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テレアポで折り返しを依頼されたあと|待たずに「こちらから改めます」と言い切る

「折り返します」には2種類ある

テレアポで受付の人に取り次ぎを頼むと、こう返ってくることがあります。「担当者は今おりませんので、折り返しご連絡いたします」

ここで安心して電話を切ると、多くの場合そのまま終わります。この一言には、まったく違う2つの意味が入っているからです。

取り次ぐ気がある場合と、ない場合

受付の状態 言葉に出てくるもの 折り返しの見込み
取り次ぐ気がある 社名や名前を聞き返す。用件を確認する。戻る時間を教える ある
断りの婉曲表現 何も聞き返さない。用件を確認しない。すぐ切ろうとする ほぼない

見分け方は単純です。相手が情報を取ろうとしているかどうか。

本当に伝えるつもりなら、誰から何の用件かを聞かないと伝えられません。聞き返しが無いまま「折り返します」と言われたら、それは丁寧な断りだと考えてください。

どちらでも、やることは同じ

ただし実務では、見分けた結果で行動を変える必要はありません。どちらの場合も、こちらから掛け直す前提で動くからです。

見分けが意味を持つのは、記録に残すときだけ。断りの婉曲表現だったなら、次に掛けるときの入り方を変える材料になります。切り返しの型はテレアポの切り返しで整理しました。

戻る時間を聞いておく

見分けがついてもつかなくても、1つだけ聞いてください。担当者が戻る時間帯です。

「何時ごろお戻りでしょうか」。この質問は用件の売り込みを含まないので、受付が答えやすい。断りの婉曲表現だった場合でも、「分かりかねます」という答えが返ってきて、それ自体が情報になります。

答えが返ってきたら、その時間帯を記録してください。次に掛けるときの候補になります。同じ会社に3回掛けて3回とも不在なら、その時間帯は外す。

逆に、戻る時間を教えてもらえた会社は、次の接触の成功率が上がります。受付が協力的だという情報そのものに価値があります。

待つと案件が消える

折り返しを待つ判断は、ほぼすべての場面で間違いです。理由を3つ挙げます。

相手の予定表に自社が入っていない

受付がメモを渡したとして、担当者にとってそれは「知らない会社からの営業電話」です。急ぎの仕事が並んでいる中で、優先度は最下位になります。

そして担当者が悪いわけでもありません。優先する理由をまだ渡していないのは、こちら側だからです。

待っている間、何も起きない

待つという判断の問題は、次の行動が自分の側に無くなることです。連絡が来るまで、できることがゼロになります。

この構造は、商談で「改めてご連絡します」と言われたときと同じです。商談のリスケとキャンセルで書いたとおり、主導権が相手に移った案件は静かに消えます。

記録が薄いまま残る

3つ目は運用の問題です。「折り返し待ち」のまま放置された行は、次に掛けるべきかどうかが分かりません。

1週間後に別の担当者が見たとき、待つべきか掛けるべきか判断できない。結果として誰も触らず、リストの中で死にます。

だから、その場で次を決める

折り返し待ちにしない。日数で動きを決めるその場伝言を4項目で残し次に掛ける日を伝える7営業日再架電 2回目時間帯を変える3営業日再架電 1回目10営業日時期をおくに移す軸は営業日。待っている期間ではなく、こちらが動く日を置く。折り返しが先に来たら、その時点でこの予定は消してよい。10営業日で打ち切るのは、失注ではなく在庫から外すため。この4点を決めておけば、折り返し待ちの行は生まれない。

待つ期間を決めるのではなく、こちらが動く日を決める。折り返しは来たら加点、来なくても進む。

伝言に入れる4項目

受付に伝言を頼む場合、入れる項目を決めておいてください。長いと伝わりません。

4項目

  1. 社名。会社名だけ。屋号や事業部名は足さない
  2. 自分の名前。フルネームで、ゆっくり
  3. 用件を一言。何の話かが分かる最短の形
  4. 次にこちらから掛ける日

4つ目が要点です。「また明後日のこの時間に、私のほうからお電話いたします」と伝えると、伝言の性質が変わります。

折り返しの依頼ではなく、予告になる。受付は「折り返し不要」と理解できるので、メモの負担も減ります。

用件の一言をどう作るか

ここで商品名を言うと、その場で断られます。かといって曖昧だと、伝言として成立しません。

形としては「何について」を名詞で言い、「売り込み」と読まれない粒度にするのが現実的です。

たとえば「採用サイトの更新の件」「フォームからのお問い合わせ対応の件」。何の話か分かるが、売り込みの内容までは含まない。この作り方はトークスクリプトの作り方の考え方と同じです。

入れないもの

3つあります。細かい説明、価格の話、そして「ぜひ一度ご挨拶を」という定型句。

伝言は受付が手で書き取ります。長いほど、要点が落ちます。そして定型句は情報量がゼロなので、書き取られる価値がありません。

受付が書き取る速さに合わせる

伝言は、受付が手で書き取ります。話す速さをそのままにすると、途中から書けなくなる。

社名と名前は、一度言って、間を置いて、もう一度言ってください。2回目は文字の説明を添えます。漢字が想像できない名前ほど、ここで落ちます。

そして用件は、区切って話す。「採用サイトの更新の件で」で一度止めて、相手がメモを取る時間を作ります。続けて話すと、用件が丸ごと落ちることがあります。

確認したいなら、最後に「お名前だけ復唱いただけますか」ではなく、「社名は先ほどの通り、担当は山田でございます」と自分でもう一度言うほうが自然です。相手に作業を増やしません。

折り返しを依頼しない

ここが、この記事でいちばん伝えたい設計です。

「こちらから改めます」と言い切る

受付が「折り返しご連絡いたします」と言ってきた場合でも、こちらから「お手数ですので、改めて私からお電話いたします」と返してください。

効果が3つあります。相手の作業が1つ減る。折り返しが来なかったときの気まずさが生まれない。そして次の行動が自分の側に残る。

失礼にならないのか

むしろ逆です。折り返しを依頼するということは、相手に時間を使わせるということ。

こちらから掛け直すと言えば、相手の負担はゼロになります。丁寧さとは、相手の手間を減らすことです。

相手が「いえ、折り返します」と言った場合

それでも折り返すと言われたら、受け入れてください。ただし1つ足します。

「ありがとうございます。もし行き違いになりましたら、明後日のこの時間に私からもお電話いたします」

これで両方の経路が残ります。折り返しが来れば早く進み、来なくてもこちらの予定は動きます。どちらに転んでも止まらない形です。

言い切ったあとに黙らない

「改めて私からお電話いたします」と言ったあと、そこで黙ると相手は電話を切ろうとします。続けて日を言ってください。

「明後日の午前中に、私からお電話いたします。担当の方に、その旨だけお伝えいただけますでしょうか」

この形にすると、受付の作業は「掛かってくる」というメモ1行だけになります。折り返しの手配より、はるかに軽い。

そして担当者の側にも予定が生まれます。知らない会社からの電話ではなく、来ると分かっている電話になる。これだけで取り次がれる確率が変わります。

番号を残すかどうか

折り返し用の番号を伝えるかどうかは、体制で決めてください。

残すなら受電の体制が要る

番号を残す以上、掛かってきたときに出られる必要があります。出られないと、相手は二度掛けません。

そして知らない番号からの着信に出られる体制も要ります。折り返しは相手の代表番号から来るとは限りません。

代表番号か、直通か

残す番号 向いている体制 注意点
代表番号 受電する人が別にいる 取り次ぎで担当者が捕まらないと、相手に二度手間をかける
担当者の直通 架電する人が受電もする 架電中は出られない。留守番電話の設定が必須
残さない 受電の体制が無い こちらから掛け直す前提を必ず伝える

3つ目を選ぶのは、逃げではありません。出られない番号を残すほうが、相手にとって損失が大きい。

留守番電話の設定

直通を残すなら、留守番電話の応答メッセージを確認してください。初期設定のままだと、相手はどこに掛けたか分かりません。

入れるのは3つ。会社名、担当者名、そして「改めてこちらからご連絡します」の一言です。最後の一言があれば、相手は再度掛ける必要がなくなります。

何日空けて掛け直すか

次に掛ける日を決めます。ここは短すぎても長すぎても効きません。

3営業日

1回目の再架電は3営業日後です。翌日だと、伝言がまだ担当者に届いていない可能性があります。

1週間空けると、受付が伝言の件を覚えていません。3営業日は、伝言が届いていて、かつまだ記憶が残っている幅です。

そして伝言で「明後日に掛けます」と言ったなら、その通りに掛けてください。予告した日に掛けないと、次の予告が効かなくなります。

2回目は7営業日

1回目でつながらなければ、7営業日後にもう1回。このとき時間帯を変えてください。

同じ時間帯に2回つながらないなら、その時間は不在の可能性が高い。時間帯の測り方はテレアポの時間帯で書きました。

10営業日で打ち切る

2回掛けてつながらなければ、状態を「時期をおく」に移します。失注ではありません。

3回目、4回目と掛け続けると、相手にとっては反復になります。そして反復は、会社ごと接触不可になる原因です。

移すときに次の接触予定日を入れてください。3か月後に戻ってくれば、それは新しい接触として扱えます。

予告した日に不在だった場合

予告した日に掛けて、また不在だったとき。ここで2回目の伝言を残すかどうかは、分かれます。

残すなら、内容を変えてください。1回目と同じ伝言をもう一度残すと、受付にとっては同じ紙が2枚できるだけです。

2回目の伝言は短くします。社名と名前、そして「先日もご連絡した件です」の一言だけ。用件は1回目で伝わっているので、繰り返す必要がありません。

そして3回目は残さないでください。伝言が3枚たまった時点で、相手の中では「しつこい会社」になります。3回目はつながらなければ切って、記録だけ残します。

折り返しが来たとき

実際に折り返しが来た場合の受け方です。ここで落とすのは、もったいない。

最初の30秒

折り返してきた相手は、用件を正確には知りません。受付のメモを見て掛けてきています。

だから最初にやることは、用件をもう一度、短く言い直すことです。「お忙しいところありがとうございます」から入ると、相手は何の話か分からないまま聞き続けることになります。

順番は、名乗る、用件を一言、そして「お時間は2分ほどです」と長さを伝える。この3つを30秒以内に終えてください。

相手の温度を確認しない

「ご興味はございますでしょうか」と聞かないでください。折り返してきた時点で、最低限の関心はあります。

ここで確認を挟むと、相手は「特に無い」と答える余地を与えられます。関心の有無ではなく、具体的な状況を聞いてください。

記録の扱い

折り返しがあった件は、記録で分けてください。テレアポの記録項目で書いた5択のうち「折り返し待ち」から、実際に会話できた段階へ更新します。

そして折り返しが来た件の割合を、月に1回だけ見てください。この割合が高いなら、伝言の作り方が効いています。

折り返しで決まらなかったとき

折り返しで話せたが、アポにはならなかった。この場合も、次を決めてから切ってください。

折り返してきたということは、少なくとも無視はしていないということです。ここで「また機会がありましたら」で終えると、せっかくの接触が記録だけになります。

入れるのは2つ。断られた理由を一言だけ聞くこと。そして、時期を理由に断られたなら、その時期の1か月前を次回予定日に入れること。

理由が「今は不要」だった場合は、無理に日付を置かないでください。半年後に戻す。折り返しをくれた相手を、短期で追いかけて失うほうが損です。

複数人で回すときの事故

最後に、複数人で架電している場合に起きる事故を3つ。

折り返しが来ても担当者が不在

最も多い事故です。折り返してきた相手が、架電した担当者を指名する。その担当者が別の電話に出ている。

対処は2つあります。1つは、誰が受けても話せるように伝言の内容を共有しておくこと。もう1つは、受けた人がその場で用件を聞き取って折り返す形にすることです。

やってはいけないのは、「担当の者からご連絡します」と言って切ること。折り返しの折り返しは、まず成立しません。

同じ会社に別の人が掛ける

折り返し待ちの行が共有されていないと、別の担当者が同じ会社に掛けます。相手から見ると、同じ会社から2人が別々に営業してきたことになる。

会社の表に「次回予定日」と「担当者」を持たせて、抽出条件で外してください。設計は記録項目の記事と同じです。

予告した日を誰も覚えていない

「明後日に掛けます」と伝えたのに、その日に誰も掛けない。これが起きると、次から予告が機能しなくなります。

防ぎ方は1つ。予告した時点で、記録の「次回予定日」に日付を入れること。口頭の約束を記憶に置かないことです。

まとめ

  • 「折り返します」には2種類ある。見分け方は、相手が情報を取ろうとしているかどうか
  • 聞き返しが無いまま折り返すと言われたら、それは丁寧な断り
  • ただしどちらでもやることは同じ。こちらから掛け直す前提で動く
  • 待つ判断は間違い。担当者にとっては優先度が最下位で、次の行動が自分の側から消える
  • 「折り返し待ち」のまま放置された行は、次に掛けるべきか判断できず、誰も触らなくなる
  • 伝言は4項目。社名/名前/用件を一言/次にこちらから掛ける日
  • 4つ目があると、依頼ではなく予告になる。受付のメモの負担も減る
  • 用件は「何について」を名詞で。商品名は言わない。定型句は書き取られる価値がない
  • 折り返しを依頼しない。「改めて私からお電話いたします」と言い切る
  • これは失礼ではない。丁寧さとは、相手の手間を減らすこと
  • それでも折り返すと言われたら受け入れ、「行き違いになりましたら」で自分の予定も足す
  • 番号を残すなら受電の体制が要る。出られない番号を残すほうが損失が大きい
  • 直通を残すなら留守番電話に3つ。会社名、担当者名、「改めてこちらからご連絡します」
  • 再架電は3営業日、次は7営業日で時間帯を変える、10営業日で打ち切る
  • 予告した日には必ず掛ける。掛けないと次の予告が効かなくなる
  • 折り返しが来たら、最初の30秒で名乗る/用件を一言/長さを伝える
  • 「ご興味はございますか」と聞かない。答える余地を与えることになる
  • 複数人なら、伝言の内容を共有する。「担当の者から」と言って切らない
  • 予告した時点で記録の「次回予定日」に日付を入れる。記憶に置かない

折り返しは、来たら加点として扱ってください。来る前提で予定を組むと、来なかったときに何も残りません。その場で次に掛ける日を決めて伝える。この1つだけで、折り返し待ちという曖昧な状態が消えます。

よくある質問

「折り返します」と言われたら待つべきですか

待たないでください。担当者にとっては知らない会社からの営業電話なので、優先度は最下位になります。そして待つと次の行動が自分の側から消えます。その場で「改めて私からお電話いたします」と伝えて、次に掛ける日を決めてください。折り返しは来たら加点として扱います。

本気で取り次いでくれるかは、どう見分けますか

相手が情報を取ろうとしているかどうかです。本当に伝えるつもりなら、誰から何の用件かを聞かないと伝えられません。社名や名前を聞き返し、用件を確認し、戻る時間を教えてくれるなら見込みがあります。何も聞き返さずに「折り返します」と言われたら、丁寧な断りだと考えてください。

伝言には何を入れればいいですか

4項目です。社名、自分の名前、用件を一言、そして次にこちらから掛ける日。4つ目を入れると依頼ではなく予告になり、受付のメモの負担も減ります。逆に入れないのは、細かい説明、価格の話、「ぜひ一度ご挨拶を」という定型句の3つです。

折り返し用の番号は残すべきですか

受電の体制があるかで決めてください。番号を残す以上、掛かってきたときに出られる必要があります。出られない番号を残すほうが、相手にとって損失が大きい。体制が無いなら残さず、こちらから掛け直す前提を必ず伝えてください。直通を残すなら、留守番電話に会社名と担当者名と「改めてこちらからご連絡します」を入れます。

何日空けて掛け直しますか

1回目は3営業日後です。翌日だと伝言がまだ届いていない可能性があり、1週間空けると受付が覚えていません。2回目は7営業日後で、このとき時間帯を変えます。2回つながらなければ10営業日で「時期をおく」に移してください。3回目、4回目と掛け続けると反復になります。

折り返しが来たとき、最初に何を言いますか

用件をもう一度、短く言い直してください。折り返してきた相手は受付のメモを見て掛けているので、用件を正確には知りません。名乗る、用件を一言、「お時間は2分ほどです」と長さを伝える。この3つを30秒以内に終えます。「ご興味はございますか」は聞かないでください。

担当者が不在のときに折り返しが来たらどうしますか

受けた人がその場で用件を聞き取って対応してください。「担当の者からご連絡します」と言って切ると、折り返しの折り返しになり、まず成立しません。複数人で架電しているなら、誰が受けても話せるように伝言の内容を共有しておく必要があります。

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