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同梱物に何を入れるか|おまけの上限は「取引価額の10分の2」と決まっていた

段ボール箱にテープを貼って封をしているところ

箱を開けたときに何が入っているか。ここは、商品そのものの次に印象を左右する部分です。ただ、何を入れればいいのかは決めにくいところでもあります。

お礼状、クーポン、ショップカード、アンケート、おまけ。全部入れると、どれも読まれません。

そして調べてみると、同梱物には法律が関わってくる部分がありました。おまけの金額には上限があり、アンケートを入れるなら先に書いておくことがあります。 条文と公的機関の公開情報で確かめたので、実費と一緒に書きます。

同梱物は3枚に分ける

先に結論を書きます。紙は3枚まで。それぞれ役割を1つだけ持たせます。

役割を混ぜると、どれも中途半端になります。お礼を書きながら次回の割引も案内して、ついでにSNSのフォローもお願いする。この1枚は、受け取った側からすると広告として処理されます。

分けたときの並びは、開ける順番に合わせます。箱を開けて最初に目に入るものから、順に役割を移していく形です。

枚数を3枚までにしているのは、それ以上入れても読まれないからです。紙が増えるほど、1枚あたりに割かれる時間は短くなります。5枚入っていたら、たいてい全部まとめて脇に置かれます。

1枚目:お礼だけ

買ってくれたことへのお礼。商品の扱い方が必要なら、ここに添えます。売り込みは書きません

2枚目:次に買う理由

クーポン、次回の入荷予定、関連する商品。期限を入れておくと動きます

3枚目:連絡先

ショップカード。困ったときにどこへ連絡すればいいかが、手元に残ります

減らすなら、3枚目から残す

全部作る必要はありません。1枚から始めるなら、どれを残すか。

おすすめは3枚目です。連絡先が手元にあると、問い合わせがメールで来ます。問い合わせが来る店のほうが、返品も低評価も減ります。 聞ける相手がいないから、黙って返品するか、レビューに書くことになります。

次に足すなら1枚目のお礼です。2枚目のクーポンは、売るものが増えてからで間に合います。1商品しか扱っていない段階では、次に買うものがありません。

おまけの上限は、法律で決まっていた

紙だけでなく、おまけを入れる店もあります。サンプル、ちょっとしたお菓子、ノベルティ。

ここには景品表示法が関わります。購入者全員にもれなく付けるものは「総付景品」と呼ばれていて、金額の上限が決まっていました。

抽選で当たる形ではなく、買った人全員に配るもの。同梱物のおまけは、ほとんどがこちらに入ります。ベタ付け景品と呼ばれることもあります。

上限は一律ではなく、買ってもらった金額に応じて変わる作りになっていました。消費者庁が表の形で公開しています。

総付景品の限度額

取引価額が1,000円未満のとき → 景品類の最高額は200円

取引価額が1,000円以上のとき → 景品類の最高額は取引価額の10分の2

出典:消費者庁「景品規制の概要」

具体的に当てはめると

3,000円の商品を買ってくれた人におまけを付けるなら、上限は600円です。10,000円なら2,000円まで。800円の商品なら、取引価額が1,000円未満なので200円までになります。

同じページには、消費者庁長官が景品類の提供を制限したり禁止したりできる、という説明もありました。気前よくやりすぎると、そちらの対象になります。

実務上は、この上限に当たることはあまりありません。ただ、高額なノベルティを付けて話題にしようとするときは、先に計算しておく項目です。金額は、その景品を消費者が買うとしたらいくらか、という考え方で見ます。

アンケートを入れるなら、先に利用目的を書く

同梱物にアンケート用紙を入れて、返送してもらう。よくある方法ですが、ここには個人情報保護法が関わります。

紙に名前や連絡先を書いてもらうと、本人から直接書面で個人情報を取得することになるからです。条文を引きます。

個人情報取扱事業者は、前項の規定にかかわらず、本人との間で契約を締結することに伴って契約書その他の書面…に記載された当該本人の個人情報を取得する場合その他本人から直接書面に記載された当該本人の個人情報を取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない。

出典:個人情報の保護に関する法律 第21条第2項(e-Gov法令検索。中略は筆者)

ここで大事なのは「あらかじめ」という言葉です。

同じ条文の第1項は、取得した後に通知するか公表すればよい、という書き方になっています。ところが書面で直接もらう場合は第2項が適用されて、先に明示することが求められます。あとから伝えるのでは足りません。

アンケート用紙に1行入れるだけです

やることは単純で、アンケート用紙の中に利用目的を書いておきます。「いただいたご回答は、商品とサービスの改善のために使用します」のような1行です。

メールマガジンに使うつもりがあるなら、それも書きます。書いていない使い方はできません。

なお、同じ条文の第4項には適用しない場合が4つ並んでいて、その4号は「取得の状況からみて利用目的が明らかであると認められる場合」となっています。個人情報保護委員会の公開しているFAQでは、懸賞の連絡先を抽選と発送だけに使う場合が、この例として挙げられていました。ただ、迷うくらいなら書いておくほうが早いです。 1行で済みます。

1枚増やすと、送料が上がることがある

ここは見落としやすいところです。同梱物は紙なので重さはほとんど増えませんが、厚さの区分に引っかかることがあります。

重さで料金が決まる方法なら、紙の数枚は誤差の範囲です。ところが薄型の配送方法は、厚さで区分が分かれています。ここに同梱物が効いてきます。

紙1枚は0.1mm程度でも、封筒に入れると空気の層ができます。緩衝材と重なると、想像より膨らみます。

日本郵便のゆうパケットは、厚さで運賃が3段階に分かれていました。公式サイトの料金表を引きます。

ゆうパケットの運賃(厚さ別・全国一律)

1cm以内 → 250円(税込み)

2cm以内 → 310円(税込み)

3cm以内 → 360円(税込み)

出典:日本郵便「ゆうパケット」。荷物の縦・横・高さの合計60cm以下、長辺34cm以内、重さ1kgまでが対象

1cmの壁を超えると、1件あたり60円

薄い商品を1cm以内で送っていた店が、同梱物と緩衝材を足して1cmを超える。これだけで1件あたり60円上がります。

月に100件なら6,000円です。同梱物の印刷代より、送料の増分のほうが大きくなることがあります。

対処は簡単で、封をする前に一度定規を当ててみることです。ぎりぎり超えているなら、紙を1枚減らすか、薄い紙に変える。あるいは緩衝材を見直します。厚さで決まる料金体系を使っているなら、ここは毎回効いてきます。

クリックポストは10月1日から差し出し方が変わる

薄い荷物をクリックポストで送っている場合、直前の変更があります。日本郵便が出している案内です。

2026年10月1日以降、クリックポストの差し出しは原則として郵便差出箱への投函になります。窓口で預かってもらえるのは、厚さ3cm以下のものに限る、とされていました。

運賃については、公式ページに「運賃は日本全国一律185円」「重量 1kg以内 185円」と記載されています。この案内は差し出し方法についてのもので、料金やサイズの変更は書かれていませんでした。

厚さが3cmを超えていた店は、確認が必要

いままで窓口に持ち込んでいて、厚さが3cmを少し超えていた。こういう運用をしていた場合は、10月から窓口で受けてもらえないことになります。

同梱物を足して厚さが増えているなら、ここも一緒に測っておいてください。発送の直前に気づくと、その日は出せません。

印刷にいくらかかるか

3枚作るとして、いくらかかるのか。ネット印刷の公式サイトに出ている価格を並べます。少部数で始める前提の金額です。

印刷は部数が増えるほど1枚あたりが下がる仕組みなので、少ない部数だと割高に見えます。ただ、始めるときは内容が固まっていないので、少なく作って早く直すほうが結果として安く済みます。

以下はいずれも、条件を固定した状態で公式サイトに表示されていた金額です。仕様と税込か税別かも一緒に書きます。

ショップカード(名刺サイズ)

100部 1,577円〜(送料・税込)

仕様:名刺サイズカード(91×55mm)/マット紙220kg/両面カラー。最短出荷日は翌日と案内されています

チラシ(A4)

100部 1,916円〜(送料・税込)マット紙90kg・両面カラー

100部 2,048円〜(送料・税込)コート紙90kg・両面カラー

シール

100枚 2,471円〜(税込)強光沢紙

100枚 2,824円〜(税込)光沢紙

出典:ラクスル公式サイト。A6・A5サイズの単価は料金表のページでご確認ください。この記事ではA4で確認できた金額のみ掲載しています

1件あたりに直すと

ショップカードを100部作ると、1枚あたり約16円です。チラシは約19円。両方入れても1件あたり35円前後になります。

さきほどの送料の話と比べてみてください。厚さが1cm超えたときの60円のほうが、紙代より大きいという結果になります。

枚数を増やすほど1枚あたりは下がりますが、デザインを変えたくなったときに余ります。最初は100部で作って、内容が固まってから増やすほうが無駄が出ません。

3枚それぞれに何を書くか

ここからは、確かめた制約の中で何を書くかという話です。法律の話ではなく、こちらの考え方として書きます。

いずれも、1枚あたりの分量は少ないほうが読まれます。名刺サイズなら数行、A6でも10行程度に収まる量にします。

書きたいことは、たいてい多すぎます。作っているときは全部大事に思えるので、削るのは後からのほうが楽です。一度書き出してから、役割に合わないものを別の紙に移していきます。

移し先が無いものは、入れなくていいものです。そう判断すると、枚数が増えずに済みます。

1枚目(お礼)に書くこと

買ってくれたことへのお礼

商品の扱い方や手入れの方法(必要なものだけ)

不具合があったときの連絡先。ここには割引やSNSの案内を書きません

2枚目(次に買う理由)に書くこと

クーポンコードと、使える期限

次の入荷や新作の予定

買った商品と一緒に使えるもの

3枚目(連絡先)に書くこと

店名とショップのURL

問い合わせ用のメールアドレス

SNSのアカウント名。財布に入るサイズにしておきます

クーポンには必ず期限を入れる

期限の無いクーポンは、いつでも使えるので今は使いません。そのまま忘れられます。

期限を入れるなら、短すぎないほうがいいと思います。1週間だと届いてすぐの数日しかありません。1か月から2か月くらいが、使う機会が1回は来る長さになります。

それから、クーポンの割引幅にも気をつけてください。次回500円引きのようなクーポンは、おまけではなく値引きなので総付景品の上限とは扱いが違います。ただ、利益の計算は別途必要になります。

同梱物に書く義務がある事項は、見つからなかった

調べる前は、同梱する書面に書かなければいけない事項が法律で決まっているのかと思っていました。納品書に何を書くか、といった話です。

特定商取引法の条文を確かめましたが、通常の通信販売で、同梱物そのものに記載義務を課す条文は見つかりませんでした。

書面での通知義務が出てくるのは第13条で、これは前払いで代金を受け取ったときの話です。入金してから発送まで間が空く場合の通知にあたります。同梱物とは別の話なので、そちらは別の記事にまとめています。

義務が無いからこそ、自由に設計できる

書く内容が決まっていないということは、こちらで決めていいということでもあります。

だから、3枚に分けるという形も選べます。納品書のフォーマットに縛られる必要はありません。金額の明細が必要な人のために納品書を入れるかどうかも、自分で決められます。

なお、領収書を求められたときの対応は別の論点になります。ここでは扱っていません。

この記事で確認した内容のまとめ

条文と公的機関の公開情報、各社の公式サイトで確かめた内容を並べ直します。法律に関わる部分から先に見てください。

それから、確かめられなかったことも一緒に書きます。金額は、公式サイトに出ていたものだけを載せています。検索結果に出てくる他社の単価は、条件を固定した画面まで到達できなかったので扱っていません。

同梱物は、一度作ると当分そのまま使うものです。作る前にこの一覧を見ておくと、あとから刷り直す手間が減ります。

おまけの上限(景品表示法)

取引価額1,000円未満 → 200円まで

取引価額1,000円以上 → 取引価額の10分の2まで

アンケート(個人情報保護法)

書面で直接もらう場合は、第21条第2項によりあらかじめ利用目的を明示する

アンケート用紙に1行入れておけば足ります

送料への影響

ゆうパケットは厚さで運賃が変わる。1cm以内250円/2cm以内310円/3cm以内360円(税込み)

クリックポストは2026年10月1日以降、原則ポスト投函。窓口は厚さ3cm以下に限る

印刷の実費

ショップカード100部 1,577円〜(送料・税込)

A4チラシ100部 1,916円〜(送料・税込)

シール100枚 2,471円〜(税込)

確認できなかったこと

A6・A5サイズのチラシの単価(A4のみ確認)

他社の印刷単価(料金表が画面上で選択して表示する作りのため、条件を固定した数字を確認できませんでした)

※e-Gov法令検索の条文、消費者庁・日本郵便・ラクスルの公式サイトを確認したものです。料金と法令は変わります。法律の適用については、自分の売り方に当てはまるかどうかを専門家に確かめてください。

よくある質問

おまけはいくらまで付けていいですか

購入者全員にもれなく付けるものは総付景品と呼ばれ、限度額が決まっています。消費者庁の公開している表では、取引価額が1,000円未満の場合は景品類の最高額が200円、1,000円以上の場合は取引価額の10分の2とされています。3,000円の商品なら600円まで、10,000円なら2,000円までです。金額は、その景品を消費者が買うとしたらいくらか、という考え方で見ます。実務で当たることは多くありませんが、高額なノベルティを付けるときは先に計算しておいてください。

アンケート用紙を同梱したいのですが、注意点はありますか

紙に書いて返してもらう形は、本人から直接書面で個人情報を取得することにあたります。個人情報の保護に関する法律の第21条第2項に「あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならない」とあります。あとから伝えるのでは足りません。アンケート用紙の中に「いただいたご回答は、商品とサービスの改善のために使用します」のような1行を入れておけば足ります。メールマガジンに使うつもりがあるなら、それも書いておいてください。

同梱物は何枚くらいがいいですか

3枚までをおすすめします。お礼、次に買う理由、連絡先。それぞれ役割を1つだけ持たせます。役割を混ぜると、受け取った側からは広告として処理されてしまいます。1枚から始めるなら、連絡先のショップカードを残してください。連絡先が手元にあると、問い合わせがメールで来ます。聞ける相手がいない状態だと、黙って返品されるか、レビューに書かれることになります。

同梱物を増やすと送料は変わりますか

厚さで料金が決まる方法を使っているなら変わります。日本郵便のゆうパケットは、厚さ1cm以内が250円、2cm以内が310円、3cm以内が360円(いずれも税込み)と3段階になっています。紙を足して1cmを超えると、1件あたり60円上がります。月100件なら6,000円です。ショップカードの印刷代が1枚あたり約16円であることを考えると、送料の増分のほうが大きくなります。封をする前に定規を当てて確かめてください。

納品書には決まった書き方がありますか

特定商取引法の条文を確かめましたが、通常の通信販売で、同梱物そのものに記載義務を課す条文は見つかりませんでした。書面での通知義務が出てくるのは第13条で、これは前払いで代金を受け取ったときの話です。入金から発送まで間が空く場合の通知にあたるもので、同梱物とは別になります。義務が決まっていないということは、こちらで自由に設計できるということでもあります。金額の明細が必要な人のために納品書を入れるかどうかも、自分で決められます。

まず、定規を1本置いてください

同梱物を足す前に、いまの厚さを測ってみてください。1cmの壁を超えると、1件あたり60円変わります。紙代より大きい差になります。

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