
UTAGEのファネルにはA/Bテスト機能があります。同じステップに複数のページを用意して、どちらが成果を出すかを比べる機能です。
公式の説明です。
同一ファネルステップ内に複数のページを設けてABテストを行うことが可能となる機能です。テスト用URL(ファネルステップURL)を公開することで、均一に作成された各ページにアクセスが流れます
使い方は難しくありません。ただし終わらせ方を間違えると、集計したデータが使えなくなります。
結論:負けたページは削除せずアーカイブ
先に、いちばん重要な注意から書きます。
テストが終わって、負けたページを片付けるときの話です。公式の記載です。
テスト結果により効果のないページをテスト対象から外す際、アーカイブをします。※削除すると、データが正常に集計できなくなるためアーカイブを推奨します
削除すると、データが正常に集計できなくなります。
削除が消すのは「片方」ではない
負けたページを消すだけなら、残ったページのデータには影響しないように思えます。しかし公式は「データが正常に集計できなくなる」と書いています。
A/Bテストの結果は相対評価です。「Aが3%、Bが5%だった」という比較があって意味を持ちます。片方が消えれば、比較そのものが成立しません。
そして、あとから振り返るときに困ります。「なぜこのページに決めたのか」という根拠が残らないからです。
アーカイブは戻せる
アーカイブしたページは、あとから見られます。公式の説明です。
アーカイブ済みのページがあると、右上に【アーカイブ済みを表示】チェックボックスが表示されます。チェックをすると、アーカイブずみページを表示することが可能です
さらに「アーカイブ済みから『アーカイブを解除』することも可能です」とあります。
アーカイブは取り消せます。削除は取り消せません。迷ったらアーカイブです。
片付けるときの手順は1つだけ覚えておいてください。A/Bテストのページには、削除ボタンを使わない。
A/Bテストの作り方
手順は短いです。
ページを開いて作成する
公式の前提手順です。
【ファネル】>「ファネル一覧」該当ファネル >「ページ一覧」該当ページを開きます。
そこで【A/Bテストを作成】ボタンをクリックすると、作成方法を2つから選べます。
| 作成方法 | 公式の説明 |
|---|---|
| ページをコピーして作成 | 一部のみ変更してテストする場合におすすめ |
| 新規にページを作成 | 最初から別ページを作成したい場合におすすめ |
どちらを選ぶか
ほとんどの場合は「ページをコピーして作成」です。
A/Bテストは1か所だけ変えて比べるのが基本です。見出しを変える、ボタンの文言を変える、画像を変える。2か所以上変えると、どちらが効いたのか分からなくなります。
コピーして作れば、変えた箇所以外は完全に同じです。比較の条件が揃います。
「新規にページを作成」が向くのは、構成そのものを比べたいときです。長いLPと短いLP、動画中心とテキスト中心。この場合は、どの要素が効いたかは分かりません。分かるのは「どちらが勝ったか」だけです。
同じ人には同じページが出る
仕組みで1つ押さえておく点があります。公式の注記です。
同一個人には同じページのみ表示される制御がされています
読者が2回目にアクセスしても、1回目と同じページが出ます。
これはテストの精度のために必要な制御です。もし毎回ランダムに切り替わると、同じ人が別々のページを見て混乱しますし、計測も濁ります。
ただし実務では、この制御が自分で確認するときの障害になります。自分が一度アクセスすると、以降は同じページしか出ません。
もう一方を見たいときは、次章の個別URLを使います。
2種類のURLの使い分け
A/Bテストを動かすと、URLが2種類になります。
ファネルページURL(振り分け用)
公式の説明です。
上部に表示されているファネルページURLからアクセスさせることで、作成したテストページに均一にアクセスが流れます
これがテスト用のURLです。読者に案内するのはこちらになります。
広告、メール、LINE、SNS。すべての流入をこのURLに集約してください。どこか1つでも個別URLを案内していると、その分だけ偏ります。
個別テストページURL(指定用)
作成した個別のテストページごとに指定してアクセスさせたい場合は、各ページ下部に表示されている個別URLを使用してください
特定のページを直接開くためのURLです。各ページの下部に表示されています。
使いどころは次の3つです。
- 自分で表示を確認するとき。「同一個人には同じページ」の制御を迂回できます
- 関係者に見せるとき。どちらのページを見てほしいか指定できます
- 特定の流入元だけ別のページに当てたいとき
3つ目は、テストの集計を歪めます。使うなら、テスト期間が終わってからにしてください。
案内するURLを間違えない
実務での事故は、個別URLを読者に案内してしまうことです。
個別URLも普通に開けるので、間違いに気づきません。テスト期間が終わってデータを見たときに、片方のアクセスが極端に多いことで判明します。
配信前に、案内するURLが上部のファネルページURLかを確認してください。テスト送信で扱ったとおり、配信前の確認は1か所ずつ潰すのが確実です。
「500エラー」で作成できないとき
【A/Bテストを作成】をクリックすると500エラーが出る、という症状があります。
公式が2026年8月に原因を公開しました。
原因:ファネルページの「管理名称」が文字数の上限を超えている
コピー時に20文字が自動で足される
仕組みはこうです。
コピー及びA/Bテストを作成する際、ファネルページに設定されている「管理名称」の末尾に、システム側で日時(20文字)が自動的に追加されます。管理名称には255文字までの文字数制限があるため、日時が追加された際に255文字を超える管理名称が設定されていると、コピー及びA/Bテスト作成時に500エラーが発生します
整理すると、次のようになります。
- 管理名称の上限は255文字
- コピー時に日時が20文字追加される
- 合計が255文字を超えると500エラー
つまり、実質の上限は235文字です。それを超える管理名称を付けていると、コピーもA/Bテストの作成もできません。
対処は管理名称を短くする
公式の対処です。
該当するファネルページの「管理名称」を短く変更してから、再度A/Bテストの作成をお試しください
変更する場所も書かれています。
「ファネル」> 該当のファネル > 該当のファネルページ編集画面 >「ページ設定」>「基本情報」>「管理名称」
短くしても500エラーが続く場合は、お問い合わせフォームから連絡するよう案内されています。
そもそも管理名称は短くする
255文字の管理名称を意図して付ける人はいません。長くなるのは、コピーを繰り返した結果です。
コピーのたびに日時が20文字ずつ足されていきます。コピーのコピーのコピー、と重ねると、気づかないうちに上限に近づきます。
対策は単純です。コピーしたら、すぐ管理名称を付け直す。
メール配信3種で扱ったとおり、UTAGEには管理用の名前と読者に見える名前が別々にある機能がいくつもあります。管理名称は前者です。自分が後で見分けられる短い名前にしてください。
A/Bテストなら、「LP_見出しA」「LP_見出しB」のような付け方が扱いやすいです。
結果の見方と判断の手順
データの場所は1か所です。
ファネル>【データ】を開くと参照できます。設定したページごとに集計された値が表示されますのでテスト結果として参照ください
ページごとに集計された値が並びます。ファネル分析で扱った画面と同じ場所です。
手順1:先に「何を見るか」を決める
テストを始める前に、勝ち負けの基準を1つに決めてください。
登録数なのか、登録率なのか、その先の購入数なのか。始めてから決めると、都合のいい数字を選んでしまいます。
ページの役割ごとに、基準は決まっています。
| ページの種類 | 見る指標 |
|---|---|
| 登録フォームのページ | 登録率 |
| 販売ページ | 購入率 |
| 申込ページ | 申込率 |
| サンクスページ | 次のステップへの遷移率 |
「数」ではなく「率」を見てください。A/Bテストではアクセスが2つに割られますが、完全に同数にはなりません。アクセスが多かったページの数が多くなるのは当然です。
その先まで見るかどうか
悩ましいのは、登録率で勝ったページが、購入率では負けることがある点です。
ハードルを下げた文面は登録を増やしますが、温度の低い人も入ってきます。結果として、その先の購入が減ることがあります。
本来は購入まで見るのが正しいのですが、購入まで見ると判断に必要な件数が跳ね上がります。登録率なら100件で見えるものが、購入率では1,000件必要になることもあります。
現実的な落としどころは次のとおりです。
- アクセスが少ないうちは登録率で判断する。まず前に進めます
- 登録率で大差がつかなかったときだけ、その先を見る
- 登録率で勝った案を採用したあと、購入率が落ちていないか翌月に確認する
ファネル分析で扱ったとおり、ファネルの数字は段階ごとに見られます。採用後に1段先を確認する習慣をつけてください。
手順2:期間を決めて、途中で止めない
A/Bテストでいちばん多い失敗は、途中で結果を見て止めることです。
最初の数件でAが勝っていると、そこで決めたくなります。しかし件数が少ないうちは、差はほとんど偶然です。
始める前に「この日まで」「この件数まで」を決めて、そこまでは触らないでください。
手順3:曜日と時間帯を揃える
期間を決めるとき、週単位にするのが安全です。
平日と土日ではアクセスの質が変わります。水曜に始めて翌週の火曜まで、のように7日単位で区切れば、曜日の偏りが消えます。
広告を使っている場合は、広告の配信設定を期間中に変えないでください。入札やターゲットを変えると、流入する人の性質が変わります。
手順4:負けたページをアーカイブする
判断がついたら、負けたページをアーカイブします。繰り返しますが、削除しないでください。
アーカイブすると、以降のアクセスは残ったページに集まります。テストを終わらせる操作がアーカイブです。
アーカイブする前に、画面の数字を控えておいてください。公式は【データ】に「設定したページごとに集計された値」が表示されるとしていますが、アーカイブ後にその画面をどう扱うかまでは書かれていません。
控えるのは4つだけで足ります。
- 各ページのアクセス数
- 各ページの成果数(登録・購入など)
- それぞれの率
- テストの期間
スクリーンショットを1枚撮っておくのがいちばん早いです。あとから「本当に差があったのか」を確認できる状態にしておきます。
手順5:次のテストを1か所だけ変えて始める
勝ったページを新しい基準にして、次は別の1か所を変えます。
見出しで勝ったなら、次はボタンの文言。その次はファーストビューの画像。1回に1か所です。
この積み重ねが効きます。1回で大きく変えるより、小さく確実に勝ち続けるほうが結果が残ります。
変える順番にも優先度がある
どこから手を付けるかで、効率が変わります。読者が見る順番に近いところほど、影響が大きくなります。
| 優先 | 変える箇所 | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | ファーストビューの見出し | 離脱の大半がここで起きる |
| 2 | ボタンの文言 | 行動の直前にある |
| 3 | フォームの項目数 | 入力の手間が直接効く |
| 4 | 本文の構成や順番 | 読み進めた人にしか効かない |
ページの下のほうから直しても、そこまで読んだ人にしか届きません。上から順に潰すのが基本です。
負けたときも記録に残す
A/Bテストでは、変えたほうが負けることのほうが多いのが実感に近いところです。
それは失敗ではありません。「この方向は効かない」と分かったことが結果です。
負けた案を記録しておかないと、半年後に同じことを思いついて、同じテストをやり直します。勝った案より、負けた案のほうが記録の価値が高いこともあります。
テストの設計で気をつけること
機能の話ではなく、運用の話です。
アクセスが少ないうちはやらない
A/Bテストはアクセスを2つに割る機能です。もともとのアクセスが少なければ、どちらも判断できない件数になります。
月に数十人しか来ないページで割っても、結論は出ません。その段階では、テストより集客そのものに時間を使うほうが前に進みます。
判断の目安になるのは、差が出たときに「偶然ではない」と言えるかどうかです。
極端な例で考えると分かりやすくなります。10人ずつに分けて、Aが2人、Bが3人登録した。登録率は20%と30%で、数字上は1.5倍の差です。しかし実際には、1人が動いただけです。
この状態で「Bの勝ち」と決めると、次の10人では逆転します。
先に必要な件数を見積もる
テストを始める前に、期間中にどれくらいのアクセスが見込めるかを確認してください。
過去1か月の同じページのアクセス数は、ファネルの【データ】で分かります。その数を2で割ったものが、1ページあたりの想定件数です。
- 2週間で1ページあたり数十件しか来ない:テストはまだ早い段階です
- 1ページあたり数百件が見込める:大きめの差なら判断できます
- それ以上:細かい変更でも差が見えます
件数が足りないなら、テストの代わりに1案に絞って改善してください。比べられないだけで、直すこと自体は無駄になりません。
アクセスが少ないときの代わりの手
件数が出ないうちは、比較ではなく観察に寄せます。
- ファネルの段階ごとの数字を見る。どこで落ちているかは、件数が少なくても傾向が見えます
- 実際に見てもらって感想を聞く。数人でも、読みにくい箇所は共通します
- 自分でスマートフォンから通して操作する。入力のしづらさは数字より早く分かります
A/Bテストは、改善の手段の1つでしかありません。使える条件が揃ってから使ってください。
同時に複数のテストをしない
ファネルの複数のステップで同時にテストをすると、組み合わせが増えて何も分からなくなります。
登録ページでA/B、サンクスページでもA/B。この状態では4通りの経路ができます。それぞれの件数は4分の1です。
テストは1ファネルにつき1か所にしてください。
3ページ以上に増やさない
公式は「複数のページを設けて」としており、ページ数の上限は明示していません。ただし増やすほど1ページあたりの件数は減ります。
3ページに割れば、1ページあたりは3分の1です。判断できるまでの期間が3倍かかります。
特別な理由がなければ2ページにしてください。
結果を記録に残す
アーカイブすればページは残りますが、「何を変えて、どちらが何%勝ったか」は残りません。
テストごとに、次の4つを手元に書き留めてください。
- 変えた箇所
- 期間
- 各ページの件数と率
- 採用した理由
半年後に同じテストを繰り返さないための記録です。担当が変わったときにも効きます。
まとめ
A/Bテストで押さえる点です。
- 負けたページは削除せずアーカイブする。公式が「削除すると、データが正常に集計できなくなる」と明記
- アーカイブは解除できる。削除は戻せない
- 案内するのは上部のファネルページURL。個別URLを案内すると偏る
- 同一個人には同じページが出る。自分で確認するときは個別URLを使う
- 500エラーの原因は管理名称。コピー時に日時20文字が足され、255文字を超えると失敗する
- 変えるのは1回に1か所
- 期間を決めて、途中で止めない
機能としてはシンプルですが、終わらせ方だけは取り返しがつきません。
A/Bテストのページには削除ボタンを使わない。これだけ覚えておいてください。
ここで扱った【A/Bテストを作成】やファネルの【データ】は、UTAGEの機能の14日間の無料お試し期間中に確認できます。
よくある質問(FAQ)
負けたページは削除してもいいですか?
削除しないでください。公式は「削除すると、データが正常に集計できなくなるためアーカイブを推奨します」としています。アーカイブなら【アーカイブ済みを表示】から確認でき、「アーカイブを解除」で戻すこともできます。
【A/Bテストを作成】で500エラーが出ます。
ファネルページの「管理名称」が長すぎます。コピーやA/Bテストの作成時に、管理名称の末尾へシステムが日時を20文字追加します。管理名称の上限は255文字なので、合計が超えると500エラーになります。ページ設定の基本情報から管理名称を短くしてください。
どちらのURLを読者に案内すればいいですか?
上部に表示されているファネルページURLです。公式は「ファネルページURLからアクセスさせることで、作成したテストページに均一にアクセスが流れます」としています。各ページ下部の個別URLを案内すると、アクセスが偏ります。
自分で両方のページを確認できますか?
各ページ下部の個別テストページURLを使ってください。公式は「同一個人には同じページのみ表示される制御がされています」としているため、ファネルページURLからでは一方しか表示されません。
ページをコピーして作るのと、新規に作るのはどちらがいいですか?
1か所だけ変えて比べるなら「ページをコピーして作成」です。公式も「一部のみ変更してテストする場合はこちらの作成方法をおすすめします」としています。構成そのものを比べたい場合は「新規にページを作成」です。
結果はどこで見られますか?
ファネルの【データ】です。公式は「設定したページごとに集計された値が表示されますのでテスト結果として参照ください」としています。
3ページ以上でテストできますか?
公式は「複数のページを設けて」としており、ページ数の上限は明示していません。ただしページを増やすほど1ページあたりの件数が減り、判断できるまでの期間が延びます。特別な理由がなければ2ページを推奨します。
同じファネルの複数ページで同時にテストしていいですか?
おすすめしません。2か所でテストすると経路が4通りに分かれ、それぞれの件数が4分の1になります。テストは1ファネルにつき1か所にしてください。
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