わがまちハザードマップからたどれます。内見の前に見ておくと、現地で確かめることが具体的になります。
本記事は一般的な情報提供を目的としています。特定の物件や地域の安全性を評価するものではありません。指定や図面の作成状況は市町村によって異なり、随時更新されます。図面の内容およびリスク情報の解釈については、作成した機関が窓口になります。物件個別の判断は、宅地建物取引士にご相談ください。