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送料無料ラインの決め方|同じ「3,000円以上」でも、カートによって判定が逆だった

段ボール箱を抱えて階段を上がっているところ

「3,000円以上で送料無料」。どの店でも見かける書き方です。この3,000円をいくらにするかで、利益が変わります。

ただ、金額を考える前に確かめることがありました。その3,000円が何と比べられるのかが、カートによって違います。

公式ヘルプを読み比べたところ、クーポンを使った人の扱いが、STORESとBASEで正反対でした。 この記事では、その違いと、実際の送料からラインを逆算する方法を書きます。

同じ「3,000円以上」でも、判定が逆だった

まず、この記事でいちばん伝えたいところから書きます。送料無料の条件を満たしたかどうかを、どの金額で判定するかという話です。

2,000円の商品を2つ買って、500円引きのクーポンを使う。合計は4,000円で、割引後は3,500円。3,000円以上で送料無料の設定なら、どちらでも条件を満たします。

では、3,200円の買い物で500円引きのクーポンを使ったらどうなるか。ここで分かれます。

STORES

「まとめ販売を設定されていた場合、割引前の金額に送料無料設定の条件が適応されます」

出典:STORES 公式ヘルプ(2026年9月4日更新)

BASE

「送料無料の設定金額は、注文合計から割引分などが差し引かれた合計金額が対象です。そのため、クーポンなどを利用すると、送料無料の設定金額に達することができず、送料が発生します」

出典:BASE 公式ヘルプ(2026年9月19日更新)

買う側からすると、納得しにくいのはBASEのほう

BASEの書き方だと、3,200円の買い物でクーポンを使うと2,700円になり、送料が発生します。クーポンを使ったせいで送料がかかるという形です。

これは店の設定ミスではなく、仕様として公式ヘルプに書かれています。知らずに配ると、問い合わせの原因になります。

なお、STORESの引用は「まとめ販売」という機能についての記述です。クーポン全般について同じかどうかまでは、このページからは読み取れませんでした。ここは自分の店で1回試すのが確実です。

どちらが自分の店に合うか

どちらが正しいという話ではありません。ただ、割引をどう使うかで向き不向きが出ます。

クーポンをよく配る店なら、割引前で判定されるほうが揉めません。クーポンを使っても送料無料のままなので、説明が要らないからです。

逆に、割引後で判定される仕組みだと、クーポンの設計を変えることになります。送料無料ラインより十分に大きい買い物でだけ使えるようにするか、送料無料ラインのほうを下げるか。

設定する前に、1回買ってみる

いちばん確実なのは、自分でテストすることです。送料無料ラインぎりぎりの金額をカートに入れて、クーポンを適用して、送料がどうなるかを見ます。

この確認を飛ばすと、実際の注文で初めて気づくことになります。そのときは、すでに買った人が納得していない状態です。

もうひとつ、STORESの公式ヘルプには「送料無料の条件は、発送手段に関わらず一律で適用されます。特定の発送手段のみに送料無料を適用することはできません」という記載もありました。配送方法ごとに分けたい場合は、この制約が効いてきます。

BASEはカートに「送料別」と出たままになる

もう1つ、知らないと驚く仕様がありました。送料無料の条件を満たしていても、カートの画面には別の表示が出ます。

設定を間違えたのかと思って、何度も設定画面を見直すことになります。ただ、これは公式ヘルプに仕様として書かれているものでした。

◯◯円以上の購入で送料無料となる場合や、送料を0円に設定した配送方法が設定されている商品を購入する場合でも、カートでは「送料別」の表記となります。
※表記を変更することはできません。

出典:BASE 公式ヘルプ(2026年9月19日更新)

変更できない、と書かれています。送料無料なのに「送料別」と出る。買う側からすると、いくらかかるのか分からないまま進むことになります。

だから、商品ページ側で伝える

カートの表記を変えられないなら、その手前で伝えるしかありません。商品ページや、トップページの目立つ場所に書いておきます。

同じヘルプには、入力内容の確認画面では、購入された商品の合計金額や設定されている配送方法によって算出された送料が表示される、という説明も続いていました。最終的には正しい金額が出ます。 ただ、そこまで進んでもらう必要があります。

カートで止まる理由はいくつもありますが、金額が分からないというのはそのうちのひとつです。仕様として変えられない部分は、別の場所で埋めます。

送料は重さではなく、サイズで決まる

ここから、金額を決めるための材料です。まず、送料が何で決まっているかを押さえます。

送料無料ラインは、送料がいくらかを知らないと決められません。そして送料は、なんとなく重さで決まっていると思っている人が多いところでもあります。

ここを正しく知っておくと、金額を決める前にやることが1つ増えます。

宅配便の運賃は、荷物の重さではなく3辺の合計で区分されていました。重さのほうは上限として設定されています。

日本郵便「ゆうパック」

「サイズ:A(縦)+B(高さ)+C(横)=170cm以内 重さ:25kg以内」

区分は60・80・100・120・140・160・170サイズ。25kgを超え30kg以内は「重量ゆうパック」で、基本運賃+560円

ヤマト運輸「宅急便」

「60サイズ~200サイズ(縦・横・高さの合計が200cm以内、かつ重さが30kgまで)」。なお、2025年10月1日から届出運賃・料金が改定されたと案内されています

出典:日本郵便・ヤマト運輸の公式サイト

つまり、箱を小さくすると下がります

重さで決まるなら、軽くする以外に手がありません。サイズで決まるなら、詰め方を変えるだけで区分が下がることがあります。

3辺の合計が62cmなら80サイズですが、58cmに収まれば60サイズです。この2cmで区分が変わります。

余っている段ボールを使い回していると、ここで損をします。商品に合った大きさの箱を用意するほうが、1件あたりの送料が下がる。箱代を足しても、送料の差のほうが大きいことが多いです。

いま使っている箱の3辺を測って、合計が区分の境目をまたいでいないか見てください。58cmと62cmでは、1件あたりの金額が変わります。

薄いものは、別の方法がある

アクセサリーや布製品のように薄いものは、宅配便を使わなくても送れます。こちらは厚さで料金が決まっていました。

宅配便より安く、そのぶん送料無料ラインを下げられます。サイズの区分ではなく、厚さの区分で分かれる仕組みです。

ただし、扱える大きさと重さに制限があります。入らないものを無理に押し込むと、受け付けてもらえません。公式サイトに出ている条件を並べます。

ゆうパケット

厚さ1cm以内 250円/2cm以内 310円/3cm以内 360円(いずれも税込み)

3辺の合計60cm以下、長辺34cm以内、重さ1kgまで

クリックポスト

「運賃は日本全国一律185円」「重量 1kg以内 185円」

2026年10月1日以降、差し出しは原則として郵便差出箱への投函。窓口は厚さ3cm以下に限る、と案内されています

宅急便コンパクト

運賃のほかに専用BOX代70円(税込)がかかると案内されています。「宅急便コンパクトのご利用には専用資材の購入が必要になります」

出典:日本郵便・ヤマト運輸の公式サイト

ここが、いちばん効く判断です

薄物を宅配便で送っている店は、けっこうあると思います。60サイズの箱に、厚さ2cmのものを緩衝材で固定して送る。

これをゆうパケットに変えると、1件あたり数百円下がります。送料無料ラインを下げられる余地が、ここにあります。

ただし、追跡や補償の条件が違います。それから、宅急便コンパクトのように専用の資材が要るものは、その代金も原価に入れて計算します。70円は1件ごとにかかる費用です。

送料を下げる方法が、公式に用意されている

運賃そのものを下げる仕組みも、公式に案内されていました。ゆうパックスマホ割というものです。

箱を小さくするのも、配送方法を変えるのも、こちらの手間がかかります。この割引は、手続きを1回済ませれば毎回効くタイプのものです。

条件が3つ並んでいるので、自分に当てはまるものがあるかを見てください。

公式の料金表には、割引の内容が3つ並んでいます。

基本運賃から180円引き(アプリ内で決済する荷物)

「発送時に郵便局を受取場所に指定することで100円の割引となります」

「前月までの1年間に10個以上の発送があった場合に割引後の運賃から10%の割引となります(継続利用割引)」

出典:日本郵便「国内の料金表(荷物)」

ただし、ネットショップでは使いにくい割引もあります

2つ目の100円引きは、受取場所を郵便局に指定する条件です。自分で送る荷物なら選べますが、お客さんに送る荷物では選べません。

使えるのは1つ目と3つ目です。基本運賃から180円引きになり、月に10件以上出していればさらに10%引かれます。1件300円下がるなら、送料無料ラインを300円分下げられます。

それから、法人として契約する道もあります。ヤマト運輸の宅急便のページには「法人向けの宅急便をご利用の際は、法人(掛売り)契約が必要です」という案内がありました。件数が増えてきたら、そちらの条件を聞いてみる価値があります。

ラインの決め方は、引き算です

材料がそろったので、金額を決めます。考え方は単純で、送料を吸収できる利益が出る金額を探します。

順番に見ていきます。商品1つの粗利が800円、送料が700円だとします。この数字は例なので、自分の商品に置き換えて計算してください。

1個だけ買われた場合

粗利800円 - 送料700円 = 手元に100円。ここに決済手数料と梱包材が乗るので、赤字に近づきます

2個買われた場合

粗利1,600円 - 送料700円 = 900円。送料は1件ぶんなので、2個目から利益が残ります

つまり、2個買ってもらえる金額が送料無料ラインの目安になります。商品が1,500円なら3,000円です。

この考え方の意味

送料無料は値引きではなく、まとめ買いへの誘導です。1個の注文を無料にすると赤字になりますが、2個にしてもらえれば吸収できます。

だから、ラインは「1個では届かず、2個なら届く金額」に置きます。3個買わないと届かない金額にすると、誰も到達しません。逆に1個で届く金額にすると、送料を全部負担することになります。

そして、商品ページに「あと1つで送料無料」と伝わる形にしておきます。ラインの金額より、そこに気づいてもらえるかどうかのほうが効きます。

送料の表示は、法律で決まっている

最後に、表示のことに触れておきます。送料をいくらにするかは自由ですが、書き方には決まりがありました。

いくら送料を工夫しても、表示で引っかかると意味がありません。ここは条文で確かめられる部分なので、そのまま引きます。

特定商取引法の第11条は、通信販売の広告に表示する事項を並べています。その第1号です。

商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)

出典:特定商取引に関する法律 第11条第1号(e-Gov法令検索)

販売価格に送料が含まれないなら、販売価格と送料の両方を表示する。 かっこの中がそう読めます。

税込で書くことも決まっています

金額の書き方についても、国税庁のページに説明がありました。

総額表示義務とは、事業者が消費者に対してあらかじめ価格を表示する場合に、消費税額(地方消費税額を含む。)を含めた価格(税込価格)を表示することを義務付けるものです。

出典:国税庁 タックスアンサー「No.6902『総額表示』の義務付け」

同じページには、認められる表示の例も並んでいました。「11,000円」「11,000円(税込)」「11,000円(税抜価格10,000円)」などです。

送料込みの価格にする場合も、この考え方は同じです。送料を商品代に含めるなら、その金額が税込で表示されていることを確かめます。

この記事で確認した仕様のまとめ

公式ヘルプと条文で確かめた内容を並べ直します。金額を決める前に、上の2つを自分のカートで確かめてください。

仕様の部分は、知らないまま設定すると問い合わせの原因になります。運賃の部分は、知っていれば送料無料ラインを下げられる材料になります。

それから、確かめられなかったことも書いておきます。とくに地域別の運賃は、条件を固定した画面まで到達できませんでした。

送料無料の判定基準

STORES:まとめ販売の場合、割引前の金額で判定される

BASE:割引分が差し引かれた合計金額が対象。クーポンで条件を下回ると送料が発生する

STORESは発送手段ごとに分けた適用ができない

カートの表示

BASEは送料無料でもカートに「送料別」と表示され、表記を変更できない

運賃の決まり方

ゆうパック:3辺の合計170cm以内・25kg以内。60〜170サイズ

宅急便:3辺の合計200cm以内・30kgまで。60〜200サイズ

ゆうパケットは厚さで250円/310円/360円(税込み)、クリックポストは全国一律185円

表示の決まり

販売価格に送料が含まれないときは、販売価格と送料の両方を表示する(特商法第11条第1号)

あらかじめ価格を表示する場合は税込価格で表示する(総額表示義務)

確認できなかったこと

地域ごとの具体的な運賃(各社の料金表が画面上で選択して表示する作りのため、条件を固定した数字を確認できませんでした)

STORESのクーポン全般についての判定基準(確認できたのは「まとめ販売」についての記載です)

※各社の公式ヘルプ、ヤマト運輸・日本郵便の公式サイト、e-Gov法令検索の条文、国税庁のページを確認したものです。運賃と仕様は変わります。

よくある質問

送料無料ラインはいくらに置けばいいですか

2個買ってもらえる金額を目安にします。送料は1件ぶんなので、1個の注文を無料にすると粗利から送料を丸ごと引くことになりますが、2個なら吸収できます。商品1つの粗利が800円で送料が700円なら、1個では手元に100円しか残らず、2個なら900円残ります。商品が1,500円なら3,000円あたりが候補です。3個買わないと届かない金額にすると誰も到達しないので、そこは上げすぎないでください。

クーポンを使うと送料無料にならないのですが

カートの仕様によります。BASEの公式ヘルプには「送料無料の設定金額は、注文合計から割引分などが差し引かれた合計金額が対象です。そのため、クーポンなどを利用すると、送料無料の設定金額に達することができず、送料が発生します」と書かれています。一方STORESは、まとめ販売について「割引前の金額に送料無料設定の条件が適応されます」としています。設定ミスではなく仕様なので、クーポンを配る前に、ぎりぎりの金額でテストしておいてください。

送料無料なのにカートに「送料別」と出ます

BASEの仕様です。公式ヘルプに「◯◯円以上の購入で送料無料となる場合や、送料を0円に設定した配送方法が設定されている商品を購入する場合でも、カートでは『送料別』の表記となります。※表記を変更することはできません」とあります。最終的な確認画面では正しい金額が表示されますが、そこまで進んでもらう必要があります。商品ページやトップページの目立つ場所に送料無料の条件を書いて、手前で伝えておくのが現実的な対処になります。

送料を安くする方法はありますか

3つあります。1つ目は箱を小さくすることです。宅配便の運賃は重さではなく3辺の合計で区分されるので、58cmに収まれば60サイズ、62cmだと80サイズになります。2つ目は、薄いものを宅配便以外で送ることです。ゆうパケットは厚さ1cm以内250円、2cm以内310円、3cm以内360円(税込み)、クリックポストは全国一律185円です。3つ目は割引で、ゆうパックスマホ割は基本運賃から180円引き、前月までの1年間に10個以上の発送があれば割引後の運賃からさらに10%引かれます。

送料を商品代に含めてしまってもいいですか

できます。特定商取引法第11条第1号は「商品若しくは権利の販売価格又は役務の対価(販売価格に商品の送料が含まれない場合には、販売価格及び商品の送料)」としていて、含まれない場合に両方を表示するという書き方です。含める場合は、その価格を表示することになります。ただし国税庁の総額表示義務があるので、あらかじめ表示する価格は税込にしてください。なお、送料を含めると商品単価が上がって見えるので、他店と並んだときの見え方は変わります。

金額を決める前に、1回テストする

送料無料ラインぎりぎりの金額をカートに入れて、クーポンを適用してみてください。送料が発生するかどうかは、カートの仕様で変わります。ここを確かめてから金額を決めます。

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