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ネットショップの顧客リスト|BASEは「現状は顧客情報をダウンロードすることができません」

ノートパソコンの表計算画面を見ながら机で作業しているところ

リピートを増やすなら顧客リストを作る。売上を伸ばす話でよく出てきます。

ただ、公式ヘルプを開くと、そもそも顧客情報を書き出せないカートがありました。リストを作る以前の話です。

この記事では、BASE・STORES・カラーミーショップの公式ヘルプと、個人情報保護委員会のページで確かめた内容を並べます。書き出せた場合には、別の責任がついてきます。

顧客リストは、手元にあるとは限りません

カートを使っていると、管理画面に顧客の一覧が出ます。購入回数や金額も並んでいるので、リストはもう持っているように見えます。

ただ、見えていることと、手元に持ち出せることは別でした。3社のヘルプを開いたところ、扱いが分かれます。

CSVで書き出せるもの、有料プランなら書き出せるもの、そもそも書き出せないもの。この3つです。

先に全体を並べます。

顧客情報の書き出し(公式ヘルプより)

BASE:「現状は顧客情報をダウンロードすることができません」

STORES:CSVで一括ダウンロードできる。ただし有料プラン限定、パソコンからの操作専用

カラーミーショップ:顧客データや商品データをCSVでダウンロードできる。ただし丸ごとのバックアップ機能はない

出典:BASE ヘルプ「顧客情報はダウンロード可能ですか」/STORES ヘルプ「【顧客管理】顧客情報をCSVで一括ダウンロードする方法」/カラーミーショップ ヘルプ「ショップデータのバックアップをとりたい」(いずれも)

カートを選ぶときに、見ておく項目でした

この差は、始めるときにはあまり意識されません。ただ、続けていくと効いてきます。カートを変えるとき、メールを送りたいとき、会計の資料を作るとき。

顧客の情報が自分の手元にないと、できることが決まります。

この媒体の別の回で、カートごとの費用を比べました。費用の表には出てこない差が、ここにあります。順番に見ていきます。

BASEは「ダウンロードすることができません」

まずBASEです。ヘルプに「顧客情報はダウンロード可能ですか」という項目がありました。

答えは1行です。短いので、説明を足さずにそのまま引きます。

読み方に迷う余地はありませんでした。

現状は、という言い方になっているので、将来は変わるかもしれません。ただ、いま使うかどうかを決めるなら、できない前提で考えることになります。

大変申し訳ございませんが、現状は顧客情報をダウンロードすることができません。

出典:BASE ヘルプ「顧客情報はダウンロード可能ですか」

管理画面の中では、使えます

書き出せないというだけで、顧客の情報が見られないわけではありません。BASEには顧客グループという機能があり、作ったグループにメールマガジンを送ることもできます。

ヘルプには、顧客詳細に性別や生年月日の欄があることや、顧客メモを使えることも書かれていました。管理画面の中で完結する使い方なら、困りません。

困るのは、外に出したいときです。別のメール配信サービスを使いたい、表計算ソフトで集計したい、カートを変えたい。こういう場面で止まります。

BASEは、メールアドレスで顧客をまとめています

同じヘルプに、もう1つ知っておきたい記述がありました。同じ人の注文を、どうやって1人分としてまとめているかという話です。

判断に使っている項目が、はっきり書かれていました。名前でも住所でもなく、1つの項目だけが基準になっています。

この基準を知らないと、リピーターの数を読み違えることになります。1行なので、そのまま引きます。

顧客情報につきましては、「メールアドレス」を元に顧客情報を統合しています。

出典:BASE ヘルプ「どのように顧客情報を統合していますか」

アドレスを変えた人は、別の人になります

まとめる基準がメールアドレスということは、同じ人が別のアドレスで買うと、別の顧客として数えられることになります。

携帯のアドレスからパソコンのアドレスに変えた、勤め先が変わった、キャリアを変えた。よくある話です。購入回数が2回のはずの人が、1回の人が2人として並びます。

リピーターの人数を見るときは、この作りを頭に入れておく形になります。名前と住所が同じでも、まとめられていない可能性があります。

STORESは、CSVで25項目ほど出せます

次にSTORESです。こちらは顧客情報をCSVで一括ダウンロードできる機能がありました。

ただし条件がついています。ヘルプには「この機能は、STORES ネットショップ や STORES 予約の有料プラン、または スタンダードプラン をご契約中の方のみご利用いただけます」とありました。

もう1つ、操作の条件もあります。「パソコン(PC)からの操作専用であり、スマートフォンからはご利用いただけません」という記述でした。

出力できる項目は、一覧で並んでいます。

STORESのCSVで出力できる項目

登録日/メールアドレス/顧客名(姓)/顧客名(名)/電話番号/会員・非会員/ランク

有効ポイント/累計ポイント/性別/生年月日/利用したことのある店舗

初回購入日/最終購入日/利用金額(通算)/購入回数(通算)

バーコード番号/会員番号/郵便番号/国名/都道府県/住所

メルマガ配信/メモ/退会日

出典:STORES ヘルプ「【顧客管理】顧客情報をCSVで一括ダウンロードする方法」

初回購入日と最終購入日が入っています

この一覧で目を引いたのが、初回購入日と最終購入日でした。購入回数と利用金額もあります。

この4つがあると、最後に買ってから何か月たっているかを表計算ソフトで出せます。リピートの施策を考えるとき、いちばん最初に見たい数字です。

この媒体では、休眠顧客への連絡を別の回で扱う予定です。そのときに使うのが、この列になります。出せるカートを使っているなら、一度出しておく価値があります。

出ない項目も書かれています

同じページに、出力されない項目についての注記もありました。すべてが出るわけではありません。

挙げられていたのは、予約サービス側で保存される項目です。ネットショップだけを使っている場合は関係しませんが、両方を使っているなら効いてきます。

そのまま引きます。

あわせて、使っているサービスによって項目が変わるという注意も書かれていました。

※STORES 予約の顧客情報で保存されるお名前(カナ)、会員番号、顧客メモ、予約メモ、予約者情報カスタマイズで追加した項目は表示されません。また、ご利用のサービスにより表示される項目が異なります。

出典:STORES ヘルプ「【顧客管理】顧客情報をCSVで一括ダウンロードする方法」

出してから、列を確かめます

ヘルプの一覧と、実際に出てきたCSVの列がそろっているかは、開いてみないと分かりません。契約しているサービスによって変わる、と書かれているためです。

出したら、まず1行目の見出しを見ます。必要な列が入っていなければ、そのCSVでは目的の集計ができません。

それから、CSVをExcelで開くと文字化けすることがあります。STORESのヘルプにも、カラーミーショップのヘルプにも、この対処についての項目が別にありました。開いて崩れていたら、そちらを見る形になります。

カラーミーショップも、CSVで出せます

3社目がカラーミーショップです。こちらもCSVで書き出せますが、ヘルプの書き方が少し違いました。

「ショップデータのバックアップをとりたい」という項目に、できることとできないことが並んでいます。

まず、丸ごとのバックアップはできない、という説明から始まっていました。

そのうえで、何を使って自分で保存するかが案内されています。

申し訳ありませんが、ショップのデータを丸ごとバックアップするための機能はご用意がありません。そのため、以下のような機能を利用して独自でデータを保存し管理をお願いします。

● 顧客データや商品データ等 下記ページにてCSVファイル形式でダウンロードできます。

出典:カラーミーショップ ヘルプ「ショップデータのバックアップをとりたい」

デザインは、手で保存することになります

同じページに、デザインについての案内もありました。テンプレートのHTMLとCSSは、編集画面のテキストエリアから内容をコピーして、メモ帳などに貼り付けて保存するという手順です。

顧客データや商品データはCSVで出せますが、見た目のほうは手作業で残す形でした。

デザインを触っているなら、直したあとに1回コピーしておくことになります。作業としては地味ですが、戻したくなったときに効いてきます。

出した瞬間に、自分で預かることになります

ここからは、書き出せた場合の話です。CSVを手元に置いた時点で、扱いの責任が移ります。

氏名や住所、電話番号、メールアドレスが並んだファイルです。個人情報保護法でいう個人データにあたります。

カートの中にあるときは、カート側の仕組みに守られていました。パソコンに置いたファイルは、自分で守ることになります。

そして、漏れたときには報告の義務が出てきます。

CSVを出したあとに変わること

置き場所を自分で決めることになる(パソコン、外付け、クラウド)

コピーが増える(メールに添付する、別のサービスに読み込ませる)

※ここは公式の記述ではなく、自分で整理した内容です

出すこと自体が問題なのではありません

集計のために出す、バックアップのために出す。どちらも必要な作業です。この記事も、出すのをやめようという話ではありません。

ただ、出したファイルが何本あるか、いまどこにあるかは、自分で把握しておく必要があります。

次に、漏れたときに何が起きるかを見ておきます。個人情報保護委員会のページに、報告が必要になる場合が並んでいました。

漏れたら報告が必要になる4つの場合

個人情報保護委員会の「漏えい等の対応」のページに、報告が義務付けられている要件が挙げられています。

民間の事業者について、4つの類型が並んでいました。どれか1つに当てはまれば、報告が必要になります。

ネットショップに関係が深いのは、2つ目と4つ目です。どちらも、顧客リストを手元で扱っているときに起きうる話でした。

並べます。

漏えい等報告が必要な場合(民間事業者)

1. 要配慮個人情報が含まれる個人データの漏えい等(またはそのおそれ)

2. 不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれがある個人データの漏えい等(またはそのおそれ)

3. 不正の目的をもって行われたおそれがある行為による個人データの漏えい等(またはそのおそれ)

4. 個人データに係る本人の数が1,000人を超える漏えい等(またはそのおそれ)

出典:個人情報保護委員会「漏えい等の対応(個人情報)」

「おそれ」の段階でも対象です

4つとも、末尾に「又はそのおそれ」と書かれています。確実に漏れたと分かっていなくても、対象になる書き方でした。

期限についても記載があります。「発覚したら、まずは速やかに報告してください」とあり、不正な目的で行われたおそれがある場合は、発覚日から60日以内と書かれていました。

3つ目の類型の説明には「『不正の目的をもって』の主体は、従業者だけではなく、盗難等第三者も含まれます」という注記もあります。外からの攻撃も、中の人の持ち出しも、同じ枠で扱われる形でした。

ECサイトとメールの誤送信が、例に挙がっています

類型の説明には、それぞれ具体例がついていました。その中に、ネットショップの話がそのまま出てきます。

2つ目の類型、財産的被害が生じるおそれがある場合の例です。

そして4つ目、1,000人を超える場合の例のほうにも、心当たりのある話が並んでいました。特別な事故ではなく、操作を1つ間違えただけの例です。

両方とも引きます。

挙げられている例

「ECサイトからクレジットカード番号を含む個人データが漏えいした場合」

「※クレジットカード番号の下4桁のみとその有効期限の組合せの漏えいであれば、直ちに報告対象事態には該当しない。」

「自社の会員(1,000人超)にメールマガジンの配信を行う際、本来メールアドレスをBCC欄に入力して送信すべきところをCC欄に入力して一括送信した場合」

出典:個人情報保護委員会「漏えい等の対応(個人情報)」

CSVを出して、そこから送るときに起きます

最後の例が、この記事の話とつながります。顧客リストをCSVで出して、自分のメールソフトで一斉に送る。そのときにBCCとCCを間違えると、ここに当たる可能性があります。

1,000人を超えていれば、報告の対象になる書き方でした。

カートのメールマガジン機能を使っていれば、宛先は1件ずつ送られます。手作業に切り替えたときだけ、この事故が起きる形です。出したCSVをどう使うかを決めるときに、思い出しておきたい部分でした。

クレジットカードの番号は、そもそも手元にありません

1つ目の例を見て不安になるかもしれませんが、決済代行会社を通している場合、カード番号は店側に渡りません。この媒体の別の回で書いたとおりです。

注記のほうにも「クレジットカード番号の下4桁のみとその有効期限の組合せの漏えいであれば、直ちに報告対象事態には該当しない」とあります。

自分の管理画面やCSVに、カード番号の全桁が入っていないかだけ、一度確かめておく形になります。

出したCSVを、どう扱うか

ここからは公式の記述ではなく、手を動かすときの整理です。出したファイルをどう置くかという話になります。

やることは多くありません。置き場所を1か所に決めて、使い終わったら消す。それだけです。

迷うのは、消していいかどうかの判断でした。あとで使うかもしれないと思うと、残したままになります。

目安を並べます。

出したCSVの扱い

1. 置き場所を1か所に決める。デスクトップに置きっぱなしにしない

2. ファイル名に出した日を入れる(いつのデータか分からなくなるため)

3. 集計が終わったら、集計結果だけ残してもとのCSVは消す

4. メールに添付して自分に送らない(受信箱にコピーが残るため)

※ここは公式の記述ではなく、自分で整理した手順です

集計結果には、名前を残さなくて済みます

最後に買ってから何か月たったか、何回買ってくれたか。こういう集計をするとき、結果の表に名前やアドレスを残す必要はありません。

何人がどの層にいるか、という形にまとめれば、個人を特定する情報は要らなくなります。もとのCSVを消しても、判断に使う数字は残ります。

個別に連絡したいときだけ、カートの管理画面に戻って絞り込む。この形なら、手元に置いておく時間を短くできます。

まとめと、確認できなかったこと

確かめた内容を並べ直します。3社の公式ヘルプと、個人情報保護委員会のページから引いたものです。

そして、確かめられなかったことも書きます。楽天市場やAmazonのような大きなモールで顧客情報がどう扱われるかは、公開されているページを見つけられませんでした。

仕様も法令の運用も変わります。とくにBASEの記述は「現状は」という言い方なので、そのときのヘルプを見てください。

確かめたこと

BASEは、現状は顧客情報をダウンロードできない。顧客はメールアドレスを元に統合されている

STORESは、CSVで一括ダウンロードできる。有料プラン限定でパソコン専用。初回購入日・最終購入日・購入回数・利用金額が出せる

カラーミーショップは、顧客データと商品データをCSVで出せる。丸ごとのバックアップ機能はない

漏えい等報告は4つの類型。いずれも「またはそのおそれ」を含む

1,000人超へのメールをCCで一括送信した場合が、例として挙げられている

確認できなかったこと

楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazonで顧客情報をどこまで持ち出せるか。出店者向けの案内は公開されているページを見つけられませんでした

Shopifyの顧客データの書き出し仕様。ヘルプの該当ページを開けませんでした

個人のネットショップがどこまでの安全管理措置を求められるかの具体的な線引き

※BASE ヘルプ・STORES ヘルプ・カラーミーショップ ヘルプ・個人情報保護委員会の各ページを確認したものです。仕様と運用は変わります。個別の判断は専門家に確認してください。

よくある質問

BASEで顧客リストを書き出せますか

できません。BASEのヘルプには「大変申し訳ございませんが、現状は顧客情報をダウンロードすることができません」と書かれています。ただし、管理画面の中では顧客グループを作ってメールマガジンを送ることができ、顧客メモや性別・生年月日の欄も用意されています。困るのは、別のメール配信サービスを使いたいときや、表計算ソフトで集計したいとき、カートを変えたいときです。

STORESのCSVには何が入っていますか

ヘルプに一覧があり、登録日、メールアドレス、顧客名(姓・名)、電話番号、会員・非会員、ランク、有効ポイント、累計ポイント、性別、生年月日、利用したことのある店舗、初回購入日、最終購入日、利用金額(通算)、購入回数(通算)、バーコード番号、会員番号、郵便番号、国名、都道府県、住所、メルマガ配信、メモ、退会日が挙げられています。ただし「ご利用のサービスにより表示される項目が異なります」とも書かれているので、出してから列を確かめてください。

同じ人が2人に分かれてしまいます

BASEの場合、ヘルプに「顧客情報につきましては、『メールアドレス』を元に顧客情報を統合しています」と書かれています。同じ人が別のメールアドレスで買うと、別の顧客として扱われることになります。携帯のアドレスからパソコンのアドレスに変えた場合などが当てはまります。リピーターの人数を見るときは、この作りを頭に入れておく形になります。

顧客リストが漏れたら、どうなりますか

個人情報保護委員会のページに、報告が義務付けられている4つの要件が挙げられています。要配慮個人情報が含まれる場合、不正に利用されることにより財産的被害が生じるおそれがある場合、不正の目的をもって行われたおそれがある行為による場合、そして本人の数が1,000人を超える場合です。いずれも「又はそのおそれ」が含まれます。期限については「発覚したら、まずは速やかに報告してください」とあり、不正な目的で行われたおそれがある場合は発覚日から60日以内と書かれています。個別の判断は専門家に確認してください。

メールマガジンを自分で送ってもいいですか

送れますが、宛先の入れ方に注意が要ります。個人情報保護委員会のページには、報告が必要になる例として「自社の会員(1,000人超)にメールマガジンの配信を行う際、本来メールアドレスをBCC欄に入力して送信すべきところをCC欄に入力して一括送信した場合」が挙げられています。カートのメールマガジン機能を使えば宛先は1件ずつ送られるので、手作業に切り替えるときだけ気をつける形になります。

自分のカートで、顧客情報が書き出せるか確かめる

できるかどうかは、管理画面を1回開けば分かります。できないカートを使っているなら、先に知っておくほうが困りません。

Shopifyの公式サイトを見る

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