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ネットショップの決済手段はどこまで入れるか|個人だと申し込めない決済があります

ノートパソコンの前でクレジットカードを手に持って入力しているところ

決済手段は多いほうがいい、とよく言われます。買いたい人が支払えないと、そこで終わってしまうからです。

ただ、各社の公式ページを開いて数字を並べたところ、増やすほど平均の手数料率が上がることが分かりました。手段ごとに率が違うからです。

そして、そもそも申し込めない決済があります。 カートによって、あるいは個人か法人かによって。この記事では、公式の料金表と公式ヘルプで確かめた内容を並べます。

決済は、カートが用意しているものから選ぶ

最初に、前提を確かめます。ネットショップの決済は、自分で決済会社と契約して自由に組み合わせるものだと思われがちです。

カートを使う場合は違いました。カートが用意している決済の中から選ぶ形になります。

BASEの公式ヘルプには、はっきり書かれていました。自分で外部の決済を足すことはできない、という意味の一文です。

下記8種類の決済を総称して「BASEかんたん決済」と呼びます。(中略)※BASEかんたん決済以外の決済方法(BASEを通さない決済方法)は利用できません。

出典:BASE 公式ヘルプ(2026年9月25日更新)

BASEで使えるのは8種類でした

挙げられていたのは、コンビニ(Pay-easy)決済、銀行振込決済、クレジットカード決済、PAY ID あと払い、キャリア決済、PayPal決済、Amazon Pay、PayPayの8つです。

STORESのほうは、物販であれば11種類すべてが使えると公式ヘルプの表に書かれていました。クレジットカード、コンビニ決済、あと払い(ペイディ)、PayPal、銀行振込(代理)、キャリア決済、楽天ペイ、代金引換、Amazon Pay、PayPay残高、atoneです。

ただし同じ表で、デジタル商品や定期便では使える決済が減ることも示されていました。何を売るかで、選べる決済が変わります。

BASEでは代引きが入れられない

ここが、知らないと困る部分です。同じBASEの公式ヘルプに、使えない決済方法の例が挙げられていました。

代引きを希望する購入者は一定数います。カードを使わない人、届いてから払いたい人。その人たちに応える手段が、最初から用意されていないということです。

しかも、発送の方法まで制限がかかっていました。代引きが使えないだけでなく、着払いで送ることもできない、と書かれています。

BASEで利用できない決済方法の例

「代引き決済(着払いでの発送もできません)」

「ショップ自身の銀行口座へ直接お振り込み」

「現金手渡し」

出典:BASE 公式ヘルプ(2026年9月25日更新)

「後から足せばいい」が効かない項目です

ほかの設定なら、あとで変えられます。送料の設定も、商品の並びも、決済の組み合わせも。

代引きだけは、カートを変えないかぎり入りません。取り扱う商品に代引きの需要があるなら、カートを選ぶ段階で見ておく項目になります。

食品や、年配の方が買う商品を扱うなら、ここは実際に効いてきます。逆に、若い層向けのアクセサリーなどであれば、影響は小さいかもしれません。

STORESの代金引換は、手数料もないが振込もない

STORESには代金引換があります。ただ、公式ヘルプの手数料表を見ると、ほかの決済とは扱いが違っていました。

手数料の欄が「なし」になっていて、そこに注記が添えられています。この1行で、お金の流れがまったく別のものになります。

決済手数料が0円なら有利に見えますが、読み方が必要な行でした。引かれないかわりに、入ってこないからです。

代金引換 なし ※STORESからの売上振込もありません

出典:STORES 公式ヘルプ「【売上管理】決済手数料は発生しますか?」(2026年8月10日更新)

売上は、自分で受け取ることになります

カートを通らないので、手数料も引かれないかわりに、売上の管理も自分でやることになります。配送会社から代金を受け取る流れです。

ここで気をつけたいのは、ショップの管理画面の売上と、実際に手元に入るお金がずれるという点です。代引きの分だけ、別の経路で入ってきます。

帳簿をつけるときに、この違いを知らないと合わなくなります。代引きを使うなら、最初から分けて記録してください。

個人だと申し込めない決済がある

ここが、今回いちばん意外だった部分です。カラーミーショップの公式決済サービスの料金表を開いたところ、決済ごとに「法人のみ利用可」という表記がありました。

この決済サービスはカラーミーショップが自社で提供しているものではなく、GMOイプシロン株式会社という決済代行会社が提供しています。料金表もその会社のページにありました。

個人事業主として始める人にとっては、この列が効いてきます。

「法人のみ利用可」と書かれていたもの

コンビニ決済のうち、セブンイレブン

ネット銀行決済のうち、ペイジー

スマートフォンキャリア決済(d払い/au PAY(auかんたん決済)/ソフトバンクまとめて支払い)

出典:GMOイプシロン「カラーミーペイメント」料金案内

コンビニ決済が全部できないわけではありません

同じ表で、ローソン、ファミリーマート、セイコーマート、ミニストップは条件の記載なしに並んでいました。つまり、個人でもコンビニ決済自体は入れられます。

できないのはセブンイレブンの分です。コンビニ決済を入れたのに、いちばん近い店で払えない、ということが起こります。

キャリア決済のほうは、3社ともまとめて法人限定でした。スマホの料金と一緒に払いたい人には、個人事業主のショップでは応えられないことになります。

決済手段によって、率が違う

ここから手数料の話です。決済手数料はショップ単位で1つの率が決まるものだと思われがちですが、公式の表を見ると決済手段ごとに分かれていました。

同じプランでも、どの手段で払われたかによって引かれる額が変わります。この差を知らないまま手段を増やすと、平均の率が静かに上がっていきます。

3社の公式ページから、そのまま引きます。

STORES(スタンダードプラン/フリープラン)

クレジットカード・コンビニ決済・銀行振込 3.6%/5.5%

キャリア決済・楽天ペイ・あと払い(ペイディ)・PayPal・PayPay・Amazon Pay・atone 4.6%/6.5%

BASE

「決済方法がPayPay、Amazon Pay、PayPalの場合、決済手数料にシステム手数料相当額1%が加算されます」

カラーミーペイメント(GMOイプシロン)

クレジットカード 2.99〜3.4%/PayPay 3.45%

楽天ペイ(オンライン決済) 4.0%(ポイント原資負担分含む)

スマートフォンキャリア決済 6.0%(法人のみ利用可)

出典:STORES 公式ヘルプ(2026年8月10日更新)/BASE 公式料金ページ/GMOイプシロン 料金案内。いずれも

キャリア決済は、どこでもいちばん高い側でした

3社に共通していたのが、キャリア決済の位置づけです。STORESでは4.6%の側、カラーミーペイメントでは6.0%。クレジットカードの倍近くになります。

入れるなと言いたいわけではありません。入れるなら、その率で利益が残るかを先に計算しておくという話です。

それから、カラーミーペイメントの料金表には「※1 手数料は課税対象分に別途消費税が加算されます」という注記がありました。率そのものは税別ということになります。BASEとSTORESの率については、税込か税別かの記載を見つけられませんでした。

率は変わる。STORESは2026年8月に上げた

もう1つ、公式ヘルプで見つけたことがあります。手数料の率は、入れたときのまま固定ではありませんでした。

STORESの手数料表には、キャリア決済にだけ注記がついています。読むと、ある日を境に率が変わったことが分かる書き方でした。

数字を引きます。前と後で、率がどう変わったかが書かれている注記です。日付まで入っているので、いつ変わったかがはっきり分かります。

※1 キャリア決済のみ、2026年8月3日(月)0:00以降に作成されたオーダーの料率です。2026年8月2日(日)23:59までに作成されたオーダーの決済手数料は、スタンダードプラン・ネットショップベーシックプラン:3.6%、フリープラン:5.5%です。

出典:STORES 公式ヘルプ(2026年8月10日更新)

つまり、3.6%だったものが4.6%になっています

スタンダードプランのキャリア決済は、2026年8月3日を境に1ポイント上がりました。フリープランなら5.5%から6.5%です。

キャリア決済の比率が高い店なら、それだけで利益が変わります。決済手段を入れたあとも、たまに料金表を見に行く必要があるということです。

この記事の数字も、書いた時点のものです。実際に申し込む前に、必ず公式の料金ページで現在の率を確かめてください。

購入者が払う手数料もある

ここまではショップが払う手数料でした。別に、購入者が払う手数料もあります。

店の利益には関係しませんが、買う側の負担になるので、入れるかどうかの判断には関わってきます。金額が公式ヘルプに書かれていました。

どちらも、数百円の話です。ただ、数百円の追加は安い商品ほど重く感じられます。1,000円の商品に300円が乗れば、3割増しに見えます。

STORES

「コンビニ決済・キャリア決済は別途支払手数料300円(購入者負担)が発生いたします」

BASE「PAY ID あと払い」

「コンビニでお支払いする場合、支払い手数料として請求ごとに350円がかかります」

「口座振替(自動引き落とし)は、支払い手数料はかかりません」

出典:STORES 公式ヘルプ(2026年8月10日更新)/BASE 公式ヘルプ(2026年9月25日更新)。いずれも

あと払いには上限もありました

BASEの公式ヘルプには、「PAY ID 翌月あと払い」の上限が合計55,000円(税込)までと書かれています。高額の商品を扱うなら、この手段では買えません。

また「PAY ID 3回あと払い」については、2025年8月21日から事前に審査を通過した購入者のみが利用できる形に変わったと説明されていました。

審査の結果は購入者ごとに違うので、店側からは分かりません。使える人と使えない人がいる決済だ、という理解で十分です。

支払い方法がないと離脱する、という調査

では、決済手段が足りないと実際どうなるのか。消費者に聞いた調査が公開されていました。

実施したのはSBペイメントサービスという決済代行会社です。自社のサイトで、調査の条件と結果を公開しています。

条件は、1年以内に物販サイトで購入した2,455人。実施期間は2025年5月21日から6月5日まで。男女の比率と年代も公開されていました。

物販サイトでは、よくご利用になる支払方法がない場合、6割以上が離脱しほかのサイトや実店舗で同じ商品を購入する、もしくは購入自体をやめるという回答が得られました。

出典:SBペイメントサービス(2025年12月22日更新)

調べた側の立場も書いておきます

この調査を実施したのは決済代行会社です。決済手段を増やすことが本業なので、その方向の結論が出やすい立場にあります。

数字を疑えという意味ではなく、誰が調べたかを込みで読むということです。 条件と人数が公開されている点は、参考にできる材料だと思います。

なお、決済手段以外の理由による離脱については、日本の公的な統計や決済会社自身の発表を見つけられませんでした。送料や会員登録が理由だとする数字は出回っていますが、一次情報にたどり着けなかったので、この記事には書きません。

公的な数字では、金額の8割がクレジットカード

もう1つ、公的な数字も見ておきます。経済産業省が、日本のキャッシュレス決済比率を毎年公表しています。

2026年3月31日に公表された2025年の数字が最新でした。手段ごとの内訳も同じページに出ています。

ネットショップに限った数字ではなく、国全体の消費に対するものです。それでも、どの手段が大きいかの目安にはなります。

2025年のキャッシュレス決済比率は堅調に上昇し、58.0%(162.7兆円)となりました。その分子の内訳は、クレジットカードが82.7%(134.6兆円)、デビットカードが3.4%(5.5兆円)、電子マネーが3.7%(6.0兆円)、コード決済が10.2%(16.6兆円)でした。

出典:経済産業省「2025年のキャッシュレス決済比率を算出しました」(2026年3月31日公表)

件数のグラフもありますが、そのまま比べられません

同じページには、手段ごとの支払件数を示したグラフも載っていました。2025年はクレジットカードが22,832百万件、コード決済が13,496百万件です。

ただ、この件数と金額の内訳は集計の仕方が違いました。 件数のほうには「クレジットカードとコード決済の重複あり」という注記があり、カードを紐付けたコード決済は両方で数えられています。

一方で金額の内訳には、コード決済からカード紐付け分を除くという注記がついていました。定義が逆なので、「金額では何割、件数では何割」という比べ方はできません。ここは確認できなかったこととして扱います。

何から入れるか、と確認できなかったこと

最後に、判断の順番を整理します。すべてを一度に入れる必要はありませんでした。

率の低いものから入れて、求められたら足す。この順番なら、使われない決済のために高い率を払うことはありません。

そして、確かめられなかったことも並べます。公式ページを開いても数字が出てこない項目がいくつかありました。書けないものは、書けないまま残しておきます。

入れる順番の目安

1. クレジットカード。3社とも率がいちばん低い側にあります

2. コンビニ決済。STORESではカードと同じ3.6%の側です

3. そのあとは、実際に問い合わせが来た手段から足す

確認できなかったこと

カラーミーペイメントの代引き決済と後払い決済の1回あたりの金額。表の該当箇所が動的な表示になっていて、数値を読み取れませんでした

BASEとSTORESの決済手数料の率が税込か税別か。公式ページに記載を見つけられませんでした

経済産業省の資料で、金額の内訳と件数のグラフを直接比べること(集計の定義が違います)

※BASE・STORES・GMOイプシロン・経済産業省・SBペイメントサービスの公式ページを確認したものです。料率と条件は変わります。

よくある質問

決済手段は多く入れたほうがいいですか

多いほど支払えない人は減りますが、手段によって手数料の率が違います。STORESなら、クレジットカード・コンビニ決済・銀行振込が3.6%、キャリア決済や楽天ペイ、あと払いなどは4.6%(いずれもスタンダードプラン)。BASEではPayPay、Amazon Pay、PayPalに1%が加算されます。率の低いものから入れて、問い合わせが来た手段を足していく順番が無難です。入れたあとで使われないと、審査や設定の手間だけが残ります。

代金引換は入れられますか

カートによります。BASEの公式ヘルプには、利用できない決済方法の例として「代引き決済(着払いでの発送もできません)」とあります。STORESでは物販なら利用できますが、手数料の表は「なし ※STORESからの売上振込もありません」となっていて、売上はカートを通らずに受け取る形です。カラーミーショップでは、公式決済サービスに代引き決済(ゆうパックコレクト・カンガルー代引)があります。

個人事業主でも全部の決済を使えますか

カラーミーショップの公式決済サービス(GMOイプシロン提供)の料金表には、「法人のみ利用可」と書かれた決済がありました。コンビニ決済のうちセブンイレブン、ネット銀行決済のうちペイジー、そしてスマートフォンキャリア決済(d払い・au PAY・ソフトバンクまとめて支払い)です。ローソンやファミリーマートなど、ほかのコンビニは条件の記載なしに並んでいました。申し込む前に、自分が使いたい手段の欄を見てください。

手数料の率は後から変わりますか

変わります。STORESの公式ヘルプには「※1 キャリア決済のみ、2026年8月3日(月)0:00以降に作成されたオーダーの料率です。2026年8月2日(日)23:59までに作成されたオーダーの決済手数料は、スタンダードプラン・ネットショップベーシックプラン:3.6%、フリープラン:5.5%です」という注記があり、キャリア決済の率が1ポイント上がったことが分かります。特定の決済の比率が高い店では、利益に直接効いてきます。

あと払いは入れたほうがいいですか

商品の価格によります。BASEの「PAY ID 翌月あと払い」は、公式ヘルプに合計55,000円(税込)までと書かれています。この金額を超える商品では使えません。また「PAY ID 3回あと払い」は、2025年8月21日から事前に審査を通過した購入者のみが利用できる形になりました。購入者がコンビニで払う場合は請求ごとに350円の支払い手数料がかかり、口座振替なら無料です。

自分の店の決済の内訳を、一度数えてみる

注文の一覧から、どの決済がどれだけ使われたかが分かります。率の高い手段に偏っているなら、そこが利益の差になっています。

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