当サイトではアフィリエイトプログラムを利用して商品を紹介しています。掲載リンクからご購入いただいた場合、当サイトに報酬が発生することがあります。

転職の準備は何をするか|66.1%が何もしていない中で、差がつく3つの工程

書類を見ながら打ち合わせをする2人の手元。転職の準備を進めているイメージ

転職を考え始めたものの、何から手をつければいいのか分からない。とりあえず求人サイトに登録して、職務経歴書のテンプレートを探して、資格の勉強を始めたほうがいいのかと悩む。準備という言葉の範囲が広すぎて、優先順位がつきません。

ここで、実態を示す数字があります。実際に転職した人のうち、66.1%は転職の準備を何もしていません。この事実は、2つのことを意味します。準備なしでも転職は成立すること。そして、準備するだけで上位3割に入れることです。

この記事では、準備した3割が何をしたのかを公的統計で確認したうえで、情報収集だけでは差がつかない理由、在職中と離職後の進め方の違い、そして優先順位の付け方を解説します。決断そのもののタイミングは転職を決断するタイミングで扱っています。

転職した人の66.1%は、準備を何もしていない

準備活動の実施率

厚生労働省の「令和2年転職者実態調査」は、転職者に「転職するに当たってどのような準備活動をしたか」を聞いています。結果は、「特に何もしていない」が66.1%、「転職準備活動を行った」が30.9%でした。

3人に2人が、何の準備もせずに転職しています。これは怠慢というより、準備しなくても転職が成立してしまうという市場の実態を示しています。求人があり、選考があり、内定が出る。その流れに乗るだけなら、準備は必須ではありません。

準備しない人が多いことの意味

この数字の読み方は2通りあります。1つは「準備は不要」という読み方。もう1つは「準備すれば差がつく」という読み方です。

どちらが正しいかは、何を目的にするかで変わります。とにかく転職することが目的なら、準備なしでも成立します。納得して決めることが目的なら、準備は判断材料を集める作業そのものなので、避けて通れません。この記事は後者を前提にしています。

準備の定義を狭くしない

準備というと、資格取得やスキル習得を思い浮かべがちです。ですが調査の選択肢を見ると、準備活動には「産業・職業に関する情報等の収集」「就職ガイダンスや適性診断」「キャリアコンサルティング」も含まれています。

つまり調べること、話を聞くこと、診断を受けることも準備に含まれるということです。定義を狭くすると「自分はまだ準備段階に至っていない」と感じてしまいますが、実際には情報を集めた時点で準備は始まっています。

準備した3割が、実際にやったこと

内訳は情報収集が最多

準備活動を行った30.9%の内訳(複数回答)は、次のとおりです。

転職の準備として何をしたか 厚生労働省 令和2年転職者実態調査(準備した人の内訳) 産業・職業に関する情報等の収集 42.9 その他 22.4 キャリアコンサルティングを受けた 16.0 職業能力向上のため公共施設を利用 7.6 前提:準備した人は全体の30.9% 「特に何もしていない」が66.1% 準備の中心は「調べること」であって、 資格やスキルの取得ではない

最も多いのは「産業・職業に関する情報等の収集」で42.9%。次いで「その他」22.4%、「キャリアコンサルティングを受けた」16.0%と続きます。準備の中心は、調べることと人に聞くことです。

この分布で見落としてはいけないのは、母数が全転職者ではなく「準備した30.9%」だという点です。全転職者に対する割合に直すと、情報収集をした人は13%程度、キャリアコンサルティングを受けた人は5%程度にすぎません。

つまり調べるという最も基本的な工程ですら、全体の1割強しかやっていないということになります。ここが、準備が差になる理由です。特別なことをする必要はなく、多くの人がやっていない基本を押さえるだけで、判断材料の量が変わります。

資格取得は上位に来ていない

選択肢には「資格、知識等を取得するため学校等に通った」「通信教育等で勉強した」「今の会社で役立つ資格・免許を取得した」も含まれていますが、いずれも情報収集より低い割合です。

この分布は、実務の順序と一致します。何が必要かを知らないまま資格を取っても、それが応募先で評価されるとは限りません。先に情報を集めて、必要な資格が特定できてから着手するほうが、時間の使い方として合理的です。

キャリアコンサルティングは16.0%

3番目に多いのが、キャリアコンサルティングを受けることです。これは有料のサービスに限らず、公共の職業相談やエージェントの面談も含まれます。

16.0%という数字は、準備した人の中でも6人に1人ということです。全転職者で見れば5%程度になります。人に話して整理するという工程は、実際にはあまり行われていません。だからこそ、やれば差がつく部分でもあります。

情報収集だけでは差がつかない理由

集める対象が「求人」に偏る

情報収集が準備の最多である一方、集める対象が求人情報に偏ると効果が薄くなります。求人票は会社が見せたい情報であって、判断に必要な情報ではないためです。

集めるべきなのは、同じ職種の提示額の分布、その職種で求められる経験の範囲、自分の経歴がどう評価されるかの3つです。求人を100件見るより、この3つを押さえるほうが判断は進みます。

情報は「自分の位置」が分かる形で集める

求人情報を眺めても自分の位置が分からないのは、比較の基準がないからです。基準を作る方法は2つあります。1つは同じ職種の求人を10件並べて提示額の幅を見ること。もう1つは、その幅の中で自分がどこに置かれるかを人に聞くことです。

後者は、エージェントの面談で聞けます。「私の経歴だと、どの職種でいくらの提示が出ていますか」という質問なら、相手の立場に左右されない事実が返ってきます。エージェントの使い方は転職エージェントに「迷っている」と相談していいのかで扱っています。

転職活動の方法は、企業側と個人側でずれている

同じ調査には、転職者が実際にどの方法で活動したかのデータもあります(複数回答)。求人サイト・求人情報専門誌等が39.4%、ハローワーク等の公的機関が34.3%、縁故が26.8%、企業のホームページが15.1%、民間の職業紹介機関が14.8%です。

注目すべきは、民間の職業紹介機関を使った人が14.8%にとどまる点です。企業側の募集方法では24.8%が使っていたのに対し、個人側の利用はさらに低くなっています。エージェント経由だけを見ていると、市場の大部分が視界に入りません。

離職から就職までの実態は「1か月以内」が過半

空白期間の実態

準備を考えるうえで、離職から次の就職までにどれくらいの期間が空くのかは重要な情報です。同じ調査では、次のようになっています。

離職から就職までの期間 割合
離職期間なし(在職中に次が決まっている) 26.1%
1か月未満 27.6%
1か月以上2か月未満 13.3%
2か月以上4か月未満 12.9%
10か月以上 5.5%

「離職期間なし」26.1%と「1か月未満」27.6%を合わせると53.7%。半数以上が1か月以内に次の職場に就いています。長期の空白を心配して動けない人が多いのですが、実態としては短期決着が多数派です。

ただし4人に1人は2か月以上

一方で、2か月以上4か月未満が12.9%、10か月以上も5.5%あります。全体を合わせると、2か月以上かかる人は4人に1人程度です。短期決着が多数派でも、長引く可能性はゼロではありません。

したがって、辞めてから探す場合の生活費は、最低でも3か月分、余裕を見て6か月分を確保しておくのが現実的な備えになります。この計算をしておくと、焦って条件の悪い求人を受ける事態を避けられます。

在職中に進めるか、辞めてから動くか

在職中のほうが選択肢は広い

結論から言えば、在職中に進めるほうが有利です。理由は2つあります。1つは収入が続くため、条件の悪い求人を断れること。もう1つは、現職と比較しながら判断できることです。

「離職期間なし」で転職した人が26.1%いるという事実は、在職中に次を決めることが十分に現実的だということを示しています。特別なことではありません。

辞めてから動くべき場合

ただし、辞めてから動くほうがよい場合もあります。心身に影響が出ている場合、業務量が多すぎて選考の時間が確保できない場合、そして資格取得など時間のかかる準備が必須の職種を目指す場合です。

この場合も、辞める前に生活費の残り月数を計算しておくことが条件です。計算しないまま辞めると、期間が長引いたときに判断が「早く決めたい」に傾きます。

在職中に進めるときの時間の作り方

工程 必要な時間 時間の作り方
情報収集(相場・求人要件) 合計3〜4時間 平日30分×5日+週末1時間で1週間
職務経歴書の作成 初稿3時間・修正2時間 週末1日で初稿、平日に修正
エージェント面談 1回60〜90分 オンライン可。平日夜・土曜の枠がある
面接(1社2〜3回) 1回60分+移動 オンライン面接の可否を応募時に確認

最も時間を取られるのは面接です。応募の段階で「オンライン面接が可能か」を確認しておくと、在職中の負荷が大きく下がります。近年はオンラインで一次選考まで進められる企業が増えています。

準備の優先順位は3つだけ

1:自分の経歴を1枚に書き出す

最初にやるのは、これまでの経験を1枚に書き出すことです。応募用の職務経歴書ではなく、自分用の棚卸しで構いません。会社ごと・時期ごとに、担当した業務と自分で決めた範囲を並べます。

これを先にやる理由は、求人を見る前に自分の持ち物を把握しておくためです。持ち物が分からないまま求人を見ると、条件の良し悪しだけで判断することになります。書き方の手順は自分の強みがわからないまま転職活動を始めると起きることで扱っています。

2:相場を3つの数字で押さえる

次に、市場の相場を3つの数字で押さえます。同じ職種の提示額の下限・中央・上限です。求人サイトで同職種を10件見れば、おおよその幅が分かります。

この3つを持っておくと、提示された条件が高いのか低いのかを自分で判断できます。持っていないと、提示された金額が唯一の基準になり、比較ができません。相場を知らないまま交渉することはできません。

3:現職で変えられる範囲を1つ試す

3つ目は、現職で手を打つことです。異動希望を出す、業務配分を相談する、制度の利用を申請する。どれか1つで足ります。

これを準備に入れる理由は、結果がどちらに転んでも材料になるからです。変わらなければ転職理由として面接で語れます。変われば、転職しない選択肢が現実味を帯びます。準備の中で、最も費用対効果が高い工程です。

資格の勉強を先に始めてはいけない

順序が逆になっている

転職を考えたとき、まず資格の勉強を始める人がいます。ですがこれは順序が逆です。どの資格が必要かは、応募先が決まらないと分かりません。

調査でも、準備活動の内訳で最多は情報収集42.9%であり、資格取得関連は下位です。実際に転職した人も、資格から入っていません。まず調べて、必要だと分かってから取る。この順序のほうが、結果的に早く着きます。

資格が必須の職種は限られる

資格がないと応募できない職種は実際にありますが、その多くは業務独占資格のある領域です。それ以外の職種では、資格は加点要素であって必須ではありません。

処遇の決定でも、免許・資格を最も重視する企業は10.7%にとどまり、経験・能力・知識の53.7%が中心です。資格を取る時間を、経験の言語化に使うほうが効率的な場合が多くあります。

それでも勉強するなら、応募と並行で

資格を取りたい理由が明確にある場合は、応募活動と並行して進めてください。合格してから応募する、という順序にすると、時期が半年から1年先に延びます。

面接では「現在学習中」と伝えて構いません。学習中であること自体が、意欲と継続力の証拠として機能します。合格を待つ必要はありません。

伝え方にはひと工夫あります。「勉強しています」だけでは意欲の表明で終わるので、開始時期と学習量を数字で添えてください。「6月から平日1時間、週末2時間で継続しています」という形なら、継続力の実績として読まれます。

もし不合格だった場合も、それを隠す必要はありません。「1度目は不合格でしたが、間違えた分野を絞って学習を続けています」という説明は、むしろ検証と修正ができる人という評価につながります。結果より、取り組み方が見られています。

まとめ

  • 転職した人のうち、準備を「特に何もしていない」が66.1%、「準備活動を行った」が30.9%(厚生労働省 令和2年転職者実態調査)
  • 準備した人の内訳は、産業・職業に関する情報収集42.9%、その他22.4%、キャリアコンサルティング16.0%、公共施設の利用7.6%。準備の中心は調べることと人に聞くこと
  • 資格取得は上位に来ていない。何が必要かを知らないまま取っても評価されるとは限らないため、順序としては情報収集が先
  • 転職活動の方法は、求人サイト等39.4%、ハローワーク等34.3%、縁故26.8%、企業のホームページ15.1%、民間の職業紹介機関14.8%。エージェントの利用は個人側では15%未満
  • 離職から就職までは「離職期間なし」26.1%と「1か月未満」27.6%で過半。ただし2か月以上かかる人も4人に1人程度いるため、辞めてから探すなら生活費は3〜6か月分を確保する
  • 在職中に進めるほうが有利。収入が続くため条件の悪い求人を断れ、現職と比較しながら判断できる
  • 準備の優先順位は3つ。自分の経歴を1枚に書き出す、同職種の提示額の下限・中央・上限を押さえる、現職で変えられる範囲を1つ試す
  • 資格の勉強から始めない。処遇決定で免許・資格を最も重視する企業は10.7%で、経験・能力・知識の53.7%が中心。取るなら応募と並行し、学習中と伝えてよい

よくある質問(FAQ)

転職の準備は、何から始めればいいですか。

3つの順序があります。1つ目に自分の経歴を1枚に書き出す(応募用ではなく自分用の棚卸し)、2つ目に同職種の提示額の下限・中央・上限を押さえる、3つ目に現職で変えられる範囲を1つ試す。3つ目は結果がどちらに転んでも材料になるため、最も費用対効果が高い工程です。

準備せずに転職してもいいのでしょうか。

実際に転職した人の66.1%は準備を何もしていません。準備なしでも転職は成立します。ただし目的が「とにかく転職すること」なのか「納得して決めること」なのかで答えが変わります。後者なら、準備は判断材料を集める作業そのものなので避けられません。

資格を取ってから転職したほうがいいですか。

順序が逆です。どの資格が必要かは応募先が決まらないと分かりません。処遇の決定でも免許・資格を最も重視する企業は10.7%にとどまり、経験・能力・知識の53.7%が中心です。取りたい資格が明確にあるなら、応募と並行して進め、面接では「現在学習中」と伝えてください。合格を待つと時期が半年から1年延びます。

在職中に転職活動をする時間が取れません。

工程ごとに必要な時間は、情報収集が合計3〜4時間、職務経歴書が初稿3時間と修正2時間、エージェント面談が1回60〜90分です。最も負荷が高いのは面接なので、応募の段階で「オンライン面接が可能か」を確認してください。近年はオンラインで一次選考まで進められる企業が増えています。

辞めてから探すと、空白期間が不利になりませんか。

離職から就職までの期間は「離職期間なし」26.1%と「1か月未満」27.6%で過半を占めており、短期決着が多数派です。ただし2か月以上かかる人も4人に1人程度います。辞めてから探す場合は、生活費を最低3か月分、余裕を見て6か月分確保してください。計算しておくと、焦って条件の悪い求人を受ける事態を避けられます。

情報収集は何を集めればいいですか。

求人情報だけを集めると効果が薄くなります。求人票は会社が見せたい情報であって、判断に必要な情報ではないためです。集めるべきは、同じ職種の提示額の分布、その職種で求められる経験の範囲、自分の経歴がどう評価されるかの3つです。3つ目はエージェントの面談で「私の経歴だと、どの職種でいくらの提示が出ていますか」と聞けば分かります。

転職は、人生の経営判断です

3人に2人は準備をしていません。だから、調べて、聞いて、現職で1つ試すだけで、判断材料の量は上位3割に入ります。まずは自分の経歴を1枚に書き出すところから始めてください。

出典:厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」(表17・表18・表20・図1)

上部へスクロール