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住宅ローンの必要書類|「いつ取れるか」は法律で決まっている。取得元と時期の逆算【2026年版】

住宅ローンの申込書類とカレンダー。書類の取得時期を逆算する

住宅ローンの必要書類を調べると、金融機関ごとの一覧表が出てきます。本人確認書類、収入を証明する書類、物件の資料。並べ方はどこも似ています。

ただ、実際に手が止まるのは一覧に載っていないところでした。その書類はどこで取るのか。何日かかるのか。どの記載を指定して請求するのか。そしてそもそも、今の時期に発行してもらえるのか。

この記事は、書類の名前を並べる記事ではありません。「いつ・どこで・どの記載で取るか」を、法令と公的機関の案内だけを根拠に整理します。

使うのは、住宅金融支援機構【フラット35】が公表している共通必要書類、所得税法第226条、地方税法第313条・第317条の6・第321条の4、住民基本台帳法第7条・第12条・第20条、番号法第19条・第20条、そして国税庁の納税証明書の交付請求手続です。

結論:詰まるのは「収入を証明する書類」の1点

フラット35が共通で求めている5点

金融機関ごとに必要書類は違います。ただ、住宅金融支援機構は「お申込みにあたり取扱金融機関で共通して必要となる書類」を公表しており、ここが出発点として使えます。新築でも中古でも、表の中身は同じでした。

No 提出書類 どこから来るか
1 借入申込書/今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書 金融機関が用意
2 所得を証明する書類(借入申込年の前年および前々年の公的収入証明書) 市区町村/税務署
3 売買金額の確認書類(売買契約書の写し) 不動産会社・売主
4 住宅の登記事項証明書 法務局
5 土地の登記事項証明書 法務局

新築の場合、4には「お申込時において既に住宅が竣工している場合」という注がつきます。まだ建っていなければ登記されていないので、当然そうなります。

「所得を証明する書類」は、源泉徴収票ではない

2番が、この記事の中心です。機構が求めているのは「公的収入証明書」で、例として挙げられているのは次のものです。

【給与所得のみの方】特別徴収税額の通知書、住民税納税通知書、住民税課税証明書等の公的収入証明書

源泉徴収票は、この例示に入っていません。勤務先が発行する書類だからです。

源泉徴収票が出てくるのは、表の本体ではなく注のほうでした。「前年の証明書については、源泉徴収票でお申込みできる場合があります。その場合、資金のお受取りの手続を始められる前に公的収入証明書を提出いただく必要があります」。

つまり源泉徴収票は申込みの段階での代替であって、最終的には公的収入証明書が要ります。「源泉徴収票を出したから収入の書類は済んだ」と考えていると、決済前にもう一度取りに行くことになります。

自営業・法人役員は、税務署の書類になる

給与所得のみではない場合、機構が挙げているのは「納税証明書(所得金額用)および確定申告書(写)等」です。

「所得金額用」というのは、国税庁が定める納税証明書の種類のうちその2にあたります。納税証明書には4種類あり、番号を間違えると所得金額が載っていない証明書を受け取ることになります。種類と手数料の算式は、後の章で表にしました。

あわせて確定申告書の写しも挙げられています。e-Taxで提出している場合、紙の収受日付印がないため、受信通知(メール詳細)を添えるのが一般的な扱いです。何を「控え」として認めるかは金融機関によって分かれるので、申告方法を伝えたうえで確認してください。

給与所得と事業所得の両方がある方も、この区分では「給与所得のみ以外の方」に入ります。会社員でも副業の確定申告をしている場合は、税務署側の書類が必要になる可能性があります。

求められるのは「前年および前々年」の2年度分

住民税は、前年の所得に課税される

機構の表は「借入申込年の前年および前々年」と書いています。2年分です。

ここで、年度と年分のずれが出ます。地方税法第313条第1項が、こう定めています。

「所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」

住民税は前年の所得に対してかかります。したがって、令和8年度の住民税課税証明書に載っているのは令和7年分の所得です。年度と年分が1つずれます。

2026年に申し込むなら、どの年度を取るか

2026年(令和8年)に申し込む場合、前年は令和7年分、前々年は令和6年分の所得です。これを住民税の証明書で示すと、次のようになります。

機構の要求 所得の年分 請求する証明書
前年 令和7年分 令和8年度の課税証明書
前々年 令和6年分 令和7年度の課税証明書

窓口で「2年分ください」と言うと、どちらの数え方で受け取られるかが分かれます。年度で指定してください。「令和8年度と令和7年度の課税証明書を1通ずつ」と言えば、行き違いが起きません。

証明書の名称は自治体によって課税証明書・所得証明書・課税所得証明書などと分かれます。名称ではなく「所得金額が記載されているもの」と伝えるのが確実です。

書類が手元に届く日は、法律で決まっている

1月31日:源泉徴収票の交付

所得税法第226条第1項は、給与を支払う者に対して、源泉徴収票を2通作成し、「その年の翌年一月三十一日まで(年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内)に、一通を税務署長に提出し、他の一通を給与等の支払を受ける者に交付しなければならない」としています。

交付は義務です。そして期限は翌年1月31日。年の途中で退職した場合は、退職の日以後1か月以内です。

1月31日:給与支払報告書が市区町村へ届く

同じ日付が、もう1つあります。地方税法第317条の6第1項です。

「一月一日現在において給与の支払をする者(中略)は、同月三十一日までに(中略)当該給与の支払を受けている者についてその者に係る前年中の給与所得の金額その他必要な事項を(中略)給与支払報告書に記載し、これを当該市町村の長に提出しなければならない」

勤務先から市区町村へ、前年の給与所得が報告されます。これが、その年度の住民税を計算する材料になります。

5月31日まで:特別徴収税額の通知

市区町村が計算した結果が本人に届くタイミングも、条文にあります。地方税法第321条の4第2項です。

「市町村長が前項後段の規定により特別徴収義務者及び特別徴収義務者を経由して納税義務者に対してする通知は、当該年度の初日の属する年の五月三十一日までにしなければならない」

会社員が毎年5月から6月ごろに勤務先から受け取る「住民税決定通知書」が、これにあたります。機構が公的収入証明書の例として最初に挙げている特別徴収税額の通知書です。

だから、源泉徴収票での代替が用意されている

3つの日付を並べると、機構の注の意味が分かります。

1月31日には源泉徴収票が手元に来ます。しかし、その同じ前年分の所得が公的な証明書の形になるのは、早くても住民税の計算が終わったあとです。特別徴収税額の通知は5月31日までとされています。

つまり2月から5月ごろに申し込む人は、前年分の公的収入証明書をまだ持っていません。だから「前年の証明書については、源泉徴収票でお申込みできる場合があります」という代替が置かれ、同時に「資金のお受取りの手続を始められる前に公的収入証明書を提出いただく必要があります」という条件がついています。

前年の所得が「公的な証明書」になるまでの法定期限 1月 3月 5月 7月 9月 1月31日 源泉徴収票の交付(所法226条1項) 給与支払報告書の提出(地法317条の6第1項) 5月31日まで 特別徴収税額の通知(地法321条の4第2項) 前年分の公的収入証明書がまだ無い期間 → この時期の申込みで源泉徴収票の代替が使われる 出典:所得税法226条/地方税法317条の6・321条の4(e-Gov法令検索)/住宅金融支援機構【フラット35】融資手続・必要書類 ※課税証明書が実際に窓口で取れる時期は市区町村によって異なります。法定の期限のみを示しています。

住民票は、請求書の書き方で中身が変わる

住民票に記載される項目は法律が決めている

機構の注意事項には「これら以外の書類(住民票、重要事項説明書(写)等)も必要となる場合があります」とあります。住民票は多くの金融機関で求められます。

住民基本台帳法第7条が、住民票の記載事項を列挙しています。氏名、氏名の振り仮名、出生の年月日、男女の別、世帯主との続柄、戸籍の表示(本籍)、住民となった年月日、住所と定めた年月日、従前の住所、個人番号、住民票コードなどです。

「特別の請求」がなければ、省略されることがある

ここが実務で効きます。同法第12条第5項です。

「市町村長は、特別の請求がない限り、第一項に規定する住民票の写しの交付の請求があつたときは、第七条第四号、第五号及び第八号の二から第十四号までに掲げる事項の全部又は一部の記載を省略した同項に規定する住民票の写しを交付することができる」

省略できるとされているのは、第7条の次の号です。

  • 第4号:世帯主かどうか、世帯主の氏名および世帯主との続柄
  • 第5号:戸籍の表示(本籍・筆頭者)
  • 第8号の2:個人番号
  • 第9号から第14号:選挙人名簿の登録、各保険の資格、住民票コードなど

条文は「省略した写しを交付することができる」という書き方です。省略するかどうかは市区町村の運用ですが、「特別の請求」があれば省略されません。金融機関から続柄や本籍の記載を求められているなら、交付請求書の該当欄で明示的に「記載する」を選んでください。

逆に言えば、何も指定しないで取った住民票に続柄が載っておらず、出し直しになることがあります。金融機関に「どの記載が必要か」を先に聞いてから請求するのが手戻りを防ぎます。

個人番号は、扱いが別

個人番号も第12条第5項で省略できる項目に入っていますが、こちらは逆方向の注意です。

番号法第20条は「何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない」としています。前条、つまり第19条には、個人番号利用事務や個人番号関係事務を処理する場合などの例外が並びます。

収集と保管が原則として禁じられている以上、金融機関が必要としていない場面で個人番号が記載された住民票を渡すべきではありません。個人番号の記載が要るかどうかを確認し、不要なら「記載しない」で請求してください。

誰が請求できるか

第12条第1項は、住民票の写しを請求できる者を「自己又は自己と同一の世帯に属する者に係る」ものと定めています。別世帯の家族の分は、この条文では請求できません。収入合算やペアローンで別世帯の方の住民票が要る場合は、本人に取ってもらうか、委任状による代理請求になります。

なお同条第7項は「郵便その他の総務省令で定める方法により(中略)送付を求めることができる」としており、郵送請求も条文に根拠があります。遠方の本籍地や旧住所地から取る場合に使えます。

市区町村・税務署・法務局から取る書類

市区町村から取るもの

住民票のほかに、住宅ローンで求められることがあるのは次の書類です。

  • 住民税課税証明書・所得証明書:年度で指定する(前述)
  • 印鑑登録証明書:契約・登記の段階で必要になる
  • 戸籍の附票の写し:住所の履歴を示す必要があるとき

戸籍の附票については、住民基本台帳法第20条第1項が請求できる人を定めています。「戸籍の附票に記録されている者(中略)又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属」です。住民票より請求できる範囲が広く、本籍地の市区町村に請求します。

印鑑登録証明書の発行要件と手数料は各自治体の条例によるため、金額は自治体の案内で確認してください。

税務署から取るもの。納税証明書は4種類ある

自営業や法人役員の場合、機構が挙げているのは「納税証明書(所得金額用)」です。国税庁の「G-1 納税証明書の交付請求手続」は、納税証明書を4種類に分けています。

種類 証明内容
その1 納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明
その2 所得金額の証明
その3 未納の税額がないことの証明
その4 証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明

「所得金額用」はその2です。その1と間違えると、所得金額が載っていない証明書を持って行くことになります。

手数料も算式で示されています。その1・その2は「税目数 × 年度数 × 枚数 × 370円」、その3・その4は「枚数 × 370円」です。年度数が掛かるので、2年分を取れば2倍になります。

請求方法は、税務署の窓口、郵送、そしてオンラインの3通りです。国税庁は「納税証明書の請求から受取までの手続について、スマートフォン、タブレット、パソコンを利用したオンラインでの手続きが可能となっております」としており、オンラインで請求して窓口で受け取る方法なら電子証明書も不要とされています。窓口は8時30分から17時まで、土日祝は受付がありません。

法務局から取るもの

機構の共通書類では、住宅の登記事項証明書と土地の登記事項証明書の2通が求められています。マンションでも、敷地権の関係で複数通になることがあります。

登記事項証明書は請求方法で手数料が変わります。金額は家を売った年の確定申告のFAQに法務省の公表額を整理しました。オンラインで請求して窓口で受け取る方法がいちばん安くなります。

なお、購入時や過去の借入時に取得した登記事項証明書が手元にあっても、金融機関は発行から一定期間内のものを求めるのが通例です。使い回せるかどうかは事前に確認してください。

勤務先から取る書類には、交付義務がある

源泉徴収票は「交付しなければならない」

所得税法第226条第1項は、源泉徴収票を「交付しなければならない」と書いています。給与を支払う者の義務です。

年末調整の時期に配られるものを紛失した場合、勤務先に問い合わせることになります。この条文は最初の交付についての定めで、再発行そのものを義務づけたものではありませんが、勤務先は税務署に提出した控えを持っているのが通常です。

退職した年は、期限が違う

同項は「年の中途において退職した居住者については、その退職の日以後一月以内」としています。退職者への交付は、翌年1月31日を待たずに1か月以内です。

転職の直後に住宅ローンを申し込む場合、前職分の源泉徴収票はこの規定で受け取れているはずです。手元になければ、前職に請求してください。

この期限の違いには理由があります。年の途中で辞めた人は、その勤務先で年末調整を受けません。転職先での年末調整や自分の確定申告に前職分の源泉徴収票が要るため、退職後すぐに交付させる建て付けになっています。

住宅ローンの審査では、前年および前々年の収入を見られます。年をまたいで転職している場合、1つの年について2社分の源泉徴収票が必要になることがあります。公的収入証明書であれば市区町村が両方の給与支払報告書を合算しているので1通で足りますが、源泉徴収票で代替するなら会社ごとに揃えることになります。

電子で受け取っていても、書面を請求できる

源泉徴収票を社内システムからPDFでダウンロードする形の会社が増えました。所得税法第226条第4項は、本人の承諾を得て電磁的方法で提供できるとしたうえで、ただし書きでこう定めています。

「ただし、当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者の請求があるときは、当該源泉徴収票を当該給与等、退職手当等又は公的年金等の支払を受ける者に交付しなければならない」

請求すれば、書面の源泉徴収票を交付してもらえます。金融機関が原本の提出を求めていて、電子データしか手元にない場合は、この規定を根拠に勤務先へ依頼できます。

そのほか、追加で求められることがあるもの

機構の注意事項は「借入れのお申込み後、審査上の理由で、住民税納税証明書、直近時における給与明細の写しや給与振込通帳の写しなどの追加の書類提出をお願いする場合があります」としています。

直近の給与明細と給与振込の通帳は、申込み後に求められる典型です。転職直後で公的収入証明書に現職の収入が反映されていない場合に出番があります。申込み前に、直近3か月分程度を手元にまとめておくと動きが速くなります。

不動産会社・売主から受け取る書類

売買契約書の写しは、原本の提示を伴う

機構の共通書類3番は「売買金額が確認できる書類(売買契約書(写))」で、「確認書類の写しの提出にあたっては、原本を提示いただきます」と注記されています。写しだけを郵送して終わり、とはなりません。

また、申込時に売買契約書がまだない段階でも進められます。「借入申込時に『売買契約書(写)』を提出されず、パンフレット等のみを提出された場合は、資金のお受取りの手続を始められる前に『売買契約書(写)』をご提出いただく必要があります」。収入を証明する書類と同じ構造で、申込みの段階と資金受取りの段階で要求が変わります。

重要事項説明書の写し

注意事項に例示されている「重要事項説明書(写)」は、宅地建物取引業者が交付する書面です。中身の読み方は中古マンション購入の注意点で扱いました。

この書面は、ローンの審査で物件の内容を確認するために使われます。金融機関が見るのは、担保としての評価に関わる部分です。土地の権利の種類(所有権か借地権か)、法令上の制限、私道負担、そしてマンションなら管理費・修繕積立金の額と滞納の有無です。

コピーを渡すだけの書類と思われがちですが、金融機関が引っかかる箇所は、買主が引っかかるべき箇所と重なります。提出用にコピーを取るタイミングで、自分でも一度通して読んでおいてください。

適合証明書は、資金受取り前

フラット35に固有のものとして、「資金のお受取りの手続を始められる前に、借入対象となる住宅が住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを証明する適合証明書を提出いただく必要があります」とされています。

検査機関または適合証明技術者から交付を受ける書類で、申込時ではなく資金受取り前が期限です。中古マンションについては「中古マンションらくらくフラット35」として掲載されているマンションであれば、物件検査・適合証明手続を省略することができるとされています。検討している物件が掲載されているかどうかは、先に確認する価値があります。

取得の順番と、避けられる無駄

有効期限は法令ではなく、金融機関が決めている

「発行から3か月以内」といった条件をよく見ますが、これは住民票や課税証明書そのものに法令上の有効期限があるわけではありません。提出先が定める運用です。

したがって、何か月以内のものが必要かは、申し込む金融機関に確認するしかありません。ここを推測で決めて早く取りすぎると、審査が長引いたときに取り直しになります。

先に確認する3点

役所や法務局へ行く前に、金融機関へ確認しておくと往復が減るのは次の3点です。

  1. 住民票に必要な記載:続柄、本籍、個人番号のそれぞれについて、記載が要るか要らないか
  2. 公的収入証明書の年度:前年分を源泉徴収票で代替してよいか、その場合いつまでに公的収入証明書を出すか
  3. 発行からの期間:何か月以内のものを受け付けるか

3点とも、窓口で聞けばその場で答えが出る内容です。

収入合算・ペアローンは人数分

収入合算やペアローンを使う場合、収入を証明する書類と本人確認の書類は人数分必要になります。前年および前々年の2年度分という条件も人数分です。

住民票は同一世帯なら1通に両名が載りますが、別世帯の場合は第12条第1項の請求範囲の問題が出ます。誰がどの書類を取るかを先に割り振ってください。

親子リレー返済や、親族からの収入合算を使う場合も同じです。合算する相手が遠方に住んでいるなら、住民票と課税証明書を郵送で請求してもらうことになり、そのぶん日数がかかります。住民基本台帳法第12条第7項に郵送請求の根拠があるので手段はありますが、往復の時間は見込んでおく必要があります。

また、ペアローンは契約が2本になるため、契約時の印鑑登録証明書と収入印紙もそれぞれ必要です。申込みの段階だけでなく、契約と決済の段階でも人数分になる書類があることを、最初に把握しておいてください。

審査に落ちる理由は、書類の不備とは別

書類を完璧に揃えることと、審査に通ることは別の話です。金融機関が実際に何を見ているかは住宅ローン審査に落ちる理由で、信用情報を自分で確認する手順は信用情報の開示報告書の読み方で扱いました。

順番として効率がよいのは、信用情報の開示が先です。書類を全部揃えてから申し込んで、過去の支払遅延で止まると、集めた証明書の有効期間を使い切ってしまいます。開示は本人がいつでも請求できるので、物件が決まる前に済ませておけます。

もう1点。フラット35の注意事項には「今回の住宅取得以外の借入内容に関する申出書(兼 既融資完済に関する念書)」が1番の書類として挙がっています。自動車ローンやカードの分割払いなど、ほかの借入れを申告する書面です。信用情報には残っているので、書き漏らしても分かります。開示報告書を先に取っておけば、この申出書を正確に書けます。

まとめ

住宅ローンの必要書類でつまずくのは、名前が分からないからではなく、いつ・どこで・どの記載で取れるかが分からないからでした。

中心になるのは収入を証明する書類です。フラット35が求めているのは「借入申込年の前年および前々年の公的収入証明書」で、源泉徴収票は前年分の代替として使える場合があるだけです。住民税は前年の所得に課税されるため(地方税法第313条第1項)、年度と年分が1つずれます。年度で指定して請求してください。

時期も法律で決まっています。源泉徴収票の交付と給与支払報告書の提出はいずれも1月31日、特別徴収税額の通知は5月31日まで。2月から5月ごろの申込みでは前年分の公的収入証明書がまだ存在しないので、源泉徴収票での代替が用意されています。

住民票は請求書の書き方で中身が変わります。住民基本台帳法第12条第5項により、続柄・本籍・個人番号などは特別の請求がなければ省略された写しが交付されることがあります。必要な記載を先に確認してください。個人番号については、番号法第20条が収集と保管を原則として禁じています。

納税証明書は4種類あり、所得金額を証明するのはその2です。手数料は「税目数 × 年度数 × 枚数 × 370円」で、年度数の分だけ増えます。

そして、発行からの有効期間は法令ではなく金融機関が決めています。取りに行く前に3点だけ聞いてください。住民票に必要な記載、公的収入証明書の年度と代替の可否、そして受け付けられる発行からの期間です。

よくある質問(FAQ)

源泉徴収票だけで住宅ローンは申し込めますか

フラット35の場合、前年分については「源泉徴収票でお申込みできる場合があります」とされています。ただし同じ注に「その場合、資金のお受取りの手続を始められる前に公的収入証明書を提出いただく必要があります」と続きます。機構が求めているのは特別徴収税額の通知書、住民税納税通知書、住民税課税証明書などの公的収入証明書で、前年および前々年の2年分です。源泉徴収票は申込段階の代替にすぎないと考えて、公的収入証明書をいつ出すかまで金融機関に確認してください。民間の金融機関の扱いはそれぞれ異なります。

課税証明書は「令和8年度」と「令和8年分」のどちらで頼めばよいですか

年度で頼んでください。地方税法第313条第1項は「所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額とする」としており、住民税は前年の所得に課税されます。したがって令和8年度の課税証明書に載っているのは令和7年分の所得です。2026年に申し込んで「前年および前々年」を求められた場合、必要なのは令和8年度と令和7年度の2通になります。証明書の名称は自治体によって課税証明書・所得証明書などと分かれるため、「所得金額が記載されているもの」と伝えると確実です。

住民票に続柄が載っていないと言われました

請求時に指定していれば載ります。住民基本台帳法第12条第5項は「市町村長は、特別の請求がない限り(中略)第七条第四号、第五号及び第八号の二から第十四号までに掲げる事項の全部又は一部の記載を省略した(中略)住民票の写しを交付することができる」としています。第4号が世帯主との続柄、第5号が本籍の表示です。交付請求書には記載の要否を選ぶ欄があるので、必要な項目にチェックを入れて請求してください。なお同条第7項により郵送で請求することもできます。

マイナンバーが載った住民票を出してもよいですか

求められていないなら、記載しないで請求してください。番号法第20条は「何人も、前条各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報(他人の個人番号を含むものに限る。)を収集し、又は保管してはならない」としています。例外は第19条各号に限られます。個人番号も住民基本台帳法第12条第5項で省略できる項目(第7条第8号の2)に含まれているので、交付請求書で記載しない扱いを選べます。必要かどうかは金融機関に確認してください。

納税証明書の「その1」と「その2」はどちらが必要ですか

所得金額を証明するのは「その2」です。国税庁の納税証明書の種類は、その1が「納付すべき税額、納付した税額及び未納税額等の証明」、その2が「所得金額の証明」、その3が「未納の税額がないことの証明」、その4が「証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明」と分かれています。フラット35が給与所得のみ以外の方に求めているのは「納税証明書(所得金額用)」なので、その2にあたります。手数料はその1・その2が「税目数 × 年度数 × 枚数 × 370円」で、2年分なら年度数が2になります。

書類はいつ取りに行けばよいですか

先に金融機関へ3点を確認してから取りに行ってください。住民票に必要な記載(続柄・本籍・個人番号)、公的収入証明書の年度と源泉徴収票での代替の可否、そして発行から何か月以内のものを受け付けるかです。住民票や課税証明書そのものに法令上の有効期限はなく、「発行から3か月以内」といった条件は提出先が定める運用です。早く取りすぎると審査が長引いたときに取り直しになり、遅すぎると申込みが止まります。この3点が分かれば、往復せずに1回で揃います。

共通で必要な書類は機構が公表しています

フラット35の「お申込みにあたり取扱金融機関で共通して必要となる書類」は、新築・中古それぞれのページに載っています。収入を証明する書類の注記まで読んでおくと、資金受取り前の追加提出を見落としません。

フラット35(新築)
フラット35(中古)

本記事は一般的な情報提供を目的としています。必要書類と有効期間は金融機関によって異なるため、申し込む金融機関に必ずご確認ください。手数料や証明書の名称は市区町村により異なる場合があります。

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